午前サウ時
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは FIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第3戦、サウジアラビア代表 vs 日本代表の一戦です!
【オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。】
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アジアカップでは不覚をとった。
それはそれでもちろん原因があった。
しかしそこに対しても一つの道筋に手をかけたように、新たに「対アジアの戦い方」へのアプローチを図った日本代表が見せた9月シリーズの2試合は控えめに言っても最高の2試合でした。
もちろん、相手のレベル差なんかもある訳ですが、少なくともバーレーンに関しては戦力差だけでボコボコにできるような相手ではなかった。そこに対してあれだけの戦いを見せた事は新たに取り組んだアプローチが一つの答えを示した証左であり、そして度々称される「日本代表史上最強」との呼び声が決して伊達ではない事を感じさせるゲームだったと思います。
しかしながら、アジア最終予選には絶対的に乗り越えなければならない壁があり、それはいつの大会でもどこかで訪れる…それが今回の2試合、サウジアラビアとオーストラリアとの連戦です。
結局のところ、日本代表が真に今の価値を証明しようと言うのであ」ば彼らを倒してこそ、とも言える。逆に言えば、ここまで必ずしも本意なる戦いができていない彼らにとっては「ここで日本さえ叩ければ」という気持ちがある。前回大会の日本がそうだったように…。彼らを倒して彼らの希望をも打ち砕くのか、彼らの希望を復活させる一手を与えてしまうのか。深化しつつある森保ジャパンの真価を問う、アジア最終予選のハイライトとなる壮絶アウェイゲームの始まりです。
両チームスタメンです。
今回の最終予選では一貫して堂安律と三笘薫をWBとしてた3-4-2-1を採用している日本は、前節のバーレーン戦からのスタメン変更はありません。初戦の中国戦からもバーレーン戦に向けて久保建英を鎌田大地に変更方のみですから、現在のシステムとメンバーに手応えを感じている表れと言うべきものでしょう。
本日の会場はサウジアラビア、ジッダのキング・アブドゥッラー・スポーツ・シティです。
キックオフまで...
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2024年10月10日
あと2時間⏳
過去2大会アウェイで敗れているサウジアラビアと対戦🇯🇵⚔️🇸🇦
選手たちと一緒に戦いましょう!
🏆FIFA #ワールドカップ 26アジア最終予選(3次予選)
🗓️10.11(金)⌚️3:00(🇯🇵)
🆚サウジアラビア代表🇸🇦
🏟King Abdullah Sports City Stadium(サウジアラビア)
📱#DAZN… pic.twitter.com/r9uqi0nnS8
サウジリーグではベンゼマやカンテの所属するアル・イテハド、フィルミーノやマフレズが所属するアル・アハリ・サウジが本拠地とする、世界最大の石油会社サウジアラムコが所有するスタジアムです。昨年のクラブW杯では決勝戦や浦和レッズvsマンチェスター・シティの試合などが行われ、WWEやボクシングの興行にも使用されるなど、現在のサウジではキング・ファハド国際スタジアムと共に重要なイベント拠点となっています。
最終予選に於けるアウェイサウジアラビア戦で未だ勝てていない日本ですが、ロシアW杯予選で敗れた時もカタールW杯予選で敗れた時も会場はこの場所でした。蒸し暑いスタジアムの中に去来する積年の思いは今、この瞬間に跳ね返せ!!
