G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

気ままに白熱、気ままな憂鬱。執筆等のご依頼はTwitter(@blueblack_gblue)のDM、もしくは[gamba_kyoto@yahoo.co.jp]のメールアドレスまでご連絡お願いします。

残してシンプル〜明治安田生命J1リーグ第20節 アルビレックス新潟 vs ヴィッセル神戸 マッチレビュー〜

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230707214259j:image

 

フライデイチャイナタウン!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田生命J1リーグ第20節、アルビレックス新潟vsヴィッセル神戸の一戦です。

 

Jリーグ30周年記念特集こちらから!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

横浜FM、名古屋、浦和と激しい優勝戦線を繰り広げる神戸。序盤は神戸が独走ペースではありましたが、横浜FMや浦和の追い上げもあり、前節札幌戦では前々から懸念されていた不安点の影が少し見え隠れするような試合展開だった事は否めませんでした。神戸の今季のチームスタイル的に、この7〜8月をどう乗り切るかはずっと言われていたポイントの一つです。

対する新潟は……今季ここまでずっと、推移としては掴みにくいシーズンを彼らは過ごしています。第15節G大阪戦や第17節京都戦のように大型連敗中の相手に負けたかと思えば、第13節横浜FM戦や第19節広島戦のように上位相手にしっかり勝ち切ってみせる。上位陣との相性がいい事を思えば、神戸に対しては文字通り面倒くさい相手というか曲者的な立ち位置にいるのが今の新潟でしょう。

優勝争いと残留争いの中で重要なポイントを得るのはどちらか。スペインの気色漂う新潟と、アンドレス・イニエスタがクラブを去って最初の試合となる神戸。どこか感じる事も多い背景の中でどのような90分になるのでしょうか。

両チームスタメンです。

 

f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230707180808j:image
f:id:gsfootball3tbase3gbmusic:20230707180812j:image

 

新潟は2-0で勝利した前節広島戦からスタメンを3人変更。谷口海斗、鈴木孝司を併用的に許可しているワントップは今日は谷口をチョイスしており、ボランチには高宇洋が復帰。前節でダニーロ・ゴメスが負傷退場した右MFは、前節の負傷交代時そのままに松田詠太郎が起用されています。また、太田修介は第10節FC東京戦以来の復帰でベンチ入りを果たしています。

神戸は前節札幌戦から新潟と同じく先発変更は3人。前節は4-2-3-1でスタートしましたが、今日は佐々木大樹と大迫勇也を先発に戻して従来通りの布陣にシフト。そんな中で第12節横浜FC戦以来の先発となった大﨑玲央はボランチではなく久々のCB起用となっています。ルーキーの寺阪尚悟はリーグ戦では初のベンチ入りです。

 

本日の会場は新潟県新潟市デンカビッグスワンスタジアムです。

七夕の夜に行われるフライデーナイトJリーグ。文字通り七夕にちなんで777組(1554名)の招待客を入れての試合となっています。先着1万9000名の来場者にはオレンジのミニペンライトもプレゼントされ、今日はライトアップ演出も行われる事に。

2001年から稼働を開始したビッグスワンですが、神戸にとってビッグスワンは長らく鬼門であり、2004年の初対戦以降神戸は2017年まで一度もビッグスワンで勝利する事が出来ていませんでした。ただ、直近のビッグスワンでの試合となる2017年の対戦でようやく初勝利を挙げており、その時は第一次吉田孝行監督体制。そして何より、新潟ユースで育った酒井高徳にとっては日本代表戦を含めれば2014年以来9年ぶり、Jリーグの試合としては実に2010年以来13年ぶりとなるビッグスワンのピッチに降り立つ事になります。

 

 

立ち上がりから押し込んだのは神戸でした。汰木康也武藤嘉紀の両WGが積極的に仕掛け、特に武藤は5分、6分にゴールエリア付近まで迫るも新潟守備陣の対応に遭ってシュートまでは至れず。対する新潟もボールを保持しながらじわじわとラインを上げていこうとしますが、ブロックを組み敷いた神戸の前にややミドルシュート攻勢を余儀なくされていきます。

 

試合が動いたのは15分、新潟守備陣のビルドアップを神戸のプレッシングが捉えると、GK小島亨介のパスが星雄次に入ったところを武藤と齋藤未月が詰めてボール奪取。このボールを拾った大迫が、後は彼自身のクオリティを持ってすれば容易いかのようなコントロールショットを決めて神戸が先制。

