光州か…。
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはAFCチャンピオンズリーグエリート2024/25 リーグステージ第1節、光州FC vs 横浜F・マリノスの一戦です!
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AFCチャンピオンズリーグは新たな時代に突入しました。
前回大会から秋春制にシーズンを変えた同大会は、今大会からUEFAのチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの区分けのように出場チームを増やしつつ2つのカテゴリーに分けるように「ACLエリート」と「ACL2」を発足。いくつかのフォーマット変更はあれど、2002年から採用していた旧方式に革命がもたらされました。
そんな20年以上続いた旧方式の最後の大会で、決勝こそ敗れたもののファイナリストに輝いたのがマリノスでした。
監督交代を経たここ数試合こそ復調しているマリノスですが、今季は前半戦ではACLの勝ち上がりに伴う過密日程に苦しめられたこともあり、リーグ戦では苦しさだけが先行する戦いから逃れられていませんでした。それでもあのUAEの地まで辿り着いた達成感とその場所で味わった屈辱感…その相反する感情はその場所でしか得られなかったものであり、潤いは新たな渇望を呼ぶ……マリノスにとって、今のACLの捉え方はそういうものだと思います。
初戦で対する光州FCはマリノスと比べると圧倒的に歴史は浅く、政治的な理由と隣り合わせだった街にようやく誕生したクラブのサクセスストーリーでもあります。彼らにとって、おらが町にアジアの中でも有数の知名度を誇るクラブがACLという舞台で訪れる今日という日は夢の到達点とも言えるでしょう。挑む者は挑まれる。それを繰り返すこの戦いに、マリノスがどんな突破口を貫くかに期待です。
両チームスタメンです。
マリノスは直近のリーグ戦である京都戦からは大きくメンバーを入れ替えており、京都戦から連続で先発するのは渡辺皓太とエウベルの2人のみ。喜田拓也とアンデルソン・ロペスも今日は出場を回避している他、GKポープ・ウィリアムは前回大会の決勝第2戦で退場処分を受けた事で出場停止となり、寺門陸がマリノス移籍後初スタメンを飾っています。
本日の会場は韓国、光州の光州ワールドカップ競技場です。
𝙈𝘼𝙏𝘾𝙃 𝘿𝘼𝙔!!⚓️✊
— 横浜F・マリノス【公式𝕏】 (@prompt_fmarinos) 2024年9月17日
トリコロールの絆を胸に、
長く険しい頂点への道を共に進もう🔥
🏆ACLエリート 2024/25 リーグステージ MD1
🆚光州FC
⌚️19:00KO
🏟光州ワールドカップ競技場
🖥️#DAZN#fmarinos | #ACLElite pic.twitter.com/R6a1lS7W0Z
元々は2002年日韓W杯の開催会場として建設された経緯もあり、同じく日韓W杯用に建設された他のスタジアムと同様に「ワールドカップ競技場」と名付けられていますが、このスタジアムに関しては2007年の全国体育大会(日本で言う国体)のメイン会場とする目的もあった事からワールドカップ競技場の中では唯一陸上トラックが架設されています。日韓W杯では準々決勝の韓国vsスペイン戦の会場となり、このスタジアムで韓国がスペインを下してアジア勢初となるベスト4進出を果たした事から、一時は当時の監督の名を冠した「フース・ヒディンク・スタジアム」への名称変更が検討されたことも。
W杯後は韓国軍のチームである光州尚武フェニックス(現:金泉尚武FC)が本拠地としていましたが、2010年に市民クラブである光州FCが発足し、それと同時期に尚武も光州から撤退した事で現在は光州FCのホームスタジアムとして運用されています。
試合は想定外の展開から始まります。
2分、左サイドからのサイドチェンジを右サイドで受けたヤシル・アサニがそこからカットインで中央まで切り込んでいくとそのまま左脚一閃。これがGK寺門の手を弾いてゴールに吸い込まれて光州先制。ACLデビューとなる光州のファーストゴールは、アルバニア代表としてEURO2024にも出場した実力者の左脚からもたらされる事に。
やはりマリノスは早めに3トップにボールを付けるところから攻撃のリズムを組み立てようと試みていめしたが、ピッチコンディションの影響でボールの跳ね具合も影響し、なかなかコントロールがおぼつかない部分が目立つ形になっていました。
