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ひとつひとつを詰めながら〜AFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦 アル・ヒラル vs 浦和レッズ 爆速★マッチレビュー〜

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正直あの辺のギラギラ中東ちょっと観光してみたい

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦、アル・ヒラルvs浦和レッズの一戦です!

 

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舞台はいよいよこの地へ辿り着きました。サウジアラビア、もといファイナル。

いよいよアジア王者を決める最後の聖戦が始まります!

 

 

4月にグループステージ、8月に決勝トーナメント、そして決勝…グループステージからちょうど1年の時を経ての決勝戦という超異例の大会日程の中でたどり着いた決勝の舞台。浦和は彼ら自身にとって3年ぶりの決勝、そして5年ぶりのアジア王者への挑戦権を得ました。

対戦相手はアル・ヒラルカタールW杯でアルゼンチン代表を撃破するジャイアントキリングを起こしたサウジアラビア代表のメンバーが多く揃い、前回大会を制して大会最多優勝チームに躍り出た現段階でのアジア最強クラブ。そして3年前も、5年前も決勝の舞台で浦和と対峙した相手です。トータルすれば1勝1敗。初対戦となった2017年、アルヒラルにとってリベンジの意味合いを有していた2019年。そのどちらとも違う熱い趣を持つ3度目の対戦。こればっかりはもはやACL伝統の一戦と呼ぶに相応しいカードに近づいているはずです。

その価値の意味を知る者はその価値に触れた者である…浦和のACLでの躍進にはその言葉が似合うと思っています。さぁ、ファーストラウンド開幕です!

両チームスタメンです。

 

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浦和は直近の公式戦となった第9節川崎戦からはスタメンを1人変更。明本考浩を左SBに戻し、怪我から復帰した酒井宏樹が右SBに入っています。準決勝までを戦った2022年のチームには参加していない選手としてはホイブラーテンと興梠慎三がスタメン、ベンチの荻原拓也、早川隼平、ホセ・カンテの計5名。今季から浦和を率いるスコルジャ監督にとっては初のACLが決勝戦ということになりました。また、今日登録されている22名のうち、2019年の決勝戦に出場した選手は西川周作関根貴大興梠慎三岩波拓也の4名(ベンチ入りした柴戸海を含めれば5名)。更にこのうち西川と興梠の2名が優勝した2017年の決勝に出場しています。

サウジアラビア代表選手が多数所属するアルヒラルは、今日のスタメンのうち実に5人がアルゼンチンを撃破したカタールW杯の試合で先発したメンバーとなっています。2トップのイガロはマンチェスター・ユナイテッド所属経験があり、マレガはFCポルトの一員としてUEFAチャンピオンズリーグでの実績も豊富。2017年と2019年の浦和との決勝戦に出場した選手も多数出場しています。

 

 

 

本日の会場はサウジアラビア、リヤドのキング・ファハド国際スタジアムです。

中東の大都市、リヤドに位置するサウジアラビア最大のスタジアム。特徴的な外観は24本の柱を用いて建設されています。FIFAコンフェデレーションズカップの前身大会にあたるキング・ファハド・カップは主にこのスタジアムを舞台に行われていました。また、2019年にはサウジアラビアにとって初の国外アーティストの公演となったBTSのコンサートが行われた会場としても知られています。

過去2回アル・ヒラルと決勝で戦っている浦和ですが、2019年はキング・サウード大学スタジアムでの試合でしたので2017年以来のキング・ファハド国際スタジアムという事に。ちなみに、ACLの前身であるアジアクラブ選手権時代にはアルヒラルは同じ会場で当時黄金期を誇っていたジュビロ磐田とも決勝戦を戦っており、その際はアルヒラルが89分の同点弾で延長に持ち込み最後はVゴール勝ち。これがアルヒラルにとっての初優勝でした。

 

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序盤から試合はアルヒラルが高い位置でボールを握りながらボールを動かし、浦和はそれを構える構図になっていました。浦和も高い集中力で試合に入ることは出来たものの、ボール奪取時の攻め手は序盤はロングボールに頼るしかなく、前線で興梠もやや孤立気味な形に。

そんな中でアルヒラルもシュートまで持っていっている訳ではなかったものの14分、右サイドを突破したミシャエウがグラウンダーのクロスを入れるとゴール前でGK西川とショルツな重なってしまう形に。そしてファーに流れたボールをアル・ダウサリが流し込んでアルヒラルが先制。

