ギリ夜風の気持ちいい季節
どーもこんばんは
西京極で市販のアイスを食べた2024 pic.twitter.com/vCE7BelOWQ
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2024年6月14日
さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第18節、京都サンガFC vs 北海道コンサドーレ札幌の一戦です!
京都サンガFC 30周年企画ブログのまとめページはこちら!随時色々と更新しております。
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かつてどこかのテレビ局が「絶対に負けられない戦い」という言葉を用いましたが、その言葉が感覚としてしっくりくるような試合は往々にして「絶対に勝たなければならない戦い」というシチュエーションでもある。リーグ戦というスケジュールを過ごせばどこかでそういうシチュエーションに投げ込まれる瞬間がやってくる。そしてその話の逼迫性は、それが「負の局面」で訪れた時により一層意味合いが重くなります。
サンガが今日、これから向かう事はまさしく負の局面で訪れたそのシチュエーションであり、それは札幌にとっても同じ。必然か偶然か、目指す雑サッカーのスタイルや戦い方は異なれど、今季に限ればサンガと札幌はどことなく近い境遇に置かれた2チームであるという側面もあるでしょう。それだけにこの試合はお互いにとって、順位や数字以上に「これから」に光も陰ももたらす可能性がある。負の局面での6ポイントゲームにしても重く、苦しい意味を孕んだゲーム…そういう背景と意味合いを背負っているのはサンガも札幌も同じでしょう。
ただ、今期の町田みたいな事例もあるとはいえ……J1としてのイメージと経験の薄いチームは、そういう修羅場のような局面をキリがないほどにくぐってくぐってJ1という袖にあった肉体を手にしていく…そういう際どい摂理の上に成り立つものがJ1リーグです。生きるか死ぬかを追体験するかのような鬼気迫る90分。その結末を見た時に酔う事が出来るのはどちらのチームでしょうか。
両チームスタメンです。
直近の天皇杯大宮戦ではターンオーバーする形で一部主力を完全休養させたサンガは、前節のC大阪戦からはメンバー変更は一人のみとなっており、直前までU-23日本代表のアメリカ遠征に参加していた川﨑颯太も先発で出場。ただし麻田将吾が大宮戦で負傷離脱となった事でCBには鈴木義宜が大宮戦に続いて先発しており、ベンチには鈴木冬一やマルコ・トゥーリオはリーグ戦では久々のベンチ入りです。
対する札幌は3-5で敗れた前節東京V戦からはスタメンを3人変更。菅大輝とスパチョークはベンチも外れており、スパチョークとキム・ゴンヒはクラブから負傷離脱が発表されている中、今日は小林祐希が第7節G大阪戦依頼の先発を飾り、西野奨太はリーグ戦では今季初出場。西野、小林、田中宏武の3人は天皇杯から続けての先発となっています。
古巣対決という構図がいくつか生じているこの試合。札幌にはサンガユース最高傑作との呼び声も高い駒井善成がおり、サンガも宮吉拓実は1年だけミシャ札幌でプレーしていました。福田心之助もユース時代を札幌で過ごした他、ク・ソンユンはこれが初めての札幌との古巣対決。逆に菅野孝憲はサンガに在籍した経験を持っているので、GKは共に両クラブでプレーした選手という構図になっています。
本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by Kyoceraです。
曇り空の亀岡です!今夜はJ1第18節 #京都サンガ 対 #コンサドーレ札幌 戦!6ポイントマッチの重要な一戦です!天皇杯で公式戦ホーム初勝利を挙げた #サンガ ですが、次は #サンガスタジアムbyKYOCERA で歓喜を分かち合いたい!今日こそは必ず勝利の歓声を轟かせましょう!!#強く超える #共創 pic.twitter.com/HWtQnJr1iJ
— 京都新聞スポーツ (@kyoto_np_sports) 2024年6月15日
