RK-3はきだめスタジオブログ

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引っ張るほどに〜2025明治安田J1リーグ第17節 川崎フロンターレ vs セレッソ大阪 マッチレビュー&試合考察〜

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陸上見てからサッカー見つつ競馬やる

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第17節、川崎フロンターレ vs セレッソ大阪の一戦です!

 

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5月15日、Jリーグは32周年を迎えました!

これまでに紡がれた日常に感謝すると共に、これからも永く続く日々を、自分もまたファンという立場で一喜一憂の一部として生きていけたらと思います。

2023年更新のページですが、過去にJリーグの歴史やトリビア的なことをを振り返れる記事をいくつか更新しておりますので、そちらも是非に。

 

 

川崎にとっては一番しんどい時期だと思います。

サウジアラビアの地で躍進を遂げた彼らはここから、日本を離れていた期間の日程を詰め込んだ過密日程を強いられる事になります。とはいえ現在の川崎は14位ですが、3試合少ない立場で今季のリーグテーブルでは一気に上位進出さえ狙える立場でもあると。ACLの勢いを…と簡単に口走れるような日程ではないながらも、あの場所で抱いた記憶が次に繋がるような勝利を挙げられるでしょうか。

一方のセレッソは最近好調。今季は苦しい期間が続いていましたが、2点差をひっくり返した第14節京都戦からは3連勝で一気に一桁順位に上げてきました。セレッソに限らずですが、今年の中位陣にはまだチャンスの余白は残っている。軌道に乗り始めたパパス体制はその余白に4連勝で滑り込めるでしょうか。

両チームスタメンです。

 

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2-1で横浜FCに勝利した前節から中3日のゲームとなる川崎は前節からメンバーを3人変更。前節は先発を回避させたマルシーニョ、河原創、丸山祐市をそれぞれスタメンに復帰させ、山田新とエリソンを併用しているワントップは2試合続けて山田を先発にチョイスしています。

対するセレッソは1-0で勝利した前節横浜FM戦からのスタメン変更はなく、ベンチメンバーも前節はベンチを外れていた中島元彦が復帰したのみの変更。3連勝の始まりとなった第14節京都戦から採用している3バックを今日も継続しています。川崎のレジェンドである登里享平もベンチ入りです。

 

 

 

本日の会場は神奈川県川崎市、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuです。

今日の試合は「Are You LADY?」と称したレディースデーとして開催。場内ではネイルやヘアアレンジの体験ブースが設けられ、そして元V6メンバーのイノッチこと井ノ原快彦氏が来場。始球式及び中村憲剛FROとのトークショーに参加します。また、今節から家長昭博シートの招待企画も実施されるとの事。

Jリーグ開幕時から歴史を刻み続けているスタジアムですが、フロンターレが誕生する以前はヴェルディ川崎(東京ヴェルディ)のホームスタジアムとして使用されており、ニッパツ三ツ沢球技場のように使用チームが増えた会場はありますが、本拠地クラブがまるっと変わったスタジアムとしては等々力が唯一です。

 

 

 

 

立ち上がりはお互いに静かな展開にはなりながらも、少しずつセレッソの方がWBがワイドな位置を取りつつ、ポケットのスペースに入ったシャドーの動きからWBとの連携でサイドを打開していく場面が見えてくるようになりました。11分には左サイドに流れたハットンとのワンツーに抜け出した高橋の折り返しに上門が反応しますがゴールならず。22分にはルーカス・フェルナンデスのFKからファーサイドに飛び込んだ畠中槙之輔からあわや決定機もオフサイド。更に25分にはハットンが自らエリア外からペナルティーエリアの右側へ突破を試みてマイナスに折り返しルーカスが走り込む決定機を迎えますが、ルーカスのシュートは丸山祐市が間一髪でシュートブロックで阻止します。

川崎は右サイドの家長は比較的自由なポジショニングで数的優位を作れるような顔の出し方をしながら、左サイドはマルシーニョがスピードを活かしたシンプルな突破を試みる定着しつつある流れを今日も実践しますが、川崎もボールを持つのは上手いチームなので下手は打たないとはいえ、マルシーニョのスピードが止められた後はなかなか打開するポイントを見つける事ができず、逆にセレッソがプレスで上手く追い込みながら押し込まれるような展開を回避していました。

 

 

 

とはいえ川崎も29分にはマルシーニョのパスを受けた山田新がチャンスを迎え、39分にも山本悠樹のパスを受けた山田がまたしても決定機。いずれも決まりませんでしたが、川崎もセレッソ陣内でなかなかポイントを作れない時間に焦れずにボールを動かし続けるとじわじわとチャンスを創出できるようになっていきました。

