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極上エンターテイメント〜明治安田生命J1リーグ第32節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 マッチレビュー〜

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神様仏様東口順昭

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第32節、横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌の一戦です。

 

オリジナルアルバムの配信も開始したのでそちらも観てね

 

一時はマリノスに追い風が吹いたかとも思われた2021年のJ1タイトルレースでしたが、不調に陥りつつあった川崎が苦しい状況ながらも粘り勝ちで勝点を伸ばしたのに対し、マリノスは直近5試合で2勝1分2敗と足踏み。川崎との勝点差は再び12にまで開いてしまいました。マリノスにとってはもはや一敗も、なんなら引き分けすら許されない状態です。最終節にマリノスvs川崎のカードが組まれているので、勝点差を詰めればそこでの勝負に持ち込める立場だけに、今のマリノスに出来る事、マリノスが考えるべき事は勝点3を取り続ける事のみです。

対する札幌は優勝・ACLも無ければ残留争いも無い、ややモチベーションの難しい立場ではありますが、ガンバ大阪「クラブ創立30周年記念試合」と銘打った前節でガンバをボコボコに破壊するなど、モチベーションに問題は全く無い事を証明してみせました。攻撃的なスタイルを信条とするチーム同士、娯楽性に富んだサッカーを期待できる一戦です。

両チームスタメンです。

 

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マリノスも札幌も前節からスタメンを3人変更。仲川輝人は第27節鹿島戦以来、松原健は第26節鳥栖戦以来の先発で、畠中槙之輔が負傷離脱したCB、チアゴ・マルチンスの相方は岩田智輝で固定されてきました。札幌は3バックの中央を務めた宮澤祐樹が今日は欠場という事でボランチの高嶺朋樹が最終ラインに入り、宮澤が欠場した代わりに、これまで離脱していた福森晃斗が復帰しました。

また、今日はティーラトンとチャナティップというタイ人プレーヤー同士の対決ともあって、タイ国内でも注目を集めているとの事。

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市日産スタジアムです。

日産スタジアムは今年は東京オリンピックのサッカー会場として、男女ともに決勝戦を開催するなど重要なベニューとして機能しました。それゆえにマリノスは6〜7月のホームゲームは全てニッパツ三ツ沢球技場で行い、8月末の鹿島戦からようやく日産での試合を再開…と思いきや、今度はアウェイ4連戦が入ってきた為、9月はホーム開催まさかのゼロ。またしても久し振りの日産…というシチュエーションになっています。今日こそケヴィン・マスカット監督は日産での初勝利を挙げられるでしょうか。

ちなみに、今日の試合は日本政府や自治体、Jリーグと連携した「ワクチン・検査パッケージ」の対象試合として行われ、対象者にはPCR検査も受けられるなど一つの試験材料としても重要な試合になっています。

 

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札幌は開始早々にいきなり、前節大活躍のルーカス・フェルナンデスが負傷退場というアクシデント発生。10分にも満たない時間で青木亮太との交代を余儀なくされましたが、前半はお馴染みとなったマンツーマンでマリノスをある意味半強制的にマリノス陣内に押し込むような展開に持ち込みます。札幌の圧力が一番廃ったとして出ていたのはCKの異常な多さで、マリノスは札幌の包囲網を前に正面から札幌の圧を受ける事となります。

23分、左サイドでCKを得た札幌は金子拓郎がクロスではなくエリア外の菅大輝へのパスを選択。すると菅が豪快に左脚を振り抜いて札幌先制!

 

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得点直後も札幌のフルスロットルは衰える事なく何度もチャンスを作りました。立て続けにCKから決定的な場面を作り、マリノスもGK高丘陽平のビッグセーブや岩田智輝のナイスカバーで失点は免れましたが、チアゴ・マルチンスと高丘が言い合うなどマリノスのフラストレーションは目に見えて表れるようになっていきました。前半は結局ずーっと札幌が押し込み続ける形で、前半は札幌リードで終えます。

 

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後半、マリノス扇原貴宏を下げて實藤友紀を投入して岩田を一列上げる事で札幌のインテンシティーに対応しようとします。しかし試合の流れはなかなか変わらず。54分には田中駿汰のパスに右サイドを抜け出した荒野拓馬の絶妙な折り返しに反応した小柏剛のシュートは枠の上。直後には再び小柏が抜け出してGKと1対1の場面を作られますが、これはカバーに入った松原健が間一髪クリア。57分には駒井善成が巧みなステップで喜田拓也を翻弄してシュートを放ち、高丘が防ぎましたが…マリノスにとってはまさしく地獄の10分間。

 

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地獄のような時間を経たマリノスは63分に天野純とエウベルを投入し、74分には杉本健勇水沼宏太をピッチに送り込んだマスカット監督は前田大然と杉本を2トップ、或いは水沼とエウベルをWGとした4トップに近い形にして、札幌のマンツーマンを掻い潜るような陣形に変更してからリズムを握り始めます。78分には水沼のクロスに前田が合わせるも僅かに枠の上。

しかし84分、ビルドアップで右から左にショートパスでサイドチェンジすると、左サイドからエウベルが上げたクロスを杉本が頭で合わせてマリノス同点!

