名古屋在住の皆様…
どーもこんばんは
京都サンガFCvs名古屋グランパスここがスゴイ!
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2023年7月16日
・名古屋市民、新幹線使えば豊スタよりサンガスタジアムの方が早く着く可能性がある
さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第16節、京都サンガFC vs 名古屋グランパスの一戦です!
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踏みとどまるのか、坩堝に吸い込まれるのか。町田戦はその瀬戸際のようなゲームだったように思います。
首位に立ちながらチームは2連敗で4位に転落。C大阪戦に至っては2点リードをひっくり返され、福岡慎平がいない、ラファエル・エリアスがいない、そして原大智も途中からいなくなった。その状況から町田を相手に強烈な逆転勝利を演じてみせた……それはクラブにとって強烈なゲームだったと思います。あのゲームを勝ち切ったと言う事、それはこの後どうなるかはわからないけど、少なくともここまで積み重ねた勝点は決してまぐれではない事、そして決して前線の個だけで勝っていた訳ではない成長がある事の証明になったはずです。
ここまで来た。シーズンは半分近くまで来た。それでもサンガが未だに知らない景色を見るならば、劇的勝利をいくつか重ねるのではなく勝ち続けないといけない。少なくともここまでそれをやれたからこの位置にいる。この位置を守り、この位置よりも上にいく。今までにない胆力を持ったチームは、復調の気配を漂わせている名古屋を相手にも
両チームスタメンです。
連戦中、試合毎にローテーション的に4〜6名ほどスタメンを入れ替えているサンガは前節町田戦から先発を4人変更。ただ今日はローテーション的な選手変更というよりも名古屋対策の意味合いが強く、3バックの名古屋に対してジョアン・ペドロと松田天馬をシャドーにムリロ・コスタをワントップとした3-4-2-1をスタートの布陣としては今季初めて採用しました。今日は武田将平が今季初先発し、福岡慎平がベンチに復帰。一方、ラファエル・エリアスは継続して欠場となり、町田戦で負傷退場となった原大智もメンバーを外れた事で、今季のサンガで全試合先発している選手は0人となりました。
名古屋は0-0で引き分けた前節岡山戦からスタメンを2人変更。左WBを徳元悠平から中山克広に、左CBを佐藤瑶大から河面旺成に入れ替えています。GKはシュミット・ダニエルが引き続き欠場中ということで、デビュー戦となった前々節清水戦から2戦連続クリーンシート中のピサノアレックス幸冬堀尾を継続起用しています。
本日の会場は京都府亀岡市、サンガスタジアム by Kyoceraです。
今日の試合は年に一度の京セラスペシャルデーとして開催。サンガのユニフォームが型取られ、京セラが協力する大阪・関西万博のパビリオンが印刷された団扇がプレゼントされます。また、ゲストとして京都市出身のフィギュアスケーター本田真凜氏が来場。母の日にちなんだイベントや京都府が推進する「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」との連動企画も実施されるとのこと。
名古屋市民が新幹線を使えば豊田スタジアムより近いかもしれないサンガスタジアム。サンガスタジアムでの名古屋との対戦はここまで3試合で2勝1分。しかもこの2勝はいずれも劇的な勝利だっただけに、サンガスタジアムにこのまま"名古屋の鬼門という"印象を植え付けさせていきたいところです。
名古屋はファーストプレーから決定機。キックオフからGKピサノが蹴り込んだロングボールを競り合った山岸祐也が和泉竜司からのリターンを受けてシュート。ここはパトリック・ウィリアムの好ブロックで弾くも、続くCKのこぼれ球を和泉が狙うなど名古屋が早々から得点の可能性がある場面を2つ作ります。サンガも直後に川﨑颯太がミドルに持ち込んで試合はスタートしていきました。
