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塩梅〜明治安田生命J2リーグ第1節(開幕戦) 徳島ヴォルティスvs大分トリニータ マッチレビュー〜

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レオマワールドは香川だぜ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー2023明治安田生命J2リーグ第1節、開幕戦!徳島ヴォルティスvs大分トリニータの一戦です。

 

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「昇格すること」「昇格を逃すこと」───今年のJ2は、その2つの言葉…特に後者の言葉の意味が強烈なほどシビアに響き渡ります。クラブの居場所は時としてタイミングも左右する。その"偶然"を前に、過去もポテンシャルも時折無力に成り果てる。だからこそ…今いる場所をこのクラブのスタンダードとしたくないのなら、来年や再来年ではなく今年勝たないといけない。J1昇格を現実的な目標として視野に入れているクラブは皆、その現実と直視しながらこの過酷なシーズンを戦わねばならないのです。

そんなシーズンの開幕戦が徳島vs大分というのはなかなか興味深いカードのように思います。近年、この2クラブは成長と発展、そしてそれを解消しながら生きていこうとしました。共通する大筋のコンセプト、そこに新たな指揮官が加える細かな独自解釈…その繰り返しで彼らの戦術性とアイデンティーをアップデートしながら生きようとしているのがこの2チームとも言えるでしょう。それを一人一人の人気を(図らずも)細かいスパンで行いながらサイクルを確立させた徳島と、一人一人を長めに見て行いながら確立しようとしている大分という微妙な違いもまた戦いの妙でしょうか。J2というカオスなリーグで今、実にタクティカルな殴り合いが始まります。

両チームスタメンです。

 

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レアル・マドリードの下部組織コーチやレアル・ソシエダの分析官を歴任したベニャート・ラバイン監督が就任し、スペイン人監督路線としては3代目となった徳島は4-3-1-2のシステムを採用。注目の柿谷曜一朗はトップ下に入って櫻井辰徳がアンカー、杉本太郎と児玉駿斗がそれぞれ両脇に入る形となり、昨季はサイドハーフやWG起用の西谷和希は2トップの一角、オリオラ・サンデーは右SB起用となりました。

大分は昨季は序盤は4バックを採用していた時期もありましたが、今季は開幕からお馴染みの3-4-2-1でスタート。サプライズとしては、GKは絶対的守護神の髙木駿がベンチスタートとなり、今日がJリーグデビュー戦となる西川幸之介が先発に大抜擢されました。西川以外にも昨季は3試合出場に留まっていた野嶽惇也然り、複数の新加入選手などスタメンの人選はなかなか新鮮味のある顔触れになっています。

 

本日の会場は徳島県鳴門市、鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムです。

数度の改修を経た歴史あるスタジアム。ちなみにこのスタジアムで最初に行われたJリーグ公式戦は2002年のヴィッセル神戸vsガンバ大阪の試合でした。徳島の親会社といえば大塚製薬ですが、「鳴門・大塚スポーツパーク」というだけあって陸上競技場がポカリスエットスタジアム、野球場がオロナミンC球場、体育館がアミノバリューホール、武道館がソイジョイ武道館…といった具合に、公園内の各施設のネーミングライツ大塚製薬製品で並べるなかなか趣のある感じになっています。

徳島ヴォルティスを語る上で欠かせない男の帰還に沸く徳島。開幕戦記念という事で、ヴォルティス特集が掲載される徳島新聞の配布やおみくじの販売、選手による書き初めの展示や本家本元の阿波踊りステージなど様々なイベントが用意されています。また、試合前には昨シーズン限りで現役を引退した佐藤晃大藤田征也の両選手の引退セレモニーも実施されます。

 

 

お互いにボールポゼッションを高く保っていたい両チーム…という構図でしたが、立ち上がりはどちらかと言えば大分がボールを保持し、それに対して徳島が大分のDFラインまで激しいプレスをかけていく形で試合は進んでいきました。

どちらかと言えば徳島の方が常に柿谷を中央に起点として置いた上でショートカウンター的な攻撃が多く、大分の方は徳島のプレスを掻い潜りながらなんとかサイドに抜け出そうとする展開に。大分に決定機が訪れたのは20分、デルランの縦パスを受けた梅崎司が作ったタメに左サイドから藤本一輝が一気に抜け出しますが、最後はGKスアレスに阻まれてゴールならず。

 

ただ大分が攻めあぐねていると、試合は徐々に徳島が序盤のハイインテンシティーにボール保持が追いついていき始めます。こうなってくると完全に追い風にも味方された徳島のペースになってきて、左サイドのスペースに上手く振りながら中で仕留める狙いが形として表現されていくようになっていきました。

ただ、徳島もエリア内では大分守備陣が粘ったこともあって最後を押し込むシュートは打ち切れず。前半から異常なほどのインテンシティーで繰り広げられた45分は0-0で後半へ。

 

 