4-1-2-3で挑んだサウジアラビアは前半からサイドを軸に攻撃を試み、当初の予想と異なるシステムに日本も対応を擦り合わせる必要が出て来た為、序盤は何度かサイドで脅威を生むような場面をサウジに作られる機会もありました。しかし日本も相手のWGに対してしっかりとWBとボランチの連動で対応する事でアジャストしていくと、攻撃面ではWBが幅を取った上で鎌田がよりフリーなポジション取りをする一方、南野は相手のアンカー脇に常に入る事で相手守備陣に選択肢という名の迷いを持たせていきます。
15分、右サイドで少し内に入った堂安のファーサイドへのクロスを三笘が折り返すと、ボックス内に飛び込んだ守田英正がヘッドでもう一度落とし、フリーのスペースに飛び出した鎌田が押し込んで日本先制!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年10月10日
左右に振って完全に崩した
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三笘薫のダイレクトの折り返しに守田英正
最後に押し込んだのは #鎌田大地 💥
難しいアウェイゲームで日本が先制‼️
🏆AFCアジア最終予選
🆚サウジアラビアvs日本
📺#DAZN 独占配信
最強の #代表みようぜ pic.twitter.com/avRn0ECbEl
ボールポゼッション自体はサウジの方が保持の時間は長くとも日本も相手にボールを持たれることは許容しつつ、むしろ相手をサイドに追い出す事でサイドで相手を詰ませる、奪い切る為のイメージ共有をチームとして実践。それに応じて逆サイドにいる選手達もこまめにポジションを調整などフレキシブルな守り方ができており、ボール奪取後もWBが前を向いてシャドーにつける、或いはボランチにボールを戻して一旦作り直すの二択を選べる状況になっているなど、日本は時として4バックに変形する瞬間も守備時に設ける事で「日本の戦いやすいフィールド」を設定していきました。
ただ27分に一度ピンチを迎えて以降はサウジの守備陣が日本がボールを持った時にパスの出し処を上手く切るようになってきたことでビルドアップから前進がしにくくなり、それと同時にサウジがサイドからじわじわと押し込んできたことでWBが守備に忙殺される格好となり、日本は明確に5-4-1の状態が続くようになっていきました。
それでも日本はしっかり対峙した時の守りは問題なくタスクを遂行できていたものの、ややディフレクション気味のボールの応酬が起こり、そこでスピードを出される後手に回る形に。43分には左からエリア内に侵入され、ボックス内では守備陣も対応するも守田がブロックしたボールに走り込んだアブドゥルハミドが強烈なシュート。しかしここはGK鈴木彩艶がファインセーブ!前半は1点リードで終えます。
後半から日本は南野を下げて伊東純也を投入。伊東を右WBに入れ、堂安をシャドーに上げます。サウジアラビアもハーフタイムにヤハヤを下げてアルシェハリを投入。
後半はサウジも少し勝負を急ぐようになったのか、60分辺りからシステムを3-1-4-2の2トップにシフトしてきました。日本は直後に鎌田を下げて前田を投入し、堂安と三笘をシャドー、伊東と前田をWBの形に。試合のペースとしては一進一退ではありましたが、日本としてはWBが押し下げられる前半のサウジの攻め方よりも、2トップと2枚のインサイドハーフをWボランチと3バックで完全に捕まえ切れる形になり、押し下げられていたWBを前に出せる形になった事で、後半の方が日本にとっては守りやすく攻撃にも繋げやすい形になっていました。
前半は上手く守備を組みながらもディフレクションのような瞬間が脅威になっていたのに対し、後半はそういうシーンもほぼ無く推移。日本は前線での強度を担保するべく76分に上田綺世を下げて小川航基を投入。
安定したペースで試合を運びながらも早く2点目をとってゲームを決めたかった日本は81分、右サイドから伊東が蹴ったCKに対して小川航基がヘディングシュート!!遅れてこの舞台に舞い戻ってきた東京五輪世代のエースが、大一番で難敵の心を折るような追加点をゲット!!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年10月10日
交代出場から鮮やか追加点
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値千金の2点目は #小川航基
セットプレーからヘディング弾🇯🇵
🏆AFCアジア最終予選
🆚サウジアラビアvs日本
📺#DAZN 独占配信
最強の #代表みようぜ pic.twitter.com/e2RjHm3fKe
最終盤はサウジがなりふり構わずロングボールを放ってきたことで少しヒヤッとする場面はいくつかあったものの日本も3点目の決定的な場面を一つ作り、それは決まりませんでしたがチームとしてのタスクを90分間パーフェクトに完遂しきってゲームセット。日本3連勝!今まで一度も勝てなかった、点すら取れなかった因縁の地で完璧な戦いを見せました!
