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近づけば離れゆくように〜FIFAクラブワールドカップ2023準決勝 浦和レッズ vs マンチェスター・シティ マッチレビューと試合考察〜

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あと2年か…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューFIFAクラブワールドカップ2023準決勝、浦和レッズvsマンチェスター・シティの一戦です!

 

 

 

2023年のJリーグを振り返る記事も色々更新しています。それらの記事はこちらにまとめておりますので是非!

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

思えば2007年、初めてクラブW杯で世界と戦ったのは浦和でした。

当時は日本サッカーと欧州サッカーの距離は今よりも遥かに大きく、対戦なんてプレシーズンマッチウイニングイレブンでしか実現し得ないものだと思っていたのが、浦和がACミランと戦ったあの日から、それは現実に起こり得るものなんだと思う事が出来た……それ以降、ガンバ大阪vsマンチェスター・ユナイテッド鹿島アントラーズvsレアル・マドリードが実現した訳で、クラブレベルで対世界の門戸を開いたのは間違いなく2007年の浦和だったと思っています。

 

 

あの時と比べて、日本サッカーのレベルは遥かに高くなっています。そのスタンダードは比べ物にならないほど高くなっている事でしょう。

そして今日、満を持して浦和が再び夢舞台に挑む瞬間が来ました。対するはマンチェスター・シティ。サッカーの歴史という括りの中でもこれほどの完成度を誇るチームはそうはいません。まさしく世界最強集団。Jリーグ30周年の今年、浦和が挑む大一番はその集大成的な戦いになるのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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浦和は4日前に行われたレオン戦と全く同じ11人を起用しました。負傷でクラブW杯出場が危ぶまれていた伊藤敦樹も2試合連続で先発となり、レオン戦で途中出場で復帰を果たした酒井宏樹もベンチに入り。その酒井の負傷に伴い、リーグ終盤から同様の起用をされている関根貴大は今日も右SBとしてスタートです。

シティは16日に行われた直近のプレミアリーグクリスタル・パレス戦からはスタメンを3人変更。コヴァチッチとマテウス・ヌニェスが先発に入り、今日はナタン・アケを左SBにスライドさせてジョン・ストーンズを先発起用。状態が心配されているハーランドとデ・ブライネはサウジアラビア遠征には帯同していますが、今日はベンチメンバーには登録されていません。

 

 

 

本日の会場はサウジアラビア、ジッダのキング・アブドゥッラー・スポーツ・シティです。

 

 

普段はカリム・ベンゼマやエンゴロ・カンテ、ファビーニョが所属するアル・イテハド、リヤド・マフレズやロベルト・フィルミーノが所属するアル・アハリ・サウジのホームスタジアムとして使用される6万人規模のスタジアム。2014年に開場したこのスタジアムは、サウジアラビアを象徴する石油会社であるサウジアラムコが所有しています。

これまでサウジアラビアでは主に首都リヤドのキング・ファハド国際スタジアムが使用されてきましたが(浦和のACL決勝第1戦はそっちで行われた)、2014年に球技専用のこのスタジアムが開場してからはサッカーはジッダ中心に行われるようになり、W杯アジア最終予選で2大会連続でサウジアラビアと同組になった日本代表はどちらもこのスタジアムでのアウェイゲームを戦っています。今回のクラブW杯でも決勝会場です。

 

 

立ち上がりこそ少し浦和が積極的に前に出る時間がありましたが、その後は基本的にシティは様子見、浦和も少し押し込んだ時間を経てからは、いつものように自陣からゾーンディフェンスのブロックをしっかりと組んだ形でシティに対峙しました。

 

 

 

10分以降は浦和はほぼボールを持てない試合展開となったものの、同時に鍛え抜かれた守備組織はしっかりと保ちながらシティのアタッキングサード侵入を許さず、2度ほどヒヤリとするシーンはありましたがいずれもエリア外からのミドルシュート。サイドに張ったベルナウド・シウバやグリーリッシュに対しても関根貴大と明本考浩の両SBが粘り強く対応していきます。

しかしピッチをワイドに使い、時間をかけてじわじわと攻め込んでくるシティも徐々に突破口を掴み始めていきます。31分には右サイドでボールを持ったベルナウド・シウバのパスにポケットを切り崩したヌニェスが今日初めて崩したと言えるシーンを作りましたが、ここは角度のないところからのシュートをGK西川周作がしっかり阻止。

