RK-3はきだめスタジオブログ

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どうしてこうなった?〜2025明治安田J1リーグ第34節 ガンバ大阪 vs 柏レイソル マッチレビュー&試合考察〜

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万博、終わっちゃったね…

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第34節、ガンバ大阪 vs 柏レイソルの一戦です!

 

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夏が過ぎ、風あざみ、万博も終わって、彷徨う10月。7月と8月でまるで二面性を示すような夏を過ごし、そんな夏を抜け出したガンバの前には大いなる青空が広がっていました。

復帰した初瀬亮の奮闘、復帰してくる負傷者、コンディションが整わなかった選手が見せる本領発揮、それらがポヤトス体制で築いたステージの上で踊り狂う事で魅せるパフォーマンスはまさしく魅惑の攻撃サッカー。いつか見た夢をまた見ているような喜びをピッチの上で表現してくれているように気分にさせられます。結果も上々。鹿島に挑んだ前節は勝利こそ逃したものの、最後のGK一森純のPKストップまで含めて感動的なゲームだった…多くのファンがその昂る感情を覚えた事でしょう。

さあ、次は柏レイソル。ガンバにとっては2戦連続で優勝争い中の相手との試合となりました。前半戦の対戦ではガンバ自体が大いなる混迷の中に埋もれていた事もあって苦しい内容と結果になってしまった。その混迷の過去も含めて、その全てが2025年の結果として12月の数字に反映されていく……スペイン人監督に率いられたチーム同士、美しく殴り合う90分に期待したいところです。

両チームスタメンです。

 

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前節は鹿島戦では鹿島対策として3バックを採用したガンバでしたが、今日も柏とミラーゲームになる構図で3バックを継続採用。とはいえ1トップ2シャドーは実質総入れ替えとなっており、前節はベンチスタートだった宇佐美貴史とデニス・ヒュメットをスタメンに戻し、前節ボランチ起用だった満田誠が宇佐美とシャドーを組む形となっています。それに伴い今日は鈴木徳真と安部柊斗のボランチでスタート。欠場が続いていた初瀬亮も第29節浦和戦以来のベンチ入りです。

直近のルヴァン杯川崎戦で大逆転勝利を収めた柏は直近の川崎戦から古賀太陽と原田亘をスタメンに戻した2枚を変更し、前節横浜FM戦からはメンバーを4人入れ替えています。ボランチに入った戸嶋祥郎は第26節湘南戦以来のスタメン。川崎戦と同様に特別指定選手山之内佑成が右WBとしてリーグ戦初スタメンを飾り、これまでは左WBでの起用が主だった小屋松知哉は川崎戦同様にシャドーでの起用となりました。

 

 

 

本日の会場は大阪府吹田市パナソニックスタジアム吹田です。

 

 

この試合ではハロウィンイベントとしてモフレムからお子様にキャンディが貰える企画を実施。また、大人向け企画としてはガンバオクトーバーフェストと称して、青黒横丁にてドイツやベルギーのビールやグルメを販売する他、場内でも GAMBA BEERSTREAMの販売が実施されます。試合前のトークショーには柏OBの林陵平氏、場内放送ではガンバレジェンドにして柏所属経験のある中澤聡太氏が来場です。

パナスタは2025年10月10日にて竣工10周年となり、奇しくもその当日には日本代表のパラグアイ戦が開催。そして直近のホームでのリーグ戦となる今節では、J1リーグ戦に於けるクラブ最多年間入場者数を更新しました。これからもこの青の聖地で新たな記憶と熱狂を!

 

 

現地観戦でした!!

 

 

 

 

【大事なお知らせ♡】

いつもならここで試合描写を掲載するところでしたが、あまりにもその気力が起こらない、文字に起こす度に痩せそうな試合内容だったので、こちらの部分はスキップして試合の総括に移動します!

