Purple Blue Black
(B'zでそんな感じの曲あったけど違う)
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューは明治安田生命J1リーグ第8節、京都サンガFCvsガンバ大阪の一戦です!
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
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連敗と連勝を繰り返し、再び連敗のフェーズに入ったサンガ。要所要所に粗はあれど、少しずつ積み重ねて前節ようやく初勝利を飾ったガンバ。端的に言うならば、流れを止めるか流れに乗れるかの二択となるようなゲームでしょう。
サンガは基本的にやるべきサッカーは確立されているので、あとはそこに結果を伴わせ、いわば勝てないジレンマを断ち切る為の術が必要になってきます。それは3月期はある程度出来ていただけに、求められるべきものが多く、大きくなることはJ1に居続ける事の宿命とも言えるでしょう。そこにどう立ち向かい、超えていくかはそもそもが今年のテーマであり、この良くない流れから一つ抜け出さなくてはこのクラブのステータスはいつまでも変えていくことは出来ません。
一方、ある意味では築いたステータスの大きさに苦しめられるようなシーズンもこれまでは続いたガンバにとっての今年は変革の道です。その苦難の中でも前節は、これまで散々殴られ続けてきた川崎相手に完勝を飾りその努力に一筋の光が差しました。ただ…昨季も痛感したように、きっかけを掴むことよりも掴んだきっかけの炎を更に燃え広がらせることが何よりも重要で、その為にも連勝はマストです。
Jクラブを北から順に並べた時にずっと隣り合う形になっている両チーム。サンガがJリーグの扉を叩いた1996年からそれはずっと変わっていません。選手同士の行き来も多く、歴史的にも浅くない付き合いを持つ両者の運命のぶつけ合いが待つ結末や如何に!!
両チームスタメンです。
前節福岡戦を逆転負けで落としたサンガは前節からスタメンを4人変更。GKは前節の太田岳志から若原智哉に戻し、共に第2節名古屋戦以来の先発復帰となる豊川雄太と古巣対決となる一美和成が3トップに組み込まれる形となりました。武田将平の負傷離脱が発表されたインサイドハーフに入る三沢直人はJ1リーグではこれが初先発となります。パウリーニョも第2節名古屋戦以来のベンチ入りとなりました。古巣対決という事で注目と期待の集まるガンバレジェンド、パトリックはベンチからのスタートです。
対するガンバは前節川崎戦からのスタメン変更は一人のみ。杉山直宏が今日はベンチスタートで前節は左WGのファン・アラーノが右にスライドする形となり、左にはルヴァン杯のサンガ戦から出番を増やした福田湧矢が今日はスタートから起用されています。ベンチメンバーの18人というくくりでは今日は江川湧清に代わって福岡将太が入っており、前節負傷から復帰した宇佐美貴史は引き続きベンチスタートです。
本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by KYOCERAです。
来たことある方はお分かりでしょうが、ガンバがホームスタジアムとするパナソニックスタジアム吹田とサンガスタジアムってスタジアム内部の構造が瓜二つなんですよね。これはパナスタを建設した竹中工務店がサンガスタジアムの工事も手掛けているところが大きく、そもそもパナスタ自体が今後のJクラブのスタジアム建設のモデルケースを造るという意図もあったところのは影響はあったり。かつてはクソスタ2トップみたいに言われたこの2チームがJで最も人気のあるスタジアムとか言われ始めたのも不思議な感覚…。
本日は現地観戦!遂にこの日がやってきました!!好きなチームダービー!!ワイクラシコ!!
