RK-3はきだめスタジオブログ

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ステージセット〜UEFA EURO 2004 グループA第1節(開幕戦) ドイツ代表 vs スコットランド代表〜

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ユーロの号砲が伊藤洋輝だと!?

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFA EURO 2024 グループA第1節、ドイツ代表 vs スコットランド代表の一戦です!

 

 

 

RK-3 UEFA EURO 2024観戦ガイドはこちらから!

 

昨年夏のマンチェスター・シティ&バイエルン・ミュンヘン観戦日記

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

いよいよ始まります!

実力者、猛者達だけが権利を手にした欧州フットボール4年に一度の祭典、UEFA EURO 2024!そのレベルはW杯をも凌ぐと言われ、ここで見せつけたスタイルやスタンスがその後のサッカー界のトレンドにすらなり得てしまう……EUROが単なる大陸選手権などではなく、その範疇にとどまらない意味合いを持つ事はサッカーファンなら誰でもわかっている事でしょう。1ヶ月間、眠れない夢の中で夢を見るような日々が始まります。

 

 

そんな今大会の舞台はドイツ。

かつてのマジック・マジャールやトータル・フットボールに対し、戦術に対するカウンター的なスタンスで栄光を彩り続けた伝統国は近年、彼ら自身が革新的な戦術で世界を席巻するようになった一方、かつてドイツに喰われた名だたるチームのような立場に今、彼ら自身が陥っているという時代が続いており、クラブレベルでの躍進と代表レベルでのスランプは快挙と皮肉を同時に内包しているものとも言えるでしょう。

そんな国際場合で屈辱に見舞われ続けたドイツにとって、スイス、スコットランドハンガリーと同居きたこのグループは、もちろんタレント性はドイツが抜きん出ているでしょうが、キャラクター性は「ドイツ包囲網」としてはあまりにもできすぎている。自国開催という晴れ舞台は歴史を打ち破る為の追い風となるのか、それとも歴史と重なったプレッシャーとなるのか。ドイツは見えないものをどう味方につけるのかが問われています。

一方のスコットランドは、国内リーグの盛り上がりとは裏腹に長きに渡って国際舞台ではイングランドの背中を見つめる日々が続いていました。しかしセルティック、レンジャースの2強を中心にプレミアリーグで戦えるだけの選手を多く輩出し、彼らがそこで得た経験や知見を代表ウィークに持ち帰ってくる事で回してきたサイクルはいま、間違いなく一つの完成形を描こうとしているところだと思います。歴史の扉はふとした瞬間に訪れる……開幕戦、開催国、優勝候補。今日、目の前に置かれた扉がそれであっても何ら不思議ではないはずです。

 

 

 

さぁ、いよいよ祭典のキックオフ!酔い、学び、騒ぎ、楽しみましょう!

両チームスタメンです。

 

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本日の会場はドイツ、ミュンヘンミュンヘン・フットボール・アレーナです。

 

 

2005年の開業当時からネーミングライツを導入しており、バイエルン・ミュンヘンのリーグ戦開催時には「アリアンツ・アレーナ」として運用。おそらく「正式名称よりネーミングライツの方が有名なスタジアム」としては世界No.1でしょう。それを抜きにしても、近代型スタジアム及び鮮やかにも程がある外観を持つ世界でも屈指の知名度を誇るスタジアムです。バイエルンのホームスタジアムとしても同じですが、まさか開幕戦直前に伊藤洋輝のバイエルン移籍が発表されるとは…。

元々は2006年ドイツW杯に向けて建設され、同大会でも開幕戦がミュンヘン、決勝戦がベルリンだったので今大会もそれをなぞる形になっています。ドイツW杯の時はフィリップ・ラームコスタリカ相手に叩き込んだゴラッソがファーストゴールでしたね。また、11ヶ国で開催された前回大会でもこのスタジアムは会場として使用されていたので、2大会連続でEUROを開催する史上初のスタジアムという快挙も今日の試合で達成します。

 

 

試合はドイツが早い時間から動かしてきました。

10分、ハーフェーライン付近でDFラインからゆっくりと繋いでいたドイツは左サイドでボールを受けたクロースが一気にギアを入れるようなサイドチェンジ。これを受けたキミッヒのバイタルエリアへのパスに走り込んだヴィルツがワンタッチでグラウンダーのミドルを放ってドイツ先制!

更に立て続けに19分には今度はクロースの縦パスを受けたギュンドアンのスルーパスに抜け出したハフェルツが相手DFを引き付けて急停止。見事にタメを作って落とすと、最後はムシアラが決め切って早くもドイツが2点をリード。1点目はサイドへの大きな展開から、2点目は中央でのパスを駆使した突破で大いなる優位を手にします。

 

 

試合は常にドイツがボールをキープし、ビルドアップの最低ラインを常に高い位置に保ちながらプレーしていく中で、1点目のようにサイドチェンジを織り交ぜながらワイドに展開しつつ、スコットランドがそれに対応しようとしたらしたで2点目のように中央を数本のパスで攻略しようとするなど、前半から圧倒的なボールポゼッションを踏まえた上で副風の攻撃パターンを常にスコットランドに見せつけていました。

