RK-3はきだめスタジオブログ

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しっかりとファンタスティック〜2024明治安田J1リーグ第18節 ガンバ大阪 vs 柏レイソル マッチレビューと試合考察〜

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(実はガンバ戦のマッチレビュー書くの久しぶり)

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2024明治安田J1リーグ第18節、ガンバ大阪 vs 柏レイソルの一戦です!

 

 

 

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少し勝利のペースが落ちてきていた中で迎えた大阪ダービーを制し、続く第13節名古屋戦を迎える時、ブログには「きっかけは掴むものではなく、掴んだきっかけの火を燃え広がせる事が大事」と書きました。それは過去、ガンバは「きっかけが掴めずに…」と称されたシーズンでもきっかけだけなら掴んだ瞬間はいくつかあって、そしてそれに続く試合の不調がチームが持ち合わせていたきっかけを手放す事に繋がってしまったという苦い記憶から来た素直な感想だったと思います。

その名古屋戦を1-0で飾ったガンバは、間違いなくダービーで掴んだきっかけを燃え広がらせ、昨年から取り組んできたポヤトス体制でのサッカーとの文脈を結合させて見せました。ダービーを含めた第12節以降の6試合の結果は5勝1分。少なくともそのうちの4試合は内容面でも相手を上回れていましたし、東京V戦や湘南戦のようなそうとは言えなかった試合でも1勝1分と数字を確保した。理想と現実…好意的な文脈ではあまり使われないこのフレーズですが、今のガンバはポジティブな意味合いで相反する2つのギャップを埋めているような状態になっていると言っても言い過ぎではないでしょう。

 

 

もちろん、物事にはいつも流れというものはあります。であるならばこそ、天皇杯はありましたがリーグ戦の試合間隔が空いたこの試合は、5月の躍進に勢いというエッセンスがどれだけ含まれていたのかどうかを確かめる瞬間にもなる。逆に言えば、ここで示すパフォーマンスと結果がポジティブなものであれば、目標の上方修正は時期尚早であったとしても、後半戦に突入するにあたって胸は堂々と張って殴り込んでいける。一過性ではない理想と現実を、今日もパナスタのピッチで示して欲しいところです。

両チームスタメンです。

 

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ガンバは前節湘南戦からのスタメン変更は一人で、坂本一彩のいたトップ下に柏から移籍してきた山田康太を起用。リーグ戦で山田が先発するのは第11節福岡戦以来で、逆に坂本は第6節京都戦以来のベンチスタートとなりました。直近の天皇杯福島戦では大きなターンオーバーはしていなかったので、スタメンの半数は福島戦でも先発していた選手となっており、特に鈴木徳真はルヴァンや天皇杯も含めて第4節磐田戦以外の全ての試合に先発した事になっています。

柏は0-2で敗れた前節福岡戦からは先発を7人変更してきました。高嶺朋樹、山田雄士、立田悠悟はいずれも久々の先発出場で、GK佐々木雅士は今季のリーグ戦では初出場。逆に細谷真大は代表活動で離脱していた期間以外では初めてスタメンを外れてベンチスタートとなりました。

前述のように山田は昨季まで柏でプレーしていましたが、中谷進之介は元々柏ユース育ちのCBとして台頭しており、逆に柏もベンチスタートの猿田遥己と野田裕喜にとっても古巣対決となっています。五輪代表で右SBのレギュラーを争う半田陸と関根大輝の直接対決という意味でも、ポヤトス監督の率いた徳島でプレーをしていた選手がお互いに多い点でも見どころは多々。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

 

 

「ガンバスマイルデー」として開催される本日は、スペシャルゲストとしてコロコロチキチキペッパーズ、紅しょうが、サルゴリラとちゃんと売れっ子のお笑い芸人がパナスタでネタとトークを披露。加えて試合前に場内で放映される番組「HEAT UP TIME」にはガンバのレジェンドにしてガンバユースコーチ、そして柏ユース出身にして柏のレジェンドでもある明神智和氏も出演します。

また、今日は飲食絡みのイベントも多々用意されています。場内では選手コラボメニューに新商品が追加され、場外では肉祭りと称したフードフェスも開催。その他にも今日の柏戦から第22節横浜FM戦までのホームゲーム4試合に来場したファンクラブ会員を対象に抽選で復刻版Jリーグカレーのプレゼントが、今日ではなく昨日ですが、大阪モノレールにてガンバとのコラボにより日本酒を楽しむイベントも実施されています。

 

 

ガンバも柏もサイドから攻め込もうという意思を立ち上がりから見せていた中で、前半はゆっくりとしたポゼッションから山下諒也、ウェルトンの両WGがギアを変えるタイミングを使って緩急を活かしたいガンバと、特に左サイドでのジエゴの攻撃参加を絡めながらよりスピード感を押し出していく柏というところで両者のアプローチの違いは見えていました。

