RK-3はきだめスタジオブログ

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

日本、お前と最終予選やるの息苦しいよ〜2026年北中米W杯アジア最終予選グループC第6戦 中国代表 vs 日本代表 マッチレビューと試合考察〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20241120001453j:image

 

独創的な中華を作ってみたい

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第6戦、中国代表 vs 日本代表の一戦です!

 

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

3勝1分。苦しんで、苦しんで、苦しみ続けた前回大会のW杯予選とは異なり、今回の予選で日本は「アジア最強」「日本代表史上最強」とのフレーズが単なるお飾りではないことを証明するかのように走り続けています。中国戦の快勝劇から始まった新しい冒険は、前々節のオーストラリア戦こそ引き分けたものの……森保ジャパンの課題と目されていた「対アジア」に一つの解を出すような戦いぶりだったと言えるでしょう。

そんな日本にとって、サウジアラビア/オーストラリアという大一番2連戦だった10月シリーズに続き、11月シリーズのこの2試合は「癖の強い大アウェイ」での2連戦となります。

 

 

最終予選も2周目。対するは初戦の相手でも中国です。

初戦はあまりにも圧倒的な展開とスコアで中国を打ち砕いた日本。そこから先の航海は前述のように順調たるものです。厳密な数字を調べた訳ではありませんが、ここで勝てばもう王手だとかそういう話になってくるはず。日本はもうカウントダウンに突入したと語るべきでしょう。

一方、中国はあの大敗を含めた開幕3連敗を喫した時点ではゲームセットのような感覚すら持っていましたが、サウジアラビアとオーストラリアの足踏みが起こした2位以下の混沌の中で2連勝を果たした中国は一気にW杯出場権争いに食い込んできました。まさしく彼らに取って今やボルテージは最高潮。その中でホームで迎える日本戦……そこに待つ舞台は壮絶な空気感のアウェイである事は間違いありません。万里の長城を超えた先に待つ結果にはどんか成果が、どんな経験が宿るのか。試される90分の幕開けです。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20241119224328j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20241119224332j:image

 

第1戦の中国戦から第5戦のインドネシア戦まで、欠場者を除けば鎌田大地or久保建英のところ以外はメンバーをあまりいじってこなった日本でしたが、今日はインドネシア戦からメンバーを5人変更してきました。今日は鎌田のところを久保に代えた他、遠藤航ボランチを組むのは守田英正ではなく田中碧、WBを堂安律と三笘薫ではなく伊東純也と中村敬斗、谷口彰悟の負傷離脱により空いた3バックのもう一枠はインドネシア戦では橋岡大樹を起用しましたが、今日は第2次森保ジャパン初陣のウルグアイ戦以来の先発となる瀬古歩夢を抜擢しています。

 

 

 

本日の会場は中国、廈門の廈門白鷺体育場です。

 

 

2023年8月にオープンしたばかりの最新鋭スタジアム。元々はアジアカップ2023の開催スタジアムとするべく建設されており、同大会が開催延期かつカタールへの開催国変更となった事で工事が遅延もしましたが、無事に完成まで漕ぎ着けました。

スタジアムは複数の体育施設が隣接する形で建設されており、屋根のデザインはその名の通り白鷺をモチーフとした特徴的な形状。外壁のファザードも迫力大なので、まさしく新しいスタジアムといった印象。スタジアムの機能としては仮設スタンドを活用して陸上競技場モードと球技場モードを使い分けられるとの事ですが、今日は陸上競技場モードで試合が行われています。

 

 

 

序盤から日本はボールを持つ事はできていたものの、インドネシア戦のように日本が余裕を持って攻め込む戦うタイミングを伺うというよりは中央に人を多く割いてきた中国を前に攻めあぐねる時間が続く形になっていました。

