友人がある時言ったんですよ。
「J2に関西勢が誰もいない」
「俺はもうJ2を追えないかもしれない」
言われてみれば確かに、私はこの11年間、ファンであるガンバ大阪と京都サンガFCは常に別カテゴリーにいて、特に意識せずにJ1もJ2も当たり前のように見ていたのは確かにそれゆえなのか…?という疑念も若干生まれまして。
…否!
なにを言ってるんだRよ。
J2は日本が世界に誇るスーパーカオスエンターテイメントだぞ?
伏兵・曲者・魑魅魍魎……。
むしろJ2は今年こそカオスだぞ。
2022明治安田生命J2リーグは第2節までが終わりました。
という訳で今回は、前述のような状態に陥った私が改めて見どころを整理する意味も込めて「開幕戦は終わったけどまだ間に合う!初めての人もついていける!2022年のJ2の見どころポイントと注目チーム紹介!」をお届けします。
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【初心者向け!2022年のJ2の見どころ】
①昇格候補があまりにも多すぎる。
J2の基本的なシステムというのは、毎年J1から2or3チームが降格してきて、それと同じチーム数がJ1に昇格する…即ちJ2から去る事でリーグ参加チームが構成されていきます。ですから単純に考えれば、J1から降格してきたチームは当然昇格候補になってきますし、そして降格チームがそのまま昇格することも可能な訳です。
ですが、しかし、HOWEVER。新型コロナウィルスの影響でここ2年はレギュレーションがかなり狂っちゃいまして。2022年シーズンを迎えるにあたって、J1に昇格した(=J2を去った)のはジュビロ磐田と京都サンガFCの2チーム。しかし、2020年に特例措置として降格無しという特別ルールを設定した煽りを受け、2021年は降格枠が4つ…という状況になった結果、今年は昇格チーム2つに対してJ1から4つも落ちてきた訳ですね(徳島ヴォルティス、大分トリニータ、ベガルタ仙台、横浜FC)。とんでもない話ですよ、恐ろしい話です。ペリーが来た時の幕府の気持ちが少しわかります。去年降格組いなかったから余計に…。
先日J2順位予想ブログを更新したんですけど、ここで書いた文なんですが…昇格候補になり得そうなクラブが多く見積もって12クラブあるんですよ。J2って全部で22クラブですよ?半分以上よ…?
昇格を十分現実的な目標として捉えられるクラブは去年と変わらず複数いるんですよ。その上で枠は変わらず、競合が増えた。いやこれは怖い。最後までもつれるのか、意外とあっさり決まるのか……。
②プレーオフが復活した
去年のJ2は、結構早い段階で磐田と京都が昇格枠を固めてしまった感はあったんですね(サンガファンとしてはホクホク顔でしたが)。それゆえに、終盤までのハラハラドキドキ感はちょっと欠けていたと思うんですよ。ハラハラドキドキ、ピリカピリララ、スキトキメキトキス……。勿論、上では「昇格候補がいっぱい!」とは言いましたけど、意外と上位2つはスッと決まっちゃう可能性だってある訳です。
しかし、コロナ禍の日程変更により一時中止されていたプレーオフが今年は復活しました。プレーオフはシーズン終了後に3位〜6位チームがトーナメント形式で戦い、最後にJ1の16位チームとの決戦で昇降格を決めよう…というラストサバイバルシステム。やっぱりこれがあると最後まで盛り上がるというか、単純に消化試合が減って、多くのチームが最終節を「運命の一戦」として戦えるようになる。すると2013年や2017年最終節のような大混戦が発生するし、例の13-1のような事だって生まれる訳です(参照)。
あれはプレーオフ出場権を懸けた争いの中で生まれた時間ですからね。
何はともあれ、6位までに入れば昇格の可能性が出てくる…というところで、シーズン最後の最後までハラハラドキドキが楽しめるんですね。
さて、ここからはいくつか注目チームを5チームピックアップしていきます。
監督:ランコ・ポポヴィッチ(3年目)
昨季順位:5位
ホームスタジアム:町田GIONスタジアム(東京都町田市)
胸スポンサー:ABEMA(情報通信業)
ユニフォームサプライヤー:スボルベ
当ブログ予想順位:5位
2018年10月にサイバーエージェントが経営権を取得して3年が経過。リブランディング問題など紆余曲折はありましたが、チームの強化という側面では非常に良い感じで進んでいると思います。J1で出場機会の少なくなった経験豊富なベテラン選手や、J1でポテンシャルは見せているけど出場機会にはなかなか恵まれていない若手選手を上手く補強し、3年目を迎えるポポヴィッチ監督の下で彼らを融合させてチーム力を順調に向上させています。
