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J1監督名鑑2024☆PART4

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深爪やらかした

 

どーもこんばんは

 

さてさて、いよいよ2024明治安田J1リーグが開幕しました!

 

という訳で今回からは毎年恒例、J1監督名鑑やっていきます。ホーム開幕戦まで終わってしまいましたが…。

毎年恒例全4回でのお届け。そして毎年恒例、監督名鑑ですけど別に戦術的志向は大して語っておりません。てへぺろ。肩肘抜いてお読みくださいませ。

 

 

 

Part1→札幌鹿島浦和FC東京

Part2→東京V町田川崎F横浜FM湘南

Part3→新潟磐田名古屋京都G大阪

Part4→C大阪神戸広島福岡鳥栖

 

 

 

Jリーグ開幕ガイド作りました!是非覗いていってください

 

いつぞやに更新した歴代ベスト監督&ワースト監督をクラブ別に考えてみた連載はこちら

 

いつぞやに更新したOB監督登用ランキングはこちら

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

小菊昭雄

(セレッソ大阪)

 

 

生年月日:1975年7月7日

国籍:日本

現職:2021年8月〜(4年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ5位(2022 C大阪)

過去に率いたチーム:セレッソ大阪(2012.12※代行)

過去の主な実績:ルヴァン杯準優勝(2021,2022 C大阪)

 

アルバイトから始まったセレッソでのキャリアも数えるところ27年目。育成スタッフ、スカウト、トップのアシスタントコーチなどあらゆるポストを経て監督まで上り詰めたという文字通りの叩き上げキャリアを持つ指揮官。トップチームのコーチでは小林伸二、クルピ、ユン・ジョンファン、ロティーナといった名将に師事し、それぞれのエッセンスを取り入れている事を思うと、セレッソのアニバーサリーイヤーの指揮官としての文脈は揃えている。ちなみに「プロじゃなくてもサッカーの仕事をしたい」と考えていた小菊監督をセレッソに引き込んだのは大学時代の友人だが、この友人が偶然にも当時の鬼武健二社長の息子だった。

香川真司の著書でも詳しく触れられているように、スカウト担当だった時に別の選手目当てで観戦した試合で香川を発掘。当時香川がプレーしていた仙台まで通い詰めて口説き落とした逸話はよく知られるところだが、昨季は香川が13年ぶりに復帰した事で「監督と選手」として再会を果たした。香川の復帰は開幕直前の決定となったが、実際に交渉もセレッソの宮崎キャンプ中にZoomを用いて行っていたとの事。何気に関西Jクラブの監督との関係性が深く、曺貴裁監督(京都)とは曺監督がC大阪のコーチを務めていた時に週3ペースで食事を共にしていた仲。吉田孝行監督(神戸)は滝川第二高校時代の1学年下の後輩で、2022年の神戸戦は小菊監督のコロナ感染により実現しなかったが、昨季は遂に先輩後輩対決も実現した。

「年を重ねるごとにおでんが好きになっていく」と語り、セレッソ公式YouTubeの企画で好きなおでんの具を聞かれた際には「おでん」という奇怪な回答を残した(最終的にたまごに落ち着く)。子供の頃は熱心にラジオを聴いていた程の阪神タイガースファンで、阪神優勝の瞬間はしっかりテレビで観戦した。

 

 

 

吉田孝行

(ヴィッセル神戸)

 

 

生年月日:1977年3月14日

国籍:日本

現職:2022年6月〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1優勝(2023 神戸)

過去に率いたチーム:ヴィッセル神戸(2017.8-2018.9,2019.4-6)、V・ファーレン長崎(2021.1-5)

過去の主な実績:J1優勝(2023 神戸)

★OB監督(在籍:2008-2013)

☆J1優勝監督賞(2023 神戸)

★J1月間優秀監督賞(2023年2・3月,2023年11・12月 神戸)

 

「困った時の吉田孝行」と言えば聞こえはいいが、過去2回の監督就任時はクラブ事情に振り回されながら解任されゆく姿を「楽天のおもちゃ」的に揶揄された事もあり、さすがに3回目はないだろうと思っていたら訪れた3回目。しかし3度目の吉田孝行は一味も二味も違った。