 

 

神戸が先制して以降の時間は新潟も高い位置でボールを回せるようになっていきました。神戸もマテウス・トゥーレルが負傷して飯野七聖との途中交代と酒井のCB起用という苦しい配置を強いられていた中で、22分には三戸舜介がミドルシュートにも持ち込むもここはGK前川黛也がセーブ。31分には対峙した初瀬亮と入れ替わって抜け出した松田があわや決定機を迎えましたが、齋藤のナイスカバーと前川のフォローの前にシュートまで持ち込めません。

 

ですが前半も終盤になるとほぼ新潟が攻め続ける展開になると同時に、神戸も3トップのカウンターにかなり割り切ったようなシフトを敷いて対抗する構図に。新潟はパスで左右に揺さぶりながら神戸のDFラインを歪ませようと試みていきます。44分には左サイドでボールを持った谷口が右に振ると、これを受けた松田がファーサイドにグラウンダーのボールを供給。ここに谷口が走り込んで右足を振り抜いた決定機は…GK前川がスーパーセーブ。

序盤のリズムを掴んだのは神戸。しかしそこから新潟が押し返して波状攻撃を仕掛け続けていく中で、神戸のリードで前半を終えます。

 

 

新潟は後半から星を下げて秋山裕紀を投入。後半も押し込んだのは新潟で、神戸のCBがここ最近はずっと中盤だった大﨑とCBをやった記憶のない酒井という完全に即席コンビだったところも利用しながらペナルティエリアのポケットに上手く出入りし、それを繰り返す事で攻撃のリズムを作っていきました。実際に神戸はカウンター時に大きなポイントとなる武藤と汰木も守備に忙殺される格好になり、試合はほぼ新潟がハーフコートゲームで動かしていく形に。

 

神戸も62分には左サイドでボールを持った佐々木の折り返しを武藤がスルーしたところに大迫が左脚を振り抜きましたが、この決定機はGK小島亨介のスーパーセーブとポストが阻んで新潟は九死に一生を得る形に。

66分に神戸は汰木を下げてジェアン・パトリッキを投入すると、新潟は74分に松田と谷口を下げてグスタボ・ネスカウと太田を投入。神戸も81分には佐々木を下げて神戸加入後リーグ戦初出場となる川﨑修平を送り込んでWボランチの形にシフトして逃げ切りを図ります。

 

最終盤はお互いにタフな試合展開を前に新潟・神戸共々消耗する形になってくると、新潟の方にロストが目立つようになり、神戸はボールを奪うなりパトリッキや川﨑がとにかく前に運んで押し返すプレーを意識して試合を締めにかかります。

試合はそのまま終了。劣勢ながら前半のゴールを守り切る形となった神戸が2位に再浮上しました。

 

 

 

やれる事を尽くしたのは両チーム同じだったと思います。新潟のミスから生まれた先制点に関しても、元々新潟がやろうとしている事に神戸がやろうとしている事が噛み合った結果神戸にこぼれた…みたいなシーンでしたし。

試合としては言うまでもなく、最初の15分までを除いては完全に新潟のゲームでした。加えて神戸は試合後のインタビューで大迫と吉田監督がCB事情のアクシデントを匂わせていた事、トゥーレルが負傷退場になった事でCBが即席状態になっていたという背景もあって、その状況でDFラインの細かな位置調整を繰り返すのは口で言うほど簡単な話ではない。そこで新潟の左右を揺さぶる卓越したパスワークは今日の神戸には非常に"効く"ものでしたし、土俵際まで追い込まれていたのは明確に神戸でした。

ただ、神戸を追い込んだパスサッカーを貫いた方が新潟のやるべき事だったとしたら、神戸も最後の最後のところは意地でも許さないように個々が守備のタスクを尽くしていた。出来ない事は出来なくても、出来る事では最大限を尽くす事を神戸は強い個を有しながら徹底してきたと。結果的にチャンスを決め切れなかった新潟と、冒頭の一発を確実に仕留めた神戸(大迫)の差がそのまま最終スコアになった訳で、新潟の高い完成度と神戸のそういうタスクを尽くす戦いの中で語られるべき細かなことは色々あるけれど、最終的に残ったものはシンプルなものだった…というのがこの試合の雑感ですかね。

 

 

新潟遠征食い倒れ楽しそう

ではでは(´∀`)