その後は名古屋陣内からプレスで押し込もうとするサンガと、それをロングボールを駆使しながら掻い潜っていこうとする名古屋の構図になっていきました。サンガは今日はムリロを先頭にプレッシングをかけつつ、ボールを保持した時には松田天馬がムリロに対して近い位置で絡みながら川﨑が積極的に関与してくる形に。そこで両WBの福田や須貝にポイントを作ろうとする場面はありましたが、ボックス内では打開力に欠ける形でなかなかシュートチャンスに繋がっていきません。
一方の名古屋はボール奪取時にはロングボールなり、或いはマテウスが独力である程度高い位置までボールを持ち運ぶなどして形勢を組み立てようとしていました。その流れでよりサイド攻撃に上手く繋げられていたのは名古屋の方で、名古屋もシュートに至るような場面をいくつか作りましたが、サンガも今日は3バックにしていた事で中央は固められており、クロスボールに対してもしっかりと弾き出せてはいました。
ただサンガは今日は原がいないのでムリロがターゲットの役割を担う場面もあったとはいえ、いつものようにポストプレーから…というよりは、ムリロを活用した背後へのアクションを起こして松田を絡めた流動性、ないしは両WBの攻撃参加を促していきたいような狙いを見せていましたが、名古屋も名古屋陣内ではローブロックを組んで対応してきた事でそのスペースをあまり確保できず。
サンガは後半からペドロとムリロを下げて奥川雅也と長沢駿を投入。後半はサンガも名古屋も直接的なチャンスに繋がるような場面は多くありませんでしたが、サンガは後半から入った長沢が相手DFラインの背後へのアクションを絶やさずに行う事で、前半はなかなか開いてこなかったシャドーのスペースを使えるような場面は増えてきました。
そんな中で名古屋は59分に和泉と内田を下げて浅野雄也と徳元悠平を送り込むと、サンガは62分に松田を下げて平賀大空、66分に須貝を下げて佐藤響を投入。両監督が立て続けに動けば、66分には左サイドからボールを受けたマテウスが右脚で強烈なミドルを放つなど少しずつ試合はオープンな様相を呈す形に。
そして遂に均衡が敗れたのは70分でした。
左サイドでボールを持った川﨑が中央に入れると長沢がポストプレー。これを受けた武田が右サイドに展開すると、宮本のシュートが相手に当たってディフレクションしたボールに、膨らんでからの飛び出しでフリーになった長沢が反応してダイビングヘッド!!これぞ長沢駿!!巧みなストライカー技術を駆使したゴールで先制!!
ストライカーの嗅覚がゴールを呼ぶ!
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年5月11日
味方のシュートのこぼれにいち早く反応した#長沢駿 のヘディングシュートは
長い均衡を破ったゴールでもあり、
長沢駿の4年ぶりのJ1でのゴールとなった!
🏆明治安田J1第16節
🆚京都×名古屋
🆓#DAZN ライブ配信中#Jみようぜ #Jリーグ #京都名古屋 pic.twitter.com/2KvHbQ5hiR
その直後には平賀がドリブルから持ち運んでミドルを放つ場面を作りましたが、今度はGKピサノが好セーブ。追加点を奪えないながらもリズムは確かに良くなっていました。
しかし名古屋は78分に椎橋とマテウスを下げて森島司と永井謙佑、83分に中山を下げて菊地泰智を投入すると84分、ロングボールから永井が抜け出して折り返したボールにエリア内で浅野が反応。一度はDF陣がブロックし、そのこぼれ球に詰めた菊地のシュートも宮本がスーパーブロックで弾きましたが、そのさらにこぼれ球を稲垣に詰められて同点。両チームとも交代選手が結果を残す形に。
名古屋の波状攻撃が襲いかかる!
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年5月11日
永井謙佑の素早い抜け出しから
相手のシュートブロックのこぼれに反応した#稲垣祥 のゴールで名古屋が同点に追いつく!