言うまでもなく私はサンガファン兼ガンバファンです。この心地よいジレンマを今年もJ1で味わえるというところに感謝しながら今日もスタジアムに足を踏み入れました。来年もその先もこのジレンマに苛まれますように…。スポーツ観戦日記は後日更新します。
(追記:更新しました)
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最初の決定機はガンバでした。9分、クリアボールを拾った石毛秀樹が相手DFと上手く入れ替わって右サイドにスルーパス。これを受けたアラーノがジェバリに経由すると、ジェバリは左にスルーパスを送って福田へ。一気にGK若原と1対1の場面まで到達しましたが、福田のシュートは若原が左脚一本でファインセーブ。
しかし全体的に前半をうまく運んでいたのはサンガの方でした。効果的にプレスを仕掛けたサンガは上手く全体的なラインを押し上げ、特にアンカーで攻守の要であるネタ・ラヴィを常にケアしながら自由にプレーさせない守備を徹底。徐々にサンガにとって得意とする循環の中でのプレー時間が長くなっていきます。
22分、サンガはCKが一度は跳ね返されたものの、こぼれ球を回収して再び攻撃。三沢直人のサイドチェンジを右サイドに残っていた井上黎生人が頭で折り返したボールは再び弾かれましたが、そこにフォローに入った川﨑颯太が再度井上に繋ぐと、井上のグラウンダーのクロスにニアに走り込んだ豊川が合わせてサンガ先制!タイミングをずらし、後ろに残した左脚で合わせたシュートは豊川の今季初ゴールということに。
24分には左でボールを持った川﨑がカットインからミドル。直後のCKでも一瞬フリーになった川﨑がヘッドで合わせますが、この2つの決定的な場面はいずれもGK谷晃生がファインセーブで阻止。ただガンバも失点直後のバタバタした時間を乗り切ると、ここからはガンバも反撃の時間を作れるようになっていきます。
28分には半田陸のクロスを受けたアラーノがシュートまで持ち込むと、29分には半田のボール奪取から持ち上がった石毛がミドルシュート。いずれもゴールには至りませんでしたが、サンガのインサイドハーフがネタラヴィを警戒するにあたって中盤の広大なエリアが割と川﨑任せになり始めていたところを、ネタラヴィのところはそのままにしつつアラーノと福田の両WGをサイドに張らせ、川﨑が処理しきれなくなった中盤のスペースでダワンと石毛が躍動する形で糸口を掴み始めました。
37分、GK谷のボールを受けた黒川圭介は自陣からドリブルで相手DFを剥がして持ち上がると、インナーラップ気味に前に出た黒川から大外でボールを受けた福田がサイドチェンジ。これを受けたアラーノのクロスは中央で跳ね返されましたが、こぼれ球を石毛がハーフボレーのミドルシュート!!ここに来てポヤトス体制のキーマン級の輝きを見せ始めた男のスーパーゴールでガンバ同点!
ガンバが試合をワイドな展開に持ち込む事を選択し、それによってピッチにスペースが多く生まれるようになった事もあってか、1-1になってからはややオープンな時間が続きました。43分には左サイドで黒川のスローインを受けた福田が粘って黒川にリターン。黒川の絶妙なクロスにダワンが飛び込みますが、得意のヘッドは僅かにゴールならず。逆にサンガも右サイドでの混戦を抜けた豊川のクロスに木下康介が飛び込むも僅かに合いません。
サンガが制圧し、それを掻い潜ったガンバ…みたいな構図の中、前半は1-1で終えます。
サンガは後半から三沢を下げて福岡慎平を投入して後半に向かいます。
後半は序盤はサンガが押し込み、10分ほど経過したところから今度はガンバが押し込むような展開になっていきました。大きなチャンスになったのは57分、ガンバはスローインを半田がカットすると、このボールをジェバリがワンタッチで捌いてアラーノが右サイドを突破。折り返しを受けたジェバリがエリアのやや外でチャンスを迎えますがシュートまでは打ち切れず。ただ、ガンバは全体的なラインをサンガに押し下げられながらもジェバリのポストプレーが光り、そこに両WGと両IHが前半から続いていた状況とともに上手く呼応できた事でサイドで可能性のある場面は作れていました。
すると62分にサンガは木下を下げてパトリック、ガンバは66分に石毛を下げて宇佐美を投入。かつてガンバで「ウサパト」と称された二人が初めて対戦相手としてピッチに立つ事に。
