RK-3はきだめスタジオブログ

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割り切れてしまう胆力〜UEFA EURO 2024 グループD第2節 オランダ代表 vs フランス代表 マッチレビューと試合考察〜

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次の試合オランダvsオーストリアって、それ完全に国歌フェルスタッペンモードやん…

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2024 グループD第2戦、オランダ代表 vs フランス代表の一戦です。

 

 

 

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オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

強豪国ひしめくEUROの舞台においても、グループステージでは昨日のスペインvsイタリアの試合と共に最も注目を集めているカードと言えるでしょう。何物もオレンジに染め上げるオランダ、夜をトリコロールに染め上げるフランス。こちらも伝統国同士の一戦です。

第1戦はお互いに必ずしも完璧とは言えないゲームで、オランダはポーランドに先制を許す展開、フランスはオウンゴールの1点のみにとどまる展開とはなりましたが、結局お互いに1点差で勝利した内容もさる事ながら、そこへと繋げていくプロセスはある種、接戦だったからこその凄みも感じられるようなゲーム展開でした。…正直なところ、現在のEUROは1勝さえすればグループステージの突破はある程度は約束されたものになるとも表現できます。ですが、やはり勝って立場を固める事で今後の展望も立てやすくなりますし、何よりオランダもフランスもそうする事で何層にも渡る歴史を積み上げてきた。その伝統をプレーヤーとして司った両指揮官が率いるゲームだからこそ、歴史に裏付けされたその矜持に期待したいところです。

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はドイツ、ライプツィヒライプツィヒ・スタジアムです。

 

 

ドイツW杯の時もそうでしたが、今大会でも旧東ドイツ領としては唯一となる開催会場となっています。旧東ドイツ時代は10万人収容の巨大スタジアムとして、東側諸国のビッグイベントを開催した実績も。ドイツW杯開催に向けて大規模改修が行われましたが、当時のスタンドの位置も影響してやや複雑な動線となっているのが一つの特徴。ドイツW杯時は下部リーグ所属クラブしか使用していませんでしたが、レッドブルが買収したRBライプツィヒが本拠地として以降は「レッドブル・アリーナ」の命名権保有し、水色だったスタンドもレッドブル使用の赤色に塗り替えられています。

ドイツW杯の際にはオランダが大会初戦のセルビア・モンテネグロ戦、フランスがグループステージ第2戦の韓国戦をこの地で戦いましたが、特に後者に関してはドローに終わったこの試合で途中交代となったジネディーヌ・ジダンが、チームと個人の不甲斐なさへの不満からドアを蹴り飛ばして破壊するという出来事が起こりましたが、ジダンが同大会限りでの引退を表明していた事もあってか「サッカー史上、最も偉大な選手の1人にけられてへこんだ扉」として保存させる事になったという小話も。

 

 

ファーストシュートはオランダ。開始1分足らずの時間で右からフリンポンがエルナンデスをスピードでブチ抜く形で決定機を迎えましたがフィニッシュは僅かに逸れてゴールには至らず。しかし試合は序盤から両チームとも縦へのアクションを積極的に起こしており、特にオランダはその後も2度ほどペナルティエリアで危険なシーンを作るなど、両チームともボール保持時にはアタッキングサードまで侵入する攻撃の応酬が序盤から繰り広げられていました。

フランスも14分にはラビオがテュラムとのパス交換からGKと1対1。パスを選択するもグリーズマンとは僅かに合わず、流れたところから攻撃を作り直すと左サイドを抉ったカンテの折り返しにグリーズマンが入り込みますがシュートは僅かに枠外。直後にはオランダもガクポが良いミドルを放ちましたが、今度はGKメニャンの好セーブ。

 

 

 

ただ全体的には大外から中へのコースを狙うように攻めていたフランスよりも、中央を進みながらインサイド、大外への選択肢を持つ形で攻撃していったオランダの方がよりアタッキングサードまで到達する回数は多く、特に20分過ぎになるとフランスの方が「このままオープンな展開になったらオランダに分がある」と判断したのか、フランスのボール保持のタイミングでスピードを落とそうとするアクションが見られるようになっていきました。

前半の終盤にはフランスもようやくゲームを落ち着かせられるようになり、立ち上がりのようなアップテンポな展開からは遠ざかる形で前半は0-0で終了。

 

 

