松波正信監督体制継続に見る、ガンバ大阪の著しい監督交代ノウハウの欠如

ゆっくり阪神戦見ようと思ったらえらいニュースぶっこんできおって。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、世間が日本代表vsU-24日本代表の開催に沸いている中、ガンバ大阪方面からも一つ大きなニュースが。

 

 

 

松波正信暫定監督、続投。

 

 

 

 

 

5月13日に宮本恒靖監督を解任したガンバ大阪松波正信強化部長が監督に就任。ただし、あくまで松波監督の就任は暫定監督であり、あくまで「新監督が就任するまでの繋ぎ」である事を小野忠史社長は明言していて、6月25日から始まるACLには新監督で挑みたい旨を宮本監督解任の際の記者会見でも述べていました。

その後、メディアでは柏、横浜FCの監督を務めた下平隆宏氏、浦和の監督を務めた大槻毅氏の名前が上がったりもしましたが、先週辺りから新監督は鹿島の監督を務めた大岩剛氏に一本化されたとの報道が多くを占めるようになり、5月31日には日刊スポーツより「交渉大詰め」との報道も。しかし同日にのスポーツニッポンでは「交渉決裂」となっており、そして6月1日には報知スポーツとデイリースポーツが「大岩監督と合意に至らなかった事」と「松波体制の継続」が報じられ、18:00にガンバ大阪より松波体制継続が正式発表されました。これ伴い、暫定監督と兼任していた強化アカデミー部は和田昌裕取締役が統括する形で部長を務めるとの事。

 

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大前提に。大前提に言うと、これは噂ではなく決定事項なので、当然ながら松波体制での好成績やタイトル獲得を期待して応援していく所存です。

 

 

そもそも松波正信という人物自体、ガンバにとっては宮本恒靖とはまた少し違う角度でのレジェンドな訳で、もし仮に松波監督がリーグで巻き返したりACL天皇杯なんか獲って、2012年の降格の汚名返上を果たせるのであれば、それはそれでガンバファンとしては喜ばしい事でもありますし。

 

監督が誰であれど結局はガンバが好きな訳で、ガンバの勝利を願ってスタジアムなりDAZNなり、或いはスポナビの速報画面を映すスマホを握りしめる事は変わらない…それは変わらないんです。ガンバやJリーグという概念そのものが消え去るまで変わりません。たとえ何らかの気狂いが生じてセホーンが再臨しようが変わらないのです。

 

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それは大前提としても、言いたいことは色々あるわけですよ。

上にリンクを貼ったガンバ大阪の公式リリースで、小野社長が松波体制継続の理由として挙げたのは以下の4点。

 

 

・現時点において、条件面含めガンバ大阪が求める監督がマッチしなかったこと
・今シーズン過密日程の中、外部からの監督招聘による新体制でのチームづくりに時間的余裕がないこと
・松波監督体制におけるチームの団結力が日々向上していること
・松波監督体制において、チャレンジングな試合内容へと変化しつつあること

 

 

時間的余裕の件に関しては、おそらくガンバとしては「湘南戦(6月2日)から天皇杯(6月16日)までに松波監督から指揮権を移行出来る事」を前提に人選を進めていたのでしょう。結果的に大岩氏との交渉が決裂したので、もう天皇杯が終わればウズベキスタンに旅立つ訳ですし、帰国後は3月の活動停止で延期になった試合の過密日程が待ち受けているので指揮権を移行する時間が無くなる…と。それを理由にするならそもそもツネ様の解任浦和戦後でも良かったんじゃないの?とは思いますけど、どこかにタイムリミットを設ける必要があった事はまだ理解出来ます。

 

文句を言いたい気持ちがあるのは、松波体制継続よりも、もっとそもそも論的なところなんですよね。

 

 

その為にはガンバのこれまでの監督事情をおさらいしておく必要があります。

2021年でクラブ創立30周年を迎えたガンバで監督を務めた人物は暫定監督を含めて総勢13名。ですが、ガンバの場合特筆すべきというか…特殊なのは、期間を20シーズンに絞ると、ここ20年で監督を務めた人物は一気に6人まで減るんですね。10年で7人だったのに、20年で6人っていう。