昨季は昇格した磐田と京都を除けば「前半戦は調子良かった後半戦失速」か「後半戦で巻き返したけど前半戦の出遅れが響いた」チームが上位陣に多かった中で、町田は比較的安定した成績を維持していました。昨年5月にはスタジアムの改修、そしてついに今年2月からはクラブハウスが完成し、いよいよ今年は勝負の年。間違いなくポテンシャルはあるチームだと思います。
監督:四方田修平(新任)
昨季順位:20位(J1)
ホームスタジアム:ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県横浜市)
胸スポンサー:小野寺グループ(飲食業)
ユニフォームサプライヤー:サッカージャンキー
当ブログ予想順位:2位
J1で戦った昨季は最下位で降格という悔しい結果に終わりましたが、夏の補強が効果を発揮して終盤まで粘るところまでは持っていけました。前回に「降格組」としてJ2を戦ったのは2008年。そのシーズンに低迷してしまった事が長い長いJ2生活を余儀なくされた記憶もあってか、一部主力の退団は避けられなかったものの、J1からもJ2も多くの即戦力を補強。「えっ!?そんな選手獲れるの!?」的なところまで大型補強を敢行しました。
新たに監督に出演した四方田監督も札幌で昇格経験があり、その後はミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で多くを学んで監督というフィールドに戻ってきました。彼らも今年のJ2の中で「本命」と呼ばれるべきチームの一つでしょう。
監督:松橋力蔵(新任)
昨季順位:6位
ホームスタジアム:デンカビッグスワンスタジアム(新潟県新潟市)
胸スポンサー:亀田製菓(菓子メーカー)
当ブログ予想順位:7位
前任のアルベル監督が新潟に植え付けたサッカーは組織的な完成度のレベルが高く、新潟は一躍他チームのファンからも注目されるだけの存在感を誇っていました。しかし5月までは快調に飛ばしながらも終盤は失速。昇格を逃し、アルベル監督はJ1に引き抜かれる形で退任。今季はその影響がチームにどこまであるのか…が、まず重要ポイントになってきます。
監督には監督初挑戦となる松橋監督がコーチから昇格。松橋監督は昨季のサッカーを継ぐ事を明言しており、主力も殆どが残って誰もが昨季のサッカーを覚えているのも強みです。監督交代が仇となって低迷してしまうのか、或いは広島や川崎がそうであったように、理想的な引き継ぎとして前体制で果たせなかった目標まで辿り着けるのか。その推移に注目です。
監督:木山隆之(新任)
昨季順位:11位
ホームスタジアム:シティライトスタジアム(岡山県岡山市)
胸スポンサー:グロップ(サービス業)
ユニフォームサプライヤー:ペナルティ
当ブログ予想順位:9位
昨季は後半戦に入って大躍進を遂げた岡山。その時のチームの好調さもあって、上門知樹や井上黎生人、石毛秀樹らは退団しましたが、J1での実績も豊富なチアゴ・アウベスに河井陽介、昨季のJ2ベストイレブン級の活躍を見せたヨルディ・バイスなど積極的な補強を敢行。世代別代表経験を持つハン・イグォンとチェイス・ムークも迎え入れました。
そして何と言っても、監督には木山監督が新たに就任。2021年は終盤に緊急でG大阪のコーチに就任して残留に大きく貢献し、元々は愛媛をプレーオフ出場に導き、千葉や山形でも昇格争いを演じるなどJ2を知り尽くした戦術家です。まだJ1昇格経験のない岡山ですが、積極補強に木山監督を迎えたことでポテンシャルをどう広げていくか。今季のダークホース候補でしょう。
監督:下平隆宏(新任)
昨季順位:18位(J1)
胸スポンサー:ダイハツ九州(輸送用機器メーカー)
ユニフォームサプライヤー:プーマ
当ブログ予想順位:1位
4チームが降格するというレギュレーションにも泣かされる形でJ2降格を余儀なくされたものの、その後に行われた天皇杯準決勝では王者・川崎にPK戦の末劇的勝利。決勝の浦和戦では惜しくも敗れましたが、そこで演じた死闘と準優勝という功績は6年間率いた片野坂知宏監督のラストとして華々しい美しさでした。
そんな組織としても高いレベルのサッカーを築いた片野坂監督が退任して初めてとなるシーズンでは、柏や横浜FCで実績を積んだ下平監督を招聘。かつて柏で下平監督の、大分で片野坂監督のヘッドコーチを務めた岩瀬健コーチも復帰した事を踏まえると「片野坂監督の後任」としてはこれ以上ない人選だったと思います。主力も殆どが残って、これまで培ったベースがあるのは大きな強み。新型コロナウィルス感染者が複数出た事で開幕直前に活動停止を余儀なくされた影響はあるでしょうが、それでも今季の本命候補の一つと言えると思います。華麗なる復活への道のりに期待したいところ。
でも結局は地元か居住地に近いところを追うのが一番いいよ…
ではでは(´∀`)