過去2回はバルサ化を推し進めるクラブの方針と現実の乖離に苦しむ場面も多かったが、劇的残留を果たした2022年のスタイルを継続した2023年はイニエスタをスタメンから外すほど徹底した一貫性を見せ、多くの人が予想しなかったクラブ史上初のJ1優勝に辿り着いた。イニエスタの処遇には賛否が寄せられる事もあるが、少なくともその賭けに勝ったのは吉田監督と神戸である事、そしてそれを最後まで貫いた吉田監督は称賛されるべきで、MVPを受賞した大迫勇也も「タカさんがMVP」と語る。勝利した試合後のロッカールームで「明日はオフ」「連休」と宣言する動画を公式Xが度々アップしているが、昨季は一度フェイントをぶち込んだ

現役時代は今なお伝説として語り継がれるようなゴールをいくつか決めている。世にも有名なゴー横浜フリューゲルス最後の試合となった天皇杯勝戦での優勝決定ゴール、即ちフリューゲルスのラストゴールを決めたのは現役時代の吉田監督で、元監督の三浦淳寛、現SDの永井秀樹フリューゲルスのチームメイトとして出場していた。神戸移籍後は同じ誕生日で世代別代表や横浜FM時代の盟友である松田直樹氏が亡くなった直後の試合での得点や、降格危機に陥っていた2010年の神戸を救う最終節で2ゴールが語り草。そう考えれば、2022年の残留といい、ヴィッセル神戸というクラブの決定的な瞬間は吉田孝行に導かれたものも多い。

 

 

 

ミヒャエル・スキッベ

(サンフレッチェ広島)

 

 

生年月日:1965年8月4日

国籍:ドイツ

現職:2022年〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ3位(2022,2023 広島)

過去に率いた主なチーム:ボルシア・ドルトムント(98/99-2000.2)、U-18ドイツ代表(2004.8-2005.10)、レヴァークーゼン(2005.10-07/08)、アイントラハト・フランクフルト(09/10〜2011.3)、ギリシャ代表(2016-2018)など

過去の主な実績:UEFAカップベスト8(06/07,07/08 レヴァークーゼン)、天皇杯準優勝(2022 広島)、ルヴァン杯優勝(2022 広島)など

Jリーグ月間最優秀監督賞(2022年4月,2022年8月,2023年4月 広島)

☆J1優秀監督賞(2022 広島)

 

元々ドイツでは長きに渡って育成の重鎮と見られていただけに、若手をじっくり育成していく環境と土壌、そして才能を持ち合わせていた広島との相性は良かったのか、ここまでの2年間はまさしくベストフィットとも言えよう輝きを誇っている。今季から広島はエディオンピースウィング広島という新たな本拠地で戦うが、念願の新スタ最初の監督に相応しい人物だと誰もが認めるところだろう。ACL2でこそあるが、来年は遂にアジアの舞台にも立つ。

怪我の影響もあって選手としてのキャリアは早々に断念したが、その分若くして指導者業を始動させており、1998年にドルトムントの監督に就任した時点で33歳だった。ドイツでは監督としてというよりも育成面での功績を語られる事が多く、過去にはドルトムントのユースやU-18ドイツ代表監督を務めた他、2000年代前半に高齢化とタレントの枯渇が著しかったドイツが育成改革に踏み切る際には中心人物としてプロジェクトを主導し、2014年ブラジルW杯優勝に繋げた。2002年日韓W杯では戦術担当コーチとして来日してドイツ代表の準優勝に大きく貢献したが、その時の監督であるルディ・フェラーは現在ドイツ代表のSDを務めており、奇しくも日本戦の大敗でハンジ・フリックを解任した際には電話で会話もしたらしい。なお選手としてはユースからシャルケ04で育ったにも関わらず、指導者としては長い時間をドルトムントで過ごした特異なキャリアの持ち主でもある。

Jリーグの監督にもスキッベ監督の影響を受けた人物は多く、長谷川健太監督は名古屋で採用している3バックはスキッベ広島に少なからず影響を受けたと語っており、広島OBかつ大分を率いる片野坂知宏監督はフリーの時期に度々広島の練習見学に赴いていた。ドイツ紙から取材を受ける機会も多く、広島での生活や大学まで組み込んだ日本の育成システムを肯定的に紹介する事も。

 

 

 

長谷部茂利

(アビスパ福岡)

 

 

生年月日:1971年4月23日

国籍:日本

現職:2020年〜(5年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ7位(2023 福岡)

過去に率いたチーム:ジェフユナイテッド千葉(2016.7-12※暫定監督)、水戸ホーリーホック(2018-2019)

