アメリカに行きたいかー!!!!
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはFIFAワールドカップ2026アジア最終予選 グループC第7戦、日本代表 vs バーレーン代表の一戦です!
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「"当たり前"と呼ばれるハードルを超える事の難しさ」……最終的にそう呼ばれるチームの中から勝者を決めるアジアカップはまだしも、複数チームが勝ち抜けるアジア予選に於いて、21世紀の日本代表が背負ったプレッシャーはハードルの高さの割に実に重いものだったと思います。日本代表の選手層がアジアというカテゴリーで群を抜くようになったのは2010年代以降。それからもロシアW杯での黒星スタートであったり、カタールW杯での1勝2敗スタートであったり…何度も苛まれた危機は夢を現実に引き戻すに十分な代物でした。
それが今回。今、史上最強とさえ呼ばれるようになった日本代表は圧倒的な強さをアジアで見せつけ、今、まさに北中米への切符に手をかけています。日本代表はいつまでもファンの夢であり、少年の目標となる。「絶対に無理」と呼ばれた遠い夢に先人達が近づけて、「あと一歩届かない」と呼ばれた目標を先人達が結びつけて、「当たり前」と称された重い荷物も先人達が運び繋いできた。その先にこうして目の前に横たわる当たり前をこれからの未来も日常として続くように紡いでいく……いつか彼らが彩ったこの試合は「先人達が繋いだ試合」と振り返られるはずでしょう。
さぁ、vsバーレーン。思えば今のバーレーンはあの時の日本が歩いた道を歩き、ぶつかった壁の前にいるのかもしれません。当たり前ではない日常を掴むのは、いつだって未来に先人と呼ばれる者たちの今です。今ここで、この場所で、2026年への挑戦権を!さあ、勝てばW杯です!
両チームスタメンです。
昨年11月に行われた前節中国戦からは、中国戦が少しメンバーをいじった中での試合だったこともありメンバーを5人変更。3バックは谷口彰悟や町田浩樹、冨安健洋など怪我人が相次いでいる中で、バイエルン・ミュンヘン移籍後は怪我が続いていた伊藤洋輝が昨年6月のシリア戦以来の代表復帰にして最終予選初出場となりました。鈴木彩艶、板倉滉、遠藤航、南野拓実はここまで最終予選の全試合にスタメン出場となっています。
本日の会場は埼玉県さいたま市、埼玉スタジアム2002です。
来場者には選手入場時の演出に風船のように使用する特製ポリ袋とキリンからのハチマキが配布。また、試合前にはスタジアムの照明を落とし、レーザー照明での壮大な演出が実施予定となっています。昨日、一昨日はメジャーリーグ開幕戦で大いに盛り上がっただけに、サッカー界も負けじと日本スポーツ界に明るい話題を連続して届けたいところ。
3月シリーズはバーレーン戦、サウジアラビア戦と連なる埼スタでの2連戦となりましたが、今日日本がW杯出場を決めればホームゲームでW杯出場を確定するのは2大会ぶり3回目。その全てが埼スタでの決定でした。歴史に残る1ページを、またこのスタジアムで。ちなみにバーレーンが埼スタで試合をするのは中村俊輔のFKで勝利した2009年の南アフリカW杯予選以来となります。
キックオフまで...
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2025年3月20日
あと3時間⏳
「埼玉スタジアム2002」で、#ワールドカップ 本戦出場をかけた一戦に臨みます⚽️🔥
🏆FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)
🗓️3.20(木・祝) ⌚️19:35(🇯🇵)
🆚バーレーン代表🇧🇭
🏟️埼玉スタジアム2002(埼玉)
📺テレビ朝日系列にて地上波独占生中継
📱DAZN… pic.twitter.com/U4Lysl9nhb
序盤からバーレーンが引いて守らず、自陣からビルドアップしながら前進していく姿勢、機を見てハイプレスを仕掛けようとする姿勢を見せてきた事で、ファーストシュートもバーレーンに許すなどやや難しい立ち上がりを強いられました。