対するスコットランドはどうにかシュートが外れた時のゴールキック等から攻撃に繋げたいところでしたが、ロングボールは跳ね返され、ビルドアップを試みようにもドイツのプレスを前に蹴るしかなく同じことを繰り返すかのような形になり、ドイツの70%のボールポゼッションが「あれ?70%しかないの?」とさえ感じるような状況に。

 

 

 

前半終了間際にはムシアラの中央突破からギュンドアンが右サイドに展開してキミッヒがクロス。そこに自ら飛び込んだギュンドアンのヘッドはGKアンガス・ガンが好セーブを見せ、その後のドイツの波状攻撃もどうにかスコットランドが身を挺してブロックしていきますが、その混戦の中でボーテアスのシュートブロックの際のギュンドアンへのタックルがファウルとしてPK&一発退場となってしまい、ただでさえ劣勢のスコットランドは数的不利さえ抱える状況に。

 

 

このPKをハフェルツが冷静に決めて3-0。ドイツがまずは前半をゴールショーで大会のスタートを飾ります。

 

 

後半開始と共に、スコットランドも前半よりは少し前でボールを持つような時間を作る場面も出てきましたが、しかしそれはスコットランドが巻き返したというよりは単にドイツがペースを調整した…という向きの方が強く、それもドイツがレロイ・サネやフュルクルクと言った攻撃的な選手の投入で前線を入れ替えてくると、再びクロースのところから始まるドイツの攻撃サイクルの中にスコットランドは飲み込まれていく形となっていきます。

 

 

 

それでも後半は数的不利ながらも無失点で耐えていたスコットランドでしたが、68分には左サイドをドリブルで持ち運んだムシアラが中央のスペースにパスを差し込むと、インに走ったギュンドアンがボールを残して最後はフュルクルクの豪快な一発!ストライカー不足に悩まされたドイツに遅咲きで現れたFWはW杯に続いてEUROでもゴール!

 

 

4-0だと言うのにここにきてトーマス・ミュラーを投入するなど鬼畜っぷりが止まらない攻撃を続けるドイツに対し、スコットランドは終了間際に左サイドの深い位置で得たFKでロバートソンがクロスを入れると、ゴール前での混戦からマッケンナのヘッドがリュディガーに当たってオウンゴールスコットランドはシュート0本ながらどうにか意地の1点をもぎ取ります。しかし試合は「どうにか1点は返したスコットランド」で終わることを許さず、アディショナルタイムには左サイドで細かくパスを繋いだドイツが最後は途中出場のエムレ・ジャンが右足一閃。スコアはいよいよ5-1に!

終わってみればユリアン・ナーゲルスマン率いるドイツ代表が圧勝。近年の国際大会では初戦の躓きの代償を払うような状況に自ら嵌まり込んでいたドイツが、多くの選手がゆかりを持つミュンヘンのスタジアムでの開幕戦でこれ以上ないスタートを切りました!!

 

 

 

いやぁーお見事でしたね、ドイツ。正直なところ、いくら相手がドイツとは言ってもドイツも盤石の状態とは言えませんし、スコットランドがそこまで大崩れする印象もなかったので、試合前は堅いスコットランドを相手に攻めあぐねたドイツが1点はもぎ取って1-0…くらいのシナリオを予想していたのですが、まさか5-1とは…。

ドイツが最終ラインから徹底的にビルドアップを仕掛けること、それをスコットランドが構える形になることは殆どの人間が予想した通りの展開だったと思います。ただ結果として、スコットランドとしてはそういう戦略ではあったのでしょうが…あまりにリトリートに振り切りすぎたところはあったように感じました。要はリスク覚悟なものではなくともプレスに行くようなモーションをまるで見せず、いわば籠城を決め込むような形になった事で、ドイツはリスク管理を後回しにしてでも最終ラインをかなり高い位置に持っていく事ができていたんですね。ドイツは多彩な攻撃パターンを持つチームですから、DF陣+クロースが高い位置を最終ラインにした上でボールをキープしつつ、そこから攻撃パターンを選択できるような状況を常に有していた。1点目と2点目がクロースかのパスを起点に、サイド攻撃と中央突破の全く異なるルートで生まれた得点だったというのはその証左の一つではあったのかなと。

今のドイツは少なくともかつてのイメージに近いような「堅い」チームではないんです。それは良くも悪くも。そしてメンバーも状況も、そもそも大会も違うとはいえ、ドイツが近年初戦で躓いた2018年W杯のメキシコであったり、2022年W杯の日本であったりは、ドイツに対してプレスに行けそうなところではチャレンジするし、背後に対してのアクションはしっかり見せることで、ドイツ優勢の展開であったとしてもドイツにとってのリスクになり得る可能性は常に彼らに対して提示していた。スコットランドはその部分をドイツに提示しきれなかったことで、ドイツが常に自分達にとって最良のスタートラインから最良の選択ができるような状況を与えてしまっていた…というところはこういう結果になった要因として感じましたね。舞台さえ整えばガンガンに輝けるタレントは余るほどいるのがドイツですし、そのステージセットに期せずして協力してしまったような形になったのかなと。

 

 

2点目のハフェルツの止まり方をやってみたい人生でした

ではでは(´∀`)