過去の主な実績:J1昇格(2020 福岡),ルヴァン杯優勝(2023 福岡)など

★J1月間優秀監督賞(2023年7月,2023年9月 福岡)

☆J2月間優秀監督賞(2020年9月 福岡)

当ブログ選出 クラブ別ベスト監督ランキング企画 水戸1位福岡1位

 

就任1年目から福岡の5年周期ジンクスをきっちり守って昇格を果たし、J1に復帰すれば5年周期ジンクスをギタギタに破壊して8位に大躍進を果たした最大功労者。3年目のJ1となった2023年は前年にもルヴァン杯で準決勝進出を果たしていた事もあって悲願の初タイトル獲得の機運も高まっていたが、見事11月にルヴァン杯のタイトルを獲得。長谷部監督が就任した2020年、「3年後には長谷部体制ですっかりJ1のクラブと化してルヴァンも獲るよ」と言っても誰が信じただろうか。やり遂げたのはそれだけ偉業である。リーグ戦も7位に入り、優秀監督賞も妥当な選出だった。選手の事を"さん"付けで呼ぶ姿や、試合中からイヤホンを付けて分析スタッフと連絡を取るのもお馴染みの光景。

現役時代は1994年に大卒ルーキーとしてヴェルディ川崎に入団したが、今思えば交代枠も2枚で、ラモス瑠偉北澤豪ビスマルクらがいた中盤でコンスタントに試合に出場出来ていたのはなかなかにすごい話。当時の先輩だった北澤豪は「現役時代から哲学のある男だった」と述懐しており、キングカズにも「クレバーでリーダーシップのある選手」と称されていた。現役時代からゴルフの腕前に定評と自信を持っていた事から現役引退後はプロゴルファーを目指したが大成せず、神戸時代の先輩で当時の強化部長だった和田昌裕氏を頼り神戸のスカウトに入る形でセカンドキャリアをスタートしたというレアな軌跡を辿っており、最近はあまりゴルフに行けていないそうでスコアも本人比では落ちているそうだが「今はあんまり出ないね。80台の前半とか」とさらっと語っている。川崎の鬼木達監督S級ライセンス講習の同期であり、海外研修は共にドイツに赴いた事から2週間ほど同部屋で過ごした間柄。

 

 

 

川井健太

(サガン鳥栖)

 

 

生年月日:1981年6月7日

国籍:日本

現職:2022年〜(3年目)

Jリーグ最高成績:J1リーグ11位(2022 鳥栖)

過去に率いた主なチーム:愛媛FCレディース(2015-2017)、愛媛FC(2018.5-2020)など

 

Jリーグの中でも特異なプレースタイル、特異なキャラクターを誇る鳥栖を率いる名物監督の一人。前任の金明輝監督時代から組織的なプレーモデルを確立していた鳥栖だったが、毎年のように主力が退団していく中でチームをアップデートさせていき、川井監督本人も「自分が必要とされない、面白い監督はいらない、となったら、潔く去るべきだとも思っています」と強いこだわりを持っている。サッカースタイルには元々こだわりを有していたが、マネジメントのスタイルは山形のコーチを務めていた時代に師事したピーター・クラモフスキー監督の影響が大きいそう。

小林有吾氏が手掛ける人気サッカー漫画「アオアシ」のスピンオフ作品、「アオアシ ブラザーフット」は作者の出身地にちなんで愛媛FCをモデルとした作品になっているが、登場する剣崎誠監督のモデルは愛媛時代の川井監督であり、同作には愛媛時代に川井監督の下でプレーした川村拓夢(広島)との実際のエピソードも参考にされているんだとか。「究極はミーティングはしたくない」「やっぱり面白くないですよね、サッカーの話をずっとされても(笑)」という考えゆえにミーティングを短編映画のように演出する事を心掛けており、格闘技やツイッターのコメントまでミーティング画面に出てくる事もあるらしく、面白いと選手からの評判も良い。志向する戦術的なサッカーやスタイリッシュなビジュアルからクールな印象を持たれるが、昨季は開幕戦で1-5で敗れた湘南と再戦した際、2点リードのハーフタイムに「叩き潰してこい」とゲキを飛ばして6-0の勝利に繋げるなど、節々に熱さ漲るコメントも見られる。

 

Part1から読む。

 

 

ないしゅっけ2

ではでは(´∀`)