今日の試合ではサンガユース出身にして元サンガ戦士、そしてサンガユース出身選手として初めてUEFAチャンピオンズリーグでの出場と得点を記録し、現在はドイツのハンブルガーSVに所属する奥川雅也がスペシャルゲストとして来場!!いつでも戻ってきてね!!そして更に、Jリーグが各節どこかしらの試合会場で実施している「Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアー for a Sustainable Future supported by 明治安田」の対象試合となっている事から、現在は札幌のアンバサダーを務める小野伸二氏によるサッカー教室とトークショーも行われます!また、本日は着物のレンタルを取り扱うRENCAのスポンサーデーという事で先着5000名にオリジナルトートバッグがプレゼントされる他、選手入場時のエスコートキッズやパーサくん、コトノちゃんは着物仕様で登場する演出も。
先日の代表戦も然り、今年最もHOTなスタジアムはサンフレッチェ広島のエディオンピースウイング広島でしょうが、やはり我々にとってはこの場所こそが誇り高き紫の本拠地。都度訪れる修羅場を乗り越え、スタジアムにふさわしい「J1クラブ」になりたいものです。
最初の決定機は札幌でした。
基本的にはサンガがロングボールを駆使して高い位置でプレーしようと試合に入っていましたが、3分に菅野孝憲がそれを翻すようなロングフィードを入れると右サイドで近藤友喜が佐藤響を振り切って突破。GKと1対1の場面を作られますがここはなんとかクソンユンが阻止し、こぼれ球に対する小林祐希のシュートもワンバウンドで僅かに枠外に逸れて回避します。対するサンガも4分に豊川雄太のクロスから平戸太貴、直後にはCKから鈴木義宜が合わせますが、いずれもゴールには至らず。
基本的にサンガは原大智にロングボールを当てつつ、そこから豊川雄太と松田天馬が前に走り、そこに川﨑颯太と平戸太貴がフォローしながら両SBが絡んでいくいつもの戦い方をしていた一方、サンガがロングボールを放り込んできた上での対応なのか、ハイラインを保とうとするサンガに対する対策なのかは分かりませんが、今日の札幌はシンプルにロングボールを蹴って鈴木武蔵や近藤友喜のスピードを活かそうとするような割り切ったスタンスを見せていました。
そんな中で前半18分でした。
札幌が想定外に割り切ったポジションを取ってきた事で、原にボールを当てた後に豊川や松田が回収できる、その上で高い位置でボールを持ってアクションを起こせる立場になっていたサンガは右サイドでボールを持った福田から川﨑を経由して平戸へ。その平戸のスルーパスに抜け出した福田の折り返しにファーサイドの松田が走り込んで流し込んでGOAL!GOAL!!GOAL!!!
更に更に立て続けにその直後の20分には札幌陣内のかなり深い位置でビルドアップを始めた札幌に対し、やはりこういう局面でのプレスのかけ方は上手いサンガは3トップが連動したプレスを披露。その中で馬場晴也のミスを誘発して松田が掻っ攫ってパスを出すと、最後は豊川が決め切って2-0!!追加点!!札幌の戦い方に対してやや背後の不安を感じさせる局面はありながらも、ある種の押し切るような形でサンガが最高の試合展開に持ち込みます!
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年6月15日
美しい崩し✨
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平戸のワンタッチパスから綺麗に崩し
最後は松田天馬が2試合連続弾⚽⚽
ホームの京都が先制点を奪う🙌
🏆明治安田J1第18節
🆚京都×札幌
📺 #DAZN ライブ配信#京都札幌 pic.twitter.com/ldasZGIudO
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2024年6月15日
サンガのムードメーカー💪
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松田天馬のボール奪取から
豊川雄太が冷静にゴール右隅へ!