前半のアップテンポ感はムバッペのいないフランスにとっては誤算だった事もあり、後半は前半の終わり際同様にペースを落ち着かせたいフランスに対し、オランダはやはり速い展開に持ち込もうとするようなプレーが多く見られていた事もあって、オランダのそういうスタンスがあったからこそフランスはよりボール保持の際に時間をかけようとしている節がありました。

実際に後半はオランダがボールを持ってアクションを起こせる機会にならないようにフランスがコントロールしようとしており、逆にフランスの攻撃も遠目のシュートが多くなるなど、前半と比べるとお互いにアタッキングサードまではいるようなシーンは少ない形で後半は進みます。

 

 

 

後半のフランスにとって最大の決定機は65分でした。最終ラインからゆったりとボールを回していたフランスはチュアメニがデンベレに縦パスを入れたところから一気に素早く細かいパスワークを披露。テュラムのリターンを受けたデンベレの侵入は阻まれましたが、フォローに入っていたカンテの絶妙なワンタッチにゴール前でグリーズマンが反応しましたが…グリーズマンの足元に入りすぎて体勢が崩れた事、GKフェルブルッヘンの好対応もあってゴールならず。直後にはデンベレが得意な形からミドルを放ちますがこちらも決まりません。

 

 

 

しかし後半のに染まったのはフランスのアプローチがチャンスに繋がり始めた直後、今度はオランダが火を噴きます。69分、持ち運んだシモンズが左に展開すると、左サイドのガクポがようやく縦に速いアクションを起こせる形に。一度目のクロスは跳ね返されるも、再び繋ぎ直して入れたボールをデパイがDFを背負いながらシュート。一度はGKメニャンに阻まれましたが、こぼれ球をシモンズが決め切ってオランダ先制…かと思われましたが、オフサイドポジションにいたダンフリースがGKメニャンを妨害する形でプレーに関与したとしてゴールは取り消しに。

 

 

直後、オランダはワイナルドゥム、フランスはジルーとそれぞれの重鎮のような大ベテランを投入して勝負に出ます。

終盤もお互いにどう相手の隙を突くかという伺い合いのような形になりましたが、最後までスコアが動くことはなく0-0で試合終了。お互いにグループステージ突破に大きく近づく勝点1を分け合いました。

 

 

 

終わってみての感想としては「フランスの対応力が光った」とでも言うべき試合だったのではないでしょうか。前半はオランダが自分達のリズムにフランスを付き合わせる形になりましたが、時間と共にフランスがリズムをゼロにしていこうとしていたなと。

前半はオランダのペースではなくともオランダのリズムで進んだ試合だったと思います。というのも、ド頭のフリンポンの決定機に始まり、オランダは中央を持ち運んだ上でインサイド、大外とサイドに対して複数の選択肢を持てるような形で縦に対する速いアクションを狙っていましたし、それゆえにチームとして速攻スタイルで今日の試合に挑んでいました。先にオランダがそのスタイルでリズムを作っていたので、フランスはそれに付き合う形になっていたんですが…本来ならフランスはそういう展開はむしろ得意なはずなんですよね。オーストリア戦も少なからずそういう展開もありましたし。ただ、先にオランダが殴る形がこの時には既にできてきましたし、そういう展開になった時に抜群の力を発揮するムバッペはいない。フランスとしては「今日オープンな展開になったら分が悪い」という認識をチームとして持っていたんだと思います。

そこからは強引にスローペースに持ち込む為に、オランダのプレス回避と遅攻に全振りしようとしていましたし、何度かオランダがカウンターで刺しにきてもそれを試合の流れまでには昇華せなかった。後半はフランスがボールを持つというより、自分達でボールをキープしておく事でオランダにアクションを起こさせない状態にする。基本的にお互いにとって引き分けでもOKという状況だった事も手伝ったかもしれませんが、自分達の縦へのスピードというストロングポイントを削ってでもその割り切り方と方向転換できてしまう胆力というのはさすがフランスと言いますか、今日の試合はドローに終わったとはいえ、デシャン体制でのフランスの強さの理由が垣間見えたゲームではあったのかなと。オランダもチームとしても個人としても良いパフォーマンスは出していましたが、そこの試合巧者ぶりはフランスの方が一枚上手だったように思います。

 

 

イーターリャー

ではでは(´∀`)