国際情勢が逼迫し、国内ニュースや芸能ニュースも忙しない中で、AFCより日本サッカー界に関わる重大な変更が発表されました。
AFCは2月25日、2023年開幕のAFCチャンピオンズリーグより、これまでの春秋制から秋春制に移行する事を発表しました。わかりやすく言えば、これまではJリーグと同じで2022年に始まって2022年に終わる大会方式(春秋制)だったのが、2023年からは下半期に始まり年を越して閉幕するというUEFAチャンピオンズリーグなど欧州と同じシーズンシステム(秋春制)を導入することになります。
AFCチャンピオンズリーグ、主な変更点
— R (@blueblack_gblue) 2022年2月25日
・来年の大会から秋春制に移行
→即ち、来年は2023年大会ではなく2023-2024大会として開催される。
・外国籍枠拡大
→今大会までは3人+1人(アジア枠)でJリーグより少なかったのが、次回からは5人+1人(アジア枠)でJリーグよりも多い適用になる。#ACL#ACL2022 https://t.co/K6gKAvWkU5
という訳で今回はACLの秋春制変更に伴うJリーグ勢への影響を書いていきます。
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サッカーの中心地がヨーロッパにある以上、シーズンを春秋制で運営しているリーグに於いて、シーズンを秋春制に移行するべきか否か…という議論は常々行われてきました。Jリーグはメリットよりもデメリットの方が大きいという見解になった事で実現していませんが、実際にJリーグでも度々その議論は行われてますよね。秋春制になった事で不利な形になるのは日本を始め、韓国や中国などの東アジア勢。逆に、今回の変更で得をする立場になるのは元々秋春制でリーグを運営していたオーストラリアや中東勢でしょうか。
「AFCの決定」といえば、それだけで若干の不信感を抱いてしまうのはもはやJリーグファンの性とも言えようものかもしれませんが、今回ばかりは多少時間の問題だった部分もあります。例えば日本が秋春制に移行出来ない理由としては冬の事情などがよく挙げられますが、中東勢等にはそのデメリットは無く、そしてそもそも近年は秋春制でリーグを運営する国の方が多数派になっている…という実情があるので、Jリーグのシーズン移行は別の問題ですが、ACLの移行に関してはある程度自然な流れだったのかな…と。
正式発表となったのは2月25日ですが、実際は2022年のACLの日程が発表された時点で確定だったのは確かでしょう。というのも、2022年のACL決勝は2023年2月に予定されていて、勿論これは2022年カタールW杯が11〜12月に開催される事の影響もあるとは思いますが、それと同時にACLのレギュレーションに伴う移行措置という扱いと認識も含まれていると見るのが自然です。2023年以降はUEFAチャンピオンズリーグと同様に、9月〜12月上旬までがグループステージ、2月中旬から決勝トーナメントが始まり、5月末or6月初週に決勝戦…というスケジュールになってくると思います。
②Jリーグ勢への影響は?
さて、この件がJリーグに与える影響はあるのか?と問われれば、当然めちゃくちゃあります。甚大です。
9月開幕だけであれば感覚としては天皇杯と似たような感じにもなるでしょうからそれはいいんですが、問題はグループステージが終わって決勝トーナメントが始まるまでの間にシーズンが変わるという事。要はグループステージを戦ったチームと決勝トーナメントを戦うチームが必然的に異なってくるんですね。監督だって変えるチームがあるだろうし、選手の入れ替えだって少なくないでしょうし。
具体例を挙げると、現在横浜F・マリノスの監督を務めるケヴィン・マスカット監督はかつてオーストラリアのメルボルン・ビクトリーでプレーしたんですが、彼の現役最後の試合って2011年グループステージのガンバ大阪戦だったんですよね。日本であればACLグループステージが現役最後の試合になる事は無いんですけど、オーストラリアはグループステージが終わるタイミングが新シーズンへの編成のタイミングだったのでこういう現象が少なからず起きる訳です。
要はクラブとして一貫とした流れで捉えられる事が困難になってくるので、強化部にとっては凄く頭が痛くなる部分になってくるというか、かなり悩みどころになってくるでしょう。ただ、日本からのACL出場チームの選び方に関しては「開幕が半年遅れるだけ」という解釈も出来るので、そこは特に変わらないと思います。
ACLは2002年から始まった大会ですが、その第一回大会はAFCチャンピオンズリーグ02-03として秋春制の大会としてスタートしました。日本からは鹿島アントラーズと清水エスパルスが出場した大会でしたが、この時はSARSやイラク戦争の問題があって開幕が延期となり、結局2003年に入ってから開催されたので今回のようにダイレクトな問題には直面せずに終わりました。
しかしACLの前身大会となるアジアクラブ選手権の時代は一部シーズンを除いて基本的には秋春制で行われていました。ただ当時も、例えば00-01シーズンであれば2000年に開催されるのはノックアウト方式でのホーム&アウェイが1回あるだけでプレーオフ的な性質が近かったので、やはり今回の移行はJリーグ勢が初めて直面する難しさと付き合う事になるでしょう。
…と、こんな感じです。
兎にも角にも、少なくともACLの移行は決まってしまいましたし、そしてJリーグをACLに合わせに行くべきか…と言われれば一概にそうとは言えない事情がある訳で。その辺りの付き合い方には慣れていくしかない部分はあるでしょうね…。
やたらとニンニクの強いUFOを食した。
ではでは(´∀`)