RK-3はきだめスタジオブログ

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アジャストとチャレンジ〜FUJI FILM SUPER CUP 2023 横浜F・マリノスvsヴァンフォーレ甲府 マッチレビュー〜

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蹴球春!!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューFUJIFILM SUPER CUP 2023、横浜F・マリノスvsヴァンフォーレ甲府の一戦です!

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)【Jリーグ開幕ガイド2023】作りました!是非お使いくださいませ。

 

J1リーグ全チーム戦力診断

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

最近のサッカーライフは興奮の連続でした。

日本代表の勝利に沸いた瞬間、快進撃に酔う瞬間、敗北に打ちひしがれた瞬間、そしてファイナルの舞台で繰り広げられた…その一つ一つがあまりにもサッカーの喜びのようだった特別な瞬間。W杯が終わってからも、躍動する日本人選手の活躍に皆が心躍らせる瞬間が何度も生まれたことでしょう。

しかしいつもより早く終わった2022年シーズン閉幕から続いたのは、瞬間とは対極の場所にいる長すぎる時間でもありました。今日から心の隙間は満たされていきます。Jリーグ開幕を告げるスーパーカップの開幕です!

 

 

30回記念大会となる今年の富士フイルムスーパーカップの対戦カードはマリノスvs甲府というカードになりました。

ディフェンディングチャンピオンとしてこの大会に挑むマリノスですが、今オフは主力の流出もあり、少なくとも順風満帆なオフを過ごしたとは言い難い状況ではあるかもしれません。ただ、だからこそマリノスが培ったフットボールの真価を見せる局面という表現も出来るのでしょう。Jでも有数の名門である彼らですが、意外にもスーパー杯は5回挑戦してここまで見事に全敗。色んな意味で、マリノスにとっては解き放たれる為の試合とも言えるかもしれません。

対する甲府にとっては、やはりこの舞台はシンデレラストーリーの続きというべき一戦になるのでしょうか。この国のスポーツ史に残る快挙を果たした偉業に添える華としてここまで鮮やかな舞台もそうないでしょう。地域密着を掲げたJリーグにとって、30年という節目の年に甲府がこの舞台にのし上がってきた事もどことなくドラマチックなものを感じます。甲府はこのシンデレラストーリーを完結出来るのでしょうか。

タイトルを懸けた勝負であり、新シーズンへの試金石。そして開幕を告げるお祭りでもあるこの一戦…今年もJリーグが始まります!

両チームスタメンです。

 

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主力の大量流出があったマリノスは、高丘陽平が抜けたGKにはオビ・パウエルオビンナを起用。昨季のMVP、岩田智輝が抜けたCBは、今日はエドゥアルドもベンチスタートとなり畠中槙之輔と角田涼太朗が先発に名を連ねています。移籍組では柏から獲得した上島拓巳が、普段はCBですが今日は右SBとして先発。ベンチには長崎から獲得したFW植中朝日、鹿児島へのレンタルから復帰した白坂楓馬が入りました。

篠田善之監督の初陣となる甲府は、吉田達磨監督が率いた昨季は主に3-4-2-1でしたが今日は4-2-3-1システムを採用してきました。京都から獲得したピーター・ウタカ、松本から獲得した佐藤和弘、そして大卒ルーキーの三浦颯太と水野颯太と4人の新戦力がスタメンに名を連ね、ベンチには移籍組のGK渋谷飛翔、MF武富孝介、MF品田愛斗、大卒ルーキーの井上詩音と半数以上が新加入組である一方、甲府のレジェンドである大ベテラン、山本英臣がCBとして先発です。

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

スーパー杯が国立で開催されるのは2014年大会以来9年ぶり。新国立では初めてのスーパー杯開催となります。新国立がオープンしてからもスーパー杯は日産スタジアム埼玉スタジアムが使用されていましたが、今回はメモリアル大会という事で国立に帰ってきました!ちなみにマリノスは2014年大会にも出場していました。

開幕を告げる一戦だけあって今年もイベント盛りだくさん。全クラブのユニフォーム展示や全国各地のスタグルが集まるスタグルフェス(隣接する東京体育館)、そしてマスコット大運動会などの毎年恒例のイベントはもちろん、JO1のライブパフォーマンスやラブライブとのコラボイベントも実施。そして今年がファイナルと銘打たれた毎年恒例マスコット総選挙の優勝はマリノスのマリンちゃんという事になりました!

