ロッキンフクアリ
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第24節、川崎フロンターレvs横浜F・マリノスの一戦です!
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リーグ戦に限れば8戦無敗という状況で迎えた前節、マリノスは鹿島との首位天王山を迎えましたが、ホームで2-0…それもスコア以上の内容で完勝し、鹿島との勝点差はいよいよ8。鹿島は昨日の試合で広島に敗れた為、マリノスが今日勝てばいよいよ勝点差は11にまで拡がり、首位を固めるにはもはや独走体制に近い状況にもなっています。宮市亮の怪我を除いては、まさしく望んだ事が望んだ通りに叶っているようなマリノスの夏……その夏に於ける、最も重要な試合の一つが今日です。
川崎フロンターレ……昨季は最後までマリノスの前に立ちはだかった連覇中の王者ですが、一転して今季はマリノス、そして鹿島を追う立場になりました。川崎は新型コロナウィルスの感染者が複数出た影響で前節浦和戦ではベンチメンバー5人、うち3人がGKという過酷な戦いを強いられ、チームとしてまさしく野戦病院状態。しかし川崎は、2019年に叶わなかった3連覇の夢を叶える為には、何が何でもここでマリノスに勝たなければならない…逆に言えば、ここでマリノスに勝ち、未消化分の2試合も2勝出来れば、まだまだマリノスと戦えるだけの勝点差に持っていくことが出来ます。マリノスがいよいよ優勝へのカウントダウンを刻み始めるか、手負いの川崎が追い縋るか……まさしく運命はこの神奈川ダービーに委ねられました!
両チームスタメンです。
前節浦和戦と直近のルヴァン杯C大阪戦では非常に苦しい編成を強いられた川崎ですが、今日は18人のメンバーをGK2人+FP16人で構成する事が出来ました。スタメンの変更としては前節からは2人。山根視来とチャナティップがスタメンに戻り、橘田健人は前節に続いて左SBでの起用になっています。
対するマリノスも前節鹿島戦からは川崎同様にメンバーを2人変更。前節は實藤友紀がCBに入っていましたが、實藤が外れて前節はボランチの岩田智輝をCBにスライドし、岩田のいたボランチのポジションには藤田穣瑠チマが入りました。右SBも松原健から小池龍太に代え、畠中槙之輔もベンチに復帰しています。
今日は「プーマエキサイトマッチ」として開催。「26(ふろ)周年」にかけて、風呂タイルを連想させるユニフォームを着用している川崎ですが、今日は風呂上がりといえばコーヒー牛乳というところから着想を得たリミテッドユニフォームを着用。ルヴァン杯を含む8月のホームゲーム5試合はこのリミテッドユニフォームを着用して戦います。また、本日はフィンランド大使館も協力しての「かわさき水まつり」も開催され、スライダーやパドルボート、フィンランドサウナの体験会も実施。更にバレーボール元日本代表の川合俊一氏やさらば青春の光の森田哲矢氏が来場し、トークショーやモルック体験会も行われます。
明日で東京オリンピックの閉会式からちょうど1年です。等々力競技場は東京五輪の開催会場には入っていないものの、イギリス選手団が等々力競技場を練習拠点に事前キャンプを行なっていましたね。
構図としては、比較的スローテンポを維持した試合展開にしたい川崎と、ハイテンポな試合展開に持ち込む事で文字通り相手を制圧したいマリノス…みたいな形ですが、その観点で言えば望む試合の入りが出来たのは川崎の方でした。決定的なチャンスにまではなかなか持っていけず、敵陣でのプレー時間が長かった訳ではないものの、川崎は自陣がビルドアップをしながら隙を見て緩急をつけた攻撃でサイドを走らせ、マリノスの得意なペースに持ち込ませないようにゲームを進めます。
そんな中で25分でした。レアンドロ・ダミアンとエドゥアルドの接触プレーで一瞬緊張の糸が緩んだタイミングで、リスタートでボールを受けた谷口彰悟が右サイドへ大胆なサイドチェンジ。高い位置をとっていた山根がダイレクトでエリア内に入れると、ここにダミアンが突っ込んできて川崎先制!谷口・山根・ダミアン…Jリーグのトップオブトップに位置する3人の超次元サッカーみたいなプレーで得点に結びつけます。
失点に追い討ちをかけるかのようにマリノスは34分にアクシデント発生。ダミアンと接触プレーがあった西村拓真が負傷によりマルコス・ジュニオールとの交代を余儀なくされ、マリノスは交代カードを予期せぬ形で使う事態に陥ります。
それでも前半アディショナルタイムでした。家長昭博のスルーパスに抜け出した山根のクロスをDFが弾くと、そのボールを拾ったエウベルがマルコスとのワンツーから中央のエリアを爆走。追い縋る川崎守備陣を振り切って引きつけてからスルーパスを放つと、これに呼応して抜け出していた仲川輝人がGKチョン・ソンリョンとの1対1を制して同点!川崎もマリノスも、まさしくトップレベルである事を誇示するようなゴールを一つずつ奪った1-1で前半を終えます。
後半はやや川崎の方が攻めの時間が続きながらも、川崎は川崎でなかなかペースを確固たるものにはしきれない時間が続きます。そんな中で川崎は62分にチャナティップを下げて遠野大弥、マリノスは63分にアンデルソン・ロペスを下げてレオ・セアラを投入。
後半最初に特大の決定機を得たのはマリノスでした。65分、ジェジエウのパスミスを誘発すると、藤田→エウベルと繋いで見事なファーストタッチで抜け出した喜田拓也のシュート。しかしこれは右ポストに直撃し、こぼれ球を小池が仕切り直してレオ・セアラが折り返しましたが、詰めた仲川のシュートも枠を捉えられず。逆に川崎は68分、遠野の右CKからの混戦でマルシーニョが決定的なシュートを放つも、ここはエドゥアルドがブロック。
その後は審判の負傷交代もあった中で、川崎は71分に瀬古樹と小林悠、マリノスは83分に水沼宏太と山根陸を送り込みます。
主審の負傷もあって8分という長尺になったアディショナルタイム、マリノスは右からのパスを受けたレオ・セアラが巧みなターンで谷口を振り切るも、角度のないところから放ったシュートはチョン・ソンリョンがブロック。その直後、川崎はチョン・ソンリョンのロングフィードを前線に上がっていたジェジエウが競り勝つと、抜け出した山根視来が決定機を迎えますが…今度は岩田智輝のスーパーカバーでこれを阻止。
アディショナルタイムも8分が過ぎる頃、ジェジエウが脚を攣った事で前線に残し、山村をCBに下げた川崎。ラストワンプレー、最後のチャンスに小林の縦パスを受けた家長が右サイドから絶妙なクロス。ここに最後の力を振り絞って翔んだのはジェジエウ!!!!!!!
