だまくらかしたらビビデバビデブー
どーもこんばんは
さてさて、Jリーグも開幕しまして。
一時期ネット上であったじゃないですか。今もやってるかもしれないですけど、監督解任レースなるスラング的な流行というか。監督を競走馬に見立てて、誰が最初に解任されるかを見るというシュールなやつ。
それと同時に、我々ファンとしても……なんとなくある訳ですよ。「○○はすぐ監督解任するよね」的な。三木谷さんなんか一時期日本のザンパリーニだのチェッリーノだの呼ばれかけたり。あれ?そんなこんな言ってたらちょっと清水のが最近やばくね?とか言ってたり。なんとなくやっぱりあるんですよね、それぞれに。「あのクラブは途中解任しがち」…みたいな。
【ウン年連続シーズン途中の監督交代ランキング】
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年7月13日
1位 5年
清水(19-23)
2位4年
新潟(16-19)
神戸(17-20)
3位 3年
東京V(96-98,01-03)
京都(98-00)
川崎F(99-01)
浦和 (99-01,17-19)
神戸(04-06)
磐田(06-08)
大宮(12-14,21-23)
琉球(21-23)
仙台(21-23)
3年リーチ
鹿島,東京V,相模原,G大阪,長崎
はい、という訳で今回は「監督途中交代率ランキング2024」です。
じゃあ…ですよ。
じゃあ実際に、本当に「監督を途中で代えがちなクラブはどこなのか?」と。
全部調べてみようじゃないかと。
全部集計して数字出してみようじゃないかと。
今回はそういう企画です。言ってもシーズン始まっちゃったので時間との戦いです。書き上げている最中に解任でもされたら企画崩壊です。そんなブログを今、某○サイゼリヤで何やら契約ごとをしてそうな書類で話している人の隣のテーブルで書いています。彼らは果たしていつか袂を分つのでしょうか。お願いだから全部更新するまで解任待ってくれな。
今回の連載では途中解任率は「通算のシーズン途中の監督交代回数÷当該クラブのJリーグ在籍シーズン数」で%出していきます(数字が並んだ場合以外は小数第一位まで記載し、以下は四捨五入)。ぶっちゃけ、これで測るのが正しいのかどうかは今ひとつ自分もわかってないので、他に良い数式を思いつく方は訂正版ブログとか書いて読ませてください。
また、全チームを対象にすると…サンプルが少なすぎてランキングクラッシャーみたいな数字を出してくるところが出てくる可能性があるので、今回は一定のサンプル数を有しているチームに限定して集計していきます。という訳で対象は2023年終了時点で10シーズン以上Jリーグに所属しているクラブ、即ち2014年の時点でJ3以上に所属しているクラブとします。わかりやすく言えばJ3オリジナル10までですね。
その他、細かいルールはこんな感じです。
・J参入前のJFL時代はカウントしない(ただし、J2参入後にJFL降格を喫した2013年の町田に関してはカウントする)。
・正式な監督就任ではなく、数試合のみの代行/暫定監督は交代回数に換算しない(例:2022年の神戸は4人が監督を務めたが、そのうちリュイス・プラナグマ監督は暫定監督だったので、監督を務めたのは3人、監督交代は2回として扱う)。ただし、代行/暫定監督がシーズン終了まで監督を務めた場合は交代回数にカウントする(例:1999年鹿島のジーコ、2021年広島の沢田謙太郎など)。
・Jリーグの全日程を終えた後で退任し、後任監督がその後の天皇杯を指揮したケースはカウントしない(例:1997年G大阪のフリードリッヒ・コンシリア、2012年町田の秋田豊など)。
・監督交代は特に辞任の場合、引き抜きや家庭の事情、監督自身の健康問題などやむを得ない事情やクラブ側の意思では無い事例もあるが、それらを加味すると収拾がつかなくなるので、交代理由に関しては考慮せずその他の交代と同じとして扱う。ただし例外として、引き抜きである事をクラブも明確にしていた1995年のアーセン・ベンゲル(名古屋)、2006年のイビチャ・オシム(千葉)、2021年のアンジェ・ポステコグルー(横浜FM)の3人、体調不良による辞任後に一年以内に監督に復帰した2008年の関塚隆(川崎F)、2015年のミロシュ・ルス(横浜FC)の2人、監督契約はしたが来日前に退任する形となった2004年のナドベザ・ペーター(C大阪)の計6人に関してはカウントしない。ただし、報道等を踏まえて「事実上の引き抜き」と認識されているが、クラブとして公式に明言していないものはカウントする(例:2009年神戸のカイオ・ジュニオール)。
・2023年シーズン終了時点でのカウントとする。
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まずは第50位。
50位は監督交代経験のの無い2クラブですね。
第50位タイ
ファジアーノ岡山【途中交代率0%(0回/15シーズン)】
※歴代最長政権:影山雅永(2010年〜2014年)
ツエーゲン金沢【途中交代率0%(0回/10シーズン)】
※歴代最長政権:柳下正明(2017年〜2023年)
途中解任経験が無いのはこの2チームです。監督解任という癖になる蜜の味をまだ舐めていらっしゃらない…?岡山は成績的にも基本的には大枠としての中位を維持していて、期待値に対して極端な低迷に陥った印象は付きにくいのでイメージはつきやすいですが、近年の成績を踏まえると金沢は意外に感じる人も多いでしょうか。
岡山は影山雅永監督が5年、長澤徹監督が4年、有馬賢二監督が3年をフルでやって、現在の木山隆之監督が3年目ですから、何気にJクラブではトップクラスに監督が安定的な時間を得られるクラブと言えるやも。金沢の場合はJ参入以降は今季の伊藤彰監督で通算3人目。森下仁之監督と柳下正明監督がそれぞれ長期政権を敷いていましたし、特に後任の柳下監督に関しては金沢側が不振に陥ったとしても監督交代が得策とは思えないという認識でコンセンサスが取れていたように感じるので、監督解任の話題の時によく言われる「我慢」とはまた少し話のベクトルが違うのかなと。
さぁ、ここからは監督交代童○を卒業した皆様方がご登場なさいます!!
