RK-3はきだめスタジオブログ

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陽炎と蜃気楼〜明治安田生命J1リーグ第23節 ガンバ大阪vs京都サンガFC マッチレビュー〜

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サンガちゃん初パナスタ!!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第23節、ガンバ大阪vs京都サンガFCの一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

各クラブ、勝点計算が頭を悩ませる後半戦に入ってきました。

優勝争いはほぼ3クラブに絞られている反面、残留争いは大混戦を極めています。なんてったって、1位横浜FMから4位柏までの勝点差と、8位浦和から降格圏までの勝点差が同じな訳で……。8位の浦和ですら、まだ安全圏には突入していないと言える状況かもしれません。ましてや湘南や神戸が復調の兆しを見せる今、二桁順位のチームは降格圏転落の危機を常に抱えています。

そして実際に、遂に降格圏に転落してしまったのが他ならぬガンバです。後半戦に入ってからは少し復調の兆しを見せてはいたものの、前節の大阪ダービーではあまりにも悲劇的な逆転負け。遂に順位は16位となり、いわゆるプレーオフ圏内に身を投げてしまいました。それでも先週は、プレシーズンマッチではあるもののパリ・サンジェルマン戦で刺激的な戦いを披露。あの試合の意味を大きなものにする為にも、その財産をこの試合に少しでも反映させなければなりません。

対するサンガは順位こそ中位ゾーンにも見えますが、勝点では降格圏の16位ガンバと僅かに4点差。今日敗れれば降格圏との勝点差が1になる訳で、この試合が今後の戦いを大きく左右するのは言うまでもありません。ましてやサンガは新型コロナウィルスの感染者を複数出した中でこの試合を戦わなければならないので、サンガ視点では勝点1でも取るというより、ガンバとの勝点差を縮めさせない事が重要になってきます。

 

 

そして私にとっては、私が応援している2チームの対戦です。

言うまでもなく、お互いの順位や状況以上に特別な感情が働くこの試合……4月の対戦はまさに、私にとって至高の90分でした。今日もまた、手に汗握る好ゲームに心を躍らせてほしいところです。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節C大阪戦からは5人、直近に行われた

PSG戦からは2人先発を変更。今日は鈴木武蔵とパトリックがベンチからも外れており、食野亮太郎がワントップでリーグ戦としては復帰後初スタメン。そしてPSG戦の後半から試した新たな起用法として、今日は藤春廣輝が3バックの左に入る形になりました。また、最近は三浦弦太が3バックの中央を務める機会が多かったですが、今日は三浦を右CBにして中央に昌子源を起用しています。リーグ戦ではウェリントン・シウバが第18節札幌戦、レアンドロペレイラ第17節横浜FM戦以来のベンチ入り。3日前に、韓国代表としてE-1選手権の日本戦を戦ったばかりのクォン・ギョンウォンもベンチに名を連ねています。

前述の通り、主力の大多数を欠くサンガは前節広島戦からは上福元直人と福岡慎平を除く9人の先発を変更。ここまで全試合に先発していたピーター・ウタカ、出場停止を除く全試合に出場した麻田将吾もメンバーを外れました。鳥栖からレンタルで獲得した佐藤響がスタメンに名を連ね、今季初スタメンとなる本多勇喜第13節清水戦以来、特別指定選手として帯同している木村勇大は開幕戦の浦和戦以来となる出場です。システムとしては、金子大毅がアンカーとも3CBの中央とも言える立ち位置をとった4-1-2-3とも3-4-2-1とも形容出来る形になりました。飯田貴敬も、本職とは異なる右CBでのスタートとなります。

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

ガンバがPSG戦を除く7月のホームゲームで実施した「ガンバサマーフェスティバル」も今日が最終日。今日の試合では縁日が開催され、日本センチュリー交響楽も来場して演奏を披露。更に今日は、7月22日に阪神甲子園球場で行われた阪神タイガースvs横浜DeNAベイスターズ戦で東口順昭が始球式を務めた事に続いてプロ野球阪神タイガースとのコラボ企画を実施。コラボタオル付きチケットの販売の他、試合前に場内ビジョンとYouTubeで放送される番組には阪神OBの桧山進次郎氏が出演します。また、同番組にはガンバのレジェンド、そしてサンガのOBでもあり、現在はガンバユースのストライカーコーチを務める大黒将志コーチも登場。

 

 

本日は現地観戦!スポーツ観戦日記は後日更新します。

サンガにとっては初となるパナスタでの試合です。かつては万博西京極という日本でも屈指に評判のよろしくないスタジアムを舞台にしていた両者が、今や日本でトップクラスの評判を得るスタジアムで火花を散らす絵には何とも言えない感慨がありますね。

 

 

ファーストチャンスはガンバで、ガンバの攻撃のターンから一度自陣まで戻すと、GK東口順昭ロングフィードを受けた食野が独力で粘ってミドルシュート。惜しくもこれは枠を逸れます。