尚、試合前にはトルコ・シリア地震被災者への黙祷が捧げられ、スタジアム場外では募金活動が行われました。

 

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立ち上がりの出足が良かったのは甲府で、予想に反して甲府が序盤のリズムを掴んでいきました。序盤は積極的なプレッシングとサイド攻撃で攻め込んでいき、8分にはCKのこぼれ球を鳥海芳樹が強烈なミドル。これはGKオビがファインセーブで弾き、こぼれ球に詰めた須貝英大のシュートは枠を捉えられず。

ただ、この場面以降はマリノス甲府のペースに慣れ始めて、甲府もそれを察したのか全体的にトーンダウンさせた事で展開は落ち着いた形になりました。マリノスがボールポゼッションして甲府が構える時間が続く中、マリノスの最初のチャンスは17分にエウベルの横パスを受けたアンデルソン・ロペスが左足を振り抜きましたが僅かに枠の右へ。

 

 

 

マリノスに対して上手くリトリートとプレッシング、カウンターのバランスを使い分けていた甲府がゲームプラン通りに進んだように見えた前半でしたが、しかしやはり完成された煌めきを見せたのはマリノスでした。

30分、上島から西村拓真→水沼宏太と縦パスの連続でエリア内に入ると、エリア内でロペスがやや難しい体勢から折り返します。ここにエリア内に入ってきたSBと永戸勝也が潰れると、最後はフリーで走り込んだエウベルが冷静に流し込んでマリノス先制!やや難しい展開にもなっていたマリノスでしたが、ここにきて余りにも鮮やかな一打で先制します。

 

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しかし甲府マリノスにボールは持たれながらも、焦ってゲームプランを変えることなく同じスタンスを保っていました。そんな中で44分、マリノスの横パスをエドゥアルド・マンシャが思い切ったインターセプトからドリブルで持ち上がると絶妙縦パスを供給。抜け出した鳥海の折り返しをウタカが流し込んで甲府が同点!!長いVARこそありましたが、百戦錬磨のストライカーの一撃で甲府が試合を振り出しに。

 

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お互いに鮮やかなゴールを一つずつ決め合った前半戦。1-1の同点で前半を終えます。

 

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後半最初の決定機はマリノスでした。57分、エリア内でのノッキングも発生した混戦でロペスがボールをコントロールしてGK河田晃兵をかわし無人のゴールに迫りましたが、ここはマンシャが見事に身体を入れてロペスにシュートを打たせず。

それでもマリノスは61分、角田が自陣から一気にドリブルで持ち上がると前線にスルーパスを供給。ロペスの強烈なシュートはポストに当たりましたが、そのこぼれ球に西村が詰めてマリノスが勝ち越し!

 

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マリノスは得点直後に水沼と西村を下げてヤン・マテウスとマルコス・ジュニオールを投入。対する甲府は失点直前に投入していたジェトゥリオに続き、71分には鳥海を下げて三平和司を送り込みます。

しかし甲府がすぐさまペースを取り返した1点目の時とは異なり、マリノスが2点目を決めた後は直後のマテウスとマルコスの投入も功を奏してマリノスペースがずっと続き、甲府が少し前に出ようとしたところをマリノスがプレスとショートカウンターで刺していく効果的な攻撃を連発。GK河田の好セーブなどもあって追加点は奪わせませんでしたが、甲府にとっては苦しい展開が続きます。

 

 

 

甲府は81分に佐藤を下げて武富を投入することで、やや詰み気味になった試合展開を中盤の活性化で取り戻そうと試みます。マリノスもセーフティーな試合に…というよりはスタンスを変えてこなかった中で終盤戦もなかなか前進できない状況が続いた甲府でしたが、ようやくアディショナルタイムにはセットプレーのチャンスが。

CKの流れからセカンドボールを回収して猛攻を仕掛けた甲府。最後は浮き球のボールに合わせたマンシャが豪快なシュートをネットに突き刺しますが…!これはオフサイドとしてゴールは認められず…。

試合はそのまま2-1で終了。昨季のJリーグ王者であるマリノスが、過去5連敗していたスーパーカップの舞台で遂に初優勝を飾りました!

 

 

 

まず大前提として、今回は過去の富士フイルム杯の中でもお互いの立場が大きく異なる試合として行われました。

マリノスにとっては順当に考えれば圧倒的に優位だった一方で、今季はこれから岩田や高丘の退団により守備の再考は迫られていたので、この試合をただ勝つ為だけに消化する訳にはいかなかったという実情があった…要は、実践の中で岩田、高丘抜きのシステムにアジャストしていく必要がありました。その点で言えば、前半は甲府の速い攻撃に結構翻弄された部分もあって課題が残ったのに対して、右SBとして起用された上島の攻撃参加を含めて、そこに絡んでいく意識付けみたいなものは浸透出来ていたようには見えました。あとはマリノスが持つサイクルに如何に上手く乗せ続けていけるかどうかでしょう。Wボランチを含め、前線のパフォーマンスは相変わらず良かったですし、その鋭さはリードしてからより一層顕著だったように思いますね。

 

対する甲府マリノスに対して如何にチャレンジしていくかというところで、そもそものスタンスは天皇杯決勝の広島戦とは異なるものになっていたはずです。その意味ではマリノスに対してどう守るかというところ、そしてどう攻めるかというところ、そしてその為にどのタイミングでボールを奪りに行くのかのような個々の判断はチームとして共有されるテーマがあったようにも思います。後半はさすがに力負けのような展開になってしまったのは否めませんが、少なくとも前半に関してはマリノス相手にトライした事は大方上手くいったというか、チャレンジとしては実りのある90分として試合を終えることが出来たようには見えました。大卒ルーキーを含め、新戦力も存在感を見せてきましたしね。この機会を活かす事は出来たのではないでしょうか。

 

 

槙野氏ハッスル

ではでは(´∀`)