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煌めきと芳しさ〜2022 FIFAワールドカップカタール大会 準々決勝 イングランド代表vsフランス代表 マッチレビュー〜

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昨日はほんとカロリー高かった

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー2022 FIFAワールドカップカタール大会 準々決勝、イングランド代表vsフランス代表の一戦です!!

 

カタールW杯観戦ガイド更新中!是非覗いてください!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

自称・当ブログ的カタールW杯テーマソング

 

 

 

準々決勝にもなれば、優勝候補同士の対戦も珍しくはありません。イングランドもフランスもサッカー伝統国として知られながら、共に2010年代前半は悩ましい時期を過ごしていました。しかしそこからそれぞれの育成の結果もあり、今の代表は共に圧倒的なタレントの宝庫と化しています。プレミアリーグのスーパースターを揃えたイングランドと、世界最高と呼ばれるであろうエースを擁するフランス…スリーライオンズとレブルーの称号がいつにも増して光り輝くだけのスカッドを揃え、両者はカタールに乗り込んできました。そしてこの両者の対決は、歴史としての重みに触れるような側面も持ち合わせています。

 

 

言わずと知れたサッカーの母国、イングランド。サッカーという概念はこの国で生まれ、そして世界に広がっていき、この地球の中で「最もワールドワイドなスポーツ」と呼ばれるようになりました。王国と呼ばれるブラジルを筆頭に、サッカーを国技として捉え、その国の一つのアイデンティティと化すほどの存在になっている国も少なからずありますが、やはりその始まりと期限はいつもイギリスであり、そしてイングランドだった。このスポーツを語る上で、その始まりの地はいつもイングランドでした。

そして、イングランドから始まったサッカーというスポーツが、この世界で絶対化したのはやはりFIFAという中立機関、そしてFIFAワールドカップという概念の誕生が大きかった訳ですが、歴史を辿れば……当初はイングランドがその概念に対して積極的ではなかった中で、このFIFAの設立、そしてFIFAワールドカップの開催を、提案し、牽引し、そして誕生に漕ぎ着けるまでの過程に於いて、最も重要な役割を果たしていたのがフランスでした。それはFIFAの正式名称がフランス語である事が物語っているとも言えます。

いわば、概念を産み落としたのがイングランドであれば、その概念を絶対的な権威としたのがフランスだったと表現すべきでしょうか。サッカーを生み出した国と、ワールドカップを生み出した国……FIFAワールドカップという世界を巻き込む狂気のコンペティションの歴史を担う両者は、期待通りにいつの時代も強いチームとしてあり続けています。この両者が決勝トーナメントの舞台で戦うのは初めて。歴史を背負う聖戦が砂漠の上で始まります。

両チームスタメンです。

 

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イングランドもフランスも、それぞれベスト16は快勝しただけに、両チームともスタメンはベスト16の試合から変更はありません。イングランドに関しては、セネガル戦をプライベートな事情により欠場・一時離脱したスターリングが再合流を果たしており、ベンチメンバーに復帰しています。

イングランドはピックフォード、ストーンズマグワイア、ショー、ライス、ベリンガム、ケインの7名がこれで5試合連続の先発となった一方で、第3戦チュニジア戦でターンオーバーを行ったフランスはチュアメニが唯一5試合連続の先発出場となっています。

 

本日の会場はカタール、アル・ホールのアル・バイト・スタジアムです。

試合会場がドーハ近辺に集中している今大会ですが、唯一少し北部に位置する開催都市なのがアル・ホール。かつては真珠産業で栄えた港町であり、ダイビングや釣りなどのレジャーを楽しめる地域としてドーハ市民にも休日の行き先として人気が高い場所です。スタジアム砂漠の中に佇むように建てられており、遊牧民のテントをイメージしてデザインされたそのビジュアルはザ・中東。それゆえに、カタールW杯関連の広報物のカバーデザインに使われる事も多いですね。このスタジアムでは開幕戦のカタールvsエクアドルの試合が開催されており、準決勝まで試合日程が組まれるなど、決勝を行うルサイル・アイコニック・スタジアムに次ぐ扱いを受けており、キャパシティーもルサイルスタジアムに次いで多い数字となっています。

