皆様、いかがお過ごしでしょうか。
本日は2020年11月24日、火曜日です。
よく言いますよね、「今日は何の日?」と。
人間の数は体感よりも多くいて、その分それぞれにそれぞれの記念日があります。
要するに、365日毎日が何かしらの日なのです。それが良い事なのか悪い事なのかはともかく、誰の思い出にも残らない日は一つもないんです。
ちょうど1年前……2019年11月24日、皆さんはどこで何をしていましたか?
私は自分の家で、DAZNを映したテレビの前で絶句していました。
はい、もはや伝説のあの日から1年です。
この余りに衝撃的なスコア、オルンガとかいうチート、ネルシーニョレイソルとかいう傭兵集団、中田一三監督の名前を狙ったかのような点数、記録更新の数々、これでもかと並ぶオルンガ、「それではここで他会場の結果です」の時の圧倒的存在感、オルンガ、オルンガ、オルンガ……。正直、私が何歳まで生きているかわからないですけど、このレベルの衝撃スコアに出逢う事はないと思います。このスコアに出会してしまうまではブラジル1-7ドイツ以上の衝撃はないと思ってたんですけど。実際、バルサ2-8バイエルンも驚いたけどここまでは驚かなかったもん。
一応何度も言ってます通り、私はガンバファンかつサンガファンという事でこのブログをやってるんです。そんな私がこの試合の直後に更新したマッチレビューがこれ。
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まともな精神状態で書けるわけねぇだろ、という開き直り具合が伝わってきます。
お察しのとおり、今回のブログはオルンガ柏事変から1年を記念してこの試合についてのブログになるんですけど、まず大前提として……この試合の凄いところは、冷静に振り返ると「なぜこのスコアになってしまったのか?」という部分を理屈で説明できるところなんです。
その点については何日か経過した後に私もブログで書きました。
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で、今回はあれから1年ということで……この試合を私がどういう感じで見ていたのか、いちサンガファンがどういう気持ちでこの「事変」を目の当たりにしたのか……現地には行ってませんが、ある種の備忘録的に書いていきたいと思います。
まず、サンガファンなら何となくわかってくれると思うんですけど、この試合を語るには余りにも伏線が多すぎるというか長過ぎるんですよ。2019年全体もそうだし、2019年を語るなら布部陽功監督体制の2017〜2018年を避けては通れないし、もっと言えば石丸清隆監督の解任どころか大木武監督の退任辺りから話し始める必要が出てくるんですよね。
さすがにそこまでここで語ると異常に長くなるので今回はその辺は端折りますが、2019年のサンガについては後でも先でもいいんでシーズン終了後に書いたブログを見て頂きたい。
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「あ、ダメだこりゃ」感をとことん堪能した2017〜2018年を終えて、中田一三監督を迎えたサンガの2019年は色々あってサンガファンは中田監督にもそもそもサンガ自体に不安だらけでした。
それが蓋を開けてみれば理に適ったポゼッションサッカーがサンガに仕込まれていて、夏場には何と首位にまで浮上。ですがここからサンガ対策やフロントとのあれこれもあって失速し、主戦場は昇格争いよりはプレーオフ圏内争いへ。それでもサンガファン的にはシーズンの終盤まで、ここまで楽しめたのは凄く久しぶりだったので、プレーオフ圏内を逃したとしても前年の惨劇をトータルで見た時に2019年は間違いなく「成功」と呼ぶに相応しい1年だったんです。
とはいえ、これだけインパクトのあるチームだったんで……やっぱり「プレーオフ進出」でも良いからこのチームに、2019年のサンガに何かしらの結果という箔が付いて欲しい…プレーオフの当落線上に来てからはそんな思いでした。
こういう感情がまず、前提としてあった上で11月を迎えました。
2019年11月16日、ホーム最終戦…相手はジェフユナイテッド千葉。翌年からサンガスタジアム by Kyoceraがオープンする事が決まっていたので、ホーム最終戦は同時に西京極陸上競技場の最終戦でもありました。
この試合は仮にもサンガを観るようになってからそれなりに長くなった私の中でも、トップ5には間違いなく入るほどエモーショナルな試合だったんですよ。西京極ラスト、元サンガの佐藤勇人の引退、白熱した攻防戦の末に終盤のゴール、なんとか勝利して繋ぎ止めたプレーオフ進出の望み……あのスタジアムにいた人の多くが感じたとは思いますが、あれ以上を考えられないほど西京極のラストとしては美しい、出来すぎた終わり方だったんです。ほんとに情念に満ちた試合だったんですよ、あの千葉戦。ほんとに。ほんとだよ……。
