RK-3はきだめスタジオブログ

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【W杯メンバー入りサバイバルの歴史】過去の日本代表W杯登録メンバーは、W杯出場決定試合の招集メンバーからどれだけ変化しているのか?〜前編・ブラジル&ロシア&カタールW杯編〜

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この回、全部オーストラリア戦。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、3月20日……日本代表、無事に北中米W杯出場を決めました!!

 

 

 

とはいえ、来年のW杯開幕まで期間はなんと1年3ヶ月!15ヶ月もあれば事情もコンディションもいくらでも変わりますし、6月の最終予選はこれで消化試合でE-1選手権だってある訳です。チームとしてW杯出場権を掴む予選を突破した先に待っているのは、誰がW杯メンバーに入れるか…という、いわば個人としてのW杯予選が幕を開ける。サバイバルの先には新たなサバイバルが待つ……プロサッカー選手の人生を強く表すような季節がここから始まります。

というわけで今回は、歴代のW杯出場を決めた試合のメンバーが、W杯本大会に至るまでにどれだけ残ったのか、どれだけ外れたのか、或いはどれだけ新しい選手が入ってきたのか…を振り返っていきます。

 

 

 

前編・フランス/日韓/ドイツ/南アフリカW杯編

 

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《2026FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選バーレーン戦&サウジアラビア戦招集メンバー》

【GK】

大迫敬介(サンフレッチェ広島)

谷晃生(FC町田ゼルビア)

鈴木彩艶(パルマカルチョ)

【DF】

長友佑都(FC東京)

板倉滉(ボルシア・メンヒェングラードバッハ)

中山雄太(FC町田ゼルビア)

伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)

瀬古歩夢(グラスホッパー)

菅原由勢(サウサンプトンFC)

関根大輝(スタッド・ランス)

高井幸大(川崎フロンターレ)

【MF/FW】

遠藤航(リバプールFC)

伊東純也(スタッド・ランス)

南野拓実(ASモナコ)

古橋亨梧(スタッド・レンヌ)

守田英正(スポルティングCP)

鎌田大地(クリスタル・パレス)

三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオンFC)

前田大然(セルティックFC)

旗手怜央(セルティックFC)

堂安律(SCフライブルク)

上田綺世(フェイエノールト)

田中碧(リーズ・ユナイテッド)

町野修斗(ホルシュタインキール)

中村敬斗(スタッド・ランス)

久保建英(レアル・ソシエダ)

藤田譲瑠チマ(シントトロイデンVV)

 

 

 

【2014年ブラジルW杯の場合】

 

W杯出場決定試合

2013年6月4日・日本1-1オーストラリア

監督:アルベルト・ザッケローニ

 

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【オーストラリア戦メンバー】

GK1 川島永嗣(スタンダール・リエージュ)

DF2 伊野波雅彦(ジュビロ磐田)

DF3 酒井高徳(VfBシュトゥットガルト)

MF4 本田圭佑(CSKAモスクワ)

DF5 長友佑都(インテル・ミラノ)

DF6 内田篤人(シャルケ04)

MF7 遠藤保仁(ガンバ大阪)

MF8 清武弘嗣(1.FCニュルンベルク)

FW9 岡崎慎司(VfBシュトゥットガルト)

FW10 香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)

FW11 ハーフナー・マイク(SBVフィテッセ)

GK12 西川周作(サンフレッチェ広島)

MF13 細貝萌(バイヤー・レヴァークーゼン)

MF14 中村憲剛(川崎フロンターレ)

DF15 今野泰幸(ガンバ大阪)

DF16 栗原勇蔵(横浜F・マリノス)

MF17 長谷部誠(VfLヴォルフスブルク)

FW18 前田遼一(ジュビロ磐田)

FW19 乾貴士(VfLボーフム)

MF20 高橋秀人(FC東京)

DF21 酒井宏樹(ハノーファー96)

DF22 吉田麻也(サウサンプトン)

GK23 権田修一(FC東京)

DF 駒野友一(ジュビロ磐田)

MF 東慶悟(FC東京)

FW 工藤壮人(柏レイソル)

【ブラジルW杯メンバー】

GK1 川島永嗣(スタンダール・リエージュ)

DF2 内田篤人(シャルケ04)

DF3 酒井高徳(VfBシュトゥットガルト)

