どうした!?バルサ(どうした品川のリズムで)〜ちょっとFCバルセロナについて語ろうの柳沢玉田巻〜第2回 偽レアル化の末路

近所のカフェでブログ書くとなると知り合いに出会さない事を祈りながら文字を打つ

 

どーもこんばんは

 

さてさて、イヤホンの接続が悪くなっている今日この頃(スーパー個人的事情)イングランドではコミュニティー・シールドも行われて、リバプールアーセナルに負けましたけど南野拓実がゴールを決めた事も話題になりましたね。19-20シーズン閉幕からまだ間もないのに、もう20-21シーズンは始まろうとしています。というか国によっては始まっています。

 

で、今回はですねぇ……FCバルセロナについて、第2回ですぇ。

 

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前回はカンテラの形骸化について書きました。

 

 

今回は最近のバルサの経営的な意味での傾向について書いていきます。

 

 

 

まず、そもそもバルサの経営形態は他のビッグクラブのみならず、他のプロチームと比べても特異的な体質になっています。

こちらの写真をご覧下さい↓

 

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05-06、14年前のバルサユニですね。チャンピオンズリーグ優勝した年です。ロナウジーニョ全盛期。懐かしい……。

 

…ご覧頂きましても分かる通り、この時のバルサには胸スポンサーがついていません。

何も某サガン鳥栖のように胸スポンサーがどこか行った訳ではありません。

 

 

バルサは長年、商業主義を排除する事をクラブの伝統としてきました。2006〜2011年まで胸ロゴを掲出したユニセフは別カウントとするならば、バルサは2011年にカタール財団と契約するまでいわゆる「スポンサー契約」をした事が無かったんです。ですので、バルサは歴史の深いクラブではありますが「楽天」はスポンサーとしては3代目であり、完全な民間企業としては初めてのスポンサーになる訳です。

 

じゃあこれまでのバルサはどういう仕組みで運営していたのか?

バルサには「ソシオ」という組織があります。ざっくり言うとこれは「ヘビーなファンクラブ」とも言えるようなもので、一般感覚のファンクラブよりも高い金額が会費となっており、その会費でもってクラブを運営する…要するにスポンサーなどのビジネスに頼るのでは無く、バルサファンによる「クラブ愛」的なものによってクラブを運営していく…という伝統です。言ってしまえばクラウドファンディングに近い部分もありますね。ただ、近年のサッカービジネスのグローバル化や拡大傾向の影響もあってそれだけでは立ち回れなくなり、バルサもソシオ制度を維持しつつスポンサーを導入するようになったのが2011年の事でした。

 

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バルサの問題を語るにはまずこの大前提を理解しておく必要があります。一般的にバルサは「メガクラブ」の一つに数えられますが、そのいずれとも明らかにクラブ体系が違う……という事を頭に入れておく必要があるのです。

 

 

 

21世紀のサッカー界は一気にグローバル化が進み、同時に発展というよりも急激に巨大化していきました。その最たる例がチェルシーでありマンチェスター・シティであり、或いはパリ・サンジェルマンな訳ですが、この辺のクラブが目立ち過ぎているだけで特にプレミアリーグは程度の差はあってもほとんどのチームがこの線の上に位置しています。そして、商業的な意味での象徴として常にサッカー界に君臨してきたのがバルサの永遠のライバルであるレアル・マドリードなのです。

それに対してバルサは前述のソシオの存在やイズム、基本的にはカンテラを重要視していくクラブ方針が重なり、勿論高額な移籍金が発生する選手補強も行ってはいましたが、本来のバルサの立場としてはこの流れには逆らうポジションに位置するのがFCバルセロナの経営体制なのです。一見、例えばオーナーや会長が辣腕を振るうタイプのクラブと比べて民主的に見えなくも無いですが、実情としてはソシオとクラブ内部はある意味で一つの国の政治体系のようなもので、派閥争いなどのややこしい問題が色々絡むことで「スポンサーより競技面!」的な事を言う割には競技面そっちのけで内部問題が発生したりしちゃうんですね。

 

今一番バルサの内部事情で話題になっているのはジョゼップ・マリア・バルトメウ会長を筆頭としたゴタゴタですが、その辺りの事情にはあまり詳しくないのでそれはもっと詳しい方に任せるとして……。ここでは近年のバルサに漂い続ける不穏の正体を考えてみようと思います。

 

 

 

サッカービジネスが巨大化していく中で移籍金は一気に高騰化していき、バルサもこれまでの経営体制では限界が見えてきました。その結果が2011年のカタール財団のスポンサー契約によるスポンサー収入の確保=これまでの経営体制からの脱却だったのです。古来のバルサファンにはこの時点で否定的な意見も多いのですが、時代の流れ的にこれは仕方ないというか、遅かれ早かれバルサがビッグクラブで在りたいならそうするしか無かっただろうなと。2011年の時点でバルサも結構財政がヤバくなってたと言いますし、ここで変な意地を張ろうものならカテゴリーはアスレティック・ビルバオ辺りと同じになったでしょうしね。それは仕方ないんです。ビッグクラブとしての競争力を保つ為には。ただ、バルサの問題はその方向転換すら中途半端であるという部分なんです。

 

