RK-3はきだめスタジオブログ

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引き金の使い方〜2026年北中米W杯アジア最終予選グループC第4戦 日本代表 vs オーストラリア代表 マッチレビューと試合考察〜

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WOWOWではCOMPLEXやってます

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは FIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第4戦、日本代表 vs オーストラリア代表の一戦です!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

誰もが苦しむ敵地サウジアラビア

中国とバーレーンに快勝したとて、日本の真価は10月の2試合でこそ測れるものだとされていた中、その舞台で日本が見せたパフォーマンスはこの国の「史上最強チーム」と呼ばれるに相応しい戦いぶりでしたし、贔屓目を抜きにしたとて、あの試合でサウジアラビア相手にあの勝ち方をしてみせた事は日本がアジアでは頭抜けたチームであるという証明に十分なものだったと思います。

 

 

そして今日、他所の国の誰もが苦しむ日本代表のホームスタジアムには、何度も日本の前に立ちはだかり、何度も日本を押し除け、逆に日本自身が何度も乗り越えてきた黄色い壁がやってきます。

…前回大会とは全く別の立場と言えるでしょう。順風満帆に第3節までを終えた日本に対して、オーストラリアは今、この予選の舞台で土俵際。思えば前回大会の時、背水の陣まで追い込まれていたのは日本の方でした。同じ場所、同じ10月半ば、同じ第4戦……あの日に変えた流れを、今日は変えさせないことが日本には求められ、そして日本はオーストラリアをこの場所で生き返らせてはいけない。もし日本がアジアをも超えた実力と存在感を手にしたいのならば、この場所で過去何度も見たこの黄色いサッカールーズを斬るようなゲームをしなければなりません。W杯出場だけが目標じゃなくなったこのチームの行く末を占うものは、目の前の因縁の相手に何を見せつけるかによって変わります。オーストラリアに苦しむ姿を見て育ち、オーストラリアをライバルと見立てた時代を見て育った精鋭達が作る歴史はオーストラリアを蹴落とす歴史であれ。さぁ、大いなるハイライトを積み上げて新しい世界へ!

両チームスタメンです。

 

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日本はサウジアラビア戦からはメンバーを2人変更。鎌田大地のところを久保建英に変更し、基本的には中国戦と同じメンバー構成になっていますが、今日は主将の遠藤航が体調不良により欠場。それに伴い今日はボランチ2021年のオーストラリア戦でヒーローとなった田中碧が守田英正とボランチを組み、キャプテンマークは守田が巻いています。

オーストラリアはグラハム・アーノルド監督が解任され、新たにトニー・ポポヴィッチ監督が就任して2試合目。現役時代はサンフレッチェ広島にも所属しており、当時の主将が森保一監督。その後も親交があり、広島の監督を退任してフリーだった森保監督が当時ポポヴィッチ監督が務めていたチームの活動に参加する機会もあったなど交流の深い監督対決にも注目です。

 

 

 

本日の会場は埼玉県さいたま市埼玉スタジアム2002です。

 

 

毎度お馴染み、埼玉スタジアム。芝生の張り替え工事もあって2023年は日本代表戦が1試合も開催されませんでしたが、これは2001年の開場以来初めての出来事でした(コロナ禍の影響で国内の代表活動を行えなかった2020年を除く)。二次予選ではパナソニックスタジアム吹田国立競技場エディオンピースウィング広島が使用されましたが、最終予選は会場未定の最終節インドネシア戦以外は埼スタでの開催予定となっています。

日本vsオーストラリア…この場所で幾多のドラマが生まれてきました。本田圭佑の伝説のPKでW杯を決めた2013年、ハリルジャパン最高の試合でW杯を決めた2017年、そして日本が瀕死の状態から、森保監督が勝負に出て風を変えた2021年……。この場所で起きるマジックを味方にしながら、そのマジックにも頼らないような勝利を見せて欲しいところです。

 

 

開始早々から久保と田中のパス交換から久保が決定機を迎えるなど、基本的に試合は日本ペースで常に進んでいきます。

今日の日本はかなり明確に堂安と久保が良いコンビネーションを発揮できる右サイドから攻撃を仕掛けていましたが、攻撃時はやや堂安が内寄りのポジションをとって久保が右サイドを抜け出していく形に。基本的には左サイドの三笘で縦への突破を図るというよりは、エリア内の空中戦には強いオーストラリアに対して右サイドのコンビネーションで揺さぶって作ってからボックスに入る…という攻め方を徹底。オーストラリアも3バックが強固なブロックを組んでいたことでエリア内ではしっかり跳ね返してきましたが、サイドでの打開は田中や守田、フォローに入った板倉滉も絡ませて良いリズムが作れていました。

