マジでとんでもない昼寝の仕方をした
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第23節、清水エスパルスvsサガン鳥栖の一戦です。
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ここのところの補強事情は真逆のチームだと思います。
2021年からクラブとして積極的なブランディング戦略を行い、それと同時に大型補強も敢行し続けている清水。日本代表GK権田修一の獲得に始まるその流れは今季の夏も同じで、北川航也の復帰やヤゴ・ピカチュウ、乾貴士を獲得するなど、選手層は日に日に増し続けていきます。一方の鳥栖は、長らく苦しむ経営難の影響で選手は活躍する度に他クラブに移籍。そうした流れの中で、今年の夏も飯野七聖が神戸へ移籍するなど、その代役補強に追われる形になりました。
しかし、にも関わらずシーズンの充実度でこの2チームは逆の方向に進んでいて。昨季に続き…ではなく、昨季より深刻の残留争いに苦しむ清水と、一時期ほどの勢いは無くとも印象的なサッカーで中位をキープする鳥栖……お互いにとって、いわゆるないものねだりの「ないもの」を持つ相手同士がぶつかるカードなのかもしれません。そして清水にとっては大混戦の残留争いは待ったなしの状況。ゼ・リカルド監督体制でどのような巻き返しを見せるか、注目です。
両チームスタメンです。
清水は新型コロナウィルスの影響も受けながらのメンバー編成となりました。前節浦和戦からは負傷退場となった西澤健太など6人先発を変更。特に右SBは片山瑛一が出場停止から復帰し、CBは第4節C大阪以来の先発となる井林章と第10節広島戦以来の出場となるヴァウドが入り、GKも今日は権田修一ではなく大久保択生が今季初出場になるど、DFラインは左SBの山原怜音以外前節から総替えの構図に。右MFには新加入のヤゴ・ピカチュウが抜擢され、同じく新加入の乾貴士と北川航也もベンチに名を釣られています。
対する鳥栖は、今季は3-4-2-1を基本布陣としていましたが、前節横浜FM戦に続いて今日は4バック。前節は4-4-2でしたが、今日は4-2-3-1で戦います。スタメンは前節から3人変わっており、広島から獲得した長沼洋一は右MFとして早速先発出場です。
本日の会場は静岡県静岡市、IAIスタジアム日本平です。
7月の日本平開催のホームゲーム2試合は「清水の大祭典」として開催。前回の浦和戦では先着でうちわが贈呈されましたが、今日の試合ではタオルがプレゼントされます。また、今日はエスパルス鹿児島デーとなっており、鹿児島物産展や鹿児島の特産品が抽選会の景品になるなど、色々なイベントも場内では用意されています。
毎日新聞社が実施している「観光地百選コンクール」の平原部門では1位を複数回受賞し、国の名勝や日本夜景遺産にも認定されているエリアの清水区に面したところにあるのがこの日本平スタジアムです。今年、クラブ創設30年目を迎えた清水ですが、オリジナル10の10クラブで大規模改修もなく継続して本拠地を使用しているのは清水エスパルスとサンフレッチェ広島のみ。その歴史の全てに息づいているスタジアムです。
開始からは清水が優勢に試合に入った…かのよつにみけましたが、それも開始早々の僅かな時間だけでした。前半4分、自陣から原田亘がぜつみょなロングフィードを入れると、ペナルティエリア内に飛び出した岩崎がシンプルなタッチで片山瑛一を振り切ると、そのまま右足を振り抜いた豪快な一撃!代表帰りの男の一発で清水が先制します。
先制点が入ってからは鳥栖が上手いリズムに落ち着き、オーガナイズされた落ち着いたポゼッションからのタイミングよく飛び出す選手への対応に追われる形になった清水は後手後手な試合展開が続いていきます。鳥栖のプレスの速さもあって、清水はボールホルダーと前に飛び出す選手の距離が間伸びしてしまう形になり、シュートチャンスは27分の後藤優介のヘッドのようにやや強引なクロスでこじ開けざるを得ない展開に。
すると30分、自陣で清水の井林章から宮代大聖がハイプレスでボールを奪うとそのままパスを繋げます。これに長沼が一気に飛び出し、最後はニアを貫いた一撃でゴール!鳥栖にとっては大きな、清水にとっては痛すぎる追加点。今日が鳥栖でのデビュー戦となった長沼はいきなりのゴール、それもJ1初ゴールをいきなり叩き出します。
前半のうちに1点を返しておきたい清水は、44分に後藤のクロスに反応した片山のシュートのこぼれ球にチアゴ・サンタナが詰めますが、このシュートは枠の上。スタッツだけ見れば清水優勢に見える数字が出ましたが、試合としては完全に鳥栖のペースで前半を終えます。
しかし後半は清水の反撃も始まります。
チーム全体としてのライン設定が高くなり、かつコンパクトな陣形を保てるようになった清水のリズムは前半より遥かに良くなり、それに呼応してチャンスの数も増えていきます。62分、山原怜音のサイド突破からのクロスに白崎凌兵が合わせて清水が1点差に詰め寄ります。
勢いに乗りたい清水は得点直後の63分、カルリーニョス・ジュニオに加えて復帰した北川、獲得した乾の3人を同時投入。日本平のボルテージは最高潮に達します。
そんなイケイケムードの中、65分にはピカチュウのスルーパスに抜け出したカルリーニョスが決定機を迎えますが…これは惜しくも枠の外。67分にも白崎がカルリーニョスのポストから強烈なシュートを放ちますが、これも枠を捉えられず。
ただ、清水の猛攻が続いた事で、鳥栖は72分に垣田裕暉と島川俊郎を投入し、システムを従来の3-4-2-1に戻して残り時間の逃げ切りを図ります。そんな状況で、鳥栖が少しずつ清水を押し返去るようになった中で迎えた80分、ミドルゾーンでボールを受けた途中出場の堀米勇輝がゴラッソを叩き込んで1-3!