昨季終盤の大怪我で長期離脱を余儀なくされ、今季初めて等々力の地でプレーする川崎の絶対的なDFの魂の一撃はポストに当たってそのままゴールへ!あまりに劇的な幕切れ……死闘となった神奈川ダービーは、首位のマリノスを追う立場の川崎が劇的勝利を収めました!!
いや、衝撃的な幕切れでしたね…。
試合展開としては、どちらかと言えば終始川崎のペースではあったと思います。シュートチャンスは多くなかったものの、川崎はマリノスの望むハイテンポな試合展開には持ち込ませたくはなかったはずで、そういう意味では自陣からゆっくりボールを繋ぎながら、マリノスの波のような攻撃を制限した状態で戦う事は出来ていました。
ただ、それこそ仲川の同点弾がわかりやすい例ですが、その中でもチャンスに繋げられてしまうのが今のマリノスな訳で、川崎ペースとは書きながらも得点チャンスはマリノスの方が多かった。川崎からすればこの試合は引き分けでも痛手でしたし、満身創痍で戦っている状況の中で、後半はどうしてもアバウトになってしまう事も避けられなかった。そんな中でジェジエウ・谷口・チョンソンリョンを中心に何とか耐えた中で……最後のゴールは、この状況でも技術とクオリティを失わなかったベテラン2人の妙技と、もはや気力と神懸かった何かが働いたようなジェジエウのジャンプ…劇場と呼ぶに相応しいラストでしたね。ジェジエウにとってこれが昨年11月に負傷して以来の等々力だった事を思うと、川崎にもマリノスにも肩入れする立場じゃないですけど感動しました。
マリノスと比べて2試合少ない状態の川崎は、簡単な話ではないですけどこの2つを取れればマリノスとの勝点差を2にまで詰められます。川崎と言えば、かつてはシルバーコレクターの印象が強かったですが、非科学的ではありますけど、川崎が日本のビッグクラブとしての矜持はクラブとして持ち始めたようにも見えた…2021年にもそれを感じる試合がいくつかありましたが、クラブとしての底力を見せてくれたゲームでしたね。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第24節
1位 横浜F・マリノス(48)
2位 柏レイソル(42)
3位 セレッソ大阪(41)
4位 川崎フロンターレ(41)※1
5位 鹿島アントラーズ(40)
6位 サンフレッチェ広島(38)
7位 FC東京(35)
8位 サガン鳥栖(32)※2
9位 浦和レッズ(32)
10位 名古屋グランパス(29)※2
11位 北海道コンサドーレ札幌(28)
12位 アビスパ福岡(27)※2
13位 京都サンガFC(26)
14位 湘南ベルマーレ(25)
15位 清水エスパルス(24)
16位 ガンバ大阪(22)※2
17位 ジュビロ磐田(22)
18位 ヴィッセル神戸(21)
※1 2試合未消化
※2 1試合未消化
マリノスが川崎に勝利した事で、川崎は未消化分の2試合で2勝出来れば勝点差を2まで縮められる状況に持っていきました。一方、この2チームと優勝を争っていた鹿島は広島に0-2で完敗を喫して5戦未勝利となり5位に転落。この結果を受け、鹿島は試合翌日にレネ・ヴァイラー監督の退任を発表しました。
鹿島に代わって上位に進んだのが柏とC大阪。京都相手にラストワンプレーで武藤雄樹が劇的ゴールを決めて逆転勝利を柏は4連勝となり、暫定ではあるものの遂に3強の牙城を崩して2位に浮上。神戸を3-0で粉砕したC大阪もこれで7戦無敗となり、今季初めてトップ3に食い込む形となっています。
下位では前節終了時点で最下位だった清水がFC東京に2-0で勝利し、暫定ながら降格圏を脱出。磐田と神戸は共にクリーンシートで敗れ、勝点25で並ぶ湘南と札幌の直接対決は札幌が5-1で圧勝しました。福岡とG大阪の試合は福岡に新型コロナウィルス感染者が多数出た事から中止となっています。
主審お大事に…
ではでは(´∀`)