41位まで一気にいきましょう。
第49位
ザスパ群馬【途中交代率 5.2%(1回/19シーズン)】
※歴代最長政権:植木繁晴(2006年〜2008年)、副島博志(2010年〜2012年)
第48位
モンテディオ山形【途中交代率 8%(2回/25シーズン)】
・2021年4月、石丸清隆→(代行:佐藤尽)→ピーター・クラモフスキー
・2023年4月、ピーター・クラモフスキー→渡邊晋
※歴代最長政権:小林伸二(2008年〜2011年)
第46位タイ
FC町田ゼルビア【途中交代率 8.3%(1回/12シーズン)】
※歴代最長政権:相馬直樹(2014年〜2019年)
水戸ホーリーホック【途中交代率 8.3%(2回/24シーズン)】
・2001年7月、小林寛→菅野将晃
※歴代最長政権:前田秀樹(2003年〜2007年)
第42位タイ
ブラウブリッツ秋田【途中交代率 10%(1回/10シーズン)】
※歴代最長政権:吉田謙(2020年〜)
いわてグルージャ盛岡【途中交代率 10%(1回/10シーズン)】
・2023年9月、松原良香→中三川哲治
※歴代最長政権:鳴尾直軌(2012年〜2015年)
福島ユナイテッドFC【途中交代率 10%(1回/10シーズン)】
※歴代最長政権:栗原圭介(2014年〜2016年)
カマタマーレ讃岐【途中交代率 10%(1回/10シーズン)】
・2021年3月、上野山信行→(代行:西村俊寛)→ゼムノビッチ・ズドラブコ
※歴代最長政権:北野誠(2010年〜2018年)
第41位
徳島ヴォルティス【途中交代率 10.5%(2回/19シーズン)】
・2006年9月、田中真二→東泰
・2023年8月、ベニャート・ラバイン→吉田達磨
※歴代最長政権:小林伸二(2012〜2015年)
こうやって見ると、やはり4チームが降格するルールだった2021年、或いはJ3からJFLへの降格というシステムが発生した2023年はこれまで監督解任に手をつけたことのないチームが禁断の果実をかじってしまった一年だったなぁ…と。やっぱり差し迫る恐怖は人の決断を加速させますね。讃岐に関しては上野山監督が突然辞任した1回のみなので、今回はカウントしましたが…クラブとしては0回に近いと言った方がいいやも。
その中でやはり、20年戦士ながら解任率10%を切ってみせた山形と水戸は見事な数字。ただ山形は2014年まで株式会社ではなく公益財団法人がチーム運営を行なっていたので、クラブとして契約の途中解除が難しかったところはあるんですよね。株式会社化してからはちょっとハイペースになっているところは気になるところ。人間、ギャンブルにハマる時は一瞬と言いますから…。そう考えると、ますます水戸さんの盟主たる立ち振る舞いがより一層映えますね。
この辺りのクラブの皆さんはまだ監督交代に一度手をつけただけ。一度キメたらやめられない監督ギャンブルですが、一度や二度ならまだ引き返せる可能性はあります。癖になる前に長期政権を敷いた秋田さんはその辺りをよくわかってらっしゃるのでしょう。
第39位タイ
サガン鳥栖【途中交代率 12%(3回/25シーズン)】
・2018年10月、マッシモ・フィッカデンティ→金明輝
・2019年5月、ルイス・カレーラス→金明輝
※歴代最長政権:ユン・ジョンファン(2011年〜2014年8月)
ヴァンフォーレ甲府【途中交代率 12%(3回/25シーズン)】
※歴代最長政権:大木武(2005年〜2007年)、城福浩(2012年〜2014年)、伊藤彰(2019年〜2021年)
第38位
ロアッソ熊本【途中交代率 12.5%(2回/16シーズン)】
・2017年6月、清川浩行→池谷友良
※歴代最長政権:大木武(2020年〜)
第37位
サンフレッチェ広島【途中交代率 12.9%(4回/31シーズン)】
・2002年7月、ガジエフ→木村考洋
・2006年4月、小野剛→(代行:望月一頼)→ミハイロ・ペトロヴィッチ
・2017年7月、森保一→(代行:横内昭展)→ヤン・ヨンソン