 

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こうなると試合展開的にこれまでの疲労蓄積が札幌に一気にのしかかり、逆にマリノスは完全にノリにノったヒャッハー状態に突入します。88分、マリノスは左サイドで粘ると天野が強引に札幌のクロスをこじ開けてクロス。このボールにただ一人反応していた前田がワンタッチで合わせてマリノス逆転!!!

90分、最初から最後までずーーーっとハイテンションで繰り広げられたゲームは、マリノスが鮮やかな逆転勝利で優勝の可能性を繋ぎ止めました!

 

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素晴らしい試合でした。本当に面白い試合でした。見応え抜群というか、もう凄まじい試合でしたね。今季のJ1全体の中でのベストゲームの一つだったと思います。

札幌は70分くらいまでは本当に完璧でした。逆に言えば70分くらいまでのマリノスは完全に後手後手に回っていて、札幌への対処に全精力を使わなければならないような試合展開だった中で、マスカット監督が天野と杉本の投入でシフトした4-1-3-2は単に攻撃の枚数を増やすだけでなく、2トップ3トップ下のような形にする事で札幌のマンツーマンの的をあやふやにする効果を持っていました。札幌は70分ずっと完璧で、かつハイテンションでやっていただけに、一瞬上手くいかなくなる瞬間が訪れれば一気に心理的にこれまでの疲労が押し寄せてきた事でしょう。2点目の前田のゴールは如実にそれがピッチに出た形だと思いますし。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督もそれをわかっていたからこそ、明確なストロングを持つ外国籍選手の投入でやり方をガラッと変える事で活路を見出そうとしましたが……。

とにかく今日の札幌は素晴らしかったです。そして、札幌の攻撃を何とか食い止めながら、ベンチ含めた全体で活路を見つけ出したマリノスの修正力と、それに付随する素晴らしいアドリブ力が最後に上回った素晴らしい試合でしたね。極上のエンタメ試合でした。

 

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【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第32節

鹿島アントラーズ1-2川崎フロンターレ(9月22日)

FC東京1-1名古屋グランパス(9月22日)

サンフレッチェ広島0-1セレッソ大阪(9月22日)

サガン鳥栖1-1湘南ベルマーレ

浦和レッズ1-1ガンバ大阪

清水エスパルス0-1柏レイソル

横浜FC5-3徳島ヴォルティス

ヴィッセル神戸1-0アビスパ福岡

横浜F・マリノス2-1北海道コンサドーレ札幌

大分トリニータ(10月17日14:00)ベガルタ仙台

 

 

1位 川崎フロンターレ(81)

2位 横浜F・マリノス(72)

3位 ヴィッセル神戸(60)

4位 名古屋グランパス(57)

5位 浦和レッズ(55)

6位 鹿島アントラーズ(53)

7位 サガン鳥栖(52)

8位 アビスパ福岡(46)

9位 FC東京(46)

10位 サンフレッチェ広島(45)

11位 北海道コンサドーレ札幌(42)

12位 セレッソ大阪(39)

13位 柏レイソル(37)

14位 ガンバ大阪(34)

15位 清水エスパルス(32)

16位 徳島ヴォルティス(29)

17位 湘南ベルマーレ(28)

18位 横浜FC(25)

19位 大分トリニータ(24)※1

20位 ベガルタ仙台(23)※1

 

※1 31試合消化

 

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川崎、名古屋の試合がなかった上位陣は、2位横浜FMが勝利した事で首位川崎との勝点差は9に。ACL圏内を争う3位争いでは、神戸が終盤のドウグラスのゴールで福岡に勝利した事できっちり3位固めに成功。また、神戸は今日の勝利でクラブ最多記録となる勝点を獲得しました。

そして今節では残留争い直接対決が3試合組まれています。まずお互いに残留圏内には位置している15位清水と13位柏の一戦はアウェイの柏が1-0で勝利。最下位横浜FCと16位徳島の一戦は、徳島は一度は2点差を追いついて3-3としたものの、横浜FCが再度振り切って5-3と乱打戦を制しています。大分と仙台の直接対決は明日の14:00キックオフです。

 

 

いや面白かった…。

ではでは(´∀`)