FW4 本田圭佑(ACミラン)

DF5 長友佑都(インテル・ミラノ)

DF6 森重真人(FC東京)

MF7 遠藤保仁(ガンバ大阪)

FW8 清武弘嗣(1.FCニュルンベルク)

FW9 岡崎慎司(1.FCマインツ)

FW10 香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)

FW11 柿谷曜一朗(セレッソ大阪)

GK12 西川周作(浦和レッズ)

FW13 大久保嘉人(川崎フロンターレ)

MF14 青山敏弘(サンフレッチェ広島)

DF15 今野泰幸(ガンバ大阪)

MF16 山口蛍(セレッソ大阪)

MF17 長谷部誠(1.FCニュルンベルク)

FW18 大迫勇也(1860ミュンヘン)

DF19 伊野波雅彦(ジュビロ磐田)

FW20 齋藤学(横浜F・マリノス)

DF21 酒井宏樹(ハノーファー96)

DF22 吉田麻也(サウサンプトン)

GK23 権田修一(FC東京)

 

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オーストラリア戦から継続して選ばれた選手(16人)→川島、内田、酒井高、本田、長友、遠藤、清武、岡崎、香川、西川、今野、長谷部、伊野波、酒井宏、吉田、権田

オーストラリア戦では招集されながらもW杯メンバーからは落選した選手(9人)→ハーフナー、細貝、中村、栗原、前田、高橋、駒野、東、工藤

オーストラリア戦には未招集ながら、W杯メンバーには選ばれた選手(7人)→森重、柿谷、大久保、青山、山口、大迫、齋藤

 

 

予選と本戦のメンバーが最も大幅に変わったのはブラジルW杯の時だったと思います。メンバー固定と度々言われていたザックジャパンですが、ザッケローニ監督のプランとして6月の最終予選とコンフェデ杯が終われば新戦力を投入するプランは前々から持っていたらしく、実際に7月の東アジア選手権(現:E-1選手権)は海外組のみならず、遠藤や今野といった国内の主力組も呼ばずに新戦略を抜擢。実際に主力組を戻した8月のウルグアイ戦からは東アジア選手権の結果がメンバーに反映される形になりましたし、上に挙げたオーストラリア戦では未招集ながらブラジルW杯メンバーに入った7人のうち、大久保以外は全員東アジア選手権で代表デビューを果たした選手で、特に森重・青山・山口・大迫の4人はW杯本戦で先発出場も果たしています。東アジア選手権デビュー組で言えば豊田陽平も最終候補までは上り詰めましたね。

一方、この東アジア選手権は新戦力の発掘と同時に、この大会を境に常連メンバーの多くが代表から遠ざかる事に。FWのレギュラーだった前田、長友か内田の欠場時の一番手だった駒野、常連組として本戦出場に貢献した中村や栗原にハーフナーの5名は森重・山口・柿谷・大迫らに押し出される形で代表に招集されなくなり、東アジア選手権以降も招集はされ続けていた細貝も最後の最後でやはり東アジアデビュー組の青山に競り負ける形となりました。前田と中村に関しては東アジア選手権を常連組として不参加となったにも関わらずこの結果になってしまったのは無情でもありましたが…。これらのメンバー入れ替えはチームに大きな刺激と新たな可能性を与えた一方、2013年までメンバーを固定化してきた事によるメリットの側面を薄れさせてしまった部分もあったのかなと。

ちなみにサプライズ選出となった大久保はブラジルW杯がザックジャパン初選出みたいなイメージが強いですが、厳密には2012年2月のアイスランド戦で1試合だけ出場していました。

 

 

 

【2018年ロシアW杯の場合】

 

W杯出場決定試合

2017年8月31日・日本2-0オーストラリア

監督:ヴァイッド・ハリルホジッチ

 

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【オーストラリア戦メンバー】

GK1 川島永嗣(FCメス)

MF2 井手口陽介(ガンバ大阪)

DF3 昌子源(鹿島アントラーズ)

MF4 本田圭佑(パチューカ)

DF5 長友佑都(インテル・ミラノ)

DF6 三浦弦太(ガンバ大阪)

MF7 柴崎岳(ヘタフェCF)

FW8 原口元気(ヘルタ・ベルリン)

FW9 岡崎慎司(レスター・シティ)