それでも清水は失点直後、自陣の右サイドでカルリーニョスが粘ってロングスルーパスを、飛び出したチアゴ・サンタナとGK朴一圭のところでボールがリフレクション。このこぼれ球を北川が押し込んですぐさま1点差に戻します。
そして遂に84分、サンタナが左サイドの山原にパスを出すと自身はゴール前に猛ダッシュ。山原も時間を作ってから絶妙なクロスを入れると、ここに自ら飛び込んだサンタナが押し込んで同点!!ここに来て試合は遂に振り出しに!
降格圏を抜け出したい清水、残留争いに巻き込まれたくない鳥栖……その攻防は残り時間が少なくなるほどに壮絶と化していきます。やはり勢いの差もあって、よりゴールに近付いたのは清水。度々サイドからエリア内に侵入を試みると、アディショナルタイムには右サイドを完全に抜いた片山の折り返しに真ん中で北川がボールを受けて決定的な場面が到来しましたが…ここはギリギリのところで鳥栖の守備陣がブロック。
真夏の日本平…壮絶な死闘は、その試合内容に相応しい壮絶なスコアで終わりました。
まあ、もう……エンターテイメントととしては最高の試合でしたね。こういう試合が現地で初めてのサッカー観戦になったりすると、そのままのめり込んでいけるんだろうなと。
清水としては、後半の開き直りっぷりと巻き返しは見事でした。やはり彼らのタレント力は非凡なものがありますし、特に63分の途中交代を機に乾とカルリーニョスをパスの出し手としてサイドからチャンスメイクができるようになって。そしてそこから供給されるボールを収められるサンタナ、抜け出せる北川が最前線にいる訳ですから、敵チームとしてはあれをやられたら嫌というよりもしんどいでしょう。パワープレーモードの中で竹内涼を入れて、少しバランスを落ち着かせようとしたのも良い判断だったと思いますし。ただ、あのサッカーを90分やろうとするのはやっぱり無謀なので、そういうフルタイムでのゲームコントロールをどう組み立てていくのかは肝になってきます。
逆に鳥栖からすれば、この試合に敗れれば本格的に残留争いに巻き込まれる状況でしたし、そこを同点で持ち堪えのはよく粘ったなと。ただ第15節鹿島戦もそうですけど、最近はゲームコントロールに難を見せ始めたところはあって。最近の鳥栖は素晴らしいサッカーをしているんだけど、ことごとく勝点2を取り逃がしてる印象がやっぱり強いかなと。ここを上手く出来ない事には、心の落ち着かない終盤戦になっていく可能性も否定はできない気もしています。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田生命J1リーグ第23節
1位 横浜F・マリノス(48)
2位 鹿島アントラーズ(40)
3位 柏レイソル(39)
4位 セレッソ大阪(38)
5位 川崎フロンターレ(37)※1
6位 サンフレッチェ広島(35)
7位 FC東京(35)
8位 浦和レッズ(32)
9位 サガン鳥栖(29)※2
10位 アビスパ福岡(27)
11位 京都サンガFC(26)
12位 名古屋グランパス(26)※2
13位 湘南ベルマーレ(25)
14位 北海道コンサドーレ札幌(25)
15位 ガンバ大阪(22)
16位 ジュビロ磐田(22)
17位 ヴィッセル神戸(21)
18位 清水エスパルス(21)
※1 21試合消化
※2 22試合消化
なんと言っても今季の注目は、Jリーグの30シーズン全てをJ1で戦い、そして1位vs2位の首位天王山になった横浜FMと鹿島の直接対決。日産スタジアムで行われた天王山は、徐々に自分達のペースとリズムを掴んだ横浜FMがエウベルと岩田智輝のゴールで2-0で勝利。2位鹿島との勝点差を8に離し、首位の座を固め始めました。この2チームと優勝を争う川崎は、クラブ内に新型コロナウィルスの感染者が複数出て、ベンチメンバーにGKを3人入れた5人編成という過酷なチーム状況の中で戦いましたが浦和に3-1で敗北。試合数が少ないとはいえ、それぞれ勝利した柏とC大阪に抜かれて5位に転落しています。
大混戦の残留争いは札幌vs名古屋、磐田vs湘南、G大阪vs京都の直接対決が開催。磐田は終盤に金子翔太が決めてゴールを守り切って勝利し、最下位を脱出。一方、名古屋は札幌に逆転しながらも終了間際に札幌が同点ゴール。G大阪も食野亮太郎のゴールで先制しながらも、ラストワンプレーで大前元紀にPKを決められた事で同点止まり。降格圏こそ脱出しましたが、痛すぎる黒星となりました。吉田孝行監督の就任から3勝1分と巻き返し始めていた神戸は柏に敗れ、再び降格圏にステージを戻しています。
ハードロック。
ではでは(´∀`)