RK-3はきだめスタジオブログ

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完遂〜2026年北中米W杯アジア最終予選グループC第10戦 日本代表 vs インドネシア代表 マッチレビュー&試合考察〜

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ちなみにインドネシア館はごっつ良かったで

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第10戦、日本代表 vs インドネシア代表の一戦です!

 

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3月のバーレーン戦で2026年W杯出場を決めた日本代表。ここからは来る2026年6月に向けてチームとして、あるいは個人としての物事が問われる季節に入ります。

とはいえ、いよいよW杯まで半年を切り出すとチームとしての取り組みはよりチームビルディングの方に重点が置かれる事でしょう。つまり今回は消化試合となった事で多く呼ばれた新顔にとっては、日本代表がワールドカップ仕様のチューニングに突入する前にそこに入り込める人間であることを示さなければならない。その余地となるのはこの6月と来月のE-1選手権、そして9月ぐらいまででしょう。

かつて浅野拓磨はそういう立ち位置に対して「これは選手個人にとっての予選だ」という言葉を残しました。その言葉と同じような感覚を今日のピッチに立っている選手は持っているはずですし、持たないものに次と来年を語る資格はない。何より、日本代表選手としていついかなる場合でも目指さなければならないものは目の前の得点であり、目の前の勝利。その一つ一つがチームにとって、そして個人にとっての「これから」に繋がるものと信じて。さあ、最終予選完結です!

両チームスタメンです。

 

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日本はオーストラリア戦からは鎌田大地と佐野海舟を残してスタメンを入れ替えてきました。大迫敬介と森下龍矢が最終予選初出場。三戸舜介と鈴木淳之介が日本代表初出場を飾っています。森下と三戸と両WBがフレッシュな顔ぶれになり、3バックは怪我人の影響もあってオーストラリア戦から総替えしてきた一方、ボランチには遠藤航、シャドーには鎌田大地と久保建英と主力メンバーも入っています。なお、今日は遠藤も出場していますがキャプテンマークは久保に託されました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市市立吹田サッカースタジアムです。

 

 

ネーミングライツパナソニックスタジアム吹田を略したパナスタでお馴染みのスタジアム。最新鋭のサッカー専用スタジアムと言われたこの場所も完成から10年を迎えようとしています。気が付けば西のメインスタジアムとしての扱いとなり、2014年ブラジルW杯予選以降で埼玉スタジアム2002以外で最終予選を開催した唯一のスタジアムであり、西日本で最終予選を開催した唯一のスタジアムでもあると。スタジアムは1970年の大阪万博の跡地である万博記念公園内に整備されており、最寄駅からは太陽の塔を眺めながらスタジアムに向かって歩く形に。2025年というその時を踏まえると感慨深さもありますね。

思えばアジア予選の開幕はこのスタジアムのミャンマー戦でした。W杯を掴む始まりと終わりはこの場所から。良いクライマックスを!

 

 

 

序盤からアグレッシブに仕掛けたのは日本でした。立ち上がりから森下と三戸の両WBがWGかのような位置まで押し上げてプレーしており、4分には久保の果敢なドリブル突破からあわや決定機。5分にも左からのクロスにファーサイドを走った森下が折り返す場面が生まれましたがシュートまでには至らず。

しかし日本はオーストラリア戦と比較すると立ち上がりから前線である程度の余裕とスペースがあったことからテンポ良くボールを回せる土壌があり、11分には遠藤のパスを受けた鈴木のクロスに町野がヘッド。しかしこの決定機は僅かに枠の上。

 

 

 

ですが日本はWBが張り、ワントップとの間をシャドーが突き、3バックの左右が球出しのフォローに入れる流れを高いライン設定で維持できるような状況を作った事で、常に試合を日本の攻撃ターンで回せるような状況になっていました。

15分、左サイドで鎌田からのパスを受けた三戸が時間を作って落ち着いてクロスを入れると、スルスルー…っと入り込んだ鎌田が頭で合わせて日本先制!!更に19分、久保が左サイドからのCKをショートコーナーで鎌田のリターンを受けてエリア内に侵入。一度はカットされるも町野が残したボールを受けた久保は巧みなボールタッチから決め切って追加点!!

 

 

インドネシアに負傷交代のアクシデントもある中で日本は攻撃の手を緩めず攻め倒します。29分にはパスワークから抜け出した三戸のシュートは僅かに弾かれながらもこぼれ球に森下が詰まる決定機。これは実りませんでしたが、左サイドで仕掛ける三戸を鎌田が上手くコントロールして使いつつ、ニアサイドには町野、ファーサイドのスペースには常に森下が走り、それらを鎌田が上手く調節する事で常に日本のターンで攻撃が回り続けていました。

 

 

 

前半アディショナルタイム、次に見せたのは鎌田!佐野のパスを受けた久保からボールを受けると、エリア内で鎌田が相手のタックルを踊るように交わしてワールドクラスのステップワーク。最後は相手GKを嘲笑うかのようなチップキックで決め切って3点目!

