G・BLUE〜ブログとは名ばかりのものではありますが...ブログ。〜

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最近スペイン紙が取り上げてた日韓ワールドカップのスペインvs韓国戦とはなんぞや?…と、2002年日韓W杯でやたら誤審が目立った理由。

万博アリーナ完成したらガンバ観戦→GLAYみたいなドリームコース出来る可能性あるよね…!?

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日は「アノ話題」についてです。

 

 

スマホはてなブログを見ると、ページの下らへんに「注目記事」というエリアが設けられています(読み終わった時に確認してみてね)。基準まではハッキリとはわかりませんが、ざっくり言うと「今現在このブログの中で多くの人に読まれている記事」がベスト5のランキング形式で載せられているのです。

基本的にこのトップ5に入ってくる記事は「その日更新した記事」「1週間以内に更新した記事」「自分がTwitterで宣伝をかけた記事」「割と長い間トップ5付近に居続けている記事」の4パターンに絞られてくるのですが……別に継続的な人気記事になっている訳でもないのに、ここ1週間の間、2019年5月に更新した記事がずっとトップ5に入ってくるのです。

その記事がこちら。

 

 

物議を醸した2002 FIFAワールドカップ日韓大会のベスト16、韓国vsイタリアの試合に於いて主審を務めたバイロン・モレノ氏が、母国エクアドルのTV番組でインタビューに応じ、その内容が話題になった事で書いたブログです。

この記事が突如として注目記事ゾーンに急に上がってきたのはこれまでに複数回ありました。その理由はどちらも共通、どこかのサッカーメディアが「日韓W杯の韓国vsイタリアorスペイン戦を取り上げた時」なんです。先日、スペイン紙のムンド・デポルティーボが日韓W杯ベスト8のスペインvs韓国の試合を「2002年の日韓W杯でスペインが強盗の被害」と見出しを打って振り返る記事を出し、同時にその記事が各国の言語に翻訳されて拡がりました。

 

 

「日韓W杯にまつわる韓国代表の躍進と疑惑」については未だに多くの場面で議論されていて、日本のネットなど流れている噂の中にはデマやソースが不明瞭なものも確かに混ざってはいますが、例えばロシアW杯直前にFIFAの公式Instagramがイタリア戦でのアン・ジョンファンの決勝ゴールを取り上げた際にはコメント欄が結構な炎上状態になった…なんてエピソードは大会後の反応を表すエピソードの氷山の一角。この件は世界がサッカー界に及ぼした影響は相当大きかったと言えるでしょう。

 

同大会で韓国と直接戦い、敗れる結果になったポルトガル、イタリア、スペインでは定期的にこの事を振り返る記事や当時の選手に対してのインタビューが上がり、そしてそれは瞬く間に各国の言葉に翻訳されてレポートやコメントが世界に一気に拡がるくらいには一連の疑惑は今なおサッカー界の中でニュースバリューの高い案件として扱われています。

…で、以前はイタリア戦にフォーカスを当てたので、今回はスペイン戦にフォーカスを当ててみます。

 

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まず前提として、個人的にイタリア戦に関しては(イタリアにとって困難という言葉では収まりきらないレベルの逆境に立たされていたとはいえ)イタリアにも敗戦の落ち度が無い訳では無かったと思っています。あの逆風の中でも2〜3度訪れた超が付くほどの決定機をイタリアは逃しているのは事実で、そもそもイタリアのケチの突き始めはグループステージでクロアチアに不覚をとってグループ2位通過となってしまうなどイタリア自体が豪華なタレントの割には低空飛行だった側面もあったのです。上にリンクを貼ったブログでも述べましたが、この疑惑の代表格は韓国vsイタリア戦として語られるケースが多いけれど本当に一番気の毒というか、一番理不尽に敗退に追い込まれたのはスペインだったと思っています。

 

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2002年のスペイン代表はドリブラーの能力を活かしたサイドアタック全盛期みたいな時期。スペイン戦に出場していない選手も含めれば、当時の主力はラウール・ゴンザレス、フェルナンド・モリエンテスルイス・エンリケフェルナンド・イエロなど。若き日のイケル・カシージャス、カルロス・プジョル、シャビ・エルナンデスもいましたね。スロベニアパラグアイ南アフリカと同居したグループBを全勝かつ全試合で3得点を奪ってグループ1位で突破を決めてベスト16ではPK戦の末にアイルランドを下し、光州ワールドカップスタジアムで行われる韓国とのベスト8に駒を進めました。

エジプト人のガマル・ガンドゥール主審が笛を吹いた試合では、スペインが終始試合を押し気味に進めます。しかし試合はイタリア戦と同じような「不公平な基準」を孕んだまま進み、それでも53分にはスペインがようやく獲得したフリーキックからルーベン・バラハが合わせてゴールネットを揺らしました。しかし…これはファウルの判定によってゴールが取り消しに。それもファウルとした理由が今現在もハッキリしていないほど不可解な判定とされていました。

