RK-3はきだめスタジオブログ

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SAMPLE〜国際親善試合 アメリカ代表 vs 日本代表 マッチレビュー&試合考察〜

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なんでもアメリカ館、トランプ色強くなってそうで

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは国際親善試合 アメリカ代表 vs 日本代表の一戦です!

 

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無事にW杯出場を決めた日本代表。ここから2026年W杯までに予定されている活動回数は、事前合宿を除けば9月・10月・11月・来年の3月…これを多いと取るか少ないと取るかは人それぞれですが、残り4回となりました。

W杯出場を決めた事で実質的な消化試合となっていた6月の最終予選と7月のE-1選手権は新戦力を発掘する為のセレクション的なフェーズでしたが、ここからはいよいよ日本代表をチームとして仕上げていく段階であり、ラージリストの中に属する選手達にとっては改めてふるいにかけられていくという鍛錬とサバイバルが共存する実に難しい季節へと突入します。その中でメキシコとアメリカ……勢力図的には日本と近いところに属し、同時に来年のW杯開催国であるこの2チームとアウェイで戦えるという事は、機会としてこれ以上ないシチュエーションと言えるでしょう。アメリカ生活のヒントにも繋がるでしょうし。

今日の相手はアメリカです。先日のメキシコ戦は土地柄もあって完全アウェイに近い環境での試合となりましたが、あの試合は一応中立地扱いの試合だったのに対して、今回は正真正銘の開催国とのアウェイゲームとなります。今まさに、アメリカサッカー界は四大スポーツの牙城の中に割って入ろうという成長を続けている最中。新監督にマウリシオ・ポチェッティーノという大物を読んできた事も熱意の一つの表れと言えるでしょう。そんな国がW杯開催を前年に控えたホームでの親善試合。日本とアメリカ、長年の同盟国にして、サッカー界での著しい成長が認められている両国の試合。メキシコ戦同様に実りのある内容を見せ、メキシコ戦とは異なり結果を示すパフォーマンスに期待したいところです。

両チームスタメンです。

 

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日本はメキシコ戦からスタメンを総入れ替えしてきました。代表デビュー戦となる選手はいませんが、荒木隼人と望月ヘンリー海輝はE-1選手権を除けば初めての代表戦出場。長友佑都も同じくE-1選手権を除けばカタールW杯ベスト16のクロアチア戦以来となる代表戦出場となり、通算出場数を143試合としています。3バックは中央に荒木を置いて両脇にはSBが本職の長友と関根を起用。3バック時には右WB起用が多い伊東純也はシャドーでのスタメンとなりました。

アメリカは先日の韓国戦からはスタメンを4人変更。韓国戦では4バックを採用しましたが、今日は日本と同じく3-4-2-1のスタートです。日本がメンバーをBチーム寄りで編成した一方、アメリカも今回はマッケニーなど一部の主力をメンバーから外しており、両チームにとってセレクション要素もある顔触れとなりました。

 

 

 

本日の会場はアメリカ、オハイオ州コロンバスのLower comフィールドです。

2021年にコロンバス・クルーのホームスタジアムとして開場。コロンバス・クルーもかつて大学アメフトで使用されていたオハイオ・スタジアムを使用していましたが、MLS所属チームの多くはこれまでアメフトのスタジアムを使用する事が多かったところから、サッカースタジアムとしての機能性向上となるべく満員の試合を増やす為のキャパの是正を目的に2〜3万人規模のスタジアム建設が増えており、このスタジアムのその内の一つ。アメリカのスタジアムでは稀有な360度コンコースを備え、スタンド裏に設置されたビアガーデンも常設。男子アメリカ代表の試合開催はこれが3試合目で、なでしこジャパンは昨年のシービリーブスカップでブラジル代表と対戦しています。

メキシコ戦を戦ったオークランドからコロンバスは移動負担のみならず3時間の時差も生じており、日本代表としては中3日でこの大きな環境変化への対応も求められる難しいシチュエーションに。とはいえ、これも本戦に向けた大事なシミュレーションです。スタッフチームのリハーサルという意味でも、ピッチ外の対策もこの機会で行う姿勢は実に素晴らしいなと。

 

 

 

 