43分には山本のCKから再び山田のヘッド。この場面はGK福井光輝の好セーブに阻まれて前半終了。前半の前半はセレッソペース、前半の後半は川崎ペースみたいな流れで後半へ。

 

 

 

後半立ち上がりも前半同様にセレッソが押し込む時間が続きましたが、後半最初の決定機は川崎でした。51分、敵陣でボールを受けた丸山が左サイドに展開すると左サイドを抜け出した佐々木旭のクロスに脇坂がヘッド。更に54分にはまたしても山本のスルーパスに山田が反応してGKと1対1の決定機を迎えましたが、この2つの場面はGK福井がビッグセーブ。更に後者はこぼれ球にマルシーニョが反応しますが、今度は山田に付いていた畠中がスーパーブロック。

 

 

 

セレッソは57分に喜田と上門を下げて中島元彦と海外移籍が報道された北野颯太を投入。川崎も61分に家長とマルシーニョを下げて伊藤達哉大関友翔、66分に山田を下げてエリソンを送り込みます。

後半はある意味で前半とは逆の展開にもなっており、全体的にセレッソボールの時間の方が長いながらも、よりチャンスに繋げる…という意味では山本から山田へのパスルートが決まりまくるに連れて両サイドのスペースも生じる状況を作り出した川崎の方が分がある展開になっていきました。

一方のセレッソも北野らを投入してからはハットンが巧みなポジショニングで空けたスペースを北野やルーカスが度々狙う形でポケットを攻略。そこから可能性のある折り返しを入れるようなシーンが相次ぐなど決定的の一歩手前まではもっていきますが、そういう好機をシュートまで繋げられません。76分には中島のパスを受けた奥田のクロスに上がってきた進藤が頭で合わせますが枠を捉えられず。

 

 

 

終盤に入ると川崎は河原と脇坂を下げて橘田健斗と瀬川祐輔、セレッソもハットンと奥田を下げてチアゴアンドラーデと阪田澪哉を送り込み、両チームとも背後への意識を強めたメンバーで終盤に挑みます。

そして遂に均衡が敗れたのは85分でした。右サイドからの川崎の攻撃は一度はセレッソに阻まれるも、セレッソもそこからマイボールにしきれずに大関がカット。大関のパスを受けた瀬川が更に狭いスペースにパスを通すと、抜け出したエリソンが冷静に決め切って遂に川崎先制!取れそうで取れない…お互いにそのもどかしさが続いたゲームは途中出場の選手が得点プレーに絡んだ川崎がもぎ取ります!

 

 

更にその直後、自陣からのロングボールが不規則なバウンドになり、セレッソ守備陣も対応に手間取っているところを突っ込んで制したエリソンが馬力でゴールをもぎ取るようにして追加点!まはしくエリソンの連続ゴールとも言える形でスコアは一気に2-0へ。

 

 

セレッソアディショナルタイムにルーカスが放ったクロス性のシュートが僅かに枠を捉え切れず。

試合は2-0で終了。川崎は2連勝となり一気に6位までジャンプアップ。セレッソの連勝は3でストップとなりました。

 

 

 

面白い試合でしたね。前半は川崎がボールを動かして押し込みながらもセレッソの方が背後に抜けたチャンスは多かったのが、後半はまるっきり逆になった。川崎にせよセレッソにせよ、どちらが勝利する結末になっても納得感のあるゲームだったんじゃないかと思います。

両チームに共に、それぞれの得意なパターンをしっかりと出す事が出来ていたのは大きなポイントでした。川崎は中盤…山本・河原・脇坂の中盤3枚でボールを動かして攻撃の起点をベースとして作りながら、横に動く右の家長と縦に動く左のマルシーニョで左右非対称的に打開を図ろうとしていた中で、セレッソも奥田のところでマルシーニョにスピードを出させない対応は出来ていましたが、川崎はポゼッションのベースはしっかり作っている事もあって右のインサイドにポイントを生み出していけるような流れを作っていった。そこで家長が中に入れば山田が外に流れたり、山本が瞬間を狙ってスルーパスを出すような流れを焦れずに作れていたのは流石と呼ぶべきところでしょう。

一方のセレッソもボール保持の局面ではWBが幅を取りつつ、空いたポケットのスペースにシャドーがアクションを起こすという流れは3バックに変更してからスムーズに構築できるようになっていましたし、今日もそれが発揮出来ていました。ハットンが上手くファーに流れるなりニアに釣り出すなりでポジションを取りながら、そこにルーカスや上門がしっかりと呼応していき、エリア内にも2人は入れる状況を作る。チームとしても守備時は一度5バックで土台を作りながら、香川をコントロールタワーで残して残りのセンターの選手で追い込みながら川崎にビルドアップの後退を余儀なくさせるようなチームとしてのプレッシングを遂行できていましたし、その点では川崎もセレッソもチームとして構築したもの、この試合に用意してきたものの両方を出していたと思います。