※歴代最長政権:ミハイロ・ペトロヴィッチ(2006年6月〜2011年)
第36位
栃木SC【途中交代率 13.3%(2回/15シーズン)】
※歴代最長政権:松田浩(2009年〜2013年9月)
第35位
ギラヴァンツ北九州【途中交代率 14.3%(2回/14シーズン)】
※歴代最長政権:柱谷幸一(2013年〜2016年)
このゾーンのチームに共通する事は「本当に降格しそうな時だけ切る」というところでしょうか。広島と鳥栖は特にわかりやすいですね。逆に甲府は2007年や2017年のように降格しそうでも最後までやらせてる。クラブの規模、体力に合わせた時に、降格しそうな事が重いのか昇格出来なさそうな事が重いのか…というところで、ここに顔を並べたチームの皆さんは比較的その辺りの線引きはしっかり持っていらっしゃる印象です。後任が全部池谷友良の熊本の味わい深さよ。
そう考えると、オリジナル10ながら15%以下で抑えた広島はなかなかの数字ですね。2021年の城福監督の時は解任というよりは残り試合を別の監督に消化させた形でしたが、あとの3つは明確な降格危機で、2002年のガジエフ監督以外は短期政権でもなかった。広島はガジエフ監督を除けば基本的に監督選びを露骨に外した記憶が無いんですけど、それはこの数字にも表れているのかなと。
第34位
大分トリニータ【途中交代率 16%(4回/25シーズン)】
・2005年8月、皇甫官→(代行:アーリ・スカンズ)→ペリクレス・シャムスカ
・2009年7月、ペリクレス・シャムスカ→ランコ・ポポヴィッチ
・2015年6月、田坂和昭→柳田伸明
※歴代最長政権:片野坂知宏(2016年〜2021年)
第33位
横浜F・マリノス【途中交代率 16.1%(5回/31シーズン)】
・2001年6月、オズワルド・アルディレス→(代行:下條佳明)→セバスティアン・ラザロニ
・2002年10月、セバスティアン・ラザロニ→下條佳明
※歴代最長政権:岡田武史(2003年〜2006年8月)
第31位タイ
愛媛FC【途中交代率 16.7%(3回/18シーズン)】
・2009年9月、望月一仁→イヴィッツァ・バルバリッチ
・2018年5月、間瀬秀一→川井健太
・2021年4月、和泉茂徳→實好礼忠
※歴代最長政権:望月一仁(2005年〜2009年9月)
松本山雅FC【途中交代率 16.7%(2回/12シーズン)】
・2020年9月、布啓一郎→柴田峡
・2021年6月、柴田峡→名波浩
※歴代最長政権:反町康治(2012年〜2019年)
第30位
V・ファーレン長崎【途中交代率 18.1%(2回/11シーズン)】
・2022年6月、松田浩→ファビオ・カリーレ
※歴代最長政権:高木琢也(2013年〜2018年)
こうやって並べてみると大分の監督交代劇はなかなか味わい深いものがありますね。シャムスカマジックが大当たりして、そのシャムスカを切って勝負に出たポポヴィッチでブーストをかけて…。石崎さんもファンボカンさんもシャムスカさんも田坂さんも大分には恩人の側面が強いのがまた悲哀を誘います。というか、2015年の解任劇以外は全部ヒットしてるんですねこれね。
一方、昔は監督が短命政権に終わりがちだったマリノスは近年では最も監督人事が安定しているクラブという事に。目立った長期政権は特にないものの、2012年に就任した樋口靖洋監督以降は、セルティックへの引き抜きでマリノスを去ったポステコグルー監督を除けば全員が3シーズンを消化した上で退任している。人選も含めて安定感が窺えます。
松本にしても長崎にしても、この辺りに来ると2年連続で監督を替えるクラブが増えてきましたね。やっぱりやっちゃうんですよね〜…監督交代は癖になる。やっちゃうんですよ、当たりが出るまで。課金もしちゃう。次回以降はそんな連鎖にすっかりどっぷりハマったようなクラブがいくつか出てきます。という訳で第29位はPart2につづく!!
ではでは(´∀`)