どーもこんばんは
さてさて、11月22日……ガンバ大阪、浦和レッズに見事逆転勝利しました!!
勝てなければ川崎の優勝が決まる試合。
相手はただでさえ負けられない浦和。
前節仙台戦の悪夢。
井手口陽介の欠場。
そして先制点を許す苦しい展開。
…それでも勝ちました。
もう今や追い風しか吹いていないはず!
そして11月25日、第29節、何の因果か……対戦相手、川崎フロンターレ。
そりゃ、確かに今年の川崎の強さ圧倒的ですよ。それでも思い起こせば2014年、怒涛の追い上げを見せたガンバは浦和が「勝てば優勝決定」というシチュエーションに持ち込んだ埼玉スタジアムでの試合に2-0で勝利し、そのまま優勝を掻っ攫った思い出があります。ガンバに都合の良いデジャヴならいくらでも起こってくれ…!
…で、そこで今回は日程くんが仕事し過ぎた大一番、川崎vsG大阪のマッチプレビュー、そして…ガンバvs川崎の名勝負戦は前にやったので、今回は川崎ファンの方には申し訳ないのですが、私はガンバファンなので……ガンバの勝利を願って過去のJリーグで「勝てば優勝決定」のシチュエーションで阻止に成功した試合をいくつか振り返っていきます。
MATCH PREVIEW
2020明治安田生命J1リーグ第29節
2020年11月25日18:30@等々力陸上競技場
川崎は前節大分戦に敗れた事で優勝は持ち越しとなりましたが、それでも王手をかけている事、Jリーグ史上最速の優勝を決められる立場である事には変わりありません。始めに川崎の優勝条件を確認しておくと、現在ガンバの川崎の勝点差は現在14で共に残り5試合。川崎はこの試合で負けなければ優勝決定という条件になっています。ガンバ視点で言えば勝たなければならないという状況は浦和戦から変わりませんし、それは川崎戦に勝ったとしてもその後も同じです。
第8節に行われた試合では大島僚太のゴールで川崎が1-0で勝利しましたが、相性面で言うとリーグでの通算成績はガンバの14勝6分11敗で、ここ5試合は2勝1分2敗なので相性が悪いという事も無いですし、パナスタがどうとか等々力がどうという話でもありません。ただ、等々力での川崎vsガンバは過去に2度優勝がかかったシチュエーションがありました。1度目はガンバの初優勝がかかった2005年、2度目は川崎の年間勝点1位がかかった2016年でしたが、これはどちらもガンバが勝利しています。
今季のガンバが苦手としているのはどちらかと言えばしっかりとブロックを組んで守ってくるチームです。後半戦では勝利を収めましたが、例えば柏とかFC東京とか。川崎はもちろん守備も素晴らしい事が首位を独走している大きな要因ではありますが比率としては攻撃・ポゼッションの比率が高いチームでありますし、そう考えるとガンバにとっては苦手というタイプの相手ではないと思います。第8節も内容的にはそれなりのゲームが出来ていましたし。むしろプレッシャーという面で見れば、川崎は大分戦に負けた事で流れとしてはあまり良くはないはず。今のガンバは少々劣勢になっても耐えれるだけの守備力を持っていますし、それでここまで戻ってきたので、勝機は第8節の時よりも遥かにあると思います。
ガンバは今回2パターン書いてみました。
ガンバの場合、懸念材料として大きいのが怪我人事情です。CBに関しては昌子源、三浦弦太も復帰して万全の体制に戻りつつあるのですが、ここまでMVP級の働きを見せていた井手口陽介の欠場が濃厚で、浦和戦では小野瀬康介、藤春廣輝も負傷交代を余儀なくされています。小野瀬と藤春に関してはリリースが出ていないので、川崎戦に間に合うのか、はたまた今季いっぱいなのかもわからない状況です。
小野瀬や藤春が厳しいとなった時に可能性として現実味を帯びてくるのが3バック復活。第16節湘南戦以降ガンバは3バックから4バックに変えて躍進したガンバではありましたが、サイドプレーヤーが欠場してCBの欠場者が帰ってきた事、仙台戦と浦和戦で矢島慎也はやっぱセンターの選手だと再確認した事、宮本恒靖監督は稀に「対○○戦用シフト」を敷いてくる事を踏まえると、川崎戦限定で3バックを復活させてくる可能性もあるのかなと。
ガンバと川崎、過去の「優勝争い直接対決大一番」振り返り。
ガンバvs川崎の印象的なカードは第8節のマッチプレビューの際に書いたので、今回は少し趣向を変えて。今回は過去に「この試合に勝てば優勝」という状況ながら、相手チームが頑張って優勝を阻止した試合を紹介していきます。
2000年Jリーグディビジョン1 1stステージ第14節