しかし69分、曺貴裁監督は佐藤、豊川を下げてイヨハ理ヘンリーと荒木大吾を投入し、白井康介と荒木をWB、川﨑と福岡をWボランチ、イヨハを3バックに組み込んだ3-4-2-1にシステムを変更。これ自体はサンガがよくやる手法ではあるものの、これがこの日のガンバにとってはなかなかに致命傷でした。更に75分には福田が昨年も脱臼した左肩を痛めて負傷退場。杉山を右WBで投入し、アラーノを左にスライドさせます。
前半、サンガのプレスの前に制圧されかけたガンバが採った対抗策は両WGをサイドに張らせて、ネタラヴィに付いてくるインサイドハーフとその裏で広いスペースを任されたアンカーの川﨑とのギャップをダワンと石毛が激しいアップダウンを繰り返しながら突いていく事でした。しかしサンガがシステム変更でアンカーシステムから並列のWボランチに変えた事でギャップが埋められてしまい、ガンバが活用していたスペースが閉じられた…いわば糸口を封鎖されたような状況に陥っていきます。
するとここからサンガのプレスが面白いようにハマるようになり、ガンバはサイドにとにかく逃げて無理くり剥がすしか活路のない状態に。79分の白井のミドルシュートも、ガンバはある種、そういう連鎖の中からシュートシーンまで至りました。
77分には曺監督は一美を下げてパウリーニョを投入して交代枠を使い切ると、ポヤトス監督もジェバリとダワンを下げて鈴木武蔵と山本理仁を投入。しかし82分、サンガスタジアムで狂喜と悪夢、歓喜と悲鳴が交錯します。
GK谷のパスを受けた三浦弦太は左前にいたネタラヴィへのパスを試みるも、それを察知したパトリックがプレスの進路をボールホルダーの三浦ではなくネタラヴィへのパスコースを切る方向に変更。そこにパウリーニョが連続して詰めることで三浦への時間的余裕と同時に山本へのパスコースを奪うと、右サイドの半田のところは荒木がケア。三浦を「DF(パウリーニョ)を剥がすしかない」ような四面楚歌状態に追い込みます。
そしてジリジリと距離を詰めたパウリーニョは三浦からボールを奪うと、そのまま三浦を振り切ってスルーパス。最後は抜け出したパトリックがGK谷の股を抜くシュートでサンガ勝ち越し!!表面的には三浦のミス……しかし、ガンバの自滅というよりはサンガが誘発した、いわばビルドアップを殺すプレスで2-1!
87分にはガンバにさらなる悪夢が。白井のスルーパスに抜け出そうとした松田に対するクォン・ギョンウォンのタックルがアフターに入ってしまい、これが一発レッドカードと判定されてガンバはビハインドと数的不利を被る事に。
それでもガンバはアディショナルタイム、ネタラヴィのアーリークロスを受けた鈴木とDFの攻防のこぼれ球に黒川が反応しますが、この決定的なシュートはGK若原がスーパーセーブ!更にラストワンプレーでは抜け出した黒川のクロスに鈴木が飛び込みますが…これは届かず。
そして試合終了!
雨の夕刻、激戦を制したのはサンガ!2-1で勝利し連敗ストップ。対ガンバ戦での勝利は2009年の第3節以来となりました!
いや〜…すごかったですねぇ。言ってしまえば私はどちらにも肩入れしている立場な訳で、ある意味では知らないチーム同士の試合を見るよりも俯瞰的に見れた部分はあったかもしれません。
この試合、サンガvsガンバだったということで気合い入れてマッチプレビューまで書いたんですけど…
それについては上のプレビューを読んでもらいたいんですけど、プレビューでも書いたようにサンガはサンガが勝つための流れに試合を持っていけた…というのが一番率直な印象です。試合中の記述から結構具体的に今回は書いたので、ここではポイントポイントで書き進めていきますね。
それは前述したようなネタラヴィを前に出させないこともそうですし、ガンバが守備時に構えてきた場合にサンガはそれを一枚ずつ剥がすような破壊力は持ち合わせていない。ただ、サンガはプレッシングしかり、チームとして連動して動いていくところでのコミット力は高いので、サンガにとってはハーフコートゲームのような状況を作れるかどうかがこの試合の最初の肝でした。
キーになったのがまさしくキックオフ直後のプレーで、ガンバはキックオフでまず三浦弦太に戻したんですね。ここで松田天馬が猛然と走っていくんですが、これが三浦へのプレスかと思いきやネタラヴィに向かって走って行ったんですよ。ネタラヴィは三浦からボールを受けられるポジションを取ろうとしたんですけど、そのコースをド頭から松田が潰しにかかった。なんというか…ネタラヴィからすれば、ボールホルダーじゃない自分にあのタイミングで猛烈なプレスをかけられた事が、結構その後の彼の立ち位置に影響を与えたと思います。まずそこでサンガがリスクを冒したプレス戦術をチーム全体の総意として行う事が出来た。ここでサンガは試合中のポジショニングとかではなく、この試合のポジションを獲得できたような状態を手にしたんですね。