しかしそういう状況の中で光州のワイドなポジショニングに対し、マリノスは守備陣が間延びとボールウォッチャーを繰り返すような苦しい状態になってしまうと、14分にはチェ・ギョンロクが光州陣内からのスルーパスに抜け出して右サイドを突破。ファーサイドに上がったクロスはニアに釣られたマリノス守備陣を嘲笑うかのように通り越し、最後はオ・フソンがドンピシャで合わせて光州2点目。
マリノスはボールを持つ時間は増えており、自分達でボール動かせる時間こそ続いていましたが、なかなか3トップが持ち前のスピード感を出すことが叶わず、スタッツでは全ての面でマリノスが上回りながらも実態としては光州がうまく陣形を変化させながら行ってきた構える守備陣形を前に持ち味を発揮できていませんでした。
なかなか打開の糸口をつかめないマリノスも、34分には上島拓巳のロングボールのこぼれ球を加藤聖が残すと、最後はエウベルが鋭いシュートを叩き込んで1点獲得。前半はどうにか1点差に追い上げて45分を終えます。
しかし後半開始からは光州のペースでした。光州はマリノスが前がかりになった事で守備のスペース管理が曖昧になっていたボランチ、SB、CBの三角地帯のスペースに相手のサイドハーフが上手く入り込みながらチャンス創出。いくつかのピンチはGK寺門の好セーブもありましたが、55分にはまたしてもアサニがカットインから流し込んで1-3。
ただマリノスもめげずに反撃姿勢はとっており、59分には天野純が植中朝日に当ててリターンを受けようとした場面は阻まれるも、こぼれ球にまたしてもエウベルが反応して2-3。試合は実に派手な展開になっていきます。
(ここから先、もう試合展開を書いてられないぐらいカオスになったので試合考察に入ります。光州が7-3で勝ちました。)
結果的には光州の先制点というか、ファーストプレーが全てだったのかなと思います。
サッカーはトレーニングでは長所を伸ばし、短所を矯正するものではあるんですが、いざ試合が始まればハーフタイムの修正やゲームプラン程度で根本が覆る訳じゃないので、いざ試合が始まればより長所を押し出し、短所を覆い隠せるか…というところが求められてきます。マリノスは守備でいうところのチャレンジとステイで言えば、基本的には前者の傾向が強いチームと言えるでしょう。ただ試合前の展望では光州よりもマリノスの方が優位とも目されていたこと、過密日程のアウェイゲームであること、12チーム中8チームは次のラウンドに進めるという事もあって、今日のマリノスはいつも以上にセーフティーにやろうとしている感がありました。「あまり行きすぎないように」はゲームプランとしてあったと思います。それは前半のファーストプレーで右サイドのアサニがボールを持った時に明白で、アサニの対面のSBは奪いに行くよりステイする構えを見せ、CBもそれに追随した。しかしボランチとCBの間をスルスルっと抜かれ、そのままミドルで先制されてしまった…と。
この失点以降、マリノスは完全に選手の間で「行くか、構えるか」の統率が全く取れなくなっていましたし、WGを高い位置に張らせたいのはビハインドもあって仕方ないとしても、果敢にカットインしてくるアサニをSBは構える、でもCBは奪いにくる、前がかりになったボランチは追いつけない、CBが寄って空いたスペースを突かれる…といったように、マリノスは一人ずつ、一うずつが明確に崩れていった。隣り合わせのSBとCB、CBとボランチ、SBとボランチの間での意思統一が完全にぐちゃぐちゃになっており、そこに「攻めなきゃ」という焦燥感が絡んだ事でこの3人の間の三角地帯が光州にとってやりたい放題のような状況に陥っていました。光州はそこを的確に殺しに来ましたし、こうなるとマリノスは元々不安定だった守備の粗を覆い隠す術を失ってしまった。元々自分達の得意ではない守り方をゲームプランとして割り切ったやったら2分足らずでそれが瓦解した訳で、7失点は想定外でしたが…負けという結果は自然な成り行きではあったのかなと。
逆に光州はアサニがカットインした時の周りの動き方だとか、守備での陣形の組み方に意思と狙いが明確にあった。チームとしての動き方が明確でしたね。サイドハーフのカットインの時にどうやってニアとファーを埋めるか、誰が大外に抜けていくか。そこもマリノスが覆い隠そうとした粗を全て露出させる一助になったでしょうし、そういうエリアやスペースを埋めていく考えは守備にも生きていた。彼らにとっても3失点はやられすぎという感覚はあるでしょうが……それ以上にしてやったりのゲームだった事は間違い無いでしょう。
あゝ
ではでは(´∀`)