移動負担は少ない今回のW杯ではありますが、フランスが準々決勝を含めた5試合を全て異なるスタジアムで戦っているのに対し、イングランドはこのスタジアムでの試合はグループステージ第2戦のアメリカ戦、ベスト16のセネガル戦に続いて3試合目。そう考えると、ややイングランドはこのスタジアムの勝手を知れている状態とも言えるでしょうか。この試合の勝者が進む準決勝もこのスタジアムが会場になる予定ですので、もしイングランドが勝ち進めばベスト16〜4までの3試合を連続でこの会場で戦える事になります。

 

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カタールW杯で使用される全スタジアムの紹介はこちらからどうぞ!

 

序盤からお互いにボールポゼッションの意識を持ちつつ、どちらかといえばイングランドの方が高い位置で試合に入れましたが、最初にシュートチャンスを作ったのはフランスでした。11分にドリブルで持ち運んだグリーズマンのスルーパスを右サイドで受けたデンベレがクロスを上げると、飛び込んできたジルーがヘッド。しかしこれはGKピックフォードががっちりキャッチ。

しかしイングランドのボール回しに対してギアを入れた時のスピードが光ったフランスが先制に成功します。左サイドでムバッペがボールを持つと、そこから中央にボールを持ちながらデンベレに繋ぎ、デンベレのパスを受けたグリーズマンが再び真ん中へ。ここに走り込んだチュアメニがベリンガムの股を通すミドルシュートを決めてスコアを動かします。ポグバとカンテがいないという状況では中盤を託された22歳のスーパーゴールでフランスが先制。

 

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なかなかシュートまで行けないイングランドも失点直後には絶好の位置でFKを獲得しますが、ショーのFKをGKロリスがキャッチ。しかしこの辺りからイングランドの猛攻が始まります。

22分にも右から攻め込んだイングランドは、右からのパスにケインが絶妙なボディバランスでGKと1対1の場面を作りますが、ここはトッテナムでチームメイトのロリスが攻守で阻止。こぼれ球からゴール前で混戦も誘いますが、2次攻撃はシュートに持ち込めず。29分にもケインが強烈なシュートを放ちますが、これもロリスがビッグセーブ。

 

フランスが先制してからは試合の流れは完全にイングランドペースとなり、攻め込むイングランドに対してフランスがカウンターの糸口を狙う形で進んでいくようになりました。しかしGKロリスの攻守連発もあり、前半はフランスが1点リードのまま45分を終えます。

 

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後半もイングランドは立ち上がりから積極的な攻撃を仕掛け、敵陣に何度も侵入を試みていきました。前半からの猛攻がようやく実ったのが54分。右サイドから入ったサカがエリア内でチュアメニに倒されてイングランドがPKを獲得。ロリスとのトッテナム対決になったPKを、これをケインがきっちり仕留めてイングランド同点!このゴールでケインはウェイン・ルーニーに並ぶイングランド代表最多ゴールとなりました。

 

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フランスも失点直後の50分、自陣の深い位置からエアポケットのようなスペースに放たれたロングボールに、うまく入れ替わって走り込んだラビオがダイレクトシュートを放つも、今度はピックフォードが好セーブで阻止。直後にはウォーカーを振り切って左サイドを突破したムバッペの折り返しをジルーがフリックしたところにデンベレが詰めて決定機を迎えましたが、デンベレのトラップは流れてシュートには至らず。イングランドも60分までにサカやケインがシュートチャンスを迎えるなど、後半に入って試合は一気にオープンな展開へと化していきます。

 

イングランドは70分には右サイドからヘンダーソンがFKでクロスを入れると、ファーサイドに飛び込んだマグワイアのヘッドがポストに。更にその直後にはショーが左サイドを突破して鋭いクロスを入れると、ファーサイドからサカが突っ込んできますが…このシュートも枠を逸れてしまいます。緊迫した試合展開に、70分を過ぎても両チームとも交代カードを切れない時間が続きます。

 

すると77分、左からのラビオのクロスをデンベレが頭で折り返すと、ジルーがダイレクトで合わせる超決定機……かと思いましたが、ジルーのショットはピックフォードがスーパーセーブで阻止!