 

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圧倒的にアルヒラルがボールを支配する中、浦和は18分にロングボールからようやく興梠が抜け出す場面を作れたものの、ここは相手DFに挟まれて塞がれる形になってシュートは打てず。

それでも圧倒的にアルヒラルが支配していた時間を過ぎてアルヒラルのトーンも少し落ち、25分以降は浦和も最終ラインで落ち着いてビルドアップが出来るようになってくると、浦和もサイドからパスワークやドリブル突破を用いたチャンスクリエイトを試みる時間が増えていきました。

 

 

 

ただ浦和も、大アウェイという以上に中東という異空間のような環境で精度に欠ける場面は頻発してしまい、押し込めるようにはなりながらもそれがシュートという形にはなかなか結びつきません。序盤のあまりにも苦しい試合展開こそ時間と共に脱する事は出来ましたが、前半は1点ビハインドで終了。

 

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しかし後半、浦和が展開に風穴を入れます。後半から積極的に強度を高くプレスを仕掛けていった浦和は53分、ハーフェーライン付近で岩尾憲からボールを受けた大久保智明がスルーパスを入れると、これを相手DFがカットしたボールがロングシュートのような軌道でポスト直撃。唐突な偶然にパニックに陥るアルヒラルを尻目に、このチャンスを冷静に捉えたのはエース・興梠慎三!その嗅覚こそが匠の技とも言えようゴールを決めて浦和が同点!

 

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こうなると試合は浦和ペースの試合になっていきました。序盤は「ロングボールしかない」みたいな状況でしたが、後半は縦幅と横幅を上手く使うことでロングボールを選択肢の一つとして持てるようになり、人とボールの流れは目に見えて流動的になっていきます。アルヒラルも66分にはマレガが決定的なチャンスを迎えましたが、ここはGK西川がファインセーブで阻止。

 

 

 

浦和は67分に興梠と小泉佳穂を下げてカンテと安居海渡を投入。1-1になってからはお互いに第2戦の事も踏まえてか、前後半の立ち上がりのようなラッシュ感とは異なり落ち着いた試合展開になっていきました。特に浦和からすれば敵地での1-1はアドバンテージと表現できるだけに、ラスト10分頃からは比較的落ち着いた1-1でもOKという構えに。

 

 

 

80分には酒井が負傷交代を余儀なくされた事で荻原拓也、同時に大久保を下げて17歳の早川を投入。85分にも伊藤敦樹を下げて柴戸を投入してチームの動力を確保しようとします。浦和も終盤は構えながらも隙を見つけたら積極的に突破しに行く姿勢を見せますが、終盤はそれ以上に体力的な消耗が目立つ展開に。

しかし86分、岩尾とアルダウサリが交錯した後のアルダウサリの行為が報復行為となって一発退場。ここに来て浦和に追い風が吹きます。

 

 

 

フラストレーションを溜めたアルヒラルと満身創痍状態の浦和のアディショナルタイムの攻防はややアバウトな展開にもなりましたが、お互いに締めるところはきっちり締め合いながら試合は終了。特に後半は互いにタフネスを押し出したような決勝第1戦は1-1のドロー。浦和にとっては大きな、大きなドローとアウェイゴールを掴み取りました!

 

 

 

言うまでもなく、浦和からしたら途轍もなく大きな同点劇でしたね。序盤の展開を見た時は少しどうなることやらとも思いましたけど、アルヒラルが陣形を若干変えたところをむしろ見方につけて展開を持ち直してボールを保持出来るようになった事、特に後半は興梠のゴールの前の大久保のパスでもそうですけど、バイタルエリアからボールを振れるようになったところは相当大きかったです。

興梠の得点が最たる例だったと思いますが、序盤の圧倒的劣勢を1点で耐えた事しかり、相手の布陣変更を味方につけたところしかり、脚を攣る選手が続出する状況下でもペナルティエリアに入るまでに食い止めたり……難しい状況の中でも、締めるところをきっちり締め、詰めるところをしっかり詰めた。その集約がこの結果だと思うと、本当に大きな結果を敵地で手にしたなあと。さぁ、サウジの魔境の次は日本の要塞へ。全ての結末は5月6日です!

 

 

信用できないAFC公式フォーメーション図

ではでは(´∀`)