C大阪得点者:西谷正也(12分)、西澤明訓(49分)、斎藤大輔(88分)
優勝争いの最終結果も含めて今なお伝説とされる一戦。2000年の1stステージは横浜フリューゲルスの合併もあって代表選手を多く有するマリノスと、森島寛晃と西澤明訓の代表コンビを中心とした攻撃サッカーで躍進したセレッソのマッチレースとなった。ラスト2試合の時点で実現した首位マリノスと2位セレッソの直接対決。マリノスは90分勝ちが出来れば優勝が決まる。
豪雨の三ツ沢に当時のフィリップ・トルシエ日本代表監督やカルロス・ゴーン氏らも訪れた大一番。1-1で迎えた後半に西澤のゴールで勝ち越したセレッソはその後も畳み掛けるように追加点を狙う。しかし最悪延長Vゴール、或いは引き分けでも良かったマリノスは80分に中村俊輔のクロスに外池が合わせて同点に追いついた。だが、このまま終わるかと思われた終了間際、CKのこぼれ球をDF斎藤大輔が押し込んでセレッソが三度勝ち越し。激闘を終えたピッチでは逆王手をかけたセレッソの選手が歓喜の輪を作り、敗れたマリノスの選手は一様にピッチに倒れ込む、まるで最終節のような光景となった。
しかしセレッソ関係者の多くが「異様だった」と語るように、セレッソには凄まじい重圧が襲いかかる事になる。最終節、勝てば優勝だったセレッソは異様な空気とプレッシャーに耐えられずホームで当時は昇格組だった川崎Fが延長Vゴールで沈み、結局1stステージの優勝はマリノスが手にした。
2007Jリーグディビジョン1第33節
2007年11月24日14:04@埼玉スタジアム2002
鹿島得点者:野沢拓也(66分)
こちらもJリーグ史に残る試合の一つ。2007年の前半戦はガンバが長く首位に立っていたのだが、第20節で浦和との直接対決に敗れてからやや失速。そこから浦和が首位を固め、並行して行われたACLも制覇して優勝はいよいよ秒読みと思われた。だが浦和はACLを終えてから急に勝利から遠ざかり、逆に鹿島は7連勝で猛追。気がつけばラスト2試合の時点で勝点差は4まで縮まってしまう。そんな中、浦和のホーム最終戦で直接対決が実現した。浦和はこの試合に負けさえしなければ優勝が決まる。圧倒的に優位なのは変わらないが、鹿島の勢いも何かを起こす予感は持ち合わせていた。
62123人が詰めかけた埼スタ。42分に鹿島の新井場徹が退場となり、引き分けでも優勝が決まる立場の浦和は前半のうちに数的優位の状況が出来る。しかし過密日程に伴う疲労に鹿島の勢いは浦和にとって最悪の噛み合わせとも言えた。66分、ミスを起因に野沢の鮮やかなシュートで先制を許すと、小野伸二を投入して反撃に出る。終了間際には鹿島に2人目の退場者が出て11人対9人の構図になったが、浦和の猛攻は最後まで実らず鹿島が土俵際で踏み止まった。
それでも首位はキープした浦和だったが、最終節ではそれまで僅か3勝、20戦未勝利で降格の決まっていた最下位横浜FC相手にまさかの敗戦。鹿島が奇跡の逆転優勝を果たした。
2013Jリーグディビジョン1第33節
2013年11月30日14:04@日産スタジアム
2013年のJリーグは飛び抜けたチームがいた訳ではなく、マリノス、広島の2チームを中心にしながらも浦和、鹿島、セレッソも良い位置で絡む混戦になっていた。マリノスは首位をキープしながらその他の上位陣を突き放し切れない時期が続いたが、第32節で2位浦和、3位広島が敗れた事で王手をかける。当時35歳ながら大車輪の働きを見せた中村俊輔はあれだけのキャリアを誇りながらJ1の優勝を経験した事がない。その部分も含めてマリノス優勝への期待は高まり、当時の最多入場者数となる62632人が日産スタジアムに集ったが、相手がなかなか曲者だった。
新潟は序盤が不振だったので優勝争いには一切絡んでいない。だが後半戦は一気に好調に転じており、実際に後半17試合の勝点で見れば1位だった。大観衆の期待を背負うマリノスの攻撃は度々GK東口順昭に阻まれ続ける。72分、セットプレーの混戦を川又堅碁に押し込まれると、最後の最後にはカウンターから鈴木武蔵にも決められて試合終了。まだマリノスは王手の権利を得てはいたが、この時の日産スタジアムがお通夜のような空気になったのは想像に難くない。
最終節でマリノスはACL圏内を狙う川崎に敵地で挑んだが、ここでも0-1で敗戦を喫してしまう。2試合で1度でも勝てれば良かったが、優勝は広島の手に……今でも等々力のピッチで中村俊輔が膝を突くシーンを覚えているファンは多いだろう。