MF10 香川真司(ボルシア・ドルトムント)

FW11 久保裕也(KAAヘント)

GK12 東口順昭(ガンバ大阪)

MF13 小林祐希(SCヘーレンフェーン)

FW14 乾貴士(エイバルCD)

FW15 大迫勇也(1.FCケルン)

MF16 山口蛍(セレッソ大阪)

MF17 長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

FW18 浅野拓磨(VfBシュトゥットガルト)

DF19 酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)

DF20 槙野智章(浦和レッズ)

DF21 酒井高徳(ハンブルガーSV)

DF22 吉田麻也(サウサンプトン)

GK23 中村航輔(柏レイソル)

DF 植田直通(鹿島アントラーズ)

MF 髙萩洋次郎(FC東京)

FW 武藤嘉紀(1.FCマインツ)

FW 杉本健勇(セレッソ大阪)

【ロシアW杯メンバー】

GK1 川島永嗣(FCメス)

DF2 植田直通(鹿島アントラーズ)

DF3 昌子源(鹿島アントラーズ)

MF4 本田圭佑(パチューカ)

DF5 長友佑都(ガラタサライSK)

DF6 遠藤航(浦和レッズ)

MF7 柴崎岳(ヘタフェCF)

MF8 原口元気(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

FW9 岡崎慎司(レスター・シティ)

MF10 香川真司(ボルシア・ドルトムント)

MF11 宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

GK12 東口順昭(ガンバ大阪)

FW13 武藤嘉紀(1.FCマインツ)

MF14 乾貴士(レアル・ベティス)

FW15 大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)

MF16 山口蛍(セレッソ大阪)

MF17 長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)

MF18 大島僚太(川崎フロンターレ)

DF19 酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)

DF20 槙野智章(浦和レッズ)

DF21 酒井高徳(ハンブルガーSV)

DF22 吉田麻也(サウサンプトン)

GK23 中村航輔(柏レイソル)

 

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オーストラリア戦から継続して選ばれた選手(20人)→川島、植田、昌子、本田、長友、柴崎、原口、岡崎、香川、東口、武藤、乾、大迫、山口、長谷部、酒井宏、槙野、酒井高、吉田、中村

オーストラリア戦では招集されながらもW杯メンバーからは落選した選手(7人)→井手口、三浦、久保、小林、浅野、髙萩、杉本

オーストラリア戦には未招集ながら、W杯メンバーには選ばれた選手(3人)→遠藤、宇佐美、大島

 

 

大会2ヶ月前の監督交代という前代未聞の事態となったロシアW杯の日本代表。スタメンや戦い方は西野監督体制になって変化がありましたが、監督としての期間の短さもあってか大枠のメンバーはハリルホジッチ監督のオーストラリア戦からはイメージほど大きく変化はしていないとも言えるでしょうか。オーストラリア戦未招集の3人にしても遠藤はオーストラリア戦だけ呼ばれていない…と言った方が正しいですし、宇佐美と大島もハリルジャパン最後の試合となった欧州遠征の時点で代表に復帰していた訳で、ハリル監督の候補選手には入っていたと考えられますし。オーストラリア戦に招集されながら落選したメンバーの中で、ハリル解任が運命を分けた"落選"というニュアンスが強かったのは井手口・久保・浅野の3人でしょうか。

ただ、このオーストラリア戦を機に本田や香川、岡崎が招集されなくなっていったという事実が物語るように、やっぱりハリルホジッチ監督のままなら史実とは違ったメンバー構成にはなっていたと思います。それが良いか悪いかは知る由もない話ですが。プロセスと時期はともかく結果を含め監督交代はそこまで間違った判断だったとは思っていませんが、ハリルならどういう23人なったんだろう…みたいなのは大いなるif要素ですよね。

 

 

 

【2022年カタールW杯の場合】

 

W杯出場決定試合

2022年3月24日・オーストラリア0-2日本

監督:森保一

 

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【オーストラリア戦メンバー】

GK1 川島永嗣(RCストラスブール)

DF2 植田直通(ニーム・オリンピック)

DF3 谷口彰悟(川崎フロンターレ)

DF4 板倉滉(シャルケ04)

DF5 長友佑都(FC東京)

MF6 遠藤航(VfBシュトゥットガルト)

MF7 柴崎岳(CDレガネス)