京都のムードメーカーが追加点をもたらす👏👏
🏆明治安田J1第18節
🆚京都×札幌
📺 #DAZN ライブ配信#京都札幌 pic.twitter.com/uE9TwmUwRI
全体的に今日の札幌は鈴木や近藤のスピードのようなシンプルなストロングポイントを活かそう、それを用いて形成逆転を図ろうとするやり方が目立ちました。
その中で前半は時間経過と共に札幌が押し込んでくる場面が多くなり、サンガが2点を取るまでの時間帯のように前でリズムを作ることは難しくなっていた一方、アタッキングサードではかなりドリブルやスピード突破に頼る形になっていた札幌に対して焦れずに対応。2点リードを奪いつつしっかりとゼロで抑える理想的な前半で45分を終えます。
札幌は後半から西野を下げて長谷川竜也をシャドーに投入し、馬場と駒井をそれぞれ一列ずつ下げる配置変更を行います。
49分、駒井のパスを受けた左WB田中のクロスに右WBの近藤が飛び込んでヘッド。GKクソンユンがファインセーブで阻止したこぼれ球に中村と馬場が連続でシュートを放ちますが、サンガもゴール前を徹底的に固めてどうにか阻止。 しかし後半は札幌が前線に人数をかけてサンガの最終ラインを押し下げた状況を作った上で、両WG近藤や田中宏武がサイドを斬りつつ、ファーサイドには反対側のWBが走り込む5トップとも捉えられるようなアクションを起こし、それによって前半は焦れずに耐えていたサンガの守備陣に歪みを生じさせるような攻撃で好機を作るようになっていました。
そんな中でも札幌は後半開始からの彼らにとっての追い風の時間が10分ほどで過ぎるとアタッキングサードでのボールコントロールが拙くなり、サンガもそこで攻撃を切ることができる機会は増えていて、それに対して豊川や原が推進力でとにかく前に運んでピッチを縦に引き伸ばそうとしていた中で、53分には持ち運んだ豊川のシュートがGK菅野に阻まれて得たCKから鈴木義宜が頭で合わせて3点目…かと思いましたが、このプレーはVAR介入の末に鈴木のファウルを取られてゴールは認められず。いずれにせよ後半は押し込む札幌に対し、サンガが札幌の攻撃を耐えながらどう翻していくか…という形でのオープンな様相を呈していきます。
サンガは豊川と佐藤響がそれぞれは足を痛める場面があったりした中で山﨑凌吾、鈴木冬一をそれぞれ投入。田中克幸や原康介を投入してきた札幌に対して、サンガは終盤には原と平戸を下げて一美和成とアピアタウィア久を投入し、鈴木義宜を中央に置いた5バックを敷いて逃げ切りを図ります。
今日のサンガは鈴木義宜を中心に自陣では焦れずにDFラインの体形を守っていたことで、札幌に攻め込まれてはいながらも一番危険なエリアへの侵入はクロスボール以外ではあまり許しておらず、札幌もシュートに関してはエリア外からのシュートを中心にせざるを得ない状況に持っていけていました。
後半から降り出した雨が豪雨として亀岡に降り注ぐ中でタイムアップ!
悲喜交々…それぞれの感情が交差し、誰かが笑えば誰かが泣くフィールドの上で勝ち取った歓喜!!裏天王山勝利!!!今季ホーム初勝利です!!!!
