RK-3はきだめスタジオブログ

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完徹突貫曖昧模糊〜2024明治安田J1リーグ第29節 FC町田ゼルビア vs 浦和レッズ マッチレビューと試合考察〜

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サイバー!アベマー!

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー明治安田J1リーグ第29節、FC町田ゼルビア vs 浦和レッズの一戦です!

 

 

 

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列島に台風の脅威が迫る中ではありますが、それでもいくつか開催される試合があります。その中でも注目カードになり得るのがこの試合でしょう。

首位を快走している町田は一時期と比較すると勝ち星のペースが落ちている事は事実ですが、それでもそれは失速と表現できるものではなく、相馬勇紀や中山雄太といった野心のある補強、数年前までは想像もできなかった「町田から代表3人」という追い風で国立に乗り込むという事は彼らにとっても非常に滾るシチュエーションと言えるでしょう。夏以降、勝点としてはやや伸び悩んでいるところはありますが、少なくとも堅守のベースはしっかり維持している訳で、ここからの一つ一つが彼らにとって試されるシチュエーションとなるはずです。

一方、えらい事になったのが浦和でした。中止も相まってもどかしい状況が続いていた中、ここに来て浦和はマティアス・ヘグモ監督の退任を発表し、昨季まで監督を務めていたマチェイ・スコルジャ監督が復帰することを発表しました。ビザが降りるまで、当面の間は池田伸康コーチが監督代行を担いますが、浦和にとってこの試合は仕切り直しのゲームであり、ヘグモ監督体制での良かった部分をスコルジャ監督に引き継ぎ、逆に難点を洗わなければならない難しい期間です。最終局面に差し掛かった新興勢力と帰路に差し掛かった名門が交差する新宿は豪雨。果たしてこの勝負の行方や如何に!

両チームスタメンです。

 

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町田は前節の新潟戦からスタメンを3人変更。いずれも中盤の選手で、4枚のMFは白崎凌兵のみを残して総替えという形になりました。谷晃生、中山雄太、そして初招集の望月ヘンリー海輝も揃って先発。代表で左SBの中山は、今日も昌子源と組む形でCBでの出場です。

結果的にヘグモ体制ラストゲームとなった前節の川崎戦が前半で中止となった浦和ですが、池田伸康コーチを監督代行に立てて挑む今日はスタメンを1人変更。今日はグスタフソンがベンチスタートとなり、ヘグモ体制では出番に恵まれなかった小泉佳穂が第24節札幌戦以来の出場、スタメンとしては第8節柏戦以来に名を連ねています。

 

 

 

本日の会場は東京都新宿区、国立競技場です。

 

 

町田GIONスタジアムを本拠地にしつつ一部試合を国立開催とするスタンスを採る町田は国立競技場開催のホームゲームを今季4試合予定していますが、今日が3試合目。今季からJリーグが銘打つ「THE国立DAY」の対象試合です。悪天候によりいくつかの場外イベントは中止となりましたが、場内では光と音の特別演出の他、クラブ公式ソングを歌KEN THE 390氏のパフォーマンスが行われ、元乃木坂46秋元真夏氏も来場します。

町田やFC東京を中心に、一昨年からはJクラブが積極的に活用するようになった国立競技場での試合ですが、各クラブの企画努力もあって毎回5万人前後の動員を達成している事は見事。この熱狂を是非リピーター獲得に繋げていけると嬉しいですね。

 

 

基本的に序盤は浦和が4-2-3-1の構図を保ちながらボールを保持して前進し、それに対して町田が構えて機を見てカウンター、スピードアップさせていくというある程度大方が予想するような試合展開で進んで行きました。

ただ町田の守備陣の堅さゆえに打開…とまでは行きませんでしたが、比較的浦和はそれなりにはアタッキングサードへの侵入機会は多く、前線のところでリンセンにボールが入ると、そこに対して渡邊や小泉がボールを引き出す動きを見せるような場面は作れていました。

 

 

 

しかし飲水タイムが終わると、シンプルなサイド攻撃を繰り出しながら中央の厚みを確保するようになった町田がリズムを引き寄せるような展開になっていきます。30分には下田北斗のCKにオ・セフンが合わせましたがGK西川がファインセーブ。32分には下田が左に展開したボールを杉岡大輝がダイレクトで入れるとファーサイドで荒木駿汰がヘッドで合わせますが枠外。

しかしやや試合の流れが町田に傾いていた時間帯に先制したのは浦和でした。36分、左サイドでFKを得た浦和は大久保智明がクロスボール。完全にニアに引っ張られた町田守備陣を嘲笑うかのようにファーサイドでフリーになった関根大輝がアウトサイドで合わせて浦和が先制!

 

 

前半は先制した浦和は当然としても、それまでに決定機もいくつかあった町田もやや「前半は0-1でOK」のような姿勢を出すような形のプレーに。前半は浦和がリードで後半に向かいます。

 

 

町田は後半から望月を下げて鈴木準弥を投入。鈴木とナサンホをWBとし、杉岡を左CBに於いた3バックにシフトします。

後半開始直後からいきなり動きました。49分、ロングボールの処理に浦和側が少し手間取ったところを荒木が突くと左サイドをナサンホが突破。ナサンホが上げたクロスを、ホイブラーテンの前にしっかり入って合わせたオセフンのヘッドが決まって町田同点!

