G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

サバイブ〜明治安田生命J1リーグ第1節(開幕戦) 京都サンガFCvs鹿島アントラーズ マッチレビュー〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219070433j:image

 

 

今年も…!

 

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー2023明治安田生命J1リーグ第1節、開幕戦!京都サンガFCvs鹿島アントラーズの一戦です!

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)【Jリーグ開幕ガイド2023】作りました!是非お使いくださいませ。

 

J1リーグ全チーム戦力診断

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

2022年の京都サンガはある意味で、13年目のJ2のようなシーズンだったような気がします。あまりにも長過ぎたJ2での日々を遂に脱し、曺貴裁監督の下で培った解放の先を見る為の冒険だったのが昨シーズンだったように感じました。

その冒険の結末といえば、序盤の躍進と後半戦の失速……16位以下に終わった事、17位には落ちなかった事…その両方がこのチームの実力だったのでしょう。それでもサンガは最後のプレーオフでなんとか耐え抜き、この国のサッカーリーグに於けるトップカテゴリーに留まることを許されました。

 

 

そういう意味では、サンガにとっては今年こそが"J1"としての1年目なんじゃないか、なんて気がしています。

昨季はあくまで冒険の続きだった。そう思えば今年からは、サンガがJ2のクラブではなくJ1のクラブとして今後の日々を渡り歩いていけるのかどうかが左右される一年になるのです。

多くを語る必要はないでしょう。サンガにとって今年は文字通り、このクラブのこれからのポジションを問われる岐路となる一年になります。30周年を迎えるJリーグの開幕戦で対峙するのは、この30年で最も多くの実績を残したクラブです。このクラブは新たな歴史を積み上げることが出来るのか、褒められたものではない過去を捨て、新たなステージを踏めるのか…今日、キックオフの笛が鳴るその瞬間から賽は投げられます!

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219005153j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219005156j:image

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065552j:image

 

多くの新戦力を迎えたサンガですが、スタメンとしては昨季のメンバーがベースになる形になりました。その中で昨季は左SBには大卒ルーキーの福田心之助が大抜擢。左WGには同じく大卒ルーキーながら昨季の時点でデビューを果たしている木村勇大が起用されたので、左サイドは大卒ルーキーコンビという事になりました。上福元直人が退団した事で注目されていたGKの座には若原智哉が収まり、新戦力ではGKヴァルネル・ハーン、FWのパトリックと一美和成、レンタルから復帰したMF谷内田哲平がベンチ入りを果たしています。

対する鹿島は新戦力を4-1-2-3システムを採用した上で積極的に新戦力を先発で起用。CBには欧州から復帰した植田直通が入り、両WGは右に広島から獲得した藤井智也、左に川崎から獲得した知念慶がそれぞれ先発。アンカーには町田から獲得した佐野海舟が起用され、注目されていたGKは昨季終盤に引き続き早川友基が選ばれています。レンタル先の鳥栖から復帰した垣田裕暉はベンチスタートです。

 

本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by Kyoceraです。

昨年の浦和戦に続き、サンガにとっては2年連続でホームで迎える開幕戦となりました。このサンガスタジアムでサンガが戦うのも気がつけば早4シーズン目。今のところ、サンガスタジアムに移転してからのサンガは右肩上がりの順位推移を辿っています。このクラブがこのスタジアムと共に育っていけるかどうか…その航路に夢は抱きたいものです。

来場者にはステッカーが配布される他、会場ではトルコ・シリア地震の募金活動も実施予定。今季からは100%収容での声出し応援も可能になりました。サンガにとって、サンガスタジアムで通常の日常を味わうのは初めてになるのでは。各種グッズも新たなラインナップが加わり、いよいよシーズンの始まりを感じさせますね。

 

 

本日は現地観戦!