前半と後半ではフェーズが明確に異なるゲーム展開でした。
前半に関しては、札幌がサンガの出方に合わせて自然とそういう形になったのか、不安定なサンガの背後を狙うつもりであえて低めのラインを敷く対サンガシフトとしての措置としてのそれだったのかはわかりませんが、立ち上がりの札幌が前線のスピードを活かし、若干リトリート気味にロングボールを多用してきた事はサンガ側にとってもやや予想外だったと思います。そういう意味ではあの近藤のファーストチャンスが決まらなかった事、こぼれた後の小林のシュートも含めてどうにかサンガが回避できた事は試合の一つの決定的なポイントではあったと思いますが、自分達自身が割り切った陣形に慣れていないはずの札幌がそういうスタンスを採用してきたのはサンガにとっては非常にありがたかったポイントだったのかなと。
前半に関しては札幌は低い位置でラインを組みつつ、セカンドボールに対するチェックもそこまで厳しくなかった。サンガはロングボールを原に当てたところから攻撃を展開するにあたって、豊川や松田がそれを苦にすることなく回収できていましたし、1点目のシーンが典型例ですけどそこからMFやSBとのトライアングルでリズムを出していく事ができた。前述のように、札幌がどういうつもりであのスタンスを取ってきたのか、或いは近藤のファーストチャンスのように奇襲的な意味合いがあったのかはわかりませんが、少なくとも札幌のスタンスは結果的にサンガにとって得意なプレーを出しやすい土俵の上で戦える要因にはなっていたように思います。そこでサンガはここ数試合で本来のリズムを取り戻しつつある過程にはあったので、そういう得意な土俵の上で得意なプレーをやれるだけの感覚は取り戻せていた。そこは一つ大きかったのかなと。
後半に関しては、むしろどちらかと言えば「イメージに近い札幌」というようなプレースタイルになるように札幌が修正してきたところはあり、押し込む札幌とカウンターを狙うサンガのオープンな展開は前半よりも「京都vs札幌で予想された試合展開」ではありました。特に後半の立ち上がりは左WBのクロスを右WBの選手がフィニッシュするというような、札幌にとっては望ましい展開になっていた時間帯もありましたし、そういう意味では札幌の後半の選手交代はある程度成功したとも考えられます。
ただ、サンガはプレスの意識が良くも悪くも強いことの悪い面として、後半のような展開になった時に、最初に対峙する守備者だけならまだしもそのカバーに入る選手までもが軽率にチャレンジしてしまう傾向があった。そこで今日は鈴木義宜がDFリーダーとしての権限をしっかり担っていた事が大きなポイントで、彼を軸に選手が守備時の立ち位置を考える事が出来ていたと言いますか、鈴木のところで選手の行く/行かないを管理出来ていたように思います。それがサンガが陥りがちな守備の乱れとは異なり、焦れない対応を実践する事ができた。
振り返ってみれば、後半ド頭の波状攻撃はさすがに焦りましたけど、あそこの嵐のような時間帯を乗り切った後は押し込まれた割には「危ない!」と思ったシーンはあんまりないんですよね。サンガはまだ、チームとしてゾーンディフェンスができるチームではないですが、今日に関してはDF陣が鈴木に合わせてポジショニングを調整しつつ、鈴木がそれをしっかり統率・管理できていた。なので札幌がクロスとエリア外でのシュートに活路を見出すしかない状況にしっかりと追い込めていたと思います。一度ボールを弾いてしまえば豊川と原である程度のところまでは持っていけるのはリードしている展開では特に武器だと思いますし、前半はサンガの得意な土俵で得意なプレーをできた、後半はサンガにとってやりやすい土俵をつくることができた……今季一番鬼気迫るシチュエーションのゲームで、今季一番冷静に戦えた事はすごく良かったなと。
とにかく良かった。本当に良かった……。
サッカーに限らず、世の中のあらゆることは誰しもが幸せになる事などありません。サンガサポーターの喜びの表情の次にDAZNに映った札幌サポーターの涙はそれを物凄く表していましたし、今日に関しては内容面でもサンガが上回れた試合ではあったと思いますが、前半頭と後半頭に訪れたピンチを仕留められていたら泣いていたのはこっちだった未来もある。そういう修羅場をしっかりとモノにしていく事でしか上に居続ける事は出来ない訳で、今日はまさにそういう局面でした。そこでこういう勝利ができたことは純粋に喜びたいですし、ポジティブに解釈したいなと。いやぁ、良かった…。
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
明治安田J1リーグ第18節分はガンバ大阪 vs 柏レイソルのマッチレビューページに記載しています。
札幌鳥栖(柏挟んで)湘南
ではでは(´∀`)