 

 

同点になってからは両チームのサイドのスペースが多く空くようになり、試合は徐々にハイテンポなペースで進むようになっていきました。サイドのスペースに持ち出したところから中央を絡めた打開を図る浦和に対し、町田はナサンホを中心にサイドをそのまま突破してクロス攻勢。59分には左サイドを抉ったナサンホのクロスに藤尾翔太が飛び込む決定機を迎えますが、グラウンダーのクロスは藤尾に僅かに合わず。

浦和は63分に大久保と小泉を下げて二田理央と長沼洋一を投入し、町田は64分にオセフンを下げてデューク、72分にナサンホと藤尾を下げて藤本一輝と桑山侃士を送り込みます。

 

 

 

1-1になってからはずっと町田のペースでした。終盤にはエリキも送り込んだ町田は徹底的にサイドを抉って攻撃を仕掛けていましたが、浦和も苦しい状況の中でどうにか耐えてシュートまでは許さない、エリア内の混戦を弾き切る守りをしっかりとやっていました。

迎えた87分、町田の猛攻の喧騒から少し逃れた浦和は少しずつ前線で時間を作れる時間が増えていました。スローインを受けた大畑歩夢がクロスボールを入れると、合わせたのは途中出場のチアゴサンタナ!!4月には同じ国立でFC東京からゴラッソを叩き込んだ男がここでも火を吹いて苦しんだ浦和が逆転!!

 

 

しかし壮絶なドラマはアディショナルタイムに待ち受けていました。90+2分にはロングスローに合わせたデュークのヘッドを西川がまたもスーパーセーブ。直後にはカウンターから松尾佑介がGK谷晃生までかわしてネットを揺らしますが、直前のプレーで二田がファウルを取られてゴールは認められず。更にその直後にはロングボールからの混戦にエリキが詰めますが…ここも西川が阻止。

しかしラストワンプレー、自陣に戻ったボールをGK谷がロングボールを蹴り込むと、デュークが競り勝ったところになんとか追いついた藤本が折り返したところにエリキが詰めて町田同点!!

 

 

5万人近い観衆が集まった夏の終わりの大激戦は衝撃的な展開でのドローゲームとなりました!

ただ、町田は他会場で広島が勝利した事により、得失点差で首位陥落という事に。

 

 

 

概ね町田が優勢と言いますか、むしろどちらかと言えばボール非保持の立場での守備から試合をコントロールする町田にしては珍しく、基本的に町田がボールを持ちながらの時間が長い、それも浦和からすれば明確に押し込まれていた時間はともかく、チームとして町田にボールを持たせる展開にしたという訳でもないのにそういう展開になっていうという点で、町田の試合としてはやや珍しい展開だったんじゃないでしょうか。

とはいえ、前半はむしろ浦和がボールを持っている状態をベースにしたイーブンな試合展開が続いており、町田よりもチャンス数の多い浦和と、浦和よりチャンスは少ないけど決定的なシーンは多かった町田の構図はある程度予想通りかむ、お互いに双方込みでゲームプランの一部ではあったようにも思います。その中でサイド突破からのクロスで町田はリズムを作っていたので、後半からはSBではなくWBに押し上げ、中に飛び込む選手とサイドを抉る選手の役割を明確にした上でサイドを押し上げる形にしたのは良い采配だったと思いますし、クロスをどうやって上げるかに留まらず、クロスを上げた後のエリア内のデザインも良く出来ていた。1点目にしても2点目にしても、町田はそこが大きかったかなと。

 

浦和に関しては、前線の選手の流動性はヘグモ監督時代の試合より強く打ち出していたようには思いますが、守備の設計はこれまでのものを維持しようとしていたとは思います。ただ町田がロングボールを用いて打開を図る中で、ゾーンディフェンスが機能しているがゆえの弊害というか…ロングボールに対して誰がポストプレーをするデュークを潰しに行くのか、デュークが落としたボールがサイドに流れた時に誰が潰しに行って誰がカバーするのかが曖昧になっていて、そこの擦り合わせをする前にサイドをブチ抜かれてしまう…という場面が頻発していたように見えました。結局2失点ともそういう形でしたし、ロングボールを起点にあれだけ打開される形になってしまったのは苦しかった。その中でもどうにか耐えていたのはこれまでのベースがあるからとも言えますが、今日はベースの守備と臨機応変な対応の狭間でぐちゃぐちゃになってしまっていた印象です。

ただ後半に顕著でしたが、数少ない浦和にボールが回ってきた時間帯にしっかりと前線で時間を作る意識は素晴らしかったと思いますし、スコルジャ体制に受け渡す上で、前任者の部分として残しておきたいであろう、そういう前線でタメを作る意識は攻撃機会が激減した後半になって少し蘇ったのかなと。

 

 

 

終盤のスリリングな試合展開は興奮を呼ぶ展開だったと思います。国立開催のゲームはお初にお目にかかるお客様も多いでしょうから、そこでこういう試合を見せたという事は、彼らが町田や浦和を見るかどうかはわかりませんが、もう一度観に行きたい気持ちを呼び起こすものではあったのではないでしょうか。

 

 

えらい点入るわね今日

ではでは(´∀`)