 

 

 

オーストラリアも自分達にボールが入った時はラインの上げ下げをしっかりと行う事でオーストラリア陣内でゲームが続くような試合展開は避けてしましたが、彼らがボールを持っている時は無理なプレスには行かずに陣形をコンパクトに保って対応していた事でオーストラリアはなかなか前線での選択肢を作れず、日本陣内で攻撃を詰まらせてから奪い切るディフェンスを徹底していました。また、序盤こそ日本のリズムに打開されるような場面もあったオーストラリア守備陣も、右サイドでは久保の左脚のコースを切りつつを数人で囲むように対応。左サイドでは三笘と一定の間隔をとって縦のスペースを消すやり方で左右ごとに微妙に守りのアプローチを変えながら対応し、かつボールの位置が下がった時にはしっかりとラインを上げてくる動きを徹底してきた事で日本もちょっと攻めあぐねるような時間が長引いていきます。

ただ、オーストラリアの攻撃はビルドアップの精度も割と甘めで、むしろオーストラリアもカウンター狙いというより日本のビルドアップ時のミス待ちのような状況になっていました。それもあって日本も守備時にはボールロスト時の対応には気を揉む必要がありましたが、それ以外では高い位置でビルドアップを引っ掛けやすい状況は続いていました。

 

 

 

34分には左サイドでボールを受けた三笘が中央に持ち出してからミドルシュートを放つも相手DFにブロックされてゴールならず。

前半は0-0で終えます。

 

 

後半からオーストラリアはブラッタンを下げてヤズベクを投入。選手交代を行った後半からは両WBが5バックにならないような位置取りを心掛けて、ポイントを高い位置で作るようにアプローチし始めてきました。

逆に日本もオーストラリアが少し攻めに来たことでサイドで使えるスペースは増えており、特に久保や三笘が前のスペースに対して走れる場面は増える形に。57分には右サイドから久保が入れたボールに対してファーサイド南野拓実が合わせるも僅かに枠を捉えられず。

 

 

 

しかし埼玉スタジアムに一瞬の静寂が走ったのはその直後のプレーでした。58分、オーストラリアの攻撃に対し、日本は日本陣内でのルーズボールの応酬を処理しきれず相手ボールに。どうにか右サイドに繋いだオーストラリアは右WBのミラーが鋭いクロスを入れると、谷口彰悟のクリアは無情にもイレギュラーなヒットを起こしてオウンゴールに。

日本は二次予選を通じて、2026年W杯予選に於ける初失点という事に。

 

 

失点を受けて日本は61分に堂安を下げて伊東純也をそのまま右WBで投入。直後の64分には早速伊東のクロスから上田綺世が頭で合わせる場面を作るも、ヘッドはミートせず。そこからは日本も若干焦りが見え隠れしたのか、引いて守ってOKになったオーストラリアに捕まる場面が増えていきました。

その状況を打開すべく70分には南野と久保の2シャドーを下げて鎌田大地と中村敬斗を投入。中村は左WBに入れ、三笘をシャドーに上げる形で同点を狙います。すると中村はワイドなポジショニングで幅を確保するようになり、同時に中央に近い位置にポジションを移した三笘がポケットを取れるようになった事で、日本は三笘と中村のところでインサイド、アウトサイドの両方を突けるようになっていきました。

 

 

 

76分、左サイドをワイドに開いて浅い位置でボールを持った中村は一度カットインのモーションを見せながらも縦に突破。そのままペナルティエリアに侵入し、左サイドをギタギタに入れてグラウンダーのクロスを入れると、これが相手DFのバージェスの脚に当たってオウンゴール!同点同点同点!!!後半から入った中村敬斗が、左サイドと不穏な空気を切り裂く鮮やかで鋭い突破から同点弾を演出!!!!!

オウンゴールにはオウンゴール…?

 

 

終盤には上田を下げて小川航基を投入。

そこからは日本が押し込む時間が続き、両WBがワイドに張りながらスペース攻略を目指していきました。ただオーストラリアは終盤は割り切って勝点1OKの姿勢を取ってきたこともあり、日本も折り返すところまではいきますがボックス内ではオーストラリアに弾かれる形が続いて試合終了。

この予選での連勝、連続無失点が止まった日本ではありましたが、どうにか追いついて貴重な勝点1を獲得。サウジアラビア、オーストラリアという大一番の続く10月シリーズを1勝1分で乗り切りました。

 

 

 