しかし前半アディショナルタイム寸前、シティはヌニェスがドリブルで持ち出し、右サイドのシウバに当ててリターンを受けてペナルティエリア内に侵入してクロス。このボールはホイブラーテンが脚を伸ばしてブロックしますが、無情にもその軌道はゴールマウスの中へ。オウンゴールとなってシティが先制します。

 

 

 

望まぬ形ながらキックオフからのリスタートで久々にボール保持の立場となった浦和はCK獲得にまでは辿り着きましたが、そこから同点弾には至らず。前半はシティがリードを得て終えます。

 

 

前半は耐える事の出来た時間が長かった浦和でしたが、後半はシティの猛威に曝される展開となります。

52分にはカイル・ウォーカーが攻め上がって持ち運んでスルーパスを送ると、そこを上手く縫うように飛び出してきたコヴァチッチがGK西川との1対1を制して追加点。更に59分にはアカンジの理不尽なほどのロングスルーパスを受けたヌニェスのシュートはGK西川が好セーブで弾くも、こぼれ球を拾ったベルナウド・シウバのシュートがホイブラーテンに当たって軌道を変えてゴールイン。0-3…。

 

 

 

浦和は3失点目を喫する直前に伊藤と大久保を下げて荻原拓也とシャルクを投入していた浦和は64分に小泉とカンテを下げて中島翔哉とリンセンを投入。対するシティは決勝戦も見据えてか、チームとしても選手交代としても少しトーンを落としてきました。

シティがペースを落としたタイミングで中島とリンセンを同時に送り込んだ事もあって、65分以降はじわじわと浦和にもチャンスが訪れます。しかしプレスから相手のミスを誘発した66分のリンセンの折り返しはストーンズにクリアされ、80分には中島もリンセンとのパス交換から一気に抜け出しますが…シュートの前に飛び出したエデルソンがカット。

 

 

 

ペースはやや落としたと言ってもやはりそこはさすがシティで、ペースこそ調節しながらも常に文字通り試合そのものを支配していくかのように時間を消費していきました。

試合はそのまま終了。3-0。マンチェスター・シティがその絶対的な力を浦和に突きつけるようにして勝利しました。

 

 

 

まぁ……今季の浦和って、Jリーグの中では本当にレベルの高いチームで、Jリーグの中でも屈指の完成度を誇る守備力を持つチームだった訳ですよ。浦和史上で言えば、守備だけであれば2006年のチームより堅かったと思いますし、組織としてちゃんとクラブW杯のような舞台で戦えるレベルにはある。ただ今日の試合に関しては、ある種それゆえにシステム的な構図としてシティと噛み合う形になってしまった。そういう状況になった時にシティを制する事のできるチームなんて世界にもいないでしょうし、シティからすれば焦れさえしなければいい。浦和も前半はよく耐えたと思いますが……ホイブラーテンを責める訳にはいかないとはいえ、あの耐えるしかなくなった試合展開で前半終了間際のオウンゴールはやっぱり一番精神的なダメージが強いと言いますか、張り詰めていたものが一気に崩れてしまうところはあったと思います。

浦和としてはアル・ヒラルとのACL決勝第1戦を一つの成功体験としていたでしょうし、その狙い自体は途中までは上手くいっていたと思いますが、やはりヒラルとシティとでは相手のクオリティが段違いだった事、ACLの時は第2戦があった事で最悪1点差負けならば悪い結果とは言えなかった中で、あの形で1点を失い、前に出るしかない展開になってしまった。そうなると張り詰めていた浦和の盗撮にも綻びが生まれて…ウォーカーやアカンジに通された失点に繋がるパスはそれが如実に出たシーンだったと思いますし。

ただ、浦和は拡大化が予定されている2025年のクラブW杯出場権を手にしています。そこでシティと対戦するかどうかはわかりませんが、世界に対してリベンジする為の機会はまたすぐに用意されている。それに向かってまずはこのクラブW杯でアフリカ王者にアジア王者の矜持を見せつける事、そして今日、シティにそれをやられたように、シティを殴れる腕を用意する事。それでも浦和は他のJクラブが出来ない、見れない現実を見る幸運に預かった訳ですから、それを血肉にして歩んでいく義務がありますし、その為にもまずはアル・アハリ戦に力を注いでほしいところです。

 

 

夏にシティ観に行ったなぁ…

ではでは(´∀`)