前半から縦への動きが大きい展開となり、アメリカもアグレッシブに前へと雪崩れ込んでいくアクション、或いは日本にボールを奪われた際に早く帰陣するトランジションの姿勢は徹底しながらの入りとなりました。

日本のチャンスは8分、望月が右サイドで残したボールを伊東が入れると、GKフリースが弾いたボールに前田大然が詰めますがシュートはミートしきれず。その後はやや日本が後ろの方からビルドアップできるようになった事で少し試合のペースが落ち着いた感があった中で、21分には左サイドから入ったボールにファーサイドに走り込んだ望月がヘッドで合わせる場面がありましたが、ここもGKを前に阻まれる形に。

 

 

 

しかし試合を動かしたのはアメリカでした。30分、自陣でのボールロストからボールを左サイドに展開されると、望月を振り切ったアーフステンのクロスボールに対してファーサイドにいたセンデハスがダイレクトボレー。これがゴール左に突き刺さり、日本としては試合が落ち着いてきたタイミングで痛い失点を喫する事に。

 

 

アメリカがリードしてからは、アメリカが日本陣内に高いライン設定でコンパクトは陣形を保てるようになった事で日本としては重心が重くなる展開に。その中でも鈴木唯人のパスカットからのスルーパスに走り込んだ伊東の決定機や伊東の折り返しに佐野海舟が走り込んでミドルを放つなどの好機こそありましたがゴールは遠く、前半はアメリカのリードで終了。

 

 

 

後半から日本は長友を下げて瀬古歩夢を投入。しかし日本は右からのアーリークロスに前田が走り込んでいくような場面はいくつかあったものの、メキシコ戦の前半のように継続的な攻撃には至っておらず、逆にアメリカの方が日本の守備が横ずれした時の歪みを狙って巧くボールを動かし、後半は決定機こそあまり無くともアメリカの流動性を前に翻弄される形に。

 

 

 

そんな中で日本は62分に前田、藤田、鈴木を下げて三笘薫、鎌田大地、南野拓実を投入。アメリカもほぼ同じタイミングで選手を4人一気に入れ替えていきます。

しかしアメリカが選手交代を行う直前の64分、自陣からのパスを受けたプリシッチが前を向いてWBとCB及びボランチの間のラインを単独突破。そのまま同サイドにスルーパスを送ると、反応したバログンが冷静に決め切ってアメリカに追加点…。

 

 

70分には小川航基が無回転キックで強烈なミドルを放つもクロスバーに直撃。直後の73分には小川と望月を下げて町野修斗と菅原由勢を投入して交代枠を使い切り、システムを瀬古を左WBとした4-2-3-1に変更。しかし前述の小川のシュートも強引なミドルだった事も踏まえて有効なチャンスにはなかなか繋げられず、79分には大迫敬介の好セーブで弾いたとはいえ横パスの連続から途中出場のマッグリンが決定的なシュートを放たれ、83分には同じくマッグリンにクロスバー直撃弾を放たれるなど劣勢模様はなかなか変わらず。

 

 

 

結局、最後まで形勢を揺るがすことはできないまま試合終了。

移動や滞在も含めて本番を想定した2連戦でしたが、日本は2試合無得点のまま1分1敗で終わりました。

 

 

 

難しい試合でしたね。序盤こそお互いハイプレスを試み上下動が目立つ試合展開になっていた中で、アメリカがよりアップダウンを強調してきたのに対して日本は高い位置でコンパクトな陣形を築きながら、ワイドの幅も活用してボールを動かしていく意識は見てとれました。そこはメキシコ戦で日本が優位に立っていた時のパターンでもあるので、チームとしての共有事項として、その状況さえ作ってしまえばどのメンバーでもある程度できるアクションなんだと思います。一方で、低い位置からのビルドアップとなると、なかなか中盤のところで相手を翻し、WBやシャドーとリンクさせる事ができなかった。それゆえに一旦カウンター的な状況を作らないとその状況に持ち込めなかった部分は否めなかったのかなと。

