RK-3はきだめスタジオブログ

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個から開いた穴〜2024明治安田J1リーグ第13節(延期分) 横浜F・マリノス vs サンフレッチェ広島 マッチレビューと試合考察〜

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マリノス広島ってなにかと三ツ沢でやってるイメージ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第13節(延期分)、横浜F・マリノス vs サンフレッチェ広島の一戦です。

 

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

オリジナル10同士。そして今季は大きなトピックスを経た両チームにとってのここまでは悩ましい時期を過ごしいると評するべきでしょう。

オーストラリア路線の継続に伴いハリー・キューウェル監督を就任させたマリノスは、今季最大の目標でもあったACLに関しては決勝進出という素晴らしい結果を残しました。しかしその決勝ではアル・アインに逆転負けを喫し、その過密日程の影響と少なからずあったでしょうが、5月以降のリーグ戦は僅かに1勝。試合数の不足という部分はあるとは言え、首位町田との勝点差は18、そして降格圏の18位鳥栖及び19位京都との勝点差は僅かに6。ここまでは近年にあまり経験してこなかった苦しい旅路を強いられています。優勝争いに戻りたいのではあれば、ACL勝ち上がりに伴い延期された2試合をいずれも獲る事はマストと言えるでしょう。

対する広島は今シーズンは念願の新スタジアムが誕生し、ミヒャエル・スキッベ監督体制も3年目と円熟期に突入。2年連続で3位でリーグ戦をフィニッシュさせた事もあり、新スタジアムの勢いに押されて今季は優勝予想では最も支持を集めたチームの一つでした。序盤こそ開幕11戦無敗を記録し、順位も5位とマリノスと比較して必ずしも不振に陥っているとは言えない。しかし開幕からの無敗の時期から勝ちきれずにドローに終わる試合が多発しており、ややフラストレーションも溜まっている事でしょう。しかし第15節京都戦を5-0で獲ってからは再び好調に転じているだけに、ここで勢いを加速させたいところです。

両チームスタメンです。

 

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マリノスは町田に1-3で敗れた前節からはスタメン変更は1人。その町田戦で得点を挙げた宮市から井上健太をスタメンとして起用しています。状態に不安を抱えるエドゥアルドはベンチスタート、畠中槙之輔はベンチを外れています。

広島は4-1で勝利した前節東京V戦からは、海外クラブへの移籍準備の為にチームを離脱した川村拓夢を含めてメンバー交代は3人。左WBに志知孝明、ボランチに満田誠が先発復帰すると共に、今日はここまで全試合にフル出場していた佐々木翔のポジションには左WB起用の多い東俊希が入っています。

マリノス先発のアンデルソン・ロペスはJリーグで最初のクラブとなった広島との古巣対決。そしてマリノスで2度のJ1制覇に貢献したマルコス・ジュニオールは本日ベンチに入っており、出場すれば初めての古巣対決です。

 

 

 

本日の会場は神奈川県横浜市ニッパツ三ツ沢球技場です。

日産スタジアムをメインに使いつつ、平日開催のリーグ戦やルヴァン杯天皇杯を中心に三ツ沢を使用しているマリノスですが、今季はルヴァン杯はシード、天皇杯も初戦は敵地でのゲームとなった事もあり、三ツ沢での公式戦は今季初めてという事になりました。マリノスホームでの広島戦は昨年も三ツ沢開催でしたね。

今年はオリンピックイヤーですが、ちょうど60年前……日本で行われた東京オリンピックの際にサッカー競技で使用された5つのスタジアムが国立競技場駒沢陸上競技場秩父宮ラグビー場、大宮蹴球場(現:NACK5スタジアム)、そしてこの三ツ沢でした。日本代表の試合割り当てはありませんでしたが、ユーゴスラビア代表の一員として現役時代のイビチャ・オシムがプレーしていた過去も持っています。

 

 

試合は開始早々に動きました。

2分、広島はスローインからのボールがヘディングの応酬でルーズボールになったところを大橋祐紀が巧みにコントロールしたスルーパスに抜け出した加藤陸次樹がフィニッシュ。GKポープ・ウィリアムとの1対1を冷静に仕留めて広島が開始早々からリードを奪います。

 

 

前半はそのまま高い位置から圧力をかけていく広島の強度に対してマリノスが前に押し返すだけの状況に転じることができず、その間に塩谷司や大橋にシュートチャンスを作られるなどほぼ広島の理想通りにゲームは進んでいました。

マリノスも15分には右サイドからボールを受けたアンデルソン・ロペスがシュートチャンスを迎えますが枠の右へ。そこからはマリノスもサイドに振ったところから打開を図り、22分も井上のクロスにロペスが飛び込みますが僅かに合わず。

 

 

 

それでも27分でした。広島のやや一方的な展開から徐々にサイドから形勢を立て直し的マリノスは右サイドで大外に張ったところからボールを受けると、そこから斜めに侵入していくようにドリブル突破を敢行。最後はそのまま1人で持ち込んで決め切ってマリノス同点!