しかしガンバがうまく試合に乗った…と思えたのは開始3分までで、そこからは完全にサンガペース。圧倒的な個を持つウタカがいない分、サンガはチームとして三浦や昌子のような対面での個に強さを持つ選手と1対1になる状況を避けようと、常にサイドの狭いエリアで数的優位を作り、そこのリズムとテンポで背後のスペースを突く動きを見せていました。ここでサンガのシャドーに入った関西学院大学在学中の木村が良い動きを見せた事でガンバは結構サンガの左サイドで翻弄される形になっていきます。

 

9分にはその木村のシュートが左ポストに直撃。更に木村は、そのこぼれ球を三浦がクリアして得たスローインの流れから武田将平のスルーパスに抜け出してネットを揺らしますが、これはオフサイドでゴールを認められず。しかしこれ以降もサンガは、サンガの左サイドで似たような場面でチャンスを作っていきます。

対する反対側…ガンバの左サイドでもサンガは同じ試みをしますが、スペースを突こうとする動きには強い藤春を左CBに置いた事で、逆サイドで崩せていたような攻撃をサンガにさせない効果は埋めていました。一方、攻撃面では今日はビルドアップが上手くいかず、左サイドでは藤春と黒川圭介が渋滞する形にもなり、食野も慣れないワントップで悪戦苦闘。それでも14分には小野瀬康介のクロスが生んだ混戦に石毛秀樹が反応するもサイドネット、直後のCKから昌子が頭で合わせてチャンスは無くはありませんでしたが、攻撃は若干食野の単騎頼みのような形になってしまいます。

 

結局、前半は最後までサンガペース。サンガはウタカがいない分、いつも以上にチームとしての積み上げを大事にしたような攻撃のスタンスで主導権を握り、一方のガンバは前半の後半辺りから増え始めたサンガのアフター気味のチャージにも苦しめられる形になり、やる側も見る側もフラストレーションの溜まるような前半…要は0-0の捉え方がガンバとサンガで大きく異なる内容で前半を終えます。

 

 

しかし後半、先制点はガンバに生まれました。57分、右サイドで小野瀬が執拗にプレスをかけてパスミスを誘発すると、そのボールを上がっていた三浦が回収。三浦のパスを受けた奥野耕平が縦パスを入れ、食野が粘って繋いだボールを倉田秋がワンタッチで折り返すと飛び込んだのは石毛!一旦はGK上福元に阻まれたものの、こぼれ球にいち早く反応したところで食野と上福元、カバーに入った飯田のところで大混戦となり、石毛がラインギリギリで粘ったところに突っ込んできた食野のゴールでガンバが先制!まさしく気持ちと根性で奪ったようなゴールで、劣勢だったガンバがスコアを動かします。

 

 

 

失点直後の59分にサンガは宮吉拓実と佐藤響を下げて大前元紀と白井康介、64分には山﨑凌吾を下げて山田楓喜を投入。大前と山田を1.5列目に置き、存在感を放つ木村を最前線に置きます。対するガンバは得点に絡んだ石毛と食野を63分に下げて山見大登と髙尾瑠を投入。髙尾は右サイドに置き、小野瀬をシャドーにスライドさせました。

サンガは途中から入った大前をボールの供給源にしながら、そこに木村や山田が積極的に飛び出す形で押し気味に進めた一方、ガンバは後手を踏んでいる時間が続きながらも、その状況を利用するように山見の機動力を活かしたロングカウンター気味の戦い方を選択。お互いに終盤戦の戦い方の狙いはハッキリした中で終盤戦に向かいます。

81分、山田のシュートをキャッチしたGK東口のフィードをサンガが処理し切れなかったところを拾った山見が自らドリブル突破。これをこの試合、慣れない役割で奮闘し続けた金子が倒してしまったプレーで今日2枚目のイエローカードとなって退場。サンガは一人少ない立場で1点を追いかけなければならない展開に。

 

こうなるとゲームを進めやすくなったのはガンバで、金子の退場直後にウェリントン・シウバと齋藤未月をピッチに送り込むと、それでも前に出ようとするサンガの戦い方も影響して空いたスペースを山見とシウバが狙おうとする展開が多くなりました。84分にはサンガのパスの乱れを見逃さなかった奥野のパスを受けた小野瀬がワンタッチで左に展開。左から中に切り込むように持ち運んだ山見のシュートでしたがボールは上福元がキャッチ。

山見は85分にもロングカウンターから攻め込むもシュートは今度はDFにブロックされ、88分には小野瀬のプレスからまたしても山見がボールを回収するとそのまま左サイドを独走。右にはシウバという選択肢もあった中で勝負を選択しますが、シュートは戻ってきた福岡慎平の対応もあって枠の上…。

 