試合は0-0で延長戦に突入し、延長開始早々に決定的なシーンを迎えます。右サイドを抉ったホアキン・サンチェスのクロスにモリエンテスがヘディングシュートを決めたのですが、これがホアキンのクロスの時点でゴールラインを割っていたとしてノーゴール判定。しかし、リプレー映像を見ると全くゴールラインを割っておらず、前述のムンド・デポルティーボはこれを「W杯史上最悪の判定」と表現しており、結局全体的に不利なジャッジをされた上に正当なゴールを2度も取り消されたスペインはPK戦で敗れ、大会を去る事になってしまいました。

 

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試合後にはMFイヴァン・エルゲラが審判に対して突撃しに行き「この後10年間出場停止にされても構わない。ただあいつを殴らせてくれ」と言ったとされるエピソードが有名ですが、イタリア同様、今回の記事のように15年以上の月日が経った今尚、当時の選手などからコメントが発せられたりメディアが未だに検証したりしています。

実際問題、この試合のスペインは殆どの時間で試合をコントロールしていたし、チャンスを活かせなかったから…って言ったとしても、本来正当なゴールは2点獲得した数少ない韓国のチャンスもきっちり抑えた訳です。「…じゃあどうやったら勝てんのよ?」となりますよ、そりゃ。あの件以降、セリエAに韓国人選手が殆ど行かなくなったイタリアほど関係が悪化している訳ではありませんが、あのワールドカップで最も悲惨な仕打ちを受けたのはやっぱりスペインだったんじゃないかと思います。イタリアは勿論ポルトガルのみならず、ドイツも少し違った意味での理不尽な仕打ちを受けましたが…。

 

「実際に買収したのか?」という点については、上に貼った昨年のブログで書いたので其方を見てほしいのですが、その際には余り触れていなかった部分を補足すると……韓国の買収説の根拠の一つとして言われているのが、ワールドカップに於ける審判の割り当ての慣例です。

 

明確なルールとして定義されている訳ではありませんが、原則として「ワールドカップの審判は中立な大陸出身の審判を選ぶ」という慣例になっています。例えば、日韓W杯の日本vsベルギーの試合ではコスタリカのウィリアム・マトゥス氏が主審を務めました。これは日本はアジアでベルギーはヨーロッパのチームですから、審判はアジアとヨーロッパ以外の国から選ぶ…という慣例です。同じアジアvsヨーロッパの構図となった韓国vsイタリアのモレノ氏は南米のエクアドル人、韓国vsスペインのガンドゥール氏はアフリカのエジプト人ですね。

やはり、給与などの待遇や経済的な面でヨーロッパとその他には大きな開きがあります。選手ですら給与未払いが問題になるくらいですから、主審を含めたスタッフになればそれは尚更でしょう。リーグがしっかり運営していたりUEFA主催大会などできっちりと収入を得られる可能性のあるヨーロッパや先進国出身のレフェリーと比較すると………ここからは深くは語りませんが、買収し易い土壌は確かに存在していたのです。

FIFAも審判買収は否定しつつも何らかの自覚はあったのでしょう。準決勝は2試合とも「ヨーロッパvs非ヨーロッパ」の構図になりましたが、慣例を覆してどちらもヨーロッパ出身のレフェリーで固める措置を取った他、当時のゼップ・ブラッター会長が大会中に異例の声明を出すほどの事態にまで至っていました。2002年の韓国代表はフース・ヒディンク監督の下でよく組織された良いチームだと思いますが…これに関してはクロでしょうな……。上に貼ったブログでも書きましたが、VAR賛成派の脳裏には日韓W杯のホアキンのクロスの場面が頭に浮かんでる人は多いんじゃないかと。

 

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余談ですが、2002年大会は韓国絡み以外にも誤審が目立ったと言われています。日本絡みではベルギー戦で86分の稲本潤一のゴールが取り消された判定だったり、逆にチュニジア戦では戸田和幸のPK臭いタックルが見逃されたり。ただ、この辺は各大会起こりうる範囲のレベルの誤審でしょう。

というのも、1994年のアメリカW杯以降、ワールドカップの商業的価値は異常なまでに高まった事や放送技術の向上もあって、この辺りの大会からは中継カメラの数が劇的に増加した影響で観ている側にとって死角が激減する事にも繋がりました。韓国の件はちょっと別枠なので一緒にはしたくないですが、日韓W杯でやたらと誤審が多く指摘されたのにはそういう理由があります。要するに、これまでは見逃されていたような場面が捉えられるようになった…と。これは近年導入されたGLT(ゴールラインテクノロジー)やVAR(ビデオアシスタントレフェリー)にも通ずる話ですね。この大会で話題になった誤審の例を挙げると、カシマで行われたイタリアvsクロアチア戦のクリスティアン・ヴィエリフィリッポ・インザーギのゴール、神戸で行われたブラジルvsベルギーのマルク・ヴィルモッツが取り消されたシーンでしょうか。

探せば色々と動画はありますが、個人的にヴィエリのゴールが取り消されたシーンでヴィエリのリアクションに合わせて実況が「俺か!?俺なのか!?」と急にアテレコし始めたシーンちょっとツボ。

 

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…というか、全体的にイタリアフルボッコにされてんな…。

ではでは(´∀`)