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知覚と快楽の螺旋〜キリンチャレンジカップ2022 日本代表vsアメリカ代表 マッチレビュー〜

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Mステで布袋さんがCIRCUS歌う事に狂喜してる

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューキリンチャレンジカップ2022、日本代表vsアメリカ代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

カタールW杯まで残り2ヶ月となりました。

「ジャパンズ・ウェイ」という言葉が若干一人歩きしてしまった部分はあるにせよ、ロシアW杯が終わってからのこの4年間は、日本サッカーが新たなる路線を模索し、歩もうとした4年間だったことは確かです。その道筋がどういう結末を迎えるのか、その一つの解答が求められる時期が迫ってきました。

 

 

普段はW杯前には1ヶ月近い事前合宿が設けられており、その1ヶ月で最後の仕上げを超えた怒涛の調整に入る事が出来て、それで結果に辿り着いたのが南アフリカW杯とロシアW杯だったとも言えるでしょう。

しかし今回はW杯の開催時期が異なる事もあって、事前合宿と呼べるほどのまとまった時間を取れないまま本戦に突っ込む事になる。という事は、実質的には今回のドイツ遠征が事前合宿のようになるという見方も出来るので、チームパフォーマンスの向上やテストはを狙えるのはこの2試合が最後となります。もちろんメンバー発表前の最後の2試合にもなる訳ですから、当落線上の選手にとっては目の前の選手より前へ、上へというサバイバルに勝ち抜く事も求められますし。

対戦相手のアメリカは、かつては市場規模と比較した時に「サッカー不毛の地」の代表格とも言われてきました。しかし今となってはスタープレーヤーも多数現れ、今や準強豪国とも呼ぶべき立場です。力試し的な側面、パフォーマンスとテストの側面、そしてサバイバルの側面……多数の意味を含む日米対決です。

両チームスタメンです。

 

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4-1-2-3が続いていた日本ですが、今日は遠藤航と守田英正をWボランチに置いた4-2-3-1システムを採用してきました。3トップは右の伊東純也はいつも通りですが、右や中央での起用がメインの久保建英を今日は左で起用。トップ下には鎌田大地、ワントップには前田大然が入っています。左SBは長友佑都ではなく中山雄太を起用し、怪我の影響もあってなかなか代表戦に出られなかった冨安健洋は2021年11月のオマーン戦以来の代表戦出場となりました。ベンチから外れたのは川島永嗣、瀬古歩夢、旗手怜央、上田綺世の4人です。

アメリカは4-1-2-3のシステム。エース格でチェルシー所属のクリスティアン・プリシッチは欠場となりましたが、ユベントスのウェストン・マッケニーやACミランセルジーニョ・デスト、ドルトムントのジョヴァンニ・レイナといった有名選手は順当に先発に名を連ねています。

 

本日の会場はドイツ、デュッセルドルフエスプリ・アレーナです。今日からカタールW杯仕様の新ユニフォームでの試合ですね!個人的には近年で一番好きです。

普段は田中碧が所属し、過去には原口元気宇佐美貴史が所属したことでも知られるフォルトゥナ・デュッセルドルフのホームスタジアム。2005年と2006年にはNFLヨーロッパのワールドボウルが、2011年にはユーロビジョン・ソング・コンテスト2011も行われたドイツでも大規模なスタジアムです。W杯規格を満たしながら2006年ドイツW杯の会場リストからは漏れたものの、ドイツで開催されるUEFA EURO 2024では開催会場の一つになる予定となっています。ぱっと見はどこかショッピングモールにも見える外観も特徴的ですね。

欧州遠征ではありますが、JFAはドイツのデュッセルドルフに海外事務所を構えていますので、日本にとって今やデュッセルドルフは第2のホームとも言える場所になっています。元々日本人がめちゃくちゃ多い地域ですしね。前述の通り、ドイツW杯の会場には選ばれませんでしたが、当日のジーコジャパンはドイツW杯直前最後の試合となるマルタ戦をこの会場で戦いました。

 

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序盤から日本もアメリカも積極的に前に出ており、立ち上がりから両者共にチャンスが生まれる展開になりました。開始早々に伊東がドリブル突破からシュートまで持ち込むと、アメリカは8分にセルジーニョ・デストのクロスにヘスス・フェレイラが合わせたヘッドが僅かに上。13分にはパスカットから久保のスルーパスに抜け出した鎌田が決定的な場面を迎えますが、相手GKマット・ターナーのビッグセーブに阻まれてゴールには至りません。

 