ただ、ガンバもネタラヴィを押し下げられた状態での対処としてはすごく良かったと思うんですよ。トータルとして良い試合ではなかったですけど、サンガに自陣を制圧されるような形になった上で、じゃあどうすればいいのかと。ポヤトス監督からの指示なのか、自発的にそれをやったのかはわかりませんが、ここからは前述したようにとにかくワイドに張りながら、ネタラヴィの対応に来るサンガのミドルゾーンの裏をかく。そういうやり方に微調整できたのはガンバも見事でした。無論、これは石毛とダワンの強度ありきだった部分はその後の展開に影響してくる訳ですけど…。ただ、これは今季のガンバが「スペースを作る」「スペースを使う」といった部分を強く意識しているからこそ対応できた事象だったと思います。
ですが、サンガがシステムを変えてそのギャップを潰してきた際に、ガンバは閉まった糸口を同じやり方でこじ開けようとしてしまったのは失敗でした。サンガの形を踏まえてピッチをワイドに拡げたのが、その要因となるギャップをサンガが埋めた時点でワイド感は間延び感になってしまった。そうすると、サンガはいわゆる「出し手よりも受け手を潰す守備」がやりやすくなってしまったんですね。決勝点なんかはもうその典型だった訳で。
パトの決勝点は三浦のミスで片付けるには惜しいと思ってる。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年4月15日
三浦はラヴィに出そうとしたんだけど、パトがそれを察した瞬間にパトが明らかにギアを上げてコースを消しに行った。山本もパウリーニョにコースを切られて右の半田にも荒木が行ってる。この時点で三浦はDFを剥がすしか選択肢がなくなった。 pic.twitter.com/KYhRN9uQyA
この場面、無理に三浦にはプレスに行かないんですよ。パウリーニョも絶妙な位置を保っているし、その上で半田や山本へのコースは確実に切っている。正直なところ、この決勝点のシーンは…ガンバ視点では三浦のミスで片付ける場面じゃないと思いますし、逆にサンガ視点ではガンバの自滅によるラッキーゴールとは思って欲しくないという感情があるので、このゴールが生まれた妙に関しては今週中にブログかNoteに書こうと思っているんですけれども
(※追記)
パトリックの決勝点の事だけ書いたブログ更新しました。
とにかく今日はサンガの「受け手を潰すプレス」…いわば「ビルドアップを殺す守備」をリスクを負って貫く事ができた。そこが全てだったように思います。ガンバに掻い潜られた時間もありましたけど、そこに適切な措置を施しつつリスクを冒した曺監督の采配も見事でした。
いやはや…もうとにかく現地で見ていて楽しかったです!
【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】
《明治安田生命J1リーグ第8節》
1位 ヴィッセル神戸(19)
2位 名古屋グランパス(17)
3位 サンフレッチェ広島(17)
4位 浦和レッズ(16)
5位 横浜F・マリノス(14)
6位 アビスパ福岡(14)
7位 京都サンガFC(12)
8位 アルビレックス新潟(12)
9位 セレッソ大阪(11)
10位 湘南ベルマーレ(10)
11位 FC東京(9)
12位 北海道コンサドーレ札幌(9)
13位 川崎フロンターレ(8)
14位 サガン鳥栖(8)
15位 鹿島アントラーズ(7)
16位 ガンバ大阪(6)
17位 柏レイソル(6)
18位 横浜FC(2)
首位神戸、2位名古屋の絶好調の2チームはそれぞれ鹿島、川崎と悩める名門と敵地で対戦。名古屋は前半に奪った2点のリードを守り切り、鬼門と化していたアウェイ川崎戦としては2012年以来となる勝利を記録しました。そして神戸は鹿島相手に古巣対決となる大迫勇也の2ゴールなどで大量5得点。鹿島がホームで5失点を喫するのは1995年以来とのこと。選手全員が躍動した神戸に対し、鹿島は試合後に選手とサポーターが一悶着あるなど不穏な終わり方となりました。
上位陣では広島が5連勝で2位名古屋と勝点で並ぶ3位へ。前節で4連勝が止まった浦和も今日は札幌に快勝し、6戦無敗で4位につけています。また、今季好調の福岡と対戦した新潟は前半で2点ビハインドを背負いながらも、伊藤涼太郎がアディショナルタイムに伝説不可避の絶対的主人公ムーブをかまして大逆転勝利。順位を7位京都と勝点で並ぶ8位まで伸ばしています。なお、横浜FCは未だ勝利がなく、ついでに京都は未だに引き分けがありません。
良い日やった
ではでは(´∀`)