素晴らしかったです。相手がサウジアラビアなので、中国戦やバーレーン戦のようなわかりやすい娯楽性の高いゲームだったり、全ての時間を日本の時間にするような戦いはさすがに難しいですが、それゆえに日本の地力を感じさせるゲームでしたし、チームとしての準備力とキャパシティーの広さを証明したゲームだったように思います。
これまでの苦労の上に積み上げられた、これまでの苦労が嘘みたいな鮮やかな勝利。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年10月10日
6月から3-4-2-1を導入している日本ですが、このシステムは中国戦やバーレーン戦がそうだったように引いてくる相手を如何にして崩すかというアプローチであったり、或いはアジアカップイラン戦のように明確に日本対策を打たれた時に、自分達でボールを保持しながらどうやって打開していくのか…という意味合いが強いものでした。その点で言えば、例えばサウジアラビアやカタールのようなチームに対してこのシステムがどう出るのか。具体的に言えばこのシステムは「どう攻めるか」が主語にある先述でしたが、今日に関しては「どう守るか」というこのシステムでの守備をどう組んでいくのか…が問われていたゲームだったと解釈しています。
その点で言えば、今日はサウジアラビアが4-1-2-3にしてしっかりとサイドから攻撃のアプローチをしてきた訳ですが、そこに対して「どうやって守るか」「ボールホルダーをどうやって囲うか」というところのデザインがしっかりと出来ていました。守備時は5-4-1、ないしは状況に応じて4-4-2的にも変化させながら、まずは相手がしっかりとサイドに逃げざるを得ないように追い込んでいく。その上で遠藤航が最終ラインに落ちてDF陣の数を確保したり、守田がWBをフォローするように囲ってWボランチが凸凹を嵌めるような動きを臨機応変にやっていく。奪い切ればそのままWBが前に出るなり、フォローに入っていた守田を経由して南野や鎌田にアクセスしたり…という流れがしっかり出来ていました。この連鎖を実にスムーズに出来ていた事はやはり攻撃に転じる意味でも大きかったですし、選手の立ち位置は実に周到に準備されていたものだったと思います。
それでもサウジもやっぱりサウジですから、サイドに追い込まれたなら追い込まれたで、そこでWGがとことんまでワイドに張り、急がずにボールを動かしながら前進していく事で時間経過と共に攻撃的な選手である堂安と三笘の両WBがSBとしてプレーせざるを得ない時間を作っていった事で、まず勝負を焦らずに日本のが攻撃に転じる展開を封じる事から始めてきたのは厄介でしたし、その中でもディフレクションのような瞬間が訪れると一気に決めにくるようなアクションを起こしていた。あそこのサウジの戦い方はサウジも巧かったと思いますが、日本もイレギュラーにはイレギュラーとしてしっかり対応できていました。
その中で今日は、相手をサイドに追い詰める戦い方を選択すると攻撃の一手目もWBになる訳ですし、その意識を持った上で相手のWGとどう対峙するか、押し込まれた時はSBとしても振る舞う必要があるという非常に複雑なタスクを完遂した堂安と三笘は殊勲でしたし、攻撃の一手目となっていた堂安と三笘をしっかりフォローし続けた守田と鎌田も素晴らしかった。苦しい時間もあったとはいえ、全時間帯に於いて全選手が実に機能的に動いていたと思います。
正直なところ、後半も前半の戦い方を続けられるとちょっと面倒臭いな…とは思っていましたが、逆に後半は堂安を前に上げて伊東を右WBに入れた事で、守備のタスクを担保しつつより上がってきた相手の背後を狙うアクションを示したことが一つサウジに対する牽制にもなりました。結果的に相手のマンチーニ監督は、こればっかりは何か事情があったのか勝負を焦ったのかはわかりませんが…そこそこ効いていたシステムを3-1-4-2に変更してより中央の比重を強めた事で、日本はWボランチと3バックのところで相手のアタッカーを完全に捕まえられるようになりましたし、そうなると押し下げられていたWBを前に出す事ができる。この辺りの時間になると両WBは伊東と前田でしたから、それがそのままビハインドを背負う相手からすれば鬼畜カウンターとして成立するわけですから。ただでさえクオリティの高い選手たちが個々として各々のタスクをきっちり完遂し、組織として機能的に絡み合い、それを連鎖させた。そういう作業を過酷なアウェイゲームでよくぞやり切ったなと。
3年前のほぼ同じ日に同じ第3戦、同じスタジアムで同じ相手と試合した日が森保ジャパンが一番底に落ちた日だった。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年10月10日
あれから3年経ってここまで来たかと。選手とチームスタッフの努力と、森保さんに賭けて信じ切った事に拍手。 pic.twitter.com/BLdbbTgNfo
考えても見れば3年前のほぼ同じ日、同じ第3戦、同じスタジアム、そして同じ対戦相手を前にしたあの時、森保ジャパンはもっとも底に落ちた訳です。
あれから月日が流れ、W杯やアジアカップ、複数の親善試合を経ていましたが、チームは一つ一つのハードルを超え、そのハードルを飛ぶ過程で吹き出した課題を拾い集めて、それらを踏み台にしてより高いハードルを超えてきた。あの2021年10月には想像もしていなかった6年目の森保ジャパンは今、進化しながら深化しているんだと思います。素晴らしい勝利でした。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
FIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC
《第3戦》
オーストラリア3-1中国
サウジアラビア0-2日本
1位 日本(9)+14
2位 オーストラリア(4)+1
3位 サウジアラビア(4)-1
4位 バーレーン(4)-4
5位 インドネシア(3)±0
6位 中国(0)-10
ロマンスローズ
ではでは(´∀`)