とはいえ日本も自陣からワイドに張った両WBにビルドアップの出口を見出すと、そこからシャドーがインサイドを狙う動きを見せながら攻撃を展開。日本の決定機は8分、右サイドでボールを持った久保が遠藤航にボールを出すとリターンを受け、南野拓実と入れ替わる形で決定機到来。しかし久保のシュートは枠の上に外れてゴールには至らず。そのプレーで得たCKは久保のボールをファーサイドで板倉滉が折り返した混戦に遠藤航が押し込んで先制…かと思われましたが、この場面は遠藤の前に上田綺世の手に当たったと判定されてゴールは認められず。
ただバーレーンが当初の想定浅間脳に高いラインをキープしてプレーするように陣形を組んできたこともあり、日本はどちらかといえば前でポイントを作るというよりもビルドアップや組み立てを3バックにある程度任せる形にシフトしていきました。上田を頂点に2列目とWBの4枚が前に抜け出していく形を作り、フィード力に定評のある伊藤や瀬古がロングボールを用いながらそこに当てていく。板倉と遠藤は万が一3バックのところで引っ掛けられた時のフォロー、守田はビルドアップの出口というよりWBやシャドーにボールが入った時の補佐という運用になっていきます。
しかしバーレーンの前からのプレスにパスコースを制限される状態になる中で日本は余裕を持ったプレーをする事は難しい状況になっていき、最終的にはどうにかピンチになる前に阻止したとはいえ危険な場面でボールを失う瞬間も出てくるように。そんな中でもアディショナルタイムには守田のパスから三笘が独力でチャンスを作るなど好機は作りますが、これも実らず。
試合はある意味、これまでのスタンスのチームに対する日本のアジア対策を対策されるような形で良いリズムを掴まず、前半は0-0で終了。
後半から日本は守田を下げて田中碧を投入。より中盤の流動性を求めたのか、後半はより相手の背後を明確に狙うようなシーンが目立つようになり、ボールを出す側もよりラインブレイクを狙うようなパスを意識するようになっていきました。実際に両WBが大外、シャドーがインサイドのスペースに抜け出そうとする場面が増えていくも、バーレーン守備陣も裏に出された時のカバーは徹底しており、それがなかなかシュートには結びついていきません。
そんな中で森保監督は堂安と南野を下げて鎌田大地と伊東純也を投入。
埼スタに木霊する声援が弩級の歓声に変わったのは66分でした。
伊藤洋輝の自陣からの縦パスを受けた上田が相手を背負いながら翻して見事なスルーパス。中央を抜け出した久保は斜め左にドリブルをしながら、三笘が大外を駆け上がる最中、三笘と久保の間にいた鎌田が斜めに久保の背後を突っ切るかのように久保の右へと走っていきます。ギリギリまで三笘のパスを匂わせた久保が体を翻したパスを送れば、反応した鎌田がGKとの1対1を制してシュート!!全てが!!全てがパーファクトな先制点!!!!!
🏆FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)
— サッカー日本代表 🇯🇵 (@jfa_samuraiblue) 2025年3月20日
🇯🇵#SAMURAIBLUE vs バーレーン代表🇧🇭
待望の先制ゴール⚽💥#上田綺世 ⏩ #久保建英 ⏩ #鎌田大地
⌚️19:35(🇯🇵)
📺テレビ朝日系列にて地上波独占生中継
📱DAZN
📱TVer(https://t.co/bLxGuWeUwi)#サッカー日本代表pic.twitter.com/9AyORYQ7j5
前半のこう着状態が一転。後半は良い流れが作れるようになったこともあり、そのリズムを継続するべく森保監督は三笘を下げて中村敬斗、上田を下げて町野修斗と攻撃的なタレントを送り込んでいきます。その後はバーレーンも好機を作る場面こそありましたが、3バックがしっかりとブロックを組んで弾き返してこれを阻止。
87分、左サイドでCKを得た日本は久保がショートコーナーで伊藤に繋いでリターンを受けると、誰もが久保からのクロスに対応するようなポジションを取った裏を突いてニアにズドン!!日本サッカーの将来を背負って立つと随分昔から言われ続けた男が、その手で日本代表の未来を掴み取るゴールを決めて追加点!!
圧巻の久保建英‼️
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年3月20日
大一番で輝く日本の至宝🇯🇵
得意の左足でニアをぶち抜いた
先制アシストに続いてこのゴラッソ💥
🏆AFCアジア最終予選
🆚日本×バーレーン
📱#DAZN ライブ配信
最強の #代表みようぜ#サッカー日本代表 pic.twitter.com/nMevXSgb0M
そして……2-0のまま試合終了!!
日本代表、8大会連続のW杯出場決定!!!!!!!!!
