RK-3はきだめスタジオブログ

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"新しい景色"で見るものは〜2022 FIFAワールドカップカタール大会 グループE第2戦 日本代表vsコスタリカ代表 マッチレビュー〜

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すべてをここに。

 

どーもこんばんは

 

さてさて、本日のマッチレビュー2022 FIFAワールドカップカタール大会、グループE第2戦、日本代表vsコスタリカ代表の一戦です!!

 

カタールW杯観戦ガイド更新中!是非覗いてください!

 

オリジナルアルバム出してみました!聴いてみてくださいませ。

 

自称・当ブログ的カタールW杯テーマソング

 

 

 

マイアミの奇跡───日本サッカーの歴史を紐解く時、必ず通るポイントです。

絶対に勝てないと思われていたU-23日本代表は、オリンピックという舞台でブラジルに勝利してみせた。歴史を振り返る局面では、多くの場合でこの奇跡だけが取り上げられます。

しかし、マイアミの奇跡の続きは悲劇であり、普段テレビでは取り上げられない"HOWEVER"がありました。ブラジルに勝利した日本は続くナイジェリア戦に敗北。最終戦ハンガリー戦では勝利したものの、日本・ブラジル・ナイジェリアが勝点6で並び、日本は勝点6を獲得しながら敗退するという衝撃的な結果に終わってしまいました。マイアミの奇跡の割に語られる事の少ないあの悲劇は、当時を知る人たちにとっては少なからず過去の傷として、今もまだ刺さっているような気がします。

 

 

ドーハの悲劇への挑戦というテーマが、ドイツ戦で完遂したのか?といえば、それはまだ終わっていません。このコスタリカ戦、そしてその後のスペイン戦も……「ドーハの歓喜」に、マイアミの奇跡のようなHOWEVERの余地を残す訳にはいかないのです。そうしてこそ、日本は新しい景色に辿り着き、物語は一つのチャプターを終え、新しい章へと進む……歴史とは何かを超えていく事で新たに積み重なっていくもので、そのキーポイントは歓喜を掴んだ次にこそ待っていると言うべきでしょう。

 

 

思えば、新しい景色を見ることを掲げて立ち上がった森保ジャパンの軌跡…その1試合目は2018年9月11日、パナソニックスタジアム吹田でのコスタリカ戦から始まりました。例えば南野や堂安、伊東といった面々はあそこから日本代表に定着した。呼ばれたり呼ばれなかったりの時期はありましたが、シュミット・ダニエルや守田英正らもあそこが始まりでしたし。

このタイミングでコスタリカとまた巡り合う運命は、決して歓喜や奇跡の続きではない。4年間続けてきたこのストーリーの全てをドラマにする為、ドイツ戦を決して最終回にはしない為、日本代表がコスタリカ戦で求められる事はある意味ではドイツよりも大きいのかもしれません。さぁ、見るべき景色と続く歴史はまだまだ先。日本に吹く風に乗れ、そして栄光の軌跡を描け!!

両チームスタメンです。

 

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日本は初戦のドイツ戦からはスタメンを5人変更してきました。DFラインは山根視来が右SBに起用された以外はドイツ戦と同じですが、2列目より前はトップ下の鎌田大地を除く全員を変更。右WGにはドイツ戦で得点を挙げた堂安律が入り、左WGには相馬勇紀、ワントップには上田綺世が起用。また、ボランチにはドイツ戦を欠場した守田英正が起用されており、コスタリカ戦からスタメン起用となった選手は堂安以外はW杯デビューとなります。ドイツ戦で先発した酒井宏樹と途中出場した冨安健洋はベンチ登録はしましたが試合前練習には参加しておらず、事実上の欠場となっています。

 

本日の会場はカタール、ライヤーンのアフメド・ビン・アリー・スタジアムです。

カタール・スターズリーグではアル・ラーヤンSCが本拠地として使用しているスタジアムです。カタールW杯の開催会場になると共に、2022年6月にはカタールW杯最後の出場国を決めるAFCプレーオフや大陸間プレーオフはこのスタジアムで行われました。今大会ではベスト16までの6試合が開催されるスケジュールになっており、特にウェールズはこのスタジアムで3試合全てで戦うことになっています。スタジアムの外壁、ファザード部分は発光して変色もする仕様になっているので、このコスタリカ戦はデイゲームではありますが、特にナイトゲームでは幻想的なビジュアルを作り出しています。

日本的にはドイツ戦とスペイン戦を戦うハリーファ国際スタジアム以外は全て今大会に向けての新設スタジアムとなっていますが、このスタジアムに関しては元々あったスタジアムを取り壊して建て直したスタジアムであり、旧スタジアムもアジアカップ2011の会場になりました。日本はグループステージ最終戦サウジアラビア戦をこの旧スタジアムで戦っており、5-0で勝利してグループステージ突破を決め、そして優勝に繋げています。あの時のように、何かを重ね合わせたくなるようなセットが用意された中、また一つ新たなストーリーを成就させる舞台は整いました。

 

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カタールW杯で使用される全スタジアムの紹介はこちらからどうぞ!

