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【ステップアップさせまくったJクラブはどこ!?】◯◯はワイらが育てた王決定戦〜ステップアップ選手ベストイレブン〜③

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…はい、前回前々回に引き続きまして「ブレイク&ステップアップさせまくりクラブはどこ!?◯◯はワイらが育てた王決定戦!」のお時間です。

 

 

 

今回は第3回です。この企画もいよいよラストスパートでございます。この企画がどういう趣旨なのか、この企画の選出にあたってのルール的なものは第1回のブログを読んでいただきたく。何回この企画って言うねん。

 

 

 

当企画は全3回で更新。第1回では3チーム、第2〜3回は5チームずつ取り上げていきます。(この企画って言いすぎたから露骨に言い方変えたやつ)

 

第1回

第2回

第3回

第4回

 

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

 

 

エントリーNo.8

ヴァンフォーレ甲府

 

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海野一幸や佐久間悟といった剛腕経営者・剛腕GMの尽力もあり、近年こそJ2暮らしが長引いているが、日本有数のプロビンチャクラブとして名を挙げられる事も多い。資金力は劣るが、独自のスカウト網に強みを持ち、特に大卒ルーキーの発掘・育成の手腕はJでもトップクラスと言えて、代表的な選手として柏、佐々木、稲垣、伊東といった選手がいる(伊東は佐々木目当てで視察に訪れた試合で偶然発掘したらしい)

外国人FWの補強術にも長けており、JFL時代に獲得したバロンは1998年に29試合31得点を記録し、甲府を含めた8つのJクラブでプレーするきっかけを与えた。バレーとダヴィは獲得時点で既に日本で名の知られた存在だったが、前者は大宮のJ1昇格に貢献しながら放出され、後者は中東移籍が上手くいかなかったところを拾い上げて再ブレイクさせ、それぞれ強豪クラブに送り出した。ここに甲府から直接欧州に移籍したハーフナーや、上には書いていないがパトリックも加えるとなんと暴力的なFW陣。よくよく考えたら、いくら構想外だったとてどうやってザルツブルクからクリスティアーノ完全移籍で獲ったんだよ…(そもそも栃木がどうやってザルツブルクからレンタル取り付けたんだよ…)

傾向としては広島との繋がりが深く、広島が浦和に選手を引き抜かれまくっていた時代は、その代役選手を主に甲府から引き抜く事が多かった。柏、佐々木、稲垣が通った大学→甲府→広島は一種の黄金ルートとなっている。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 阿部謙作→神戸(2005)

DF 増嶋竜也→京都(2007)、吉田豊→清水(2012)、佐々木翔→広島(2015)、小塚和季→大分(2019)、小出悠太→大分(2020)、今津佑太→広島(2021)、メンデス→京都(2022)

MF 茂原岳人→柏(2008)、柏好文→広島(2014)、伊東純也→柏(2014)、稲垣祥→広島(2017)、野津田岳人→広島(2022)、中村亮太朗→鹿島(2022)

FW バロン→市原(1999),鹿島(2004.8)、バレー→G大阪(2007)、ハーフナー・マイクフィテッセ(2012)、ダヴィ→鹿島(2013)、クリスティアーノ→柏(2015),柏(2016.6)

 

エントリーNo.9

アビスパ福岡

 

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俗に言う「5年に一度J1に上がる」というジンクスは、裏返せば「5年のうち1年しかJ1にいない」という事でもあり、必然的に選手の出入りは激しくなるので、この企画で名前を出した他のクラブ同様に新卒選手とレンタル組の組み合わせが重要になってくる。初期は九州唯一のJクラブだった事もあって、名門の東福岡高校国見高校の選手とのルートが強かったが、福岡のJ2生活が長引くと共に大分や鳥栖が台頭するようになってからは、経営難の影響もあったとはいえ、レンタル組を上手く活用していく方向に向かった。2010年の丹羽、2015年の中村航輔など、J1昇格時にはレンタルで獲得した選手がキーマン的な存在にもなっており、2020年は遠野や上島を始めとしたレンタル組選手を軸にしたスカッドでJ1への切符を掴み取るなど、レンタル預け先としての信頼と成功率はかなり高く、レンタルバック後の活躍も著しい。特に柏との関係は深く、福岡と柏の両方に所属歴のある選手は多い。

2013年には深刻な経営難に陥ったが、危機を脱して再軌道に乗せて以降はDMMの参画もあってクラブ規模は拡大路線を進んでおり、以前の昇格時には出来なかった積極的な補強も功を奏して残留を果たすなど、クラブとしての風向きは少し変わりつつある印象。その点で言えば、自前のアカデミーから冨安健洋というビッグタレントが出てきた事の意味は相当に大きい。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先

GK 水谷雄一→柏(2007)、中村航輔→柏(2016)

DF 増川隆洋→名古屋(2005)、千代反田充→新潟(2007)、丹羽大輝→大宮(2008)、冨安健洋→シントトロイデン(2018)、亀川諒史→柏(2018)、古賀太陽→柏(2019)、石原広教→湘南(2020)、實藤友紀横浜FM(2020)、上島拓巳→柏(2021)

MF 藤本主税→広島(1999)、中払大介→京都(2002)、中村北斗FC東京(2010)、中町公祐横浜FM(2012)、酒井宣福→新潟(2016)、松本泰志→C大阪(2021)