ずぶ濡れでも最高の気分😆
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年3月20日
森保一監督のウォーターシャワー🍾
🏆AFCアジア最終予選
🆚日本×バーレーン
📱#DAZN ライブ配信
最強の #代表みようぜ#サッカー日本代表 #最高の景色を pic.twitter.com/fnuoduOUN7
ではまずは試合内容について振り返っていきましょうか…。
前半は非常に苦しいゲームでした。森保ジャパンはアジアカップ、それ以前まで遡ればW杯のコスタリカ戦の苦戦に端を発した「日本がボールを持って押し込む前提の試合になった時にどうするのか?」という課題に直面していて、2023年は強い相手との親善試合が続いていたのでこれまでのスタンスを継続していましたが、アジアカップで大いに苦戦した事で「対アジア」としての攻撃的な戦術カードを持つ必要性に迫られていました。これはアジアカップ敗退時に書いたブログでも書きましたが、引いてくる相手に対する対抗策として森保監督が用いたのが堂安と三笘をWBに配置した3-4-2-1だった…と。
つまり、このアジア予選で日本は「引いてくる前提のアジア勢」に対する提案が3バックだったので、そういう攻略法を準備した上で予選に挑めていたので、事が上手く順調に運んだんですね。タレント力を考えたら相手は絶対に引いてくるし、日本はタレント力をしっかりと発揮できるシステムを用意する…WBまで2列目にしてしまうこのシステムの効能はまさしくそこにありました。
しかし、今日のバーレーンは立ち上がりから想像以上に自分達で繋ぐ意思を持ちつつハイラインを設定して、日本の守備陣に対して果敢にハイプレスを仕掛けてくるスタンスで挑んできた。その上で3バックの脇、WBと左右のCBのスペースを狙う攻撃のデザインもしっかりやってきた。そこは個々の守備能力もあったり、日本は日本で微調整をするなどして対応はしたので決定機を与えるような場面は無かったんですけど、日本からすれば3-4-2-1をやる"前提"が成立しない試合展開になってしまったので、そこで前半の展開をイーブンに持ち込まれてしまった…という側面はあったと思います。
少なくとも、これまでの6試合は微調整的な修正をする場面はあっても、大幅にゲームプランを変えてまで修正するべきかどうか、という場面に出会すことはほとんどありませんでした。おそらくこの状況から最もベターな策は菅原由勢を投入して4バックにする事だったとは思うんですが、カタールW杯に至るまでの過程でも明らかであるように、森保監督はアジアカップもW杯予選も「W杯までの過程」として逆算するように捉えていると思うんですね。前回の時はシンプルに敗退危機に陥ったので優先順位が色々と問われる形になりましたが、今回はある程度の余裕があった。であるならば、このアジア予選はこのシステムでやり通し、このシステムの中でどこまで戦い方に幅を出せるかのサンプルを得たいという気持ちは森保監督の頭の中にはあったんじゃないか…と思います。
そもそもこのシステムはアジアカップや、その前だとW杯のコスタリカ戦の苦戦を受けて「日本がボールを持って押し込む前提の試合でどうするか」って課題に端を発した提案みたいなところがある。だから相手がここまで高いラインを敷こうとしてくると当初の目的通りの展開にはならない。…
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年3月20日
で、前半のメンバーをどちらかと言えば横への流動性を操れるラインナップだとすれば、後半のメンバーは縦への流動性をもたらせるメンバーだったのかなと。まずボランチに田中を入れた上で、後者のスタンスの代表格とも言える伊東を送り込み、速度調節ができる鎌田も同時に投入する。田中投入の時点で縦の気流を起こせるようになったところで鎌田と伊東を投入した事で、3-4-2-1の相手を押し込みやすいフォーマットを維持したままゲームチェンジに成功した。ここの森保監督の采配と、それに100%応えてみせた選手の躍動、そしてこの交代の際に下がった守田・南野・堂安に関しても、このカタルシスに至る伏線を作る仕事をきっちりとやってのけた訳ですから、試合に出た全員がゲームプランに自分の役割をコミットさせて戦ってくれたと思います。
考えてもみれば、元々森保ジャパンの根幹は「8〜9仕上げた戦術を一つ持つ事」より「5くらいはできる戦術のカードを複数持って使い分ける事」で、以前のブログでも書きましたが……試合の中に伏線を張り、試合展開に段差を持たせ、そのギャップを味方にする戦略を得意とするチームです。W杯も然り、ここまで悠々と進んできたW杯予選で「対アジア」としての押し込む戦術でやってこれていた中で、ここにきて森保ジャパンの十八番のような先述スイッチが出てきた事にカタルシスすら感じる一手だったなと。ここに来て一番のヒット曲を聴けたような気分というか。今日の采配はそういう感覚さえありましたね。
そういう意味では今日の日本をそういうシチュエーションにまでバーレーンが追い込んでくれたことで、日本としてはこれまでの試合では確かめようが無かった3-4-2-1の幅を探る事ができた。真剣勝負でありながら、森保監督が代表活動のプロセスの中で小さなところでも拾い集めているようなサンプルはすごく豊富なゲームだったと思います。
小学2年生だった時、少しずつ"サッカー"という概念を理解した私が初めてちゃんと意識して観た日本代表の試合が柳沢敦と大黒将志のゴールでW杯を決めた北朝鮮戦でした。あれから20年の月日が経ち、気が付けば自分も今年で28歳。今日、埼玉スタジアムであの日の自分が釘付けになった栄光を掴み取ったのは自分達同じ世代の選手達。今のメンバーがどれだけあの試合を見ていたのかはわかりませんが、同じ世代感覚を持つ人たちがこの栄光に辿り着いたこの瞬間に時間の流れと、どこか不思議な感覚を感じています。
日本代表はいつまでもファンの夢であり、少年の目標となる。かつて「絶対に無理」と呼ばれた遠すぎる夢を先人達が近づけて、「あと一歩届かない」と呼ばれた目標を先人達が手繰り寄せ、「当たり前」と称されるプレッシャーという重い荷物も先人達が運び届けていくように繋ぎ、W杯での好成績を目指す日常をこうして紡いできた。当たり前ではない日常を掴むのは、それは未来の時代に先人と呼ばれる者達の現在の賜物。紡いだ歴史と繋がれた日常が、これから先に連なる当たり前ではない景色に辿り着いていく来年の歓喜を夢見ています。ありがとうSAMURAI BLUE!!!!!!!!
まあ、カナダメキシコの可能性もあるけど
ではでは(´∀`)