 

 

 

まあ、うん、はい、その…。「どうしてこうなった」というところですよね。ゆっくり動画で言うところの。個人としても、特定の誰かがダメだった訳でもなく全体が等しく良くなかった感覚でしたし。

基本的にガンバと柏の「やりたい事」は似ていたと思うんですよ。3バックを用いた上でサイドの高い位置でWBとシャドーが関係性を作って相手を5バック化させ、ワントップがニアサイド、もう一枚のシャドーが中央に入りつつ、大外に反対側のWBが入っていくような形。つまりそれを実現する為には、大前提としてこの試合はちゃんと"3バック"で戦わないといけない。鹿島戦は相手の攻撃がロングレンジ気味だったので、5バック化する事の利点はあったんですけど、今日は違う。ポヤトス監督が試合後の会見で「前の3枚」ではなくWBを含めた「前の5枚」と表現したのはそういう部分があった、そこが鹿島戦との運用の違いとしてあったという事だと思います。なので基本的には鹿島戦の流れを汲んでの3バックではなく、あくまで柏とミラーゲームの構図を作る為の3バックであり、半田や岸本などの起用は鹿島戦で手応えを掴んだ配置の継続というところだろうなと。

 

 

 

ただそういう形にした以上、ガンバにとってこの試合を成立させるマストの条件は「開始10分の陣取りゲームに勝つこと」だったと思います。つまりこの試合は、お互いに似た利益を求めたミラーゲームの構図になった以上、先に敵陣でのシステムを築いた方の勝ち、先に敵陣でサイクルを回せる状況を構築した方の勝ちという状況になっていましたし、その時点で「3バックのチーム」と「5バックのチーム」に明暗が分かれる…少なくともそこが勝敗を分けるという事を強く理解していたのは柏の方でした。

その点では立ち上がりから柏はシャドーがサイドの高い位置でボールを持ってWBが絡んでいくような状況を作った中で、そこの攻撃に対してガンバがWBを5バックのSBとして対応したところを踏まえ、攻撃で差し切るよりもゆっくりと押し込んでいく事を選択した。1点目のシーンとかわかりやすいんですけど、特に現地で見てると……柏がサイドでボールを持った時にガンバがゾーンで守ろうとして膠着して「あれ?これなんの時間?」みたいなエアポケットみたいな瞬間が結構あった。例えば…右サイドで小泉がボールを持ち、ガンバは黒川が引き込んで対応しようとしたけれど、柏もそれに対してまるで動じない。そうしているうちにペナルティ付近まで進まれて、結局黒川が飛び出したタイミングでCFの垣田や細谷、WBの山之内に繋がれて黒川のところが剥がされ、福岡が引っ張り出され…という場面が連発してしまい、それを繰り返すうちにどんどん後退化していったという状況が生まれていました。2点目の場面でジエゴがあの位置にいて、シンプルに岸本があの位置でジエゴの対応をしなければならない状況だった事がある意味では全てだった。ここは柏が、ガンバボールになった時にマンツーマン的に挟み撃ちで即時奪回を徹底してハイラインの状況を保った事とは雲泥の差だったと思います。

加えて、こうなったらもう悪循環で……次第にガンバは、SBと化したWBが小泉や小屋松と対峙している時に中央の3CBが完全に持ち場を離れられない状況になってしまった事で、そういう時の柏のWBへの対応にシャドーが駆り出されるような形になってしまった。実際に宇佐美も満田も必要以上にサイドライン付近での守備に加勢せざるを得ない状況になっていましたし、そうなるとガンバがボールを持っても宇佐美や満田は大外から中央に戻らなければならない。ましてや常にサイドでそういうリスクを抱えていた以上、宇佐美と満田は常にサイドを配慮しなければならない状態に追い込まれていたので、彼らもまたシャドーなのかWGなのか中途半端な立ち位置になってしまい、こうなれば悪循環でヒュメットの孤立化、ボールを持ってもボランチに渡った時点で前線へのアクセスができない、そうこうしているうちに柏のマンツーマンでの即時奪回に遭い、奪われるか焦りのパスミスを連発するしかない、柏がボールを持てばまた同じ事が始まる……そういう状況になってしまっていました。特にここ数試合のガンバの好調は2〜3人の関係性とそれを発揮できるゾーンまでボールを前進させる事が攻撃の肝になっていた訳ですから、それさえもできない状況になっては、もうガンバの攻め手は後半のようにジェバリに当ててシャドーをフォローに走らせる事しかなくなってしまったのは必然ではあったんだろうなと。前半終了間際にチャンスと言えばチャンスではあったけど、満田がドリブルでピッチを横断して無理くりシュートに持ち込んだ場面は普段ならもう少しフォローを出せた、或いはコンビネーションを発揮できていたと思いますし。

 

 

 