 

 

去年の浦和に続いて今年は鹿島…濃い相手を用意してくれたもんだ…観戦日記は上のリンクから↑

 

 

ボール保持を企むサンガに対し、鹿島は序盤から積極的にプレスを仕掛けてくる展開で試合は始まり、そして最後まで続く形となりました。

8分、鹿島は右からのCKをファーで知念が頭で折り返すと、このボールは川﨑颯太がクリアしましたが…こぼれ球をエリア外のピトゥカに叩き込まれて開始早々に失点。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065539j:image

 

ハイプレスを徹底してくる鹿島に対して、サンガはボールポゼッション自体はそれなりにちゃんと持つことが出来ていました。ただ問題はその後で、アタッキングサードに入ろうとしたタイミングで鹿島に外に追い出されるように守られてしまうと、選手間の距離が近めの間隔でテンポとスピードで崩していきたいサンガにとっては、常にサイドで鹿島にデュエルの局面を作られる非常に苦しい展開に。やはり鹿島の守備者はフィジカルモンスター的な選手が多く、そこで攻撃は悉く潰されていきます。

 

その悪循環は次第に焦りを生み、そして鹿島の戦い方に追い風になるような状況を生んでいきます。鹿島にじわじわと追い詰められたサンガは福田のバックパスに対し、鈴木に詰められた麻田将吾がコントロールミス。鈴木はそのままGK若原を出し抜く形で折り返すと、最後は知念が詰めて鹿島が追加点…。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065528j:image

 

38分にも鹿島のカウンターから藤井の折り返しに再び知念。ここは若原がスーパーセーブで防ぎましたが、試合の流れは完全に鹿島へ。前半終了間際にはカウンターから最後は福田がミドルシュートを放ちますが、これがようやくサンガにはこの日1本目のシュートという事に。苦しい展開を強いられたサンガは2点ビハインドで前半を終えます。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065610j:image

 

曺貴裁監督は後半から木村、豊川、福岡に代えてパウリーニョ、一美、アピアタウィアを投入して3枚替えを敢行。53分には山﨑を下げてパトリックを送り込み、後半開始10分までにメンバーを4人替えつつ前線を総替え。サンガとしては1トップ2シャドーの形にする事で選手を密集しやすい状況にしつつ、独力突破を持ち味とするパウリーニョとフィジカルで戦えるパトリックの投入で、前半の鹿島の守備戦法を掻い潜る方法を模索しました。

 

そんな後半はボールを持つサンガとボール奪取の鹿島という講座がより一層明確になっていきました。前半と比べるとサンガが攻撃において流動性とスピードを発揮できる場面は増えましたが、やはり最後は個の勝負になったところで鹿島の守備網を前に潰されてしまい、こぼれたボールを鹿島に拾われてカウンターを喰らう…みたいな場面が続出。サンガも攻撃自体は出来るようになっていましたが、それがどうにもチャンスへと繋がっていきません。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219070050j:image

 

71分には左サイドのスローインからパトリックの落としに、谷内田の投入に伴い途中からポジションを上げていた武田がシュートを放つも枠を捉えられず。そして最大の好機は86分、ハーフェーライン付近で鹿島のビルドアップから関川郁万のクリアをカットした一美が独走を試みますが、大津高校の先輩でもある植田の対応で時間を作られ、植田はかわしたもののその間に戻ってきた関川にシュートをブロックされてゴールには至らず…。

 

終盤は若干猛攻体勢に入ったサンガでしたが、前述のプレーで得たCKはパトリックが合わせるも枠を逸れ、アディショナルタイムにも右からのスローインをパトリックが落として一美がシュートまで持ち込みますが…これも枠の大きく左へ。

試合はそのまま終了。プレシーズンマッチの絶不調でシーズンを不安視された鹿島が結局強さを見せつけてきた形となり、一方のサンガは後半は反撃の姿勢を見せはしたものの、文字通り鹿島に封じ込められる形で開幕黒星スタートとなりました。

 

 

 

一言で言えば完敗でしたね。

鹿島がサンガ対策を第一にしたシフトでも組んでない限り、必ずしも鹿島にとってのパーフェクトゲームという訳ではなかったと思うんですよ。ロングボールに強さを発揮できるスタメンを組みつつも、おそらく岩政体制での鹿島はそこまでボールを持たれる展開を良しときている訳ではないでしょうし、一応サンガは持たされている訳ではない状況でボールを持ててはいた。それ自体は良いと思うんです。

