ヤスヤスモリモリ
どーもこんばんは
さてさて、本日のマッチレビューはキリンチャレンジカップ2022、日本代表vsエクアドル代表の一戦です!
オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。
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絶対的な主力として扱われている選手はともかく、いわゆる当落線上に立つ選手としてはW杯の前に訪れる運命の一戦です。
今日のエクアドル戦……勿論、相手は熾烈な南米予選でチリやコロンビアを張り切ってこの舞台に辿り着いた難敵。南米の強豪と戦う機会もそんなに多くないですから、この試合自体が一つ貴重な機会であり、チームの力を測る上で重要なポイントと言えるでしょう。
しかし今日の主題と言えば、この試合がカタールW杯のメンバー発表前の最後の試合であるというところで。今日のメンバーの中には既にW杯が当確のような立場にいる選手もいますし、一方でギリギリ…むしろ現状なら落選濃厚だっている。彼らにとってこの試合は文字通り運命の試合で、W杯予選前のキリンチャレンジカップで浅野拓磨が語った「W杯予選の予選」という言葉がより一層重くのしかかるような試合になるでしょう。
各々の4年間への道のりは人それぞれ。ただ、その人それぞれ歩んだ道の終着点は明暗を分けるものになるのは必然。戦士達は夢を繋げるのかどうか。そのロマンに続く道を左右するゲームです。
両チームスタメンです。
森保一監督が事前に公言していた通り、アメリカ戦からは先発を全員変更してきました。ポジション争い激戦区の前線は2列目は右から堂安律、南野拓実、三笘薫のセットで、ワントップには古橋亨梧を配置。6月シリーズでは左SBで起用されていた伊藤洋輝は谷口彰悟とコンビを組む形でCBでの先発になり、6月は右SB起用だった長友佑都は左SBにポジションを戻しています。GKはシュミット・ダニエルが先発です。
アメリカ戦で先発した冨安健洋と権田修一は、前者はクラブ事情、後者はアメリカ戦での負傷により既に代表チームを離脱。その他のメンバーでは前田大然と瀬古歩夢がベンチから外れています。
本日の会場はドイツ、デュッセルドルフのエスプリ・アレーナです。
普段はフォルトゥナ・デュッセルドルフのホームスタジアム。現在は田中碧が所属しているクラブで、過去には宇佐美貴史や原口元気が所属していましたね。ドイツでも大規模なスタジアムでW杯規格を満たしていながら、2006年ドイツW杯の会場リストからは漏れてしまいました。一方、ドイツで開催されるUEFA EURO 2024では開催会場の一つになる予定となっています。外観はどこかショッピングモールにも見える特徴的なフォルムですね。
元々デュッセルドルフは日本人がめちゃくちゃ住んでいる地域であり、欧州でプレーする選手も散髪や食事会で度々デュッセルドルフに訪れるんだとか。JFAも、近年は欧州組のサポートにドイツのデュッセルドルフに海外事務所を構えていますので、名実共に日本にとって第2のホームとも言える場所になっています。先日のアメリカ戦も今日のエクアドル戦も、現地の日本人の方が多く来場していますね。前述の通り、ドイツW杯の会場には選ばれませんでしたが、当時のジーコジャパンはドイツW杯前の最後の試合となるマルタ戦をこの会場で戦いました。
序盤はエクアドルの出足がかなり良く、積極的なプレッシングとサイドを活用したスピーディーな攻撃でリズムを作っていきました。それにより、日本は立ち上がりはかなり劣勢を強いられる形で戦わざるを得なくなり、バックラインでのビルドアップ自体は出来るものの、そこからなかなか前進する事が出来ない時間が続いていました。
エクアドルの速い攻撃に対し、日本も守備では安定したパフォーマンスを見せていました。特に左SBに入った長友佑都のパフォーマンスは良く、上手く間合いを取ったデュエルを展開することでMFの帰陣とCBのポジション調整をする時間を作る事が出来ていたので、カウンターに対しても大崩れはせずに対応出来ていました。
一方、攻撃面では前に持ち出せる機会自体は増えていたものの、堂安律や三笘薫のサイドにボールを出したタイミングで強襲プレスを受ける形になり、エクアドルの先手、先手を取ろうとするようなアグレッシブな守備の前に、日本としてはやっぱりリズムを作れない状況になっていきます。
