RK-3はきだめスタジオブログ

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堅実性スターシステム〜UEFA EURO 2024 グループD第1節 オーストリア代表 vs フランス代表 マッチレビューと試合考察〜

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代表ムバッペとクラブムバッペどっちも観たのは自慢

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2024 グループD第1節、オーストリア代表 vs フランス代表の一戦です!

 

 

 

RK-3 UEFA EURO 2024観戦ガイドはこちらから!

 

昨年夏のマンチェスター・シティ&バイエルン・ミュンヘン観戦日記

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

一時期のスランプを乗り越え、デシャン監督就任後は様々なタレントの到来と共にナショナルチームとしては驚異的な存在を継続しているフランス代表。元々サッカー強国とはいえ、時代ごとの波の激しさもまた特徴の一つだった彼らにとって、良き時代がここまで長く続いていることは稀有な事と評せるかもしれません。前線はキリアン・ムバッペなどの黄金期メンバーが継続して並び、最終ラインは新たな顔触れを揃え、W杯と比べると少し望まぬ結果に終わっているEUROの獲得を目指しています。

対するオーストリアですが…レッドブル系という単語がサッカー界でも定着した昨今を踏まえて、ラルフ・ラングニックという男がオーストリア代表監督の座に座ることはある種の「約束された運命」とも呼ぶべき瞬間なのかもしれません。実力は毎回一定のクオリティを示しながら、どこか一つ突き抜ける機会も訪れてこなかったオーストリアにとっては、この大会が代表チームという以上のオーストリアサッカーの集大成的な側面もあるのでしょう。それぞれが良き時代を何かしらの形で完結させようとしている今宵、この両者がグループDの初戦から激突します。

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はドイツ、デュッセルドルフのデュッセルドルフ・アレーナです。

 

 

今大会で使用される10会場のうち9会場は2006年ドイツW杯でも使用されたスタジアムですが、唯一ドイツW杯開催会場以外で今回のリストに入ったのがデュッセルドルフのこのスタジアムです。とはいえ、ドイツW杯の前年にオープンし、国際大会を開催できる基準を満たすと共にドイツ代表戦を含むいくつかの国際試合を開催している辺りは、日本で言うところの豊田スタジアムに近い立場のスタジアムとも言うべきでしょうか。

普段はフォルトゥナ・デュッセルドルフが本拠地としていますが、日本人在住者の多いこの都市にJFAが欧州オフィスを設置した事もあり、近年は日本代表がこのスタジアムで親善試合を行う機会も増えてきました。

 

 

EUROではややスローテンポなゲームも少なくない中、この試合は比較的ハイテンポなゲームで進んで行きました。

チーム全体としてコンパクトな陣形とハイラインを維持しながら、常に数名で塊を作るような形でスピードを出していくオーストリアが高い位置でプレーしつつ、それに対して両WGが張った上でムバッペが縦、グリーズマンが横に対して流動的に動きながらカウンターを発動させるフランス……オーストリアが高い位置を最終ラインにするようにプレーしつつ、フランスがサイドから速攻をしかけるような形で試合は推移していきます。

 

 

 

好機は両チームともに複数訪れました。

フランスは8分に自陣でグリーズマンのコントロールから左サイドを一気に突破すると、最後は圧倒的なスピードでカウンターを成立させたムバッペが切り込んだシュートを放ちますがGKペンツがファインセーブ。対するオーストリアも36分、グリリッチュが持ち上がってから左サイドに展開するとグレゴリッチュがダイレクトでクロス。マイナス気味のボールをザビッツァーが巧みに落とすと抜け出したバウムガルトナーが決定機を迎えますがGKメニャンが好セーブ。

 

 

 

試合が動いたのは38分でした。

ルーズボールの応酬になったところをオーストリア守備陣が収めきれずデンベレが回収すると右サイドへ。一度はボールを失うも再び回収したデンベレは自分の外にフォローに回ったムバッペにボールを託し、そのムバッペが右サイドを抉ってクロス。このボールがウーバーに当たってゴールに入り、フランスがオウンゴールで先制。

 

 

前半はそのまま終了。フランスが1点リードで後半に向かいます。

 