中国が中央に人を固めた状態で日本の最終ラインを押し下げるように守ってきたので縦パスのルートがなくなり、特にワントップに小川航基はおろかシャドーの南野拓実久保建英までのルートを上手く消される形になってしまうと、ボールを貰おうと思うと両WBもより持ち味が活きる位置ではなく低い位置に下がらざるを得ない形に。日本もメンバーを多めに入れ替えた影響も多少はあるのか、前進する流れを作り出せない状態に。

 

 

 

序盤はそういう中国の中央を徹底的に固める、そこでのコンビネーションや連動を阻む中国の守備を前になかなかリズムを作れておらず、ボールを持てている状況はむしろ「一つでもパスミスすれば突かれる」というプレッシャーゲームのような形にもなっていました。

しかし日本も中国のギアの入れ方に少しずつ慣れてくると、ハードにプレッシングに寄せてきた中国守備陣を上手くかわせるシーンも増えてくるように。そうなると中村敬斗や久保建英が高い位置で仕掛けられるようなシチュエーションも増えてきました。24分には右サイドでボールを奪うと数人を介したパスワークから左サイドに流れていき、最後は中村敬斗が得意な形からシュート。上手くミートしきれませんでしたが、ここにきて一つ良いパターンを見せます。

 

 

 

すると39分、日本が少しずつ高い位置に最終ラインを持ってこれるようになったタイミングで中国のパスを瀬古歩夢が高い位置でカット。これを受けた久保はオーバーラップを試みた瀬古へのパスはカットされるも、こぼれ球を自ら拾ってカットインからのシュートに持ち込み…これはGKワン・ダーレイの攻守に阻まれましたが、このプレーで得た久保の左CKを上手くマークを振り切った小川がドンピシャで合わせて日本先制!

更に立て続けに前半アディショナルタイム、右サイド突破を試みた伊東のクロスから今度は右CKを得ると、伊東のキックをニアで町田浩樹がフリックし、最後はファーサイドの板倉滉がダイビングヘッドで押し込んで2点目!

 

 

攻めあぐねている感触を否定できない状況が続いていましたが、その中でも順応し、セットプレーから一気に2発取ってしまった日本。苦しい流れゆえ鮮やかな展開の2点リードで前半を終えます。

 

 

しかし後半開始早々でした。

後半立ち上がりの日本は前めの位置からプレーを開始できていた事もあり、中国に対して深めにボールを取りに行くアクションを起こしていましたが、日本のプレスを一枚剥がされて中央に入れられたパスを中盤のところで潰しきれず。そこから右サイドに展開されてカウンターを食らうと、ウェイ・シーハオの中央に入れたパスをシエ・ウェンノンの巧な潰れるプレーでボールはファーサイドへ。これをリン・リャンミンに仕留められて日本失点…。

だがしかし、HOWEVER。場の空気が完全に行け行け中国、ゴーゴー中国になったタイミングでした。前半よりも中国が攻撃時にワイドの意識を持った事は後半開始早々のゴールにも繋がった訳ですが、逆に伊東と中村の両WBにとってもサイドに走れるコースを作れる形に。54分、左サイドでボールを持った中村がサイドチェンジを送ると、久保とのパス交換で右サイドでドリブルを見せた伊東が対面の相手を翻弄してクロス。ファーサイドで完全にどフリーの状態を作り出した小川がピンポイントクロスにピンポイントヘッドで合わせて3-1!!!最終予選を盛り上がるような1点を決めた中国を叩き落とすような追加点!!!