よりボールを持ちたい場所でボールを持ち、押し気味に試合を進めていたのはガンバではありましたが、柏もプレッシングとショートカウンターを基本線に置いているチームである事を踏まえると、ややガンバ寄りながら極端にどちらかに寄った展開でもない立ち上がりに。

 

 

 

そんな中でガンバファンというガンバファンと皆々様が揃って絶頂不可避のシーンが訪れたのが15分でした。

自陣からボールを繋いだガンバは中谷-半田-鈴木のところでパスを回すと鈴木が一気に左サイドに展開。大外で受けたウェルトンからインサイドに宇佐美が走り込むと、もう言葉なんかいらない……語るより見てほしい、一生見ていたいその残像と揺れるゴールネット!!ガンバ先制!!煌めきすぎ!!

 

 

更に25分にもガンバは火を噴きます。

得点後は少し柏が圧力をかけてきた事で木下康介のシュートがポストに当たるような場面もあった中、右サイドの深い位置でガンバがFKを獲得すると宇佐美がクロスボールを供給。一度は跳ね返されましたが、こぼれ球を鈴木がミドルで打った弾道がウェルトンに当たり、そこに反応した山田が上手くコントロールして流し込んで2-0!!山田は初めて柏と対峙したこの試合で嬉しいパナスタ初ゴール!!

 

 

 

2-0になってからは柏のサイド攻撃に少し手を焼く場面もありましたが、より余裕を持てる形になったガンバは0-0、1-0の段階よりも自分達の望み通りのペースでゲームを運ぶ事ができており、山下やウェルトンの縦、横へのアクションから生まれたスペースをしっかりと宇佐美や山田が捉えていく事で良いリズムとフィーリングでサッカーができていました。

前半終了間際にこそマテウス・サヴィオに鋭いシュートを放たれますが、ここはGK一森純がしっかりと好セーブ。ケチをつけるポイントのほぼ無い前半は2点リードで後半へ!

 

 

後半は柏が小屋松知哉を下げて細谷を投入し、システムをサヴィオをサイドに置いた形に変更してきた事でサイドから前線にかけての圧力を出しやすい形を作ってきました。

これにより試合はやはり柏が高い位置から圧力をかけてくる時間が長くなり、ガンバも常に落ち着いて対応していた事から崩されるような場面はなく今季のガンバの「良い守備」をしっかり機能させていた一方、柏もガンバが奪った後のチェックは強度の高いプレスを継続してきた事で、攻撃としてはウェルトンを中心とした陣地回復的なカウンター以外をなかなか繰り出せない状況になっていました。

 

 

 

すると柏が戸嶋祥郎と島村拓弥を投入してきたタイミングでガンバはウェルトンが負傷退場し倉田秋と交代。その後は山下と山田を下げて坂本と岸本の投入で中盤での運動量と強度を担保しようと試みます。

しかし79分、ピッチを広く使ってボールを動かすようになった柏は右サイドでサヴィオからボールを受けた島村が縦パスを入れると、細谷のフリックから内寄りのポジションをとっていたジエゴが2人の関係で中谷を振り切って左脚一閃。柏が1点を返して1-2。

 

 

その後は柏が人数をかけ、フィジカルも前面に押し出しながら突破と打開を図ってくるような攻撃にガンバとしてはストレスの溜まる、ともすれば焦れてしまいそうな時間帯が続いていました。

しかし今季のガンバの特徴は「焦れない守備」。中野伸哉の投入で5バックにシフトした後も中谷を軸にしっかりとDFラインを護持した状態でプレーしながら柏の攻撃をしっかりと跳ね返し、柏もセカンドボールの回収にはすごく長けていたのでそこからガンバの攻撃ターンに繋げることは難しかったですが、守備のところでは常にシュートを打ちやすいような状況を作らせないまま試合終了!ガンバ4連勝!!!!7戦無敗!!!!!!!

 

 

 

いついかなる時も勝利とは素晴らしいもので、そして何よりも気持ちいいものです。それを日常的に手にできている今シーズンはただただ日々を楽しく、気持ちよく過ごさせてもらっています。いやあ嬉しい。とにかく嬉しいですね。