しかしそのピックフォードのスーパーセーブで得たCKから試合は動きました。一度は跳ね返されたクロスボールを中盤で回収したフランスは、パスを繋いで再び左に位置取るキッカーのグリーズマンまでボールを戻します。グリーズマンのクロスに対し、ニアに飛び込んだのは先ほど決定機を阻まれたジルー!!大会中にティエリ・アンリが持つフランス代表最多得点記録を抜いたベテランが再び決定的な仕事を成し遂げてフランス勝ち越し!!

 

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しかし後半に入って一気に激しくなった試合はまだ落ち着く気配を見せません。79分にイングランドスターリングとマウントを投入。そして84分でした。イングランドはロングボールに対してエリア内でマウントとテオ・エルナンデスが交錯。このプレーがVAR判定の末にPKと判定され、イングランドは1点目と同じく、同点弾を狙うケインがペナルティスポットに向かいます。

これを決めれば、最高の舞台と最高のシチュエーションでルーニーの記録を抜く…しかし、先ほどはPKを成功させた名手・ケインのシュートはクロスバーの上へ。絶対的エース、まさかの失敗…。

 

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イングランドはラッシュフォード、そしてグリーリッシュを投入して最後の猛攻に出ます。そしてアディショナルタイムのラストワンプレー、前線まで上がっていたマグワイアがクロスのこぼれ球を拾ってドリブルを獲得すると、最後の最後で絶好の位置でのフリーキックを獲得。キッカーはラッシュフォード。しかしラッシュフォードのキックは無情にも…外側から上部のネットを揺らし、枠の外。

トップオブトップのタレントが競演した準々決勝屈指の注目カードは、フランスが鮮やかな2発のゴールで見事勝利!連覇に向けた冒険をまた一つ、準決勝という舞台に繋げました!

 

 

 

いい試合でしたね。

フランスが先制点を取って以降は、同点に戻った時間も含めてほぼほぼイングランドが優勢に進めた試合でした。中と外との出し入れとか、サイドとの連動とか。やはり今のイングランドの前線のタレントはテクニカルとハードワークを融合させたような組み合わせになっているので、そこの妙をしっかり出せるような試合は出来ていたと思います。

それで言えば……なんというか、今日のフランスにはヨーロッパ的な強さというよりも、南米的な強さを感じた試合でしたね。イングランドメディアの挑発も受けたウーゴ・ロリスの大奮闘は勿論、その一発でとんでもないクオリティを突きつけるというか、優勢だったイングランドに対して理不尽を突き付けるというか。チュアメニが理不尽としか言いようがないミドルを突き刺した1点目もそうですし、イングランドに押されてたのに急にクオリティがダダ漏れするようなプレーで2点目もぎ取ったり(その前のシュート含む)。ある意味、今のフランスはちょっとヨーロッパ的には異質なタイプになってきているような気はしましたね。

イングランドに関しては……こういう言い方が正しいかはわかりませんが、内容や相手などを勘案すれば、準々決勝で敗れた他のチームと比べれば割り切れる敗戦だったような気はします。やいやいゴシップ英国民とて、さすがにハリー・ケインを責めようという人は普通はいないでしょうし。個人的には、イングランド代表の本番は2024年のEURO、そして2026年のW杯だとも思っています。ここからもう一つ、もう一つ上のステージを目指してほしいと、素直にそう思っています。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

12月10日(大会19日目)

準々決勝

ロッコ1-0ポルトガル

イングランド1-2フランス

 

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12月13日(大会20日目)

2022 FIFAワールドカップカタール大会準決勝

アルゼンチンvsクロアチア

2022年12月13日22:00(現地時間)@ルサイル・アイコニック・スタジアム

 

 

ベッカムの横にオーウェンいた?

ではでは(´∀`)