まず、戦略としてオーストラリアが上手くやってきた…というのがこの試合の一つのポイントでした。

今日のオーストラリアは日本のサイド攻撃をどう抑えるか…という部分をかなり徹底しており、同時にそれを左右でやや違う形で対応してきました。日本の左サイドはやはり三笘に縦に突破される事が一番面倒くさい訳ですから、WBと右CBが二段構えになるようにして、ある程度の距離感を保った上でプレスにはそこまで行かない形でステイしながらスピードを出させないに務めていた。逆に堂安と久保がいる右サイドは共に左脚を自由に使える状況にするとまずい2人でしたから、複数人がかりで左サイドをケアしながらなるべくサイド、或いはサイドのゴールラインに近いところに追い詰めていく。ここまで徹底していると、おそらく鎌田がシャドーだった時の場合も考えていたと思います。その2つの守備をWBを含めた5バックでしっかりと使い分け、そして完遂してきた事は見事でした。日本が押し込みながら、決定機という決定機になかなか繋げられなかったのはそこでしっかりとオーストラリアに絡め取られてしまった事が大きかったのかなと。

ただ前半に関してはオーストラリアのビルドアップの拙さもあって日本も中盤でほぼボールを刈り取れていましたし、同時にオーストラリアの攻撃がほぼ日本のミス待ち、ディフレクションに伴う混戦をどうやって突くかみたいな狙いが明確になっていた。ですがオーストラリアもそこに対するスピード感は提示していたので、日本もそこのリスク管理は必要になっていた。そこで今日の堂安はすごく巧みに立ち振る舞ってくれていたんですよね。おそらくオーストラリアは堂安と久保が近い距離で連動しようとしたところを突こうとしていたので、逆に堂安は右サイドを久保に任せる形で攻撃時は内寄りのポジションでバランスを取ること、相手がボールを奪い切った時にファーストディフェンダーになる事を徹底していた。あそこの堂安の立ち振る舞いは見事で、前半の影のMVPだったとさえ思うんですが、同時に堂安がそういうバランス調整をせざるを得ない状況になった事で堂安-久保で本来期待したいコンビネーションが発揮しにくかった。そういう側面はあったと思います。

 

 

後半に関しては、オーストラリアが両WBを高い位置に引き上げたことで5バックではなく3バックで戦う姿勢を明確にしてきました。結局先制点がもろにそういうパターンだった訳ですけど、オーストラリアの攻撃の狙い自体は前半と同じで、それをチーム全体のラインを一つ引き上げることで高い位置で発生させるような戦い方をしてきた…と。逆にそうなると日本も前半以上にオーストラリアの背後を突けるようになりましたし、それに伴い日本も途中から投入した中村と伊東を投入してワイドに幅をとることが効果を生めるような状況にもなり、そこから背後へのアクションも出せましたし。オーストラリアの後半のシフトチェンジは言わば戦略的なもので、彼らからすれば引き金を引いたような格好でした。それによって試合をオープンな展開に持ち込もうとしたのはオーストラリアの方だったと思いますから、失点こそ喫したとはいえ、オーストラリアが仕掛けた勝負に対して概ね上手く対応したとは思います。

試合全体としては…守備はオーストラリアも素晴らしいクオリティを見せていましたが、日本とオーストラリアの攻撃のクオリティは結構大きな差があったと思うだけに、ここでオーストラリアを斬ることでこそナンボ、勝ち切りたいゲームではあったと思います。ただこれは最終予選……精神論的なことで言えば日本だけじゃなくどのチームも期する想いを持っていますし、特に今はここ数年の因縁を踏まえても「オーストラリアの対日本」の熱量の方が強いはず。そういう情念が交錯するフィールドで戦う事はやっぱり数値だけでは表し切れないものもある訳です。

日本は最初の3試合で勝点9を得た。それでこのグループで優位な立場に立った。そうなるとこれこらは、勝点を積み上げるというよりも「勝点を詰めさせないこと」が大事になってきます。オーストラリア戦をそういう解釈で見れるようになったのはサウジアラビア戦を取ったからこそ。試合単体で見れば勝ちたいゲームではありましたが、サウジアラビア、オーストラリアと続く2連戦で勝点4を確保できた事はポジティブなところだったなと思います。ましてやサウジアラビアバーレーンも引き分けましたしね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

FIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC

《第3戦》

オーストラリア3-1中国

バーレーン2-2インドネシア

サウジアラビア0-2日本

《第4戦》

日本1-1オーストラリア

中国2-1インドネシア

サウジアラビア0-0バーレーン

 

 

1位 日本(10)+14

2位 オーストラリア(5)+1

3位 サウジアラビア(5)-1

4位 バーレーン(5)-4

5位 インドネシア(3)±0

6位 中国(3)-9

 

 

モダンビジョン

ではでは(´∀`)