MF8 原口元気(1.FCウニオン・ベルリン)

FW9 上田綺世(鹿島アントラーズ)

MF10 南野拓実(リバプールFC)

MF11 久保建英(RCDマジョルカ)

GK12 権田修一(清水エスパルス)

MF13 守田英正(CDサンタ・クララ)

FW14 伊東純也(KRCヘンク)

MF15 旗手怜央(セルティックFC)

DF16 山根視来(川崎フロンターレ)

MF17 田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

FW18 浅野拓磨(VfLボーフム)

DF19 佐々木翔(サンフレッチェ広島)

DF20 中山雄太(PECズヴォレ)

MF21 三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)

DF22 吉田麻也(サンプドリア)

GK23 シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV)

GK 谷晃生(湘南ベルマーレ)

DF 中谷進之介(名古屋グランパス)

FW 林大地(シントトロイデンVV)

カタールW杯メンバー

GK1 川島永嗣(RCストラスブール)

DF2 山根視来(川崎フロンターレ)

DF3 谷口彰悟(川崎フロンターレ)

DF4 板倉滉(ボルシア・メンヒェングラードバッハ)

DF5 長友佑都(FC東京)

MF6 遠藤航(VfBシュトゥットガルト)

MF7 柴崎岳(CDレガネス)

MF8 堂安律(フライブルクSC)

MF9 三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオンFC)

MF10 南野拓実(ASモナコ)

MF11 久保建英(レアル・ソシエダ)

GK12 権田修一(清水エスパルス)

MF13 守田英正(スポルティングCP)

MF14 伊東純也(スタッド・ランス)

MF15 鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)

DF16 冨安健洋(アーセナル)

MF17 田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)

FW18 浅野拓磨(VfLボーフム)

DF19 酒井宏樹(浦和レッズ)

FW20 町野修斗(湘南ベルマーレ)

FW21 上田綺世(セルクル・ブルージュ)

DF22 吉田麻也(シャルケ04)

GK23 シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV)

MF24 相馬勇紀(名古屋グランパス)

FW25 前田大然(セルティックFC)

DF26 伊藤洋輝(VfBシュトゥットガルト)

監督 森保一

 

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オーストラリア戦から継続して選ばれた選手(19人)→川島、山根、谷口、板倉、長友、遠藤、柴崎、三笘、南野、久保、権田、伊東、田中、浅野、町野、上田、吉田、シュミット、中山

オーストラリア戦では招集されながらもW杯メンバーからは落選した選手(7人)→ 植田、原口、旗手、佐々木、谷、中谷、林

オーストラリア戦には未招集ながら、W杯メンバーには選ばれた選手(8人)→堂安、鎌田、冨安、酒井、町野、相馬、前田、伊藤

 

※1 当初のカタールW杯登録メンバーには中山雄太(ハダースフィールド・タウンFC)が選ばれていたが、メンバー発表後の負傷により町野と入れ替えになった為、今回は中山と町野を2人ともカタールW杯メンバーとして扱っている。

 

 

オーストラリア戦から7人が外れて8人が追加された形になったので印象としては大きく入れ替わった感がありますが、オーストラリア戦未招集ながら本戦メンバーに入った選手のうち冨安と酒井と前田はあくまで欠場でしたし、堂安と鎌田もスポット的な招集漏れでしたので、実質的に予選後に滑り込んだのはそれ以外の3名でした。伊藤は所属クラブでの活躍が評価される形で予選終了後からテストされるようになり、相馬と町野は7月のE-1選手権で台頭。国内組招集のハードルが高い代表になりつつあっただけに、この時の相馬と町野がE-1から滑り込んだ実績は意義深いものだったように思います。

一方、オーストラリア戦に招集されながら落選した選手の多くはこの時点で既に当落線上ではありましたが、植田と中谷は谷口に、佐々木は中山に谷は川島にそれぞれ弾き出される形になる構図はこの時点である程度そうなっていたかなと。ただ原口はさすがに予想外でしたね。最後の最後でメンバー枠が増えて相馬が台頭した事で、より一芸を持った選手にスポットが当たったのは原口にとっても誤算ではあったのかなと…。

 

フランスW杯・日韓W杯・ドイツW杯・南アフリカW杯編はこちら

 

 

ではでは(´∀`)