これから「北京五輪でさぁ」って言ったら「(2008か2022)どっち?」問題出てきそう。
どーもこんばんは
ガンバレ日本。
さてさて、本日のマッチレビューは2022FIFAワールドカップカタール大会アジア最終予選グループB第8節、日本代表vsサウジアラビア代表の一戦です!
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「十人十色」という言葉があるように、人には人の数だけ考え方があります。考え方によってはリーグ戦なんてただの一試合に過ぎず、そしてそれの積み重ねでしかない。要するにどの試合も等しく重く、その点で他の試合と比べる意味はない…その意見は理解出来ますが、私としてはあまり同意は出来ません。
人は人生に何度か、その後を大きく左右してくる岐路に出くわします。決して長くはないサッカー人生も同じで、その何年かの間に「一試合では計れない重みを持つ試合」というシチュエーションに遭遇する事でしょう。この試合に勝った後に得られるモノは勝点3には止まらないでしょうし、逆に敗れれば勝点以上のモノを失う……私らがやっていた小学校ですらそう感じる試合があったくらいですから、そのシチュエーションを日本のトップ・オブ・トップで味わっている彼らのプレッシャーたるや……。
今日の試合に出場する選手達にとって今日は、人生で何度あるかわからない運命の試合です。さぁ、運命の一戦です。日本サッカー史に残るであろう90分が幕を開けます!
両チームスタメンです。
日本のスタメンは中国戦と同じ11人起用してきました。中国戦同様に吉田麻也と冨安健洋が欠場したCBには板倉滉と谷口彰悟が先発出場。キャプテンマークは引き続き遠藤航が巻きます。
日本が吉田を欠いているのと同様に、サウジアラビアも主将であり大黒柱であるアル・ファラジが負傷により欠場。オマーン戦からスタメンは一人だけ入れ替えたきました。なお、サウジアラビアは今日の日本戦で勝利すると2大会連続のW杯出場が決定します。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。
元々埼スタは2001年に翌年の日韓W杯開催に向けて開場したスタジアムで、スタジアム名の後ろについている"2002"は日韓W杯の開催年に由来しています。今年2022年はそんな日韓W杯の開催からちょうど20年。あの年に産まれた子供が成人するんですね…ヤッバ……。
今や新たな日本代表の聖地にもなりつつある埼スタですが、これまでも様々な印象的な場面が生まれました。W杯での鈴木隆行に始まり久保竜彦、大黒将志、本田圭佑、山口蛍、井手口陽介……今でも脳裏に浮かぶ衝撃的な程の歓喜を、そんな記憶をこの地でまた刻まなければなりません。
局地的な球際での激しい攻防戦こそあったものの、展開としてはややスローに進んでいきました。というのもサウジアラビアからすれば引き分けでも「日本が勝点を積み上げなかった」という意味で勝ちに等しい訳で、特に日本がボールを持った際は割とリトリート気味、かつサウジアラビアの攻撃時もあまりリスクを背負う事はしてこず。順位的な立場を踏まえると日本にとっては若干面倒臭い時間が続いていきます。
しかし徐々に伊東純也が右サイドのスペースを度々突いて右サイドを独走してチャンスを作るような場面が多くなっていきました。伊東の果敢なアタックが遂に身を結んだのは32分、酒井宏樹の自陣からのスルーパスに対してはアル・ブライヒがやや先行していましたが、後ろからアル・ブライヒをぶち抜いて押し退けていった伊東が完璧に右サイドを制して折り返し。大迫勇也のスルーを拾った南野拓実がDFを揺さぶってから放ったシュートはリフレクションしながらもゴールに吸い込まれて日本先制!!
当然ながらビハインドを背負った事でサウジアラビアのスタンスも変わってきて、失点後はサウジアラビアの前への圧力もそれまでより強くなっていました。とはいえ日本もやっぱり守備は安定しており、基本的にバイタルエリアで攻撃を停滞させる事には成功していて、ピンチがない訳ではなくともペナルティエリアにしっかり侵入させる場面は少なく抑えていました。日本、前半は1点リード。
早めに2点目をもってセーフティーな展開に持ち込みたい日本は後半の立ち上がりから伊東と南野、更には酒井宏樹と長友佑都の両サイドバックを含めて、チームとしてハイプレスを徹底するインテンシティーの高い展開に持ち込もうとしていきます。50分、それが実ってボール奪取から遠藤、南野と繋いで長友がマイナスにクロス。これを受けた伊東が右脚一閃!