これまでのバルサは良くも悪くも「結果<内容」みたいな側面がありました。この内容面というのはサッカーが魅力的である事は勿論、カンテラで育った生え抜きの選手が多く活躍している事、そしてソシオ制度により、ファン自身がクラブを動かしているというファン目線での感覚も含めた総合的な意味での満足度です。実際、バルサの歴史を見ると結果と内容の両輪が揃っていた時期というのはそこまで多くありません。サッカーが近代化して以降、グアルディオラ体制以前で言えばヨハン・クライフが監督を務めていた時期とロナウジーニョ王朝くらいなものでしょうか。極端な話、少々成績が悪かったとしても後者が足りていればファンはある程度満足してくれていた、逆にクライフの後任にも関わらず「戦術はロナウドだ!」と言い切ってしまったボビー・ロブソンやオランダ人贔屓と言われたルイス・ファン・ハール辺りは結果を出してもすこぶる評判が悪かったりする…という土壌があったのです(ファン・ハールに関してはそれだけが理由でも無いけど)

これはファビオ・カペッロみたいに極端な守備偏重な監督やペレス会長による介入を除けば、一応スペクタクル性は求めつつも基本的には監督に結果を出せる戦術を委ねていたレアルとの違いの一つで、バルサ側にとっては一つのアイデンティティでもありました。

 

しかし、グアルディオラ体制でその両輪をフルに活かすサッカーを実現させてしまった時期と時を同じくして商業主義の波に乗ったバルサはもはや「内容で誤魔化す」「カンテラ組の重宝で誤魔化す」事が出来なくなってきました。そうすると今度はバルサ「満足度を結果で誤魔化す」方向に舵を切るようになり、ヘラルド・マルティーノ監督の下で無冠に終わった13-14シーズン終了後、ルイス・エンリケ監督を就任させたバルサが引っ張ってきたのがルイス・スアレスであり、イヴァン・ラキティッチだったのです。

スアレスの得意とするスタイルはこれまでのバルサのようなティキ・タカではなく、よりFWのスピードと推進力が活きる個を活かした縦に速いサッカーだったのは火を見るより明らか。ラキティッチにしても、彼はシャビ・エルナンデスのポジションに入る事になった訳ですが、タイプとしてはシャビのようにレジスタ系の司令塔というよりは、むしろアンドレス・イニエスタの方に近い自らも動きながらチャンスを作っていくワーキング系のMFです。前年に獲得したネイマールを含む選手のスカッドを見た時、エンリケ監督が「これ、絶対ティキ・タカより簡単なサッカーやった方が勝てるじゃん…」という結論に至るまで大した時間はかからなかった事でしょう。結局、MSNと呼ばれたメッシ、スアレスネイマールの3トップが爆発的な力を見せて三冠を達成したこのシーズンは大成功だったのは当然として、今のバルサの混迷の引き金になったのも事実です。

 

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前回のカンテラの話とも繋がってくるのですが、バルサが商業路線に大きく舵を切った2010年代前半、そして14-15シーズンが如何にバルサのその後を決定付けたかと言えば、単純に言えばバルサ「個と金で相手を殴る事を覚えた」のです。それ以降、これまでは「足りないポジションに即戦力を、少し足りないポジションはカンテラ出身の有望株を、或いは若手ホープを」というスタンスだったバルサはいつの間にかとりあえず補強!補強!補強!みたいな感じの路線に進んでいきます。

何も懐古主義に走ろうという訳では無いし、補強そのものを間違いと言うつもりもありません。ただ、以前のバルサであれば最初からそこまでスタメンで使う気も無いのにパウリーニョアルトゥーロ・ビダルを補強したとは思えない……以前ならそこは辛抱強くカンテラ育ちの選手を使う方向でやりくりしていたはずなので、例えるなら今のバルサは汚れを落とすのならまだしも、濡れた服を乾かす時だけでもクリーニング屋に金を払うようになったような感じで、少しの綻びでも外部に金を使って引っ張ってくるやり方をするようになったのです。

 

この辺りの事は久保建英バルサではなくレアルを選んだ時に更新したブログでも似たような事を書きました。

 

ただ、別にむしろ「結果>内容」になるのはプロクラブとして当然とも言えますし、別にカンテラを軽視しようが商業主義に走ろうがそれ自体に正解や不正解は無く、その判断そのものにケチをつけるのはお門違いです。

ただ、前回書いたカンテラの件でのねじれ構造しかり、バルサにケチをつけたくなるのは、どっちに転ぶにしても今のバルサは中途半端過ぎる部分。これからは割り切ったサッカーも視野に入れてやるならカンテラに徹底したティキ・タカを植え付けるのは明らかにマイナスだし、他所の金満チームのようにサッカービジネスを極めていくなら組織もそれ相応の形にしていかなければならない。もしくはそれが嫌なら、それこそビルバオのように地道な活動にシフトしたらいい訳です。今のバルサは全ての良いところを望もうとした無理矢理過ぎる中途半端な体制になっていて、言ってしまえば中途半端にレアルを目指そうとした末路みたいな状態が今なんです。

 

全てにおいて、それに適した組織になってないから色んなところで不都合が起きるし、ウスマン・デンベレフィリペ・コウチーニョの獲得交渉では一方的にぼったくられるし、人件費の割合ワケわかんない事になるし、セルジ・ロベルト以降カンテラ出身の主力も出てこなければ挙げ句の果てに「今や育成レアルの方が優秀じゃね?」とすら言われる訳ですよ。

今のバルサの状態はもはや「偽レアル」。これまでは個の力とこれまでの貯金でなんだかんだリーガ2連覇を果たせたし、第2戦で大逆転負けしたといっても近年リバプールをボコボコに出来た数少ないチームでもあった。でも今年は遂に結果で誤魔化す事に限界が来てしまった……メッシの退団云々も含め、今季のバルサがどうなるかはバルサ、リーガ、そして世界のサッカーの勢力図にとっても最重要事項の一つなのかもしれません。

 

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……ペップ時代ほんとに好きだった…。

ではでは(´∀`)