 

 

日本は64分に南野と中村を下げて鎌田大地と三笘薫を投入。70分には右サイドからカットインしたウェイ・シーハオが際どいシュートを放つもGK鈴木彩艶が好反応を見せて阻止します。

再び2点差に拡げてからは少し日本の前線守備がハマりにくい時間もありましたが、三笘と伊東を中心にサイドからドリブルを仕掛けられるような場面をいくつか狙えるようになると、ドリブラーへの対応から相手守備網のズレを一つずつ生み出していけるような形になっていきます。77分には伊東を下げて右WBとして橋岡大樹、そしてより背後へのアプローチとして小川を下げて1年ぶりの代表となる古橋亨梧を投入。特に鎌田を入れてからは鎌田が少し降りる事で田中が入れ替わるように飛び出すとか、低い位置でのゲームコントロールを含めて猛攻を仕掛けたい中国に対して多くの牽制を打てるようになっていきました。

 

 

 

終盤は日本も流動的な流れを生めていた割には得点機会まで至る場面は多くありませんでしたが、守備面でも終盤はほとんど中国の選手を日本陣内に入れることなくプレーし続けることに成功。そのまま試合をクローズさせた日本。3-1で勝利し、3月のバーレーン戦にW杯出場に王手をかけました!!!!

 

 

 

試合の構造としてはインドネシア戦と似たような構図でありつつ、より日本対策としてのゲームプランを中国が敷いてきただけあってそれがより厳しい展開になった形の試合展開になっていたように思います。

日本は最終予選は3-4-2-1でずっとプレーしていたところも踏まえて、中国は中盤をダイヤモンド型にする事で中央を固めつつ、それを事前に報道されてきたようにピッチ幅にまで影響させてくるほどの徹底っぷりでした。その結果、今日は特に幅を取ったところから縦、或いはカットインで勝負を仕掛ける伊東と中村をWBとしてチョイスし、DF間を縫うように走り込むのが上手い南野を起用していましたから、日本はサイドに逃げ場所を作れないと同時にサイドに開かせる事で幅を作れない、これまでの堂安&三笘ではなく伊東&中村コンビに切り替えた旨みを出しにくい試合にはなっていました。そこの解決策を見つけるのに少し時間がかかってしまったところ、中国のハードプレスに対して日本も少し慌ててしまう、そこで隙を見せてしまう局面があったところは否めないと思います。

 

 

ただ、それもあくまでそういう場面があった…というもので、試合全体としては器用にプレーしたと思います。森保ジャパンのテーマは「多彩なタレントを駆使して多くのパターンをつくる」というもの。この部分がクラブチーム的な戦術性を求める人に森保ジャパンがウケが悪い根源にもなっている訳ですが、スペインやドイツのようなベースチームを持たないながら世界的に見ても一定以上の個のレベルを持つ日本のようなチームにとっては実に合理的なアプローチであり、マネジメントです。正直、今日は前半のメンバーは中国とのマッチアップを考えると裏目に出た部分がありましたが、そこで鎌田を入れてボールの周りを良くしたり、古橋を投入して最終ラインを上げたいはずの中国のDFが常に古橋の狙う背後をケアしなければならない状況を作ったり、終盤は少し4バックに可変するような時間があったり。複数の選択肢を使い分けて試合を乗り切っていく術をしっかり提示しながら戦えたことは、インドネシア戦と同様に試合展開が必ずしも良くないからこそ幅とキャパシティーを見せられる形になったのかなと。

その点、良くない流れの時間帯には割り切ったプレーを見せながら、一度日本に機が回ってきた時間に2点を取り切ってしまった前半、そして1点を返されて中国に一瞬の安堵が生まれた瞬間に3点目を取ってチャラにしてしまった辺りは、日本人が思う以上に中国サイドからしたら悪魔的な展開だったように思います。こればっかりは圧倒的というか、いまアジアの国はかつて日本が強国に抱いた「絶望感」に近い感覚を与えたところもあんのかなー…なんて思ったり。その辺りを見ると、かつて叫んだ決定力不足は死語なんだなと改めて思いましたね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2026年北中米W杯アジア最終予選グループC第6戦

中国1-3日本

インドネシア2-0サウジアラビア

バーレーン(28:45)オーストラリア

 

1位 日本(16)

2位 オーストラリア(6)

3位 インドネシア(6)

4位 サウジアラビア(6)

5位 中国(6)

6位 バーレーン(5)

 

 

ドネシア!

ではでは(´∀`)