 

 

 

ただ……最終的に勝負を分けた点で言えば、川崎はセレッソと比べてパターンBの攻め方を持っていたという事になるでしょうか。

セレッソも北野投入で再び攻撃が活性化されたように、選手を替えても戦術を継続する事は出来ていましたが、逆に言えば狙いは最初から最後まで同じだったので、終盤にポケット攻略は出来てもシュートまで行けなかったのは川崎守備陣が割り切るようになった、もうポケットは取らせていいから中は固めるような形に振り切った部分は大きかった。逆にセレッソは川崎の攻撃に対してはマルシーニョのケアをしつつ、山田が背後に抜け出すタイミングを警戒しながらチーム全体でのプレッシングで牽制していくやり方を機能させていたところ、途中からエリソンを投入した川崎は山田のように背後へのアクションというより、わかりやすい最前線として守備陣を押し下げるような動きをしてきて、中盤に生まれたギャップを伊藤・大関・瀬川らが使うような形に変えてきた。要は前半はボランチ→2列目→FWという流れだった攻撃の順番をボランチ→FW→2列目に変えてきたみたいな感じで、攻撃のパターンをガッと入れ替えてきたんですね。

あれをやられると受ける側は相当しんどいんですよ。セレッソからすればこれまで組んできた陣形の組み直しを迫られる格好になった訳ですから。そして当然、それを仕掛ける方も難しいですし、それはチームとしての共通認識とそれに足る技量がないと成立しない。試合展開は異なりますが川崎はアル・ナスル戦もその2パターンを上手く使い分けたゲームだった訳で、拮抗していた試合だったからこそパターンBを持っていた、パターンBを使える状況に仕上げていた、そしてパターンBを良いタイミングで切れた川崎が最後の最後で上回れたゲームだったのかなと。そういう印象ですね。

 

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第17節

FC町田ゼルビア3-0柏レイソル

横浜F・マリノス0-3京都サンガFC

ヴィッセル神戸3-2ガンバ大阪

サンフレッチェ広島2-1東京ヴェルディ

アビスパ福岡1-1名古屋グランパス

鹿島アントラーズ1-0清水エスパルス

湘南ベルマーレ0-1横浜FC

浦和レッズ3-2FC東京

川崎フロンターレ2-0セレッソ大阪

ファジアーノ岡山2-1アルビレックス新潟

 

 

1位 鹿島アントラーズ(37)

2位 柏レイソル(33)

3位 京都サンガFC(31)※1

4位 浦和レッズ(29)

5位 サンフレッチェ広島(29)※2

6位 川崎フロンターレ(24)※3

7位 FC町田ゼルビア(24)

8位 ヴィッセル神戸(24)※3

9位 ガンバ大阪(23)

10位 清水エスパルス(22)

11位 セレッソ大阪(22)

12位 ファジアーノ岡山(22)

13位 アビスパ福岡(22)

14位 湘南ベルマーレ(21)

15位 東京ヴェルディ(20)

16位 FC東京(19)※2

17位 横浜FC(18)

18位 名古屋グランパス(17)

19位 アルビレックス新潟(13)※2

20位 横浜F・マリノス(8)※3

 

※1 1試合消化試合数が多い

※2 1試合未消化

※3 2試合未消化

 

首位鹿島は開始早々の鈴木優磨のゴールを守り切って清水に完封勝利。上位戦線は3位京都が横浜FMに完勝、4位浦和と5位広島がそれぞれホームで劇的逆転勝利を達成した一方、4連勝かつ11試合無敗だった柏は前半に3失点を喫して町田に敗れています。前節終了時点で6〜8位だったG大阪・清水・C大阪はいずれも敵地で敗れた為、5位広島と6位川崎の間の勝点差が少し開く形になり、同時に6位川崎から14位湘南までが勝点差3の中にひしめきあっています。

下位では湘南を敵地で下した横浜FCが、同じく敵地で福岡を相手にアディショナルタイムの失点で追いつかれた名古屋と入れ替わる形で降格圏脱出。一方、岡山に敗れた19位新潟は残留圏の17位横浜FCとの勝点差が5にまで開き、京都に0-3で敗れた横浜FMはこれで6連敗、11戦未勝利となりました。

 

 

ヴィクトリアマイル勝利

ではでは(´∀`)