近年の柏はインテンシティーを押し出し、そこからプレッシングを連動させていく事に長けたチームですので、ハメに行きたい柏とそれを掻い潜っていきたいガンバみたいな構図がありました。それをそれぞれ前後半の立ち上がりにどれだけ望む展開で固められるか、望む流れに引き込めるかどうか…というところがこの試合の一つのポイントで、その点ではそこの陣地争いの勝者が前半はガンバ、後半が柏だったところはあるように思います。その上で前半は縦に対して緩急をつけられる山下、大外に張ったところからどういう形にも持っていくことのできるウェルトンでピッチの幅を拡げていき、相手スペースにしっかりと山田が入っていく、そこを宇佐美がしっかりと突いていく……今季のガンバはこういうポジショニングから始まる連鎖反応みたいなものがすごく上手く発揮できていました。守備に関しても上で書いたように、しっかり相手の迫り方を見て対峙する事ができた。基本的に柏は自分達が出せる圧力を最大化する為の設計はすごく整理されていて、そこで後半はセカンドボールを回収できない、そこから陣地回復がウェルトンの単独突破以外で翻しにくくなったところで苦しい時間は続いていましたが、守備陣の守備のところでの仕事は今日もソツなく磐石に遂行してくれていたと思います。

 

 

 

ここに至るまでに「しっかり」という言葉を何度も使っているんですけど、攻撃にしても守備にしても…そういう「いつも出せている良さ」を今日も攻守両面でしっかりと発揮できた。昨日とは全く違う勝ち方をしたとかではなく、昨日の良さを今日も出した上で勝利できた。もちろん相手の実力や戦術的な相性と噛み合わせ、その時々の状態の良し悪しでゲームの優勢/劣勢は毎試合変わるものですが、それでもガンバは一つのシナリオに沿ったゲーム展開を今季はずっとなぞる事ができており、同時にそれに基づいた攻撃のパターン、守備の統率をしっかりとやれている。これは去年から戦術以上に意識の醸成を行い、その上での肉付けが上手くいったと捉えるべきでしょう。

言ってしまえば、この前更新したブログの内容から今日の試合のレビューで書くべきことってそんな変わらないんですよ。それは裏返せば、上で書いたような「昨日の良さを今日も出す」「なぜ昨日の良さを出せたのかがわかっているから、今日も同じ事ができる」というところであり、かつて島田紳助氏が「一発屋芸人はなんで自分が売れたかわかっていないから消える。ずっと売れている芸人はなぜ自分が売れているか理解しているから売れ続けている」と語っていましたが、今季のガンバは「なぜ今の自分達が上手くいっているのか」を説明できる状態にあるからこその強さを発揮できている…みたいなところは大きいんじゃないですかね。

そして、そういうロジカルなチームになってきたからこそ、1点目の宇佐美のゴール……あれはむしろ、説明するのが野暮にすら感じるようなファンタジックなゴールがより一層映えるんです。あれはたまらなかって。夢の中で見た宇佐美貴史よりも宇佐美貴史でした。今日も"いいもの"を見れてただただ幸せでございます。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2024明治安田J1リーグ第18節

横浜F・マリノス1-3FC町田ゼルビア

サンフレッチェ広島4-1東京ヴェルディ

京都サンガFC2-0北海道コンサドーレ札幌

セレッソ大阪2-1浦和レッズ

ヴィッセル神戸1-0川崎フロンターレ

アビスパ福岡2-0サガン鳥栖

鹿島アントラーズ1-1アルビレックス新潟

FC東京1-1ジュビロ磐田

ガンバ大阪2-1柏レイソル

名古屋グランパス1-1湘南ベルマーレ

 

 

1位 FC町田ゼルビア(38)

2位 鹿島アントラーズ(36)

3位 ガンバ大阪(34)

4位 ヴィッセル神戸(33)

5位 サンフレッチェ広島(29)

6位 セレッソ大阪(28)

7位 アビスパ福岡(28)

8位 FC東京(27)

9位 名古屋グランパス(27)

10位 浦和レッズ(25)

11位 東京ヴェルディ(24)

12位 柏レイソル(22)

13位 横浜F・マリノス(20)

14位 川崎フロンターレ(20)

15位 アルビレックス新潟(20)

16位 ジュビロ磐田(19)

17位 湘南ベルマーレ(15)

18位 サガン鳥栖(14)

19位 京都サンガFC(15)

20位 北海道コンサドーレ札幌(11)

 

前節は新潟に敗れた町田は今節は敵地で横浜FMに逆転勝利で首位をキープ。その首位町田を、新潟と引き分けた2位鹿島が9戦無敗で、そして柏に勝利して4連勝を収めたG大阪が7戦無敗でその背中を追う混戦となっており、特にG大阪はここから神戸→鹿島→町田との直接対決を控える重要な時期を迎える事となります。

下位争いは同勝点の19位と20位だった京都と札幌が直接対決となりましたが、前半に2点を先行した京都がそのまま逃げ切って最下位脱出。京都はここからの3試合で17位湘南、18位鳥栖との直接対決を行うなどシーズンを左右するような日程が組まれています。

 

 

うれしいたのしいだいすき

ではでは(´∀`)