 

後半最初の決定機もフランスでした。

自陣の深い位置で粘ってボールをコントロールしたラビオが長いスルーパスを送ると、ムバッペがマークについていたダンソを振り切り、ウーバーを置き去りにして「これぞムバッペ」とでも言いたくなる突破を敢行。しかし迎えたGKとの1対1ではシュートを枠の右に逸らしてしまい、フランスは追加点の決定的なチャンスを逃してしまいます。

 

 

59分にビマー、トラウナー、アルナウトビッチを同時に投入していたオーストリアでしたが、フランスは64分にもカウンター気味に左サイドから右サイドへ展開し、枠を逸れたとはいえデンベレが巧みなステップワークから得意なパターンでシュートに持ち込むなどフランスの守備陣を前にボールを持っても攻め込めない、むしろプレスやハイラインを翻されてしまうような場面が多くなっていました。

66分にもグリーズマンのシュートに始まる波状攻撃を見せ、67分にもテュラムのシュートなどフランスが度々追加点のチャンスを見せますが、オーストリアも粘り強く阻止してどうにか1点差はキープしますが、苦しい展開という様相がどんどん色濃くはなっていました。78分にはフランスのビルドアップに対するプレスがようやくハマり、ライマーのスルーパスにバウムガルトナーが抜け出す決定機を迎えましたが、ここはGKメニャンの勇気を持った飛び出しで阻止。

 

 

 

終盤はオーストリアが最後の猛攻を仕掛けてくる時間帯もあり、フランスとしてもそこはさすがに肝を冷やすような瞬間もいくつかありましたが、トータル的には特に守備面で試合をコントロールできていたフランスが1-0のままゲームセット。

イングランドと共に本命候補とも目されるフランスが白星発進です。

 

 

 

戦術というよりも戦略としての妙と言いますか、やはりデシャン監督の率いるフランス代表というものは「武器をどう活かすか」「武器の効果をどう最大化させるか」「その武器を相手はどう思っているか」と言ったところの認識と運用にすごく長けたチームだなと。基本的にこの部分に関しては2018年ロシアW杯から同じとはいえ、今回もそこの部分の凄さと、それゆえのエキサイティングなプレーをいくつも見せてくれたなと思います。

特筆すべきは先制してからのカウンター攻勢で、例えば後半開始早々のムバッペの決定機が決まらなかった事はフランスにとっても誤算、オーストリアにとっては救われた感覚があったと思いますが、ああいう場面でムバッペにカウンターで抜け出されてしまうと……オーストリアの守備陣にとってはやっぱりその残像が残って、それが怖くて押し上げにくくなるんですよね。なによりオーストリアは高いラインを敷いて強度を押し出したいチームでしょうから、ムバッペのあの突破は逆説的にオーストリアのオフェンス面にダメージを与えたところはあって、ムバッペの補佐としてグリーズマンがフォローしている事も含めてフランスによるオーストリアへの牽制として効きまくっていた。オーストリアもパフォーマンスが悪かった訳ではなく、彼らの持ち味が活きるような場面もありましたが、後半はオーストリアの持ち味を出しやすい状況にする事をオーストリア側が躊躇してしまうような状況に追い込まれたフランス…というところでタレントを活かした巧みな戦略だったなと。

 

 

 

フランスに関して言えば、今日はもう一つの側面がありました。

国際大会ではプレッシャーが特にかかるポジションといえばやっぱりGKでしょう。その点で言えば、フランスにとって正GKがウーゴ・ロリスではないビッグトーナメントというのは16年前のEURO2008以来なんですよね。ロリスと同時に長年GK陣を支えたマンダンダも代表を去って初めての国際大会だった訳で、それだけにメニャンにかかるプレッシャー、メニャンが背負う意味合いの重さはその他の国のGKよりも重大なものだったと思います。それがオーストリアが前半後半でそれぞれ迎えた決定機で見せた勇気ある好セーブは素晴らしかった。あの2つのセーブには相手のチャンスを阻止した以上の意味はあったんじゃないでしょうか。

 

 

あーおと

くーろの

せーんしー

ではでは(´∀`)