イナズマ伊東(by 松木安太郎)炸裂!!
これまで劣勢に立たされる状況が無かったサウジアラビアは一気に落ち着きや精度が失われていき、ビルドアップから何までが全体的にアバウトになっていきます。日本もそこをしっかり見逃さず、カウンターになればキレッキレの伊東が常に臨戦体制。そのカウンターに他の選手もしっかり付いていく流れが出来た事で、日本からすればリードしている立場としては理想的な展開に試合を持っていく事が出来ていました。
68分には中山雄太と前田大然、78分には浅野拓磨を投入し、森保一監督はこの路線を更に加速していきます。度々訪れた決定的なチャンスはなかなか決め切れなかったものの、浅野や前田のスプリント力がサウジアラビアの疲弊したDF陣をいじめ抜くようなストロングスタイルな試合展開に。なかなかテンションの高い試合、最後まで走り抜いて日本勝利です!!!!
これで日本はプレーオフ出場権の3位以内が確定、そしてカタールW杯出場に王手をかけました!
チーム全体として全員がタスクをしっかりこなした試合だったと思います。日に日に安定感と絶対感を増す田中碧と守田英正のインサイドハーフ、吉田&冨安の欠場という最大のピンチに120点で解答してみせた板倉&谷口コンビ、対峙するアタッカーを完封しつつ、カウンターの際にはしっかりWGに付いていった酒井と長友の両サイド……それぞれがそれぞれの役割を100%果たしたと言える試合でした。ただやはり、そういう試合の中で伊東というスーパーな存在が均衡をぶっ壊してサウジアラビアを混乱状態に陥れたのはサッカーの面白さというか、ある意味で本質だったような気もします。今日の伊東はちょっとゾーン状態でしたね……。
バタバタ感は多少あったでしょうし、もちろん100点満点の試合では決してない。ただ、結果が全てのこの試合でサウジアラビアに2-0で勝ち切った時点でファンとしては言うことは何もないと言ったところでしょうか。
さぁ、なんやかんや言いましたがこれで王手です。プレーオフ出場権となる3位以内は獲得しましたし、これで次のオーストラリア戦に勝利すればカタールW杯本大会出場は確定します。今日のサウジアラビア戦、次のオーストラリア戦をどういう状況で迎えるかは開幕前から日本にとって一つのポイントでしたが……さぁ!あと一つ!
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
シリア0-2韓国
イラン1-0UAE
日本2-0サウジアラビア
ベトナム3-1中国
オマーン2-2オーストラリア
グループA
1位 イラン(22)
2位 韓国(20)
3位 UAE(9)
4位 レバノン(6)
5位 イラク(5)
6位 シリア(2)
グループB
1位 サウジアラビア(19)
2位 日本(18)
3位 オーストラリア(15)
4位 オマーン(8)
5位 ベトナム(5)
6位 中国(3)
グループAは前節でW杯出場を決めたイランに続き、今節では敵地でシリアに勝利した韓国もW杯出場を確定。3位のプレーオフ出場権を巡ってUAEをレバノンとイラクが追う構図となりました。シリアは4位以下が確定し、W杯出場の可能性が消滅しています。
グループBはW杯出場に王手をかけていたサウジアラビアが日本に敗れてW杯出場決定はお預け。オーストラリアがオマーンに終了間際の失点で引き分けた為、サウジアラビアと次節オーストラリアとの直接対決となる日本の2チームはW杯出場に王手をかけている状態ですが、3位オーストラリアはラスト2試合が日本→サウジアラビアと続くのでヒリヒリした展開が3月も待っていそうです。プレーオフ出場の可能性を有する3位以内はサウジアラビア、日本、オーストラリアの3チームで確定し、4位オマーン以下の国は敗退が確定しています。
がんばれオマーン。
ではでは(´∀`)