 

試合開始早々、いきなり相馬が左サイドを突破したところから始まった試合でしたが、このサイド攻撃は跳ね返されてシュートには至らず。基本的に押し込んでいたのは日本の方で、相馬と堂安が張った両サイドから比較的そのままサイドを突破するような形で試合に入っていきました。

ただ、今日の日本はコスタリカの5バックの前に、可能性のあるエリアに出てからのパスがどうにも合わない場面が多く、コスタリカのビルドアップの過程で生じたノッキングからのこぼれ球も回収はするものの、そこから先の展開になかなか持っていけません。

 

一方、守備では中盤でコスタリカがボールをキープし、戦前の予想よりはコスタリカがグッと前に出てくるような場面は少なからずありました。しかしそこに対してはサイドハーフサイドバックボランチのところでボールホルダーに対してしっかりと潰しに行く事でサイドエリアで攻撃を潰せており、一方的に押し込めていた訳ではないものの、コスタリカの攻撃の単調さもあってチャンスを作らせる事はなく時間が推移していきます。

 

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ただ、局面局面の守備では強さを見せ、コスタリカの攻撃も別に脅威ではなかった事から失点する恐怖はさほど感じさせなかったものの、攻撃は引いて守られる状況に若干リズムが狂わされており、選手同士のビジョンに若干のズレも見られるような形で終始。

前半の終盤は長友佑都を左CBにした3-4-2-1にシフトするも、前半は日本もコスタリカもゴールの気配を感じるようなシュートシーンはほぼ作れず0-0で終えます。

 

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日本は後半から長友と上田を下げて伊藤洋輝と浅野拓磨を投入。後半開始早々からいきなり守田が中央突破からシュートに持ち込み、両チームを通じて今日初めての可能性のあるシュートでしたが、これは世界最高峰のGKケイラー・ナバスが好セーブ。後半に入ると日本も少しペースとリズムを作り始めており、攻撃に流動性が生まれると、62分には遠藤のオーバーラップと中央突破で獲得した絶好の位置からのFKを相馬が狙いますが…僅かに枠の外。

 

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日本は前述の相馬のFKの直前に山根を下げて三笘を投入。相馬を右WBにスライドし、67分には堂安を下げて伊東純也を投入して攻勢を強めようと試みます。

この頃になると、日本は相馬と三笘の両WBは属性的にも勿論、Wボランチの遠藤と守田もかなり高い位置まで攻め出てプレーするようになっていました。基本的に敵陣でボールを回し続けた日本ですが、なかなかそこから先…縦パスを通すタイミングで潰されることも多い中で、浅野のフリックから伊東が抜け出して決定機…を迎えかけましたが、相手DFに後ろから倒されてFK。鎌田のシュートは壁にヒットしてゴールならず。

 

しかし押し込もうとする日本は全体的に前がかりになると同時に節々が粗くなり始めていくと、コスタリカがそこからカウンターを狙おうとする場面が見えるようになってきました。そこに対し、板倉や遠藤が出足の良い守備を見せて即時奪回を徹底しようとしていたのはハマっていたものの、一方でチームとしては「押し込めている」というよりは「押し込まなければならない」ような強迫観念に陥ったのか、中盤から前が全体的にコントロールを失うような事態に陥っていきます。

その皺寄せは歪となって、特に3バックとGKに対して神経戦という形のストレスで蝕み始めていきました。

 

81分でした。コスタリカは右サイドでボールを持つと、インナーラップ気味に入る選手に対して浮き球のボールを供給。伊藤が頭でカバーに入った吉田に落としたものの、吉田のクリアが中途半端になって生じたルーズボールを制されれば、ケイセル・フレールにふんわり打たれたシュートはコースに飛び……被弾。日本失点……。

 