 

 

マリノスがヤン・マテウス井上健太の両WGをサイドに拡げて、そこからカットインを習いつつ両SBが大外をフォローする形でオーバーラップするような流れを作っていくと、今度は広島がコンパクトなプレスに行きにくくなった事でリズムが掴みにくくなり、前半の後半はマリノスが優勢にプレーするようになっていきました。

前半終了間際には左サイドでボールをキープした渡辺皓太が放った絶妙なスルーパスに抜け出したヤンマテウスがタメを作ってからラストパス。走り込んだロペスが特大の決定機を迎えましたが、この場面はGK大迫敬介がスーパーセーブ。前半は1-1で終えます。

 

 

後半も前半終盤の流れを継ぐようにマリノスのペースで進んでいきました。

51分には左サイドでマテウスのパスをインサイドで受けた天野純から井上へ。井上のクロスをニアサイドに入ったロペスが合わせますがシュートはポスト直撃。更に52分には天野の侵入をファウルで阻止した満田のプレーがイエローカードとなり、満田はこれが2枚目のイエローとなって退場処分に。このFKは天野がわずかに枠の上に外しましたが、いずれにしてもマリノスは後半の大部分を数的有利で戦う事に。

 

 

 

広島は60分に志知とソティリウを下げて越道草太と松本大弥を投入し、大橋と加藤を2トップとして押し出した5-2-2の形で、ある種サイド攻撃を捨てでも中央とサイドでの守備に厚みを出すような形に変更しました。

マリノスが前でプレーする時間が長いことは変わりませんでしたが、それでも機を見て打開していく可能性のある場面が産まれるようになった中で76分、マリノススローインをカットした大橋が自ら中央突破。対峙したエドゥアルド、天野を立て続けに蹂躙するように抜き去ると、最後はGKポープの頭上に突き刺す一発で数的不利の広島勝ち越し!!

 

 

しかし今日のマリノスは今季、影を潜めていたアタッキングサッカーの片鱗を最後の最後で示してきました。

87分、左サイドでのスローインから途中出場の宮市亮が喜田とのパス交換から左サイドを抉ると、折り返しをロペスが体勢を崩しながらも押し込んでマリノス同点!更に更に89分、ビルドアップで前進していったマリノスは宮市からのパスを渡邉が高い位置で受け取ると一気にギアチェンジのパスを中に入れ、途中出場の植中朝日がそれをスルー。ロペスの落としに走り込んだマテウスが左足一閃!!マリノス逆転!!!

 

 

広島は最後にマルコス・ジュニオールドウグラスヴィエイラ、エゼキエウを同時に投入。しかし10人で反撃機会を整えるには時間が足りずに試合終了。マリノスが聖地三ツ沢で劇的な逆転勝利を飾りました!!

 

 

 

良い試合でしたね。面白かった。やっぱり、こういう試合が一番エキサイティングと言いますか、一番脳汁に浸れるゲームだよなあと。マリノスファンは良いお酒が呑める事でしょう。

序盤はむしろ広島の良さ、強みがマリノス相手にしっかりとハマっていたと思いますし、現に20分くらいまでは「これ広島のワンサイドゲームになるんじゃないか…?」という恐れさえある展開でした。広島が効果的にプレッシングで追い込んで、マリノスがそこから前に行けない状態を序盤では上手く作れていましたし。

ただやはり今日はヤン・マテウスがちょっと別格のプレーぶりでしたね。今日のマリノスは途中からマテウスと井上の両WGが極端なくらい大外に張る、そこからWGがカットイン気味に中に入り、大外をSBがフォローする形でピッチをワイドに使いましたが、それによって広島がコンパクトな陣形を保ちながらプレスに行けなくなっていた。プレスに行っても剥がされるリスクの方が高いというような状態を広島にも見せつける形で上手く作れていたと思いますが、序盤20分くらいまでの展開だとそこまで陣地回復に至らせるのは結構難しい展開だったと思うんですよ。そこでマテウスが何度か個でゴリゴリのアクションを仕掛けて、そういう全体的な陣地回復を図れるだけの時間を確保した事は伏線としての効果もありました。3点目のように一度そういう状況を作れた場合の周囲の選手のフォローも上手く噛み合っていましたしが、マテウスのバケモノのような個人突破で詰み状態を破壊して、そこでこじ開けた穴を拡げるようにして自分達の形を取り戻した試合…と称するのが適切でしょうか。

広島も10人になった後のリアクション…肉を切らせて骨を断つじゃないですけど、攻撃耐性を割り切ってサイドを切り、大橋と加藤に直線で押し込ませる形にしたのは状況的に考えても良い判断で、実際にその効果は大橋の勝ち越しゴールで証明された訳ですが……今日はマリノスの攻撃もよく組み立てられていただけに、やっぱり今日数的不利を被ったことは苦しかったですね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第13節

アルビレックス新潟2-4浦和レッズ

ジュビロ磐田0-3サガン鳥栖

京都サンガFC2-3アビスパ福岡

川崎フロンターレ3-0北海道コンサドーレ札幌

湘南ベルマーレ0-0FC町田ゼルビア

名古屋グランパス0-1ガンバ大阪

セレッソ大阪1-4ヴィッセル神戸

FC東京3-3柏レイソル

鹿島アントラーズ3-3東京ヴェルディ

横浜F・マリノス3-2サンフレッチェ広島

 

 

1位 FC町田ゼルビア(38)

2位 鹿島アントラーズ(36)

3位 ガンバ大阪(34)

4位 ヴィッセル神戸(33)

5位 サンフレッチェ広島(29)

6位 セレッソ大阪(28)

7位 アビスパ福岡(28)

8位 FC東京(27)

9位 名古屋グランパス(27)

10位 浦和レッズ(25)

11位 東京ヴェルディ(24)

12位 横浜F・マリノス(23)

13位 柏レイソル(22)

14位 川崎フロンターレ(20)

15位 アルビレックス新潟(20)

16位 ジュビロ磐田(19)

17位 湘南ベルマーレ(15)

18位 サガン鳥栖(14)

19位 京都サンガFC(15)

20位 北海道コンサドーレ札幌(11)

 

 

ロペ!マテ!

ではでは(´∀`)