試合は後半開始早々に動きます。50分でした。左サイドを抜け出した大分のグラウンダーのクロスが転々とファーサイドに流れると野村が残したボールを弓場将輝がミドルシュート。これはDFに弾かれましたが、こぼれ球を野村直輝がグラウンダーのシュートを叩き込んでゴール!徳島でも活躍したアタッカーの一撃で大分が先制します。

 

徳島は58分に森を下げて渡大生を投入。直後には早速右サイドのスペースを活かして渡があわや決定機の場面を迎えますが、ここも大分守備陣の対応に遭ってシュートまで持ち込めず。

対する大分は65分には左サイドからカットイン気味に入った弓場のミドルシュートを櫻井がブロックしたプレーで一度はハンドによるPKが宣告されましたが、審判団の協議の結果ハンドとPKは取り消される事に。ただいずれにしても、後半は大分がサイドから上手く崩せるようになった事で試合は大分のリズムで回るようになっていって、75分にも左サイドを抉った藤本が惜しいシュート。

 

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81分にも大分が右サイドでFKを獲得すると宇津元伸弥のキックに藤本が飛び込んでネットを揺らしましたが、これもまた藤本がオフサイド判定となった事でゴールは認められず。

大分からすればもどかしいサイクルになり始めた89分でした。徳島は83分に西野太陽を投入すると、徳島は柿谷がやや低めに降りる形で前へ重心を傾けていきます。89分、同じく途中出場の坪井清志郎ミドルシュートは相手DFがブロックしますが、このバウンドが不規則に跳ねた事でGK西川にとっては酷な軌道に。なんとか掻き出したものの、こぼれたところに詰めた西野のシュートは一度は阻まれながらも自ら押し込んで徳島同点!

 

土壇場の同点劇は徳島に勢いを与えると同時に試合が一気にオープンになり、徳島はこのまま押し切ってしまいそうな雰囲気を出し始めていきました。しかしドラマの最後を取り返したのは大分。アディショナルタイム、右サイドからのCKが生んだCKをペレイラがどうにか粘ると、最後は宇津元!

 

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あまりにも衝撃的なラスト5分の攻防!最後に結果を手繰り寄せた大分が、昨季は戦えなかった開幕戦であまりにも劇的でスリリングな展開を制して開幕白星スタートを飾りました!

 

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まぁ……なんというか、壮絶な試合でしたね…。

試合展開こそ最後はカオスそのものでしたが、トータル的に振り返れば、やはり大分の方が洗練も整理もされていたのかなーというのが率直な完走です。基本的な戦術ベースは大分はある程度完成しているでしょうから、例えば前半終了間際に徳島が畳み掛けてくるような時間があっても大分は構える事が出来た、ある程度風が向くまで待つ事が出来る・待てるだけの余裕があったというか。実際に後半はラスト数分までは完全に大分のゲームになっていた訳で、その辺りはやっぱり積み上げがあるからこその自信は感じたような90分でした。

徳島に関しては……良くも悪くも、ポヤトス→ラバイン体制はリカルド→ポヤトス体制のそれとはちょっと意味が違ってくるようには感じました。柿谷を中央で絶対軸として…みたいなキーポイントは作った上で、2トップの一角ながらサイド寄りの位置をとった西谷が積極的に動く左サイドでの攻撃は結構上手く行っていた反面、右サイドが少し機能不全と化して、若干左サイド偏重みたいな流れになった事は少々難点ではあったのかなと。ポテンシャルは随所に感じさせましたが、整理はまだ出来ていない…といったところでしょうか。これをこれからどうまとめられるか…ですね。

 

 

 

うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2023明治安田生命J2リーグ第1節(開幕戦)

ヴァンフォーレ甲府1-2モンテディオ山形

いわきFC2-3藤枝MYFC

ザスパクサツ群馬0-0ブラウブリッツ秋田

清水エスパルス0-0水戸ホーリーホック

ジュビロ磐田2-3ファジアーノ岡山

レノファ山口FC1-0大宮アルディージャ

V・ファーレン長崎0-1ジェフユナイテッド千葉

東京ヴェルディ1-0ツエーゲン金沢

FC町田ゼルビア0-0ベガルタ仙台

徳島ヴォルティス1-2大分トリニータ

栃木SC1-1ロアッソ熊本

 

 

日本代表正GKの権田修一、昨季のJ1得点王であるチアゴサンタナを擁してJ2を戦う事となった清水でしたが、J2の主こと水戸と対峙した開幕戦は新システムが上手くハマり切らずに0-0。引き分けスタートとなりました。もう一つの降格組で、日本代表コーチを務めた横内昭展監督の初陣となった磐田は昨季3位の岡山に3点リードを許す苦しい展開になり、終盤に17歳の後藤啓介の2ゴールがありながらも2-3で敗れました。

共に大型補強を敢行した町田と仙台の直接対決は0-0のスコアレスドローで終了。逆に昇格組同士、初のJ2同士の対戦となったいわきと藤枝の試合は、前半で3点リードした藤枝に対していわきも反撃しましたが、最後は藤枝が3-2で逃げ切って勝利しました。

 

 

大塚製薬フルコース感好き。

ではでは(´∀`)