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蒸し暑さの縄に結ばれて〜AFCチャンピオンズリーグ2022グループH第2節 横浜F・マリノスvs全北現代モータース マッチレビュー〜

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柏とかいう全北キラー

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビューAFCチャンピオンズ2022グループH第2節、横浜F・マリノスvs全北現代モータースの一戦です。

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

韓国・Kリーグに於いて現在5連覇中。なんなら、2014年以降の8シーズンで優勝を逃したのは僅かに1回……韓国最強のクラブを考える時、その答えは即答で1チームしかないでしょう。他でもない、全北現代です。

緑のユニフォームもすっかりお馴染みの彼ら、ACLでも2度の優勝を誇り、ACLに出ると絶対出てくるアイツらと戦う季節が今年もやってまいりました。

 

 

マリノスにとっては、2014年と2020年に続いて出場3大会連続で全北と同じ組という事になりました。どちらも全北ホームによる初戦での対決でしたが、2014年は敗れたマリノスが、2020年は敗れた全北がそのままグループステージ敗退の憂き目を見るなど、その後を左右するような結果に導かれています。そして今年はシドニーFCを含む3チームが2020年大会のグループHと全く同じ顔触れで、かつ残りの1チームはホームの大歓声を味方につけるホアンアイン・ザライ。この条件のグループで、しかも1チームしか決勝トーナメント進出が保証されていないのは、少なくとも東地区では最も過酷なグループと表現出来るでしょう。

そんな中で日本最強の攻撃力を持つマリノスと、韓国の絶対王者である全北の試合はまさしくこのグループ最大の大一番。残り4試合に対するスタンスを含めて、様々なことの流れすら決めうる可能性のある、重要度MAXの因縁対決が始まります。あっ、これ、地味に自動車ダービー……。

両チームスタメンです。

 

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マリノスは初戦のホアンアイン戦からスタメンを7人変更。松原健も右SBから左SBにポジションを変えている事を踏まえると、GKとWボランチ以外は全てに変更を加えてきた形となりました。尚、ACLでは外国籍選手のレギュレーションがJリーグとは異なる事もあり、今日はエドゥアルドがベンチから外れています。

初戦でシドニーFCと引き分けに終わった全北はスタメンを5人変更し、韓国代表経験のあるムン・ソンミンやホン・ジョンホが新たにスタメンに名を連ねました。スタメンでは浦和と福岡でプレーした邦本宜裕、新潟でプロデビューしたキム・ジンスJリーグ経験者。ベンチにはJの多くのクラブでプレイしたキム・ボギョンも名を連ねています。

 

本日の会場はベトナムホーチミンのトンニャット・スタジアムです。

現在のスタジアムは改修・修繕を重ねた上での形式になっていますが、元々は1931年に開場した歴史の深いスタジアムです。開場時はセメントを20段積んだだけの観客席だったんだとか。ハノイにミーディン国立競技場が完成するまではベトナムの中で重要なベニューとして稼働しており、近年では主にAFC主催の女子サッカー国際大会になる事が多く、2014年になでしこジャパンが初のアジアカップ制覇を遂げたのもこのスタジアムでした。

 

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前半から良い入りを見せたのはマリノスの方でした。序盤はお互いにミドルシュートの撃ち合いのような構図にもなりましたが、マリノスが落ち着き始めたタイミングでビルドアップが出来るようになると試合の主導権はマリノスへ。全北があまり積極的にプレスをかけてこなかった事もあり、マリノスは確実に全北を全北陣内に押し込んでいく形でゲームを進めていきます。

 

しかし、ディフェンスのブロックを固めた全北相手に、マリノスのアタッカー陣のストロングポイントでもあるスピード感をなかなか出す事が出来ず、エウベルや西村拓真といった面々もなかなか輝くスペースを見つけられません。

そうこうしているうちに全北はロングカウンターで攻撃の糸口を掴み始めていきます。ある種「ミス待ち」のような姿勢で構えてきた全北にカウンターを仕掛けられると、左サイドを突破してきたキム・ジンスペナルティエリア内で松原が倒してしまってPK献上。31分、このPKをスタニスラフ・イルチェンコに決められて全北が先制。

 

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裏に抜けるには全北がなかなか前に出てこない事もあり、マリノスは前半ラスト10分くらいからはシンプルにサイドに振る事で全北の動きを崩そうとしていきます。

その中で迎えた最大の決定機が42分、右サイドでボールを受けた水沼宏太がエウベルのリターンを受けてからクロスを上げると、ファーサイドの西村が頭で折り返したところに岩田智輝が詰めますが…絶対に決まったと思ったシーンはGKイ・ボムスがスーパーセーブ。こぼれ球に反応したエウベルのシュートもブロックされ、マリノスは前半最大のチャンスで得点を奪えず。前半を1点ビハインドで終えます。

 

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後半からマリノスは松原を下げて小池裕太を投入。後半も変わらずに自陣に引いて分厚いブロックを敷いてきた全北に対し、マリノスは攻撃の狙い所を定め切れず、この焦れるような状況に加えて暑さや疲労が重なり、マリノスの攻撃はいつものような精度を欠いたアバウトな状態になっていってしまいます。むしろボール奪取時のビジョンという意味ではカウンターに割り切った全北の方がシンプルに明確化されていた事で、マリノスは時間とともに一層苦しい立場に。

 

62分にはマルコス・ジュニオール、渡辺皓太、樺山諒乃介を3人同時に投入しますが、マリノスがロングボールやクロス主体の攻撃をすればするほど、というかせざるを得ない状況に追い込まれていくほど、全北としては願ったり叶ったりな試合展開に。75分にも途中出場のモドゥ・バーロウのパスにイルチェンコがGK高丘陽平と1対1という大ピンチを迎えますが、この場面はなんとか枠外へ。

 

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しかし……終盤はマリノスも前線に人数をかけながらも、それはそれで前線でマリノス攻撃陣と全北守備陣の大渋滞を引き起こし、スリリングな展開に持ち込む事も出来ず。マリノスからすれば、本来の強さと持ち味を発揮できないまま敗れてしまいました。

 

 

 

まず前提として、全北があそこまで割り切った戦い方をしてきたのが一つの驚きでした。彼らからすれば初戦で勝てなかったという事実とマリノスの攻撃的なスタイル、そして全北もマリノスも初戦のパフォーマンスが決して良い訳ではなかった事と、東アジアとはまるで異なるベトナムの気候を勘案した時に、最もベターなやり方が今日の形だったんだと思います。元々守備力もあるチームですし、ましてやマリノスのように戦い方を確立している訳ではないので、スタンスを変えたところで何かが狂う訳でもない。その上でイルチェンコのようなFWもいる訳で、彼らにとってそれはやはり最もベターなやり方だったんだろうと。

 

その上で、マリノスにとってはムン・ソンミンの存在が想像以上に厄介でした。全北もカウンターを完全に成立させていたというよりは、クリアボールやビルドアップがややアバウトな部分もあった中で、マリノスの前がかりになって空いたボランチの背後で、彼がルーズボールをことごとく回収していく事で、イルチェンコやバーロウが織りなすカウンターに導かれていったと……。マリノス視点で見れば、全体的に「してやられた」感と消化不良感が両方とも強い敗戦だったような気はします。

 

 

手倉森さん躍進中。

ではでは(´∀`)