ただ、DFラインって2通りの考え方があると思うんですけど、要はDFラインという組織を一つの生き物として捉える考え方と、ある種の個の集合体として捉える考え方があるとして、鹿島は明確に後者に当てはまるタイプのチーム。逆にサンガは良くも悪くも個での戦いは避けたいチームなので、常に数的優位を作りながら攻め込もうとしている訳ですけど、自分達の得意な状況に持ち込む術はサンガと鹿島ではあまりにも大き過ぎる差がありました。要は鹿島はミドルゾーンの時点でどうにかサンガのボールと選手をサイドエリアに追い出すことで、サンガが打開の為には鹿島の選手に常に1対1を挑まざるを得なくなった。そうすれば、鹿島の守備者はWB的に守備に降りる場面の多かった知念を含めて対人に優れた選手ばかりで悉く潰されてしまった…。言うなればサンガはスイミーみたいな攻撃をしようとしていたところを分断され、小魚単体で敵に挑まねばならない状況がずっと続いていたように見えました。

 

後半は持ち直したとは思います。前半の鹿島の得意な守備体型から逃れる為の策は打ちましたし、その上での1トップ2シャドーへの変更、パウリーニョとパトリックの投入は理に適ってはいました。そこの曺監督の修正は上手くやったと言えるでしょう。後半は流動性はある程度出せるようになりましたし。ただ、そうなってくると…こればっかりは前半がああいう展開になった以上仕方ないところはあったんですが、鹿島のやり方に乗っかった上でパウリーニョとパトリックの個を出すのか、鹿島のやり方から逃れる為にシステムを変えて攻めようとしたのかの2つの考えの中で少し矛盾した難しさが生じた部分もあったと思います。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219070036j:image

 

今日の鹿島とサンガの噛み合わせが絶望的に悪かったのは事実です。なので、単に今日が相性の要素も大きい敗北だったのか、本気で今年のサンガがマズイのかはこの試合だけでは判断できないというか、まだ何試合か様子を見る必要があると思います。

ただ同時に、状況に対して自分達のストロングを出せるやり方に自然とアジャストしていける術を各々が備えている鹿島とサンガの差、そして…結局のところ、J1という舞台はいつまでも昇格組気分で留まれる場所じゃないことを突きつけてくるような90分だったように見えました。それは結局、サンガというチームが2021年を乗り越え、そして2022年も乗り越えた2023年で突きつけられた命題のようなもので、ここを乗り越えていかねばサンガのステータスは変わる事はない…。現実とどう戦うべきなのか、それを改めて考え直す時期には来ているのでしょう。とりあえず名古屋戦も期待を持って見ます。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2023明治安田生命J1リーグ第1節(開幕戦)

川崎フロンターレ1-2横浜F・マリノス

FC東京2-0浦和レッズ

横浜FC0-1名古屋グランパス

京都サンガFC0-2鹿島アントラーズ

セレッソ大阪2-2アルビレックス新潟

ヴィッセル神戸1-0アビスパ福岡

サンフレッチェ広島0-0北海道コンサドーレ札幌

柏レイソル2-2ガンバ大阪

サガン鳥栖1-5湘南ベルマーレ

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065505j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230219065502j:image

 

いきなりの昨年の優勝・準優勝チーム同士の対戦がオープニングゲームとなった川崎vs横浜FMの一戦は、前年度王者の横浜FMが前半に奪った2点のリードを守り切る形で幸先よく開幕勝利。昨季の上位陣では鹿島が京都に2-0で勝利した一方、昨季3位かつカップ戦王者の広島と香川真司の復帰など大型補強を実現したC大阪は引き分けスタートとなっています。

昇格組の新潟はC大阪相手にインパクトのある戦いをしながら2-2のドローに持ち込みました。もう一つの昇格組である横浜FCは攻勢を強めたものの、開始早々のキャスパー・ユンカーのゴールを守り切った名古屋相手に黒星スタートとなっています。それぞれ外国籍の新監督が就任した浦和はFC東京に0-2で敗北。G大阪は柏相手に一時逆転ゴールを奪うも、ラストワンプレーのPKを決められて引き分けスタートとなりました。暫定首位は鳥栖から大量5得点で勝利した湘南となっています。

 

 

今日はふぐの唐揚げ食べました

ではでは