FW 山下芳輝→仙台(2002)、ハーフナー・マイク横浜FM(2009)、岡本英也→鹿島(2012)、仲川輝人横浜FM(2018)、遠野大弥→川崎(2021)

 

エントリーNo.10

清水エスパルス

 

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近年こそ経営規模を拡大させ、特にここ数年は大型補強で話題にもなっている清水だが、元々は"オリジナル10で唯一親会社を持たないクラブ"を標榜していた事実が示す通り決して資金的に裕福なクラブとは言えず、一時はクラブの存続危機にすら発展する財政難の時代もあった。その後は鈴与の経営参画もあって安定した財政状況にはなったが、2004年に日本代表レギュラーだった三都主が当時の国内最高額の移籍金で浦和に移籍したように資金力のあるクラブに主力を引き抜かれる事例は少なくなかった。特に2011年の大量流出は衝撃的で、清水ファンからすればトラウマですらあると思う。

しかしそこはさすがサッカー王国静岡とでも言うべきか、清水でデビューした選手が清水で代表クラスに育つ事例が多いのは大きなポイント。市川大祐枝村匠馬のようにユース出身の名選手も多くいるが、どちらかと言えば高体連出身選手の方が傾向としては多く、この辺りは鹿島と似た特徴とも言える。特に2005〜2010年の長谷川健太監督体制の際には、それらの選手の多くがブレイクを果たして上位に進んでいた(そしてそのメンバーが大体2011年で抜けた)

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 櫛引政敏→鹿島(2016)

DF 高木和道G大阪(2009)、青山直晃横浜FM(2011)、太田宏介FC東京(2012)、岩下敬輔G大阪(2012.8)、吉田豊鳥栖(2015)、三浦弦太G大阪(2017)、犬飼智也→鹿島(2018)、松原后→シントトロイデン(2020)

MF 永井秀樹V川崎(1997)、戸田和幸トッテナム(2003),東京V(2005)、三都主アレサンドロ→浦和(2004)、本田拓也→鹿島(2011)、藤本淳吾→名古屋(2011)、兵働昭弘→柏(2011)、白崎凌兵→鹿島(2019)

FW チョ・ジェジン→全州現代(2008)、岡崎慎司シュトゥットガルト(2011)、大前元紀デュッセルドルフ(2013),大宮(2017)、高木俊幸→浦和(2015)、北川航也→ラピード・ウィーン(2019.7)

 

エントリーNo.8

東京ヴェルディ

 

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言わずと知れたキング・オブ・アカデミー。トップチームはJリーグバブルの季節を経て没落の一途を辿ったが、ユースチームは今日に至るまでずっと強豪で在り続け、そしてヴェルディ、ないしはJリーグ・日本代表に優秀な選手を送り込み続けた。かつてのような大型補強は出来る訳もなく、J2生活も随分長くなってしまったが、選手育成の矜持とアイデンティティは今も活き続けている。

上に挙げた選手はGKを除いてほとんどがユース出身選手である。J2クラブは主にレンタルを駆使してチーム編成を行うクラブが多い中、ヴェルディもレンタル移籍を行っていない訳ではないが、ヴェルディと近い規模のクラブにしては比率は少なく、それなら…とユース組の選手を重宝する傾向が強いので、レンタル組でブレイクした田中隼磨やフッキはヴェルディの中ではレアケースかもしれない。そして最たるレアケースが後に日本代表主将にまで昇り詰めた中澤で、志半ばでブラジル留学を断念した中澤は苦難の末に練習生契約を結ぶ事になり、1999年にプロ契約に切り替えると同時にブレイクを果たした。

そもそもヴェルディの場合は、日本国内でサッカーが盛んではなかった1969年のクラブ発足の時点で育成組織を発足させており、大学から企業に進み、JSLでプレーするのが通例だった時代に松木安太郎都並敏史を輩出していたので、ユースを中心に組み立てるのは元来クラブの伝統だった。ただし、李国秀氏が総監督を務めていた時代(1999〜2000)のみ、李監督と関係の深い桐蔭学園高校駒澤大学を中心とした高体連や大卒選手の登用が目立っていた。

 

【上で挙げた選手のステップアップ先】

GK 佐藤優也→千葉(2016)、上福元直人→徳島(2020)

DF 中澤佑二横浜FM(2002)、田中隼磨横浜FM(2004)、相馬崇人→浦和(2006)、和田拓也→仙台(2013)、高橋祥平→大宮(2013)、安西幸輝→鹿島(2018)、畠中槙之輔横浜FM(2018.8)、井林章→広島(2019)

MF 小林大悟→大宮(2006)、柴崎晃誠→川崎(2011)、小林祐希→磐田(2012.7)、三竿健斗→鹿島(2016)、渡辺皓太→横浜FM(2019.7)、藤田穣瑠チマ→徳島(2021)

FW 森本貴幸カターニア(2006.7)、フッキ→東京V(2008.7)、高木俊幸→清水(2011)、中島翔哉FC東京(2014)、前田直輝→松本(2015)、藤本寛也→ジル・ヴィセンテ(2020.8)

 

 

 

続く!→次回

 

 

ワイらのユースこそいちばんや!!