…で、迎えた最終節、2019年11月24日ですよ。
相手は序盤不振だったくせに気付けば圧巻の出来で優勝した柏な訳ですよ。
私自身の事を言うと、千葉戦から始まった1週間めちゃくちゃ楽しかったんですよ。千葉線の次の日にGLAYのライブ観に行って、2日後に日本代表戦(ボロ負けしたけど)観に行って、更にその4日後にガンバ観に行ったんです。もうルンルンですよ。パーフェクトウィークですよ。そのシメがテレビでのサンガのプレーオフだと思ってた訳ですよ。プレステを起動してDAZNをつけてテレビに映して……2時間後あんな事になるとも知らずに。
正直なところ……2019年のサンガの傾向、柏の傾向を見た時に「先制取られたら終わり」という事はなんとなく思っていました。柏戦がエグすぎただけで、柏戦と似たようなメカニズムで負けた試合は多かったんです、あの年のサンガ。だからとにかく、大差で勝つよりもまずは先制してくれ、先制だけは取られないでくれ……試合開始の時点での私の感想はそんな感じでした。希望的観測ですけど、サンガが数字上逆転できる可能性のある山形、徳島、甲府のうちどこかは負けてくれると思ってましたし(実際に山形負けたし)。
そういう会話の中でもよく言うんですけど、0-7で負けるよりも、ラストワンプレーで追いつかれて引き分けた時の方がメンタル的にダメージを負ったりするじゃないですか。好きなチームが大事な試合で0-4を超えてくると何というか……凄い乾いた笑いが出てきちゃうんですよね、私。笑うしかないというか、壊れた笑いというか……例えばこの前のガンバvs仙台の時とかそんな感じでしたし。この試合も1-7になったくらいの時にはもうそんな感じでした。
1-8の時でしたかね。乾いた笑いしか出なくなったその先に行ったことはなかった私ですけど、それすら出なくなったの。
「柏さんお願い、二桁だけは勘弁して。1-9まで…サカつく仕様で収めてくれ…」
1-10になった時にはまた乾いた笑いが出たんですよ。
初めてですよ、感情が1〜2周くらいしたの。
なんていうか……試合終わった後は茫然自失でしたよね。
リアルタイムで観れてなかった友人とかからもLINEとか来たんですよ。
「へ?」って。
そりゃそうだ。
そりゃそうなるわ。
何も考えてないのに考え込んだもん、私。
あの試合に関しては中田監督が何か手段を間違えた訳じゃなく、サンガの選手達が何かを怠った訳でもないんです。むしろ試合前の段階からやらねばならない事を貫いた結果、怪我人も出たりが重なってああなってしまった……その答えが頭の中で落ち着けば落ち着くほど、あの衝撃の90分、リプレイのように同じ崩され方をした後半の失点、余りにも派手に散った2019年の最後……。
やっぱりあの試合は事件というよりは事変でした。現実か夢か、リアルかゲームか…本気でわからなくなる瞬間って誰かのスーパープレイよりもああいう瞬間なんだなと…。良い意味でも悪い意味でも、2019年のサンガは濃すぎた……ってブログを書いたら中田監督にTwitterで言及されるというところまで衝撃的でしたわ。……あ、最後のところまで読んで下さったんだ…って。
良い意味だけでいいでしょ👍 https://t.co/LbpJBjVwS5
— 中田一三/ICHIZO NAKATA (@NAKATA_ICHIZO) 2019年12月13日
ともなく、最後にこれだけは言っておきたいんですけど、あの後この試合が一三スコアって呼ばれていたり、アヤックスがVVVフェンロに13-0で勝った時に言及されまくったり、オルンガや柏を語る時に使われたり、この13-1は完全にネタとしての扱いを受けています。実際、私も友人なりとの会話とかでネタ的に話す事も多いですし、京都新聞どころか中田監督ですらこの件に関しては自虐的にツイートしたりしてますし、それに関してはこの衝撃的なスコアの前では避けられない事ではあります。別に一つの過去の思い出ではありますし、多分自分もこれからもネタにする事はあるでしょう。サンガファンは触れたくない派とネタにする派と分かれるでしょうが、他のサッカーファンやメディアも同様だろうし、ある種サッカーの歴史とは色んなネタの末に成り立ってるみたいなところもあるんで、別にそれが悪い事だとも思いません。
ただ、一つ心に留めておいて欲しいのは……あの試合、あの事変はサンガが弱者だったから起こったのではなく、むしろ強者の称号を手にする可能性があったが故の出来事であった事、2019年を二つに一つで語れば成功と呼べる年であった事の二点だけは確かです。もし、あれがサンガにとってただの消化試合であれば13-1になんてなってなかった。あのスコアはある意味では、あの年のサンガが最後まで可能性を残していた事の証明でもある…と。
終わり。