2014Jリーグディビジョン1第32節
2014年11月22日14:03@埼玉スタジアム2002
浦和、鳥栖、鹿島、川崎が優勝争いを引っ張っていたが、鳥栖と川崎が徐々に失速。鹿島もペースダウンした事で浦和の優勝は時間の問題と思われた。しかし、ブラジルW杯による中断前は降格圏の16位に位置したガンバがここから5連勝と7連勝を達成して一気に猛追。第26節で鳥栖、第27節で鹿島、第28節で川崎を撃破してここまで漕ぎ着けた姿は大袈裟ではなく漫画的ですらあった。しかし第31節、ラストワンプレーでの失点で仙台と引き分けてしまった事で浦和が王手をかける。超満員の埼玉スタジアム、勝てば優勝の浦和に挑むは後半戦に猛追をかけてきたチーム……今思えば、浦和サイドにはこの時点で2007年が頭をよぎった人もいたかもしれない。
だが、ガンバにとっては追い風となった誤算は想像以上に浦和が焦っていた事だった。ガンバにとっては引き分けでも致命傷だったが、ホームで決めてしまいたい気持ちが先走りまくった浦和は時間と共に不必要な焦りを見せ始める。むしろガンバの方が試合としては遥かに落ち着いているように見えた。そしてガンバの長谷川健太監督はWエースだった宇佐美貴史とパトリックを下げてリンスと佐藤晃大、そして倉田秋もピッチに送り込む。すると88分、浦和のセットプレーが遠藤保仁の足元に飛んできたのだが、これをクリアではなくパスに変えてしまうのが背番号7の恐ろしいところだった。このパスを受けたリンスが一気にカウンタードリブルを仕掛けて、折り返した先に佐藤が詰め、ガンバが電光石火のカウンターで先制に成功する。更にアディショナルタイムには今野泰幸のカットから倉田秋が決めて追加点。途中から投入した3人全員がゴールかアシストを記録する神がかり的采配でガンバが劇的な勝利を収めた。
未だに言われるこの試合でのミハイロ・ペトロヴィッチ監督の采配にも見られたように、浦和は明らかに正気を失いつつあった。次の鳥栖戦ではラストワンプレーでの失点で1-1のドローで首位を明け渡すと、最終節は自滅に近い形で名古屋に逆転負け。ガンバは神戸に3-1で勝利し、最終節は徳島相手にドローで終わったものの、最大勝点差14をひっくり返しての優勝を果たしたのである。
色々なケースを今回のブログで並べたが、今度の大一番と最もシチュエーションが近いのはこの試合だろう。ガンバの立場といい。無論、今の川崎は当時の浦和よりも圧倒的に優位なポジションにいるが……。この一戦に希望を繋ぐ事が出来た第28節の埼玉スタジアムでの浦和戦、日付は11月22日だった。あまりスピリチュアルな事は言いたくないけれど、もしこれが何かの因果とするならば……。
2017明治安田生命J1リーグ第33節
2017年11月26日13:05@茨城県立カシマサッカースタジアム
取りようによっては、今回はあまりにも川崎ファンの方々を逆撫でするかのようなブログにもなってしまっているので、最後に川崎サイドにとって歓喜を呼ぶ事になった優勝阻止試合を挙げる。2017年のJ1は序盤戦こそ多くのチームが優勝戦線に絡む大混戦だったが各チーム徐々に脱落していき、最終的には鹿島と川崎のマッチレースという形になった。鹿島といえば言うまでもなくこの国で最もタイトルを獲得しているクラブであり、一方で当時タイトル獲得経験のなかった川崎に付けられていた称号は「シルバーコレクター」。そんな2チームのマッチレースになれば普通は鹿島が逃げ切ると思うもので、そもそも勝点差的にも鹿島の優勝は時間の問題に見えた。
鹿島のホーム最終戦、勝てば優勝の鹿島と対峙したのはACL出場の可能性を残す柏だった。鹿島は何度も何度も柏ゴールを脅かし、何度も何度も決定的なシュートを放つ。柏のシュート4本に対して鹿島は23本ものシュートを浴びせたが、それらのシュートはことごとくGK中村航輔に阻まれ、挙句の果てにはクロスバーまでもが柏、ひいては川崎に味方し、0-0のドローに持ち込まれた。「引き分けでもOK」という状況なら鹿島は大体確実に0-0で終わらせる強さを持っている。だがやはり勝利が条件になると鹿島とて難しいものである。
それでも川崎が引き分け以下なら鹿島の優勝が決まったが、浦和のACL決勝の都合により3日遅れで開催された試合で川崎は浦和に勝利。そして最終節、鹿島が磐田相手に柏戦と似たような試合展開と同じスコアで勝利を逃し、逆に最下位大宮相手に5-0の圧勝を収めた川崎が鹿島を追い抜いて遂に初の優勝を成し遂げた。
AGAIN2014!
ではでは(´∀`)