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守備の主導権〜FUJIFILM SUPER CUP 2024 ヴィッセル神戸 vs 川崎フロンターレ マッチレビューと試合考察〜

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今年の諸々、全体的に遅筆でごめんなさい!!

 

どーもこんばんはあいうえお

 

さてさて、本日のマッチレビューはFUJI FILM SUPER CUP 2024、ヴィッセル神戸vs川崎フロンターレの一戦です!

 

 

 

Jリーグをもっと楽しめる(かもしれない)、2024Jリーグ開幕ガイド作りました!是非お使いくださいませ。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

さぁ、Jリーグ開幕です!!

前年度のJリーグ王者と天皇杯王者がぶつかるスーパー杯、今年は神戸と川崎が激闘する事になりました。悲願のJリーグ優勝を果たした神戸は、近年のJリーグに於いて大物選手の獲得で最も最も多くの話題を呼び込んだチームですし、川崎は…昨年を筆頭にここ2シーズンは不本意な推移を辿りながらも、近年のJリーグで最も結果を叩き出したクラブ。この2クラブの対決というのは、ある種近年のJリーグを総括するような対戦カードであるようにも思います。

昨季、30周年を迎えたJリーグはここから数年、激動の変革を迎えていきます。今年はクラブ数やレギュレーションが変わり、ACLも新たな方式への対応が求められている。2026年からはシーズン制度だって変わる。物事はいつとて、時代と共に変化していきます。それでも風物詩として、変わらない素晴らしさもそこにはある。さぁ今年もシーズン開幕を告げる一戦のキックオフです!

両チームスタメンです。

 

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両チームとも対照的なスタメン構成となりました。

神戸は昨季のメンバー、システムをベースにした人選。武藤嘉紀はPSMインテル・マイアミ戦同様に欠場となりましたが、逆にマイアミ戦は出場していなかったアジアカップメンバーのGK前川黛也が復帰。ベンチメンバーが菊池流帆、飯野七聖を除く5名はいずれも今季の新加入選手となった一方、スタメン起用された11人は全員昨シーズンの所属選手で構成されています。

対する川崎は火曜日にACL山東泰山戦を中国で戦いましたが、その山東戦からはGKに至るまでスタメン11人を全員変更してきました。スタメン11人のうち半数近い5人が今季の新加入選手となっている他、脇坂泰斗や家長昭博など、山東戦でフル出場した選手はベンチからも外れるという大胆なターンオーバーを敢行しています。大卒ルーキーの山内日向汰はいきなりスーパー杯のスタメンに抜擢される形に。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

 

 

国立競技場が改修に入った2015年大会以降、スーパー杯は日産スタジアム埼玉スタジアム2002を舞台に行われており、それは新国立競技場が完成してからも数シーズンその流れが続いていましたが、前回大会より戦いの舞台を再び国立競技場に戻しました。今季もマスコット大運動会や全クラブのユニフォーム展示、東京体育館明治神宮軟式野球場のエリアも活用したスタグルフェスなど、毎年恒例のイベント共に新たなシーズンが幕を開けます。

…そういえば今年はオリンピックイヤーですね。あの激動から4年か………。

 

 

前半は川崎のペースで進んでいきました。

神戸も後方からしっかりとビルドアップを試みていましたが、神戸はサイドに散らしたところで川崎にサイドのエリアに詰められる格好になり、そこから常にボールホルダーが川崎の守備者に囲まれ、そこで孤立させられるような形にもなってしまっていました。

 

 

 

対する川崎はボールを奪えばまず早く前線まで前進していき、そこからテンポを落としてショートパスで崩そうとする形に。11分には右サイドの瀬古樹のクロスをニアサイドでファンウェルメスケルケンがヘッド。ループ気味になったシュートはGK前川がなんとか弾き出してゴールならず。川崎は17分にもこぼれ球に反応したゴミスがダイレクトでシュートを放ちますが、ここもGK前川の正面に。

 

 

 

攻めあぐねていた神戸も、前半途中からは少々強引になっても大迫勇也に当てることで、その大迫のフォローに攻撃陣を走らせる形で少しずつ攻撃の流れを作れるようになっていきました。その中で21分の時点で井出遥也の負傷退場というアクシデントは起こりましたが、37分には大迫、前半終了間際には初瀬亮のクロスから佐々木大樹が合わせるシーンを作りますがいずれもゴールには至らず。

両チーム得点は動かずに前半を終えます。

 

 

後半から川崎は田邊秀斗を下げて三浦颯太を投入。そして試合は後半開始早々に生まれました。

右サイドの深い位置からのセットプレーを瀬古が蹴り込むと、GKの前の絶妙な位置でバウンドしたボールは一度はGK前川が弾きましたが、こぼれ球が山口蛍とリフレクションする形になったところを最後はファンウェルメスケルケンが押し込んで川崎先制!逆輸入選手として、長年プレーしてきたらオランダから30歳になる年にJリーグデビューを果たす男が初めての日本での試合で得点を叩き出します!

 

 

神戸はデュエルの局面のような個の対峙という場面では強さを随所に見せていたものの、チーム全体としては攻めあぐねるような時間が続いており、ボールは持てるけど好機に繋げられない…というような、現状のチームスタイル的には一番苦しい展開になっていました。

川崎が65分にヴェロンを下げてマルシーニョを投入し、よりカウンター狙いのシフトを明確にしたところで神戸は70分に扇原とパトリッキを下げて井手口陽介広瀬陸斗の新加入選手2人を投入。大迫や宮代にシュートチャンスは訪れたものの、逆に瀬古のFKがポストに直撃するような場面も作られ、神戸としてはやはり悩ましい時間が続いていきます。

 

 

 

どうにかロングボールやクロスを用いて大迫に当てたい神戸でしたが、大迫に当てたその次の展開を思うように作ることが出来ず、川崎もしっかり大迫とその次のパスの行き先を潰す守備を遂行し、神戸に決定的な場面を作らせないまま試合終了。1-0で勝利した川崎が2021年大会以来となるスーパー杯優勝を果たしました!!

 

 

 

全体的には川崎が上手く守ったという印象の試合でしたね。それは守り切った、逃げ切ったみたいな意味ではなく、川崎が守備で常に主導権を持ち続けたというか、耐えるのではなく主体的な守備を90分やり切ったというか。

まず武藤嘉紀がいなかった事の影響は少なからずあったと思います。武藤は選手としての実力は勿論ですが、あれだけ選手ゆえ大迫に集まる相手の注意を分散させる事が出来る。その武藤がいなかった事で、川崎はより大迫とその周辺に守備のフォーカスを当てることが出来ました。その上で、佐々木や井出のプレーぶりに代表されるようにより大迫に近いところでフォローさせて流れを作りたい神戸に対し、川崎は上手くボールホルダーをサイドに追い出し、そこを複数人で加工形を作り出していった。例えば初瀬や酒井がサイドから動けなくなってバックパスで戻すしかなかったような場面はいくつかありますし、そうなればもう神戸としては大迫にロングボールを放り込むしかない。神戸の状況を踏まえた上で、川崎は神戸の攻撃の選択肢を上手に削っていった。それが90分を通して「川崎が守備で主導権を握り続けた」と言えるゲームに繋がったのかなと。ターンオーバーメンバーでそれをやり切った事は見事という他ないです。

 

 

去年のスーパー杯はコロナをキメながら中継見てました…。

ではでは(´∀`)