日本はアメリカの鋭いプレスに苦しめられながらも、チームとして高めのラインを設定しながらバイタルエリアで落ち着いてボールをキープする事が出来ていました。特にポゼッション的に攻撃する際には守田がポジションを一つを上げる事で4-1-4-1的な形になり、バイタルでボールの落ち着かせどころを作る事で鎌田や久保がフリーになる瞬間を待てるような形が複数回作れていました。

そんな中で24分、右サイドで持ち上がった伊東のパスを高い位置で受けた守田がペナルティエリア前で溜めると左にパス。フリーで受けた鎌田がこれを冷静に流し込んでゴール!一度はオフサイド判定となりましたが、VARで覆して日本が先制します。

 

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その後はアメリカがサイドを揺さぶるように攻めてくる時間もあり、何本かクロスを入れられる場面もありましたが、日本もアメリカのサイド攻撃に対しては前線のハイプレスとは異なりゾーンディフェンスで上手く対応。クロスもしっかり弾いて対応し、前半を終わってみれば与えた決定的なシーンは8分のヘッドのみ。日本にとってはほぼほぼ完璧な前半を過ごしてみせました。

 

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日本は後半から、前半に肩を痛める場面があったGK権田修一シュミット・ダニエルを交代。更に前田、酒井宏樹を下げて町野修斗、伊藤洋輝を投入し、伊藤をCBに入れつつ冨安を右SBに出す形を取ります。

前半ほどハイプレスというよりは、アメリカも少しメンバーを落とした事もあって日本も多少ペースとしては落ち着かせながら試合を進めていきました。

 

前半はサイドから中心を介して…という攻撃が目立っていましたが、後半はどちらかと言えばストレートにサイドを攻めていく形となり、特に68分に伊東と久保を下げて堂安律と三笘薫を投入してからはサイド突破+ショートカウンター的な形にシフト。前半ほどチャンス量産という訳ではなくとも、右の堂安も左の三笘も得意のカットインなどで活路を見出しながら、上手く1-0でリードしている試合展開の流れに乗せていけました。

 

後半終了間際は更にプレスからのショートカウンターの流れが上手く決まるようになり、決定的なチャンスにまではいかなくとも、サイドからクロスを上げるまでの形は何度も作りながらリズムを構築していきました。

そして試合終了間際、左サイドでボールを持った三笘がJリーグファンに何度も興奮と絶望を植え付けたあのドリブル突破で打開。最後はまさしく十八番、この上ない「よくみるアレ」で決め切って2-0!!

 

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W杯を前にしての実力国との貴重なテストマッチ。日本としてはほぼほぼ理想的な展開で、この大きな意味を持つ試合を2-0で完勝しました!

 

 

 

「完勝」と呼んで差し支えない試合だったと思います。特に前半のプレスのハメ方、そこからショートカウンターで突っ切れる時は突っ切るし、ダメならダメでの時の守田を絡めた減速の仕方は非常に上手く出来ていたのではないでしょうか。やはり今の日本代表の前線は途中から入った三笘や堂安、原口元気も然り、スピードの加速・減速のどちらでも対応できるタレントを揃えているのはやっぱり強みではあるのかなと。後半は確かにギアが落ちたところはありましたが、本番仕様というか、そこは意図的にペースを落としたようなところも感じましたし、ボール奪取時には確実に深いところまで持って行けたのもリード時の試合展開として良かったのかなと。

守備に関しても、確かにアメリカにプリシッチがいなかったところはありますが、ハイプレスでショートカウンターに繋がるような攻撃的な守備をする場面と、一定ラインを超えてからのゾーンディフェンス気味に構えて待つディフェンスのバランスも上手く保てていたと思いますし、アメリカ相手にアグレッシブさのバランスを上手く調整しながら出来ていたのではないでしょうか。

 

 

 

言うまでもなくこれは親善試合で、じゃあこの試合で良かったから全てを楽観的に考えればいいのか、ドイツやスペイン、コスタリカに勝てるのかと言えばそうではないですが、この試合に関して言えばポジティブな評価と感覚で接して良かった90分だったと思います。

最低限の約束事に自主性のアドリブを上手く絡ませるようなやり方は批判の対象にもなりがちですし、状況によっては諸刃の剣にもなりますけど、この体制で長くやってきている訳で、選手達自身もそこのバランスは掴めてきているようにも見えました。個人的には文句はそんなに付ける気の起きないゲームだったかなと。

 

 

三笘薫はガンバ大阪が育てた。

ではでは(´∀`)