なにより、メキシコ戦では相手を完全に制圧できていたプレスについては今日はあまりにも不十分でした。プレスと言っても個々の選手がサボっていたとか守備意識が低かった訳ではなく、連動のところですよね。ここに関しては3バックの際にはWBで使われるタイプの長友と関根を左右のCBにしていた事や、右サイドの関根と望月のところで守備のエリアが重複していた影響は大きいんでしょうが、横へのスライドを含めて5レーンの守備が目に見えて崩れてしまっていた。カタールW杯の時のように割り切る時は5バックで割り切るタイプの3バックならまだしも、今の日本のように可変的に3バックと4バックのフェーズを作るやり方をするチームにとって致命的な隙が常に生まれてしまっていたのは残念なところでした。

 

 

 

そしてアメリカも、日本の状況を見てそういうやり方をしたのか元々そういうスタイルなのかはわかりませんが……5レーンの空白地帯を貫くように持ち運んだ上で、日本の守備陣がボールホルダーに対応しにきたタイミングでWBやシャドーと連動して2対1、3対2の状況を作っていく…。1点目は日本のボールロスト絡みから相手がクオリティを見せた致し方ない部分はありましたが、2点目は完全に守備の問題を狙われたような失点でしたし、守備時の細かなスライド、細かなポジション修正が全く効いていなかった。結局アメリカが先制をしてからは、アメリカもWBに蓋をするようなプレスをした上で左右のズレを作っていくハメ方になっていましたしね…。

特に長友と瀬古にはすごく難儀な試合になったと思います。終盤に4バックに変更した時間を含めて、この試合のチームは3バックのフェーズと4バックのフェーズを使い分けながらプレーしていましたが、瀬古は3バックの左CBとしてはビルドアップやカバーリングなどCBの役割を十分にこなしてくれていた。一方、攻撃時に左SBとしての立ち位置になると、サイドラインでの対人や左WGをフォローする攻撃参加でも物足りなさがあって、本人も見るからにやりにくそうな印象を受けた。逆に長友は左SBの立ち位置が回ってきた時は前線への顔の出し方や対面の相手とのマッチアップでタスクをこなしていけるものの、左CBとなると横ずれのスライドの動きやカバー面で不安要素が多かった。その役割を両方担えるのが伊藤洋輝と町田浩樹だったりする訳で。この試合の長友と瀬古の悩ましさはこの試合を象徴するもので、同時に彼ら2人の役回りは実に難儀なものだったなと。

 

 

今回のアメリカ遠征のテーマって、めちゃくちゃシンプルで難しいテーマだったと思うんですよ。

森保監督はメキシコ戦前の会見の時点で、このアメリカ遠征は「アジア予選の戦い方でぶつかる」と明言していた。日本代表はこれまで挑戦者として戦うべきW杯と挑戦される側の立場で戦うアジアでの戦いの2つがあり、前者の戦い方で上手くいかなかったアジアカップを経て、アジア予選では3バックを採用した攻撃的な布陣で一定の成果を出した。じゃあこのやり方がメキシコやアメリカのようなW杯クラスの相手と戦った時にどうなるのか?同じ事をAメンバーじゃない人選でやむたらどうなるのか?言い方は悪いですが、試合展開に応じて大きな修正を施さなかった事を含めてチームにとっての"実験"だったんだと思います。負けても良い試合は一つも無いけど、負けが痛手にならない試合はある訳で。

 

 

カタールW杯までの過程において、森保ジャパンが取り組んだ事は「とにかくチームとしてのサンプル」を集める事でした。それは良い部分も、悪い部分も、一つのサンプルであり、一つの情報だと。だからこそメキシコやアメリカに勝つよりも、アジア予選仕様のやり方をそのままぶつけたらどうなる?というサンプルが欲しかった…そういう狙いなんだろうなということは森保監督が「アジア予選のやり方で行く」と公言した時に予想していましたし、少なくともそれは2試合を通してやりきった。

今日手にした貴重なサンプルを、本番に向けたチームづくりにどう活かしていくのか。それは彼が日本代表監督である理由にして真骨頂だと思っているので、この2試合を"無駄にしない"のではなく"ちゃんと血肉とする"事を願ってこれからのシリーズを期待したいと思います。

 

 

大迫すごかったで、疲れてるやろ、次は休んだ方が( )

ではでは(´∀`)