🏆明治安田J1第16節
🆚京都×名古屋
🆓#DAZN ライブ配信中#Jみようぜ #Jリーグ #京都名古屋 pic.twitter.com/SfK8FNlj8U
サンガも終盤には奥川が背後からのボールに抜け出した決定機を迎えますが決め切れず、逆に名古屋も永井の裏へのアクションで何度か訪れた好機を仕留め切れずに試合終了。両チームともに交代選手の躍動という手応えとドローという苦味を味わう試合結果となりました。
それこそ去年の今頃までのチームと比べて「良くなった部分」と「まだまだ課題として残る部分」は見えやすいゲームだったのかなと思います。
ある意味で今季の名古屋はサンガ以上にハイプレスとショートカウンターに傾倒したチームと言えるかもしれない……というところで、去年までのサンガなら前半からそれに付き合い、先行逃げ切りの形にしないと後半に疲弊する…という展開になりがちでしたが、今日は3バック+Wボランチの形にして後ろを固めた影響もあるんだと思いますが、名古屋の両WBがボールを持った時にはある程度割り切った対応を見せていましたし、中央の鈴木を司令塔に宮本とウィリアムも中央で弾き出すケアを優先していました。名古屋はWBがサイドでボールを持った時に和泉が外に流れてフォローに入り、彼と関係性を作ってくるサイド攻撃のアイデア…という点はサンガも存分に苦しめられましたけど、迂闊に釣られずボックス内での勝負まで焦れずに耐えた事はすごく良かったと思います。WBと和泉のところは数的不利になっても福田や須貝に頑張ってもらい、マテウスは圧倒的な選手ですけどクロスボールに合わせていくタイプのFWではないので、ターゲットがニアサイドの山岸かファーに走り込む稲垣になるのはわかりきっている。そういう相手の状況を踏まえて、プレスで釣り出されず危険になりそうなエリアに人を残すか…という点は守備ではすごくよく出来ていたんじゃないかなど。後半に関しては名古屋の交代選手が自分の特徴、投入された意味を元々ピッチにいた選手としっかり共有できていたようなプレー見せてきた事で相当苦しめられて実際にそのまま同点まで持っていかれてしまった訳ですが、元々名古屋はシチュエーションさえ用意できればいくらでもクオリティを発揮できる選手は多くいる訳で、そういうシチュエーションを無理やりにでも創り出して一発回答してきた事を讃えるしかないかなと。
それこそこれまでは90分やろうとしていたオープン上等のハイテンションなサッカーを、今季は相手の状況を伺いながら出力を調整しつつ、前節の町田戦のように後半の戦術カードとして切れるという状況になっている。チームとしてのシグネチャーモデル的な鋭角な戦い方をカードとして使えるようになった状況は今季の大きな進化と呼ぶべきポイントだったと思います。
イメージ的にはこういうの!!!!! https://t.co/VXDNefCSFd
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年5月11日
ただ攻撃に関してはこれまでのようにカウンターを見出せる場面でもないのに攻め急ぎすぎる、悪い意味で流動的すぎる部分は否めなかったです。武田と川﨑のボランチに関しては、低い位置でCBが弾いたボールを回収してコントロールする武田と武田と前線の間に入って関係性を構築しようとする川﨑…といった具合に役割分担もスムーズにできていて良かったんですが、前半はムリロを中心に前進の推進力を出していきたい…という意図は理解できたとはいえ、ムリロ、ペドロ、松田の関係性が結構ぐちゃぐちゃになっていた状況で攻め急いでしまっていました。幅を取ってスペースという訳でもなく、逆に近い距離でワンツーやワンタッチパスを駆使して翻せるような状況でもなかったのはちょっとしんどかった(少なくともムリロはサイドでスペースを与えた方がいい選手でしょうし)。なんとか川﨑がフォローに入ろうとする意識はあったんですが、名古屋も名古屋陣内ではブロックを組んで対応してきたので翻すポイントも見出せなかったなと。
とはいえ、ここに関しても光明はあって……前半の攻撃の収集のつかなさって結局は原の不在なんですよ。要は守備ではそれが鈴木の役割であるように、攻撃では原のポジションやプレーを基に他の選手が取るべきポジション、走るべきコースが順次決まっていくという流れが今のサンガなので、そこで前半のサンガは軸を失っていたんですよね。そこでポイントになったのが後半から入った長沢で、長沢は少なくとも原ほど圧倒的な存在感を発揮できる訳ではないんですけど、後方からのボールに対してニアに動くなりファーに動くなり、パスが出てくるかどうかはともかくとしてそういうアクション、動き直しを絶やす事なく起こしてくれていました。これで何が起こったかというと、長沢の動きを無視できなくなった名古屋のDFラインが若干押し下がったことでシャドーが入り込めるスペースがピッチ上に出現したんですよね。長沢がこのコースに動いたからここに入る、ここに走る…といった具合に。つまり後半は、長沢を軸にサンガの選手が自分の取るべきポジションを決めていく事が出来た。実際問題として原やエリアスの怪我がどれぐらいのものなのかがわからない中で、原とは違う形ながらも長沢が最前線の軸として機能する事を前節町田戦に続いて示してくれた事の意味は本当に大きいなと思います。
武田が試合後のコメントで語っていたように、ダイナミックさを出してくる、狙ってくるタイプの相手にリードした後の立ち振る舞い…みたいなところにはまだまだ課題を残したゲームではありましたが、全体的な手触りとしてはポジティブな勝点1だったんじゃないでしょうか。
もーえよドラゴンズー。
ではでは(´∀`)