それでも前半の終盤には日本にもチャンスが。40分には南野のプレスから古橋が決定機を迎えましたが、このシュートは相手GKがセーブ。しかし日本もちょこちょこ前線での時間が増えましたがエクアドルペースの流れは変わらず、43分にはロマーリオ・イバーラのシュート性のクロスが転々としてポストに。アディショナルタイムにはセットプレーから波状攻撃を喰らうなど、なかなかにヒリヒリする展開で前半を終えます。
後半からは古橋を下げて上田綺世を投入。後半もエクアドルのプレッシングの積極性は維持されており、日本が苦しむ時間帯も少なくはなかったんですが、前半と比べると日本も割り切ったようにサイド攻撃に振り切った事で、サイド突破からのクロスで攻撃の形でチャンスを作り始めていきました。
後半は右サイドでは堂安が内寄りのポジションを取りつつ山根視来に高い位置を取らせて、左サイドは守備をある程度長友に任せつつ三笘が徹底して縦突破を図るような形にすると、57分にはその三笘の鋭いサイド突破からのクロスに南野が飛び込みましたが、シュートは僅かに枠を捉えられず。
エクアドルのインテンシティーが少しずつ落ちてからは、お互いにカウンターの応酬のようなオープンペースな試合展開になっていきましたが、そこからは日本のクオリティの方が優っていくようになっていきました。
67分には三笘、南野、柴崎岳を下げて相馬勇紀、鎌田大地、遠藤航の3人を同時投入。途中出場の相馬が左サイドでキレのある動きを展開すると、70分にはカットイン気味に入った相馬のクロスに上田が頭で合わせるも枠を捉えられず。79分にも中盤でドリブルで前進した鎌田のパスを受けた堂安が得意な形でシュートを放ちますが…今度はGKガリンテスの好セーブに阻まれ、こぼれ球に詰めた上田のシュートもガリンテスが抑えて得点には至りません。
すると83分には右からのボールに対し、谷口彰悟のミカエル・エストラーダへのチェックがファウルと判定されてPKを献上。ですが、途中出場のエネル・バレンシアのショットはシュミット・ダニエルがスーパーセーブで阻止!更に85分にもセットプレーからバレンシアが再びシュートを放ちますが、ここもシュミットの連発スーパーセーブで凌ぎます。
PKの直後に堂安と長友を下げて伊東純也と吉田麻也を投入し、日本は遠藤をアンカー、伊東をFWの位置に置いた3-1-4-2にシフト。すると89分には相馬のクロス受けた伊東のパスで抜け出した鎌田が決定的なチャンスを迎えましたが…こちらは今度はエクアドルのGKガリンテスがセーブ。
終盤は特に、親善試合ながらスリリングな試合展開になってきましたが、両GKの好守連発もあって最後までゴールは生まれず。カタールW杯メンバー発表前最後の試合はスコアレスドローでその90分を終えました。
トータルとして日本にとって良い試合だったのかどうかはともかくとして、本番前にこういうパターンの試合を戦えた事実はポジティブだったと思います。
おそらくエクアドルはかなり今日の試合を本番想定として捉えていて、推測ですが、初戦のカタール戦というよりもセネガル戦でどういうスタンスで戦うべきか…のテストを日本相手にしているようにも見えました。前半は間違いなく劣勢で、特に堂安なんかは守備での役割が増えてしまう難しい展開になった事は確かです。一方、長友のところで上手く時間を稼ぎ、その間にDFのポジション調整やボランチ+堂安の帰陣を促して守備陣形を常に整えた形でエクアドルのアタックに対応出来ていたのは大きなポイントで、日本が崩されたようなシーンはあまりなく、常に4バックの並びを保ちながら戦えていたのは守備の観点からすればポジティブなところだったように思います。そこで飛ばしたエクアドルと、そこで焦れずに落ち着いて対応出来た日本の構図があったからこそ、後半に違う展開を見せられた部分もあったと思いますし。
相手にガッと来られた時に日本はどういうスタンスで戦えばいいのか、そこからどう押し返していけばいいのか…みたいなビジョンは、チームとして共有できていたのではないでしょうか。
欧州遠征のこの2試合に関しては、個人的には割とポジティブな感覚で観る事が出来ました。
内容的に理想的に試合を進められたのはアメリカ戦でしたし、エクアドル戦は理想的な試合ではなかったけれど、合理的な試合展開として90分を進める事ができた。諸々どうにかすべき課題はある訳ですけど、それを含めて有意義な90分であり、180分だったのかなと思います。さぁ、どうなるメンバー!!
シュミット、若そうに見えて実は30歳。
ではでは(´∀`)