 

 

日本は高い位置で遠藤と佐野がしっかりと絶対護持ラインをキープし、そこから3バックを交えた球出し、両WBの非対称的な攻撃アクションと町野のハードワーク、そこに鎌田の調整と久保の躍動が絡まり前半はほぼ完璧な展開で終了。後半に向かいます。

 

 

 

後半、日本は鎌田を下げて中村敬斗を左WBとして投入し三戸をシャドーに投入。インドネシアも選手を入れ替えながら後半に挑みます。

後半開始早々はインドネシアが前に出てこようとする動きはあったものの日本もしっかりとミドルゾーンで捕まえて、そこから中村が状況を一気に翻すようなドリブルを左サイドから見せ続けた事で打開していきます。

54分の中村の決定機こそ相手の決死のブロックもあって枠を逸れましたが、直後には再び中村のロングレンジドリブルから開いて受けた町野のクロスにファーサイドの森下が合わせて日本4点目!更に58分、今度は町野のポストワークから久保が浮かせたボールを入れるとパス&ゴー的に走り抜けた町野が自分で決めて5点目!!前半からハードワークを惜しまなかった2人のゴールで得点差は5点に。

 

 

スコアの余裕が出た日本は佐野航大、佐藤龍之介をデビューさせ、細谷真大や俵積田晃太も立て続けに投入。すると80分には俵積田のドリブル突破に反応した中村のシュートは阻まれたものの、こぼれたところを細谷が押し込んで6点目!

 

 

6発圧勝!!!!!!

チームにとって、個人にとってこの試合をどう捉えるか。それが問われた予選最終節は、予選の初戦と同じ吹田で最高のフィナーレを飾りました!

 

 

 

色々な事情はあったと思います。例えば前の試合のオーストラリアはその勝点が全てを左右するような立場でしたから、まずは点を取れなくてもガチガチに固めて守る、ブロックを組んでスペースを消す。そこに全神経を集中させてきた。対するインドネシアは順位はもう決まっていましたし、4位でプレーオフに出場する立場なので、日本相手に素直にぶつかってどうなるか…みたいなところを見たかったんじゃないかと思う部分はあります。もちろんオーストラリアと比べた時のインドネシアの地力の問題もあるでしょうが、日本の使えるスペースが多くあったのはそこまで影響したんでしょう。

ただ、それは別に今日の日本のパフォーマンスを否定するものにはならないでしょうし、スペースと余裕があれば相手を十分に蹂躙するような攻撃が出来たという事実を示したのはポジティブなところでしょう。それも今日はいつもと異なるメンバーでしたし。特に前線の選手の動きは素晴らしかった。左サイドでは三戸が仕掛ける際の質を見せましたし、ニアサイドへのアクションは町野、ファーサイドへのアクションは森下が一度たりともサボらずにやり抜いた。この3人の献身は特に素晴らしかったです。そうして空いたスペースを活用し、鎌田が攻撃をコントロールしながら久保は踊るように相手を切り裂いた。その上でボランチはハイラインを護持するようなポジショニングと守備を見せましたし、3バックも配球役として機能させた。今日の試合は基本的に同じ展開が最初から最後まで続いたので特に書く事はそう多くないんですけど、逆に言えば最初から最後まで日本の攻撃ターンを繋げる舞台設定をボランチと3バックが作り上げて、WBを含めた前線の選手がしっかりとパフォーマンスを見せ、個人個人も持ち味を見せてくれた。終盤までそれを絶やさずにやり切り、最後まで1点でも多く取りに行った姿勢は選手達のサバイバル感や渇望感も感じられて、純粋にエキサイティングなものを見せてくれたように思います。

 

 

 

2023年11月のミャンマー戦から始まったアジア予選がようやく終わりました。思えば、パナスタに始まりパナスタで終わったことになったんですね。

日本代表にとって、W杯予選は果てない夢の時代からなんとか突破したい時期があり、それはいつしか「勝って当たり前のもの」という時代に到達して、前回大会はそのプレッシャーの逆風と戦う日々を送った。そんな中で今回の予選で見せた圧巻のパフォーマンスは、そのプレッシャーさえも無関係とするような力強い進撃でしたし、特に最終予選ではアジアカップの反省も踏まえた「引いた相手を押し込む攻撃戦術」の確立にも着手した。森保ジャパンは一つ一つのサンプルを丁寧に集めて組み立てていく作業のチーム。その矜持は2018年9月の始動から今日に至るまでの過程にもしっかり溶けていたと思います。

 

 

さて、問題はここからです。

日本代表の習性として、苦しんだ予選の後の本戦はベスト16に行けるけど、予選が順風満帆だった時ほど本大会でのパフォーマンスが悪い…という流れがずっと付き纏っていました。その事は色々なファンやOBが指摘するまでもなく、選手もスタッフも重々承知している事でしょう。ここから1年という月日。代表活動はE-1選手権を含めて5回しかありません。その期間で日本代表はどれだけ磨かれるのか。「史上最強」のフレーズに飾るような数字を掲げられるようになるのか。チームとして、個人として、全ての素養が問われていきます。

まずはひとまず。1年半の予選、お疲れ様でした!!

 

 

 

インドネシアのコーヒーは酸味系。

ではでは(´∀`)