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失点直後、日本は相馬を下げて南野拓実を投入し、南野をシャドーに入れて伊東を右WBに置く形にシフトして猛攻を試みます。ここからの場面は左サイドで三笘の個人技と突破力が活きるシーンはいくつかありました。88分、左サイドを抉った三笘の折り返しに対して日本は複数の選手がエリア内に突っ込むも、最後の最後でナバスの超人セーブが火を噴いて……。

 

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………試合終了。

ドイツに勝った勢いは萎み込んでいくかのような敗北…。日本、リーグの展望を再び振り出しに戻す痛恨の一敗です。

 

 

 

色々と議題になるべきポイントはあると思います。そういう試合であり、そういう負けでした。ドイツ戦の勝利が偶然じゃなければ、この敗戦も偶然ではないです。

ただ個人的には、じゃあドイツ戦と同じスタメンなら勝っていたのか?と言われればそこはあまりそうは思わなくて。昨日のブログでも書いたんですけど、コスタリカ戦はドイツ戦とスペイン戦とは違う前提で物事を考える必要があるし、違うアプローチでゲームプランを組み立てなければならなかった。そう思えば、今日のスタメンの選考は別に力を落としたつもりでは無かったと思っていますし、それ自体が間違いだったとは正直あまり思っていないです。

 

 

ただ、前半から…想像以上に選手達の足にボールが付いてなかったんですね。例えば、前線で堂安や相馬が動き出している時に鎌田の足にボールが全然つかないとか、不慣れな役割を強いられたとはいえ、上田のトラップがかなり跳ねたとか……遠藤の好プレー連発もあってそのイレギュラーが表面化する事を最低限に抑えてはいましたけど、あれほど前線でノッキングが起こったのは想定外でした。

後半は持ち直したとは思います。ただ、ドイツ戦の自信は焦りに、プレッシャーに変わり、チームを必要以上に前傾姿勢にしていった。なまじ、それなりに攻めれてはいた事で、いつしか日本はコントロールが効かなくなっていった。そしてそれによる皺寄せは3バックに来ていて、歪みが生じた…。吉田のクリアミスはこのレベルの舞台に於いて絶対的にやってはいけないミスではあったものの、その皺寄せと歪みの流れの中の一部であったようにも見えました。

 

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ドイツ戦という最高の時間があった上でこういう結果に陥ってしまった訳で、彼らが「油断」や「慢心」と言われてしまうのはある程度仕方ない事だと思っています。

ただ、個人的には日本からコントロールを奪ったのは油断や慢心ではなかったようにも思っていて。少なくとも日本は歴代のW杯で、ここまで高く見積もられた立ち位置の舞台で戦った事なんて歴史上ありませんでしたし、W杯の本戦で、いわゆるここまでスタートから"リスペクトされた"戦い方に持ち込まれたのは初めてでしょう。多分選手達は、ドイツ戦の自信を誰も慢心として消化はしていませんが、あの自信に首を絞められたところは少なからずあって。図らずもリスペクトされて戦わざるを得なくなったこの試合で、日本はどう振る舞えばいいのかを掴めていなかった。なんというか……唐突にめちゃくちゃ高級なスーツを着せられて、どう歩いていいかわからず右往左往してしまったような。

 

JFAはこのカタールW杯のある2022年に向けたスローガンを「新しい景色を2022」として歩んできました。

ただ、今思えば……「新しい景色を見る」という事は、ドイツ戦でその権利を手にして、今日のコスタリカ戦で見た景色こそが新しい景色だったように思います。最後まで味方に付けられなかった違和感の中で、見せられた景色はなかなかに苦しい代物だった。裏返せば、日本は今日のような立場という新しい景色を見る段階には到達したんじゃないか、とも思います。日本がもう一つステージを上げる為に必要なのは見た事のない景色を見る事ではなく、日本自体がその景色の一部にならなければならない。そうでなければ、まだまだ日本代表は畏敬されるような存在にはならない……簡単な言葉で片付けるには少し難しいゲームだったように感じました。日本は今まで経験したことのない世界の中で戦うしかなかった。その、ある意味で慢心よりも危うい心理状態まで考慮した上でのコスタリカのゲームプランだったのだとすれば、それはもうお見事と言うしか…。

とにかく今は、スペイン戦を信じるしかないです…。

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

11月27日(大会8日目)

E組

日本0-1コスタリカ

スペインvsドイツ

F組

ベルギーvsモロッコ

クロアチアvsカナダ

 

 

なんとか、なんとかスペイン戦…。

ではでは(´∀`)