 

 

その理由は明白で、2002年から2011年の10シーズンに及ぶ西野朗監督の長期政権があった事、そして2013年から発足した長谷川健太監督体制も5シーズン続き、一般的にいう長期政権を樹立した事です。たった2人の監督が30年のうちの15年を占めているのです。

まぁ、長期政権というのはその監督で上手くいっている証拠な訳で、西野体制も長谷川体制も好成績を残していたからこその長期政権だった。長期政権自体はチームにとって良い事であり、少なくとも悪い事ではないのは確かです。

 

 

一方で、長期政権は「監督を変える必要が無い」のと同時に「監督を選ぶ必要がない」という意味を持っている訳で、必然的にクラブに監督を選ぶ事、監督を招聘する事、或いは監督を切るタイミングのノウハウが失われていくのも事実な訳です。

その象徴的な出来事が、西野監督が退任した2012年開幕前の呂比須ワグナーライセンス問題とその代わりを呂比須氏のツテで探すしか無かったセホーン監督就任の流れでした。結局、残り31試合という段階で当時はコーチだった松波監督をスクランブル昇格させる羽目になって、監督未経験だった松波監督には酷すぎるミッションとなった結果、最終的には降格の憂き目を見ました。

長谷川監督が退任した2018年にはレヴィー・クルピ監督が就任。あの時のガンバは世代交代と攻撃サッカーへの回帰を目論んでいたので、そのテーマを踏まえて考えればクルピという人選がそこまでズレている訳ではありません。ただ、その問いの答えをクルピにしか見出せられなかった事、そして本来ならばクルピで世代交代を進めた上で就任させたかった宮本恒靖をまたしてもスクランブル登板させるしかなかった事、それがガンバが監督交代に如何に慣れていないか、如何に監督交代の術を知らないかの表れでした。

 

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規模や立場などの前提条件が違いすぎるので、比較対象として無理がある事を承知で言うと、イングランドチェルシーなんかは監督解任にめちゃくちゃ慣れてしまったクラブな訳です。解任が多いのは決して良い事とは言えないので、慣れてる事が良い事とは言いません。長期政権を築ける状態がベストなのは変わりませんから。ただ、チェルシーはその分、解任するだけじゃなくて新監督の選定・招聘に於けるプロセスのノウハウも抜群に有していましたし、後任を確保してから解任するという事も出来ている訳です。じゃなきゃフランク・ランパードを解任した次の日にトーマス・トゥヘルの監督就任を発表する事なんて出来ない訳で。その他で言えば、例えば鹿島アントラーズアントニオ・カルロス・ザーゴ監督を招聘した昨季の時点で相馬直樹氏をコーチとして呼んでいました。町田での実績を見る限り、おそらくザーゴで躓いても相馬監督なら最低限の結果は出せると……。

ガンバは解任のノウハウが無いなら無いで、そういうリスクマネジメントをしっかりするとか、或いはノウハウを持つ人物を置くべきだったと思うのです。

 

 

 

さすがに内部事情はわからないので、もしかしたら後先を考えるよりも今すぐに切らなければいけないほど宮本体制が危機的状況に陥ってた可能性もありますが、宮本監督解任前のブログでも書いたように……宮本監督を解任するなら解任するで、後任に目処をつけてから解任してほしいと。解任を最優先目的にしないでくれとずっと思っていました。

 

 

結局、あの時点での危惧が今現実になってしまった。もし仮にこのまま松波体制が上手くいったとしても、それは松波監督や選手…現場の成功であり、フロントの成功では無い事は理解していて欲しいなと。ガンバに足りていないところを、どういう人材を充てがう事で補うか…そこの認識と改善は、松波体制の成否を問わずガンバには考えて欲しいと思っています。

 

 

 

でも2012の川崎戦は確かに感動したよ…

ではでは(´∀`)