試合を決めるチャンスをことごとく逃したガンバはアディショナルタイム、クォン・ギョンウォンを投入して守備固めに入ります。とはいえサンガも、この試合の前提条件を踏まえて疲労困憊となり、最後の猛攻もどこか散発的になり始めた事で、ガンバは猛攻を受けながらもマイボールの時間を得る事はそう難しくはなく、アディショナルタイムにも右サイドの高い位置でボールを持ててはいました。

前節C大阪戦は1-1の状況で全く同じ右サイドでのボールロストからカウンターで散った訳で、ましてや今日はリードしている立場。2点目より、1秒でもマイボールの時間を長くしてほしい守備陣、一方で、チームが不調の中で出場機会が薄く、まして88分には絶好のポジションにいなが、山見からパスを得られなかったシウバ……。チームとしての意識に対しての個々の意欲、焦燥感にも似た執念はボールロストという結果を生みます。再び攻撃のターンを握ったサンガは、大前が仕切り直したところから福岡がロングスルーパス。三浦の背後を取った木村に対し、飛び出した東口のプレーがPK判定。

ラストワンプレー、東口の逆を突いた大前のキックはゴール右隅に吸い込まれ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンバがキックオフでリスタートしたのと時を同じくして試合終了。両者それぞれが悲壮な状態で戦い抜いた90分の結果は、お互いに同じ勝点1とは表現出来ない後味と共にドローに終わりました。

 

 

 

まぁ、私はガンバファンでありサンガファンであり…という立場なので、それぞれのファンとしての感想を書いていけたらと。

サンガとしては間違いなく望外な結果でしたし、これ以上無い…事は無いんですけど。引き分けなので。でもサンガにとってはこの試合に於けるミッションは完遂したと言うべき試合だったと思います。絶対的エースのウタカもいない、理由はともかく、いつもベンチには入っているCBが3人いない、出場機会の多い選手がほとんどいない状況で、対戦相手は自分達より下だけど勝点が近いガンバ…サンガの立場としては上でも書いたように、勝利を目指すのはもちろんとしても、ミッションとしては勝点1…要はガンバに勝点を詰められない事が全てでした。ましてや一人少なくなった訳で、この結果を得られたのは大成功の試合で、曺貴裁が語る「この勝点1は勝点3に値する」という言葉がそのまま当てはまる試合だったかと。その感想は、仮に金子の退場が無く11対11の状況で、終了間際に追いついたのがガンバの方だったとしても感想は同じだっただろうなと。

そういう意味では、大前を獲得した意味は大きかった事を誇示するゲームでもありましたね。今日のサンガは若干手負いのような状態にもなっていて、試合の前提条件がもたらした焦りも確実にあったでしょうし、そこで必要以上にアフター気味というか、ラフなプレーが頻発していたのは確かで、それも含めたバタバタ感は否めませんでした。そこで大前をある程度運動量は免除しつつ、彼をフリーマン的にボールをコントロールする役割に置いた事で、他の選手がそれに合わせて走りやすくなった部分はあったと思います。

 

一方のガンバとしては……チームとしての狙いという意味では、敗れた大阪ダービーPSG戦の方が明確にピッチに映せていたと思います。

手負いになっていたようにも見えたサンガのスタンスと、前半に細かいパスワークで度々チャンスを使った映像へのフラッシュバック、そしてもちろん審判が意図的にそうしている事はないのは大前提としても、アフターであったとしても接触プレーの判定のほとんどがサンガに転んでしまった事、そして自分達が現在置かれている現状……それらの全てがガンバのリズムを狂わせた部分はあって、むしろそういう時こそ戦術パトリックのようなベタなやり方が突破口になったりする事もあるんですけど、今日は鈴木のコンディション問題もあって食野が慣れない位置と役割で戦わなければならなかった……自滅したというより自滅に追い込まれたような試合展開で、危機に陥った時の拠り所をサンガは培った攻撃のベースとして有しているのに対し、ガンバはやっぱりその拠り所をパトリックでしか持てていなかったところの差は感じました。

一応私は、この試合はある意味で一番中立的に見れる立場だと思ってるんですよ。どっちのファンでもある訳で、ありえないけどどっちにも勝ってほしい思いで試合を見てるわけで。そういう視点でも、そこに意図的なモノは無いのは当然として、確かに今日のジャッジはサンガに有利に働いていたようには感じました。ただガンバが勝点2を失った事とサンガが勝点1を掴み取った理由は決してそれだけじゃなく。思えば浦和戦とC大阪戦で繰り返したミスをまたしても犯してしまったところで、サンガが勝点1より大きな勝点1なのだとしたら、ガンバは勝点2以上を失ったような勝点1だったと言わざるを得ませんでした。

4月の対戦とスコアは同じ。ただその後味というか、正当なドローと言えたあの試合とはまるで異なる感覚を、ガンバファンとしてもサンガファンとしても抱いた…ってところがこの試合の一番の感想でした。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

明治安田生命J1リーグ第23節の順位表コーナーは清水エスパルスvsサガン鳥栖戦のマッチレビュに記載しています↓

 

マルティノスさん…

ではでは(´∀`)