結局のところ、この日のガンバは「誰が悪かったのか?」と言えば全体が等しく悪かったというか、全体が完全に機能不全に陥っていましたし、そこに至るまでには立ち上がりの陣取りを落とした事で試合の大前提が崩れ、そこから連鎖的に悪循環へと嵌め込まれていった。逆に言えば、この試合はミラーゲームかつお互いに狙いたい攻撃の形が似通っていた事から、勝ち筋というよりも「どういうシチュエーションになったら負けるのか」という事を柏の方が理解していたと思うんですよね。だからいつも以上にマンツーマンと即時奪回を徹底した柏と、最初の選択肢として構えているうちに柏の陣地にされてしまったガンバのところで差が出てしまったのかなと。

その点で言えば、個人的には後半…ポヤトス監督がメンバーとシステムを変更しなかった事は結構理解できるんですよ。ポヤトス監督も「後半はマンツーマン気味にいくという指示を出した」と言及していたように、ある意味で前半は陣取り合戦に負けた事でガンバの良し悪しをジャッジすらできない状態にまでなっていたという解釈もできる。そう考えた時に、後半開始というのはキックオフから再開できる機会でもある訳ですから、ゾーンディフェンスからマンツーマンに変えた上で立ち上がりの5分を取れば、3点ビハインドを追いつけるかどうかはともかく当初想定した"勝ち筋"に乗せられる可能性はあったとは思います。ただ、そこも柏はしっかりサイドのところで蓋をしてきた。そこで流れを許さなかったジエゴ山之内の勇気と、この2人が前に出られる状況を下支えした中央の選手の補佐は本当に素晴らしかったです。

 

 

 

サッカーって相反するスポーツだと思うんですよ。今季の柏は自分達のパフォーマンスに対して疑いなく自信を持てるチームでしょう。そしてガンバもここ1ヶ月のパフォーマンスに自信を持っていい。それは別に柏戦がこういう結果になったから撤回しなければならないものでもないですし。一方で柏の方が、その自信の裏に「じゃあ自分達が負けるパターンは何か?」という負け筋を考慮していましたし、最悪のシナリオを潰すという観点でより前に出る勇気を持てるようになっていたように見えました。

自信に裏打ちされた負けシナリオの認識、そして負けシナリオを認識したからこその勇気、それが柏にはあった。それを前にガンバは、あまりにも淡白だったのはこの試合の重大な過失だったんだろうなと。

 

 

【うれしはずかしじゅんいひょうのコーナー】

 

2025明治安田J1リーグ第34節

ヴィッセル神戸0-0鹿島アントラーズ

サンフレッチェ広島0-0FC東京

東京ヴェルディ1-0アルビレックス新潟

FC町田ゼルビア0-0アビスパ福岡

川崎フロンターレ5-3清水エスパルス

横浜F・マリノス4-0浦和レッズ

横浜FC2-2名古屋グランパス

ガンバ大阪0-5柏レイソル

ファジアーノ岡山1-2セレッソ大阪

湘南ベルマーレ1-1京都サンガFC

 

 

1位 鹿島アントラーズ(65)

2位 柏レイソル(63)

3位 京都サンガFC(61)

4位 ヴィッセル神戸(61)

5位 サンフレッチェ広島(59)

6位 FC町田ゼルビア(56)

7位 川崎フロンターレ(55)

8位 浦和レッズ(52)

9位 ガンバ大阪(50)

10位 セレッソ大阪(46)

11位 FC東京(42)

12位 東京ヴェルディ(42)

13位 アビスパ福岡(41)

14位 清水エスパルス(41)

15位 ファジアーノ岡山(41)

16位 名古屋グランパス(40)

17位 横浜F・マリノス(34)

18位 横浜FC(32)

19位 湘南ベルマーレ(26)

20位 アルビレックス新潟(22)

 

勝点4差で迎えた首位鹿島と4位神戸の直接対決はホーム神戸の猛攻を鹿島が凌ぎ切って0-0のスコアレスドロー。上位陣では京都・広島・町田もそれぞれドローに終わっており、特に鹿島・京都・神戸は2試合連続で勝利を逃した中、柏は敵地でG大阪を5-0で倒して2連勝。首位鹿島との勝点差を2としました。なお、次節は京都と鹿島の直接対決が組まれています。

残留争いでは横浜FMがホームで浦和を相手に前半の4得点で4-0の圧勝。横浜FCは勝利こそ逃しましたが、終了間際の同点弾で勝点1は死守しました。一方、湘南は上位の京都を相手に先制、PKストップ、数的優位まで手にして18戦ぶりの勝利が目の前まで迫っていましたが、90+10分の失点によりまたも勝利は叶わず。新潟も東京Vに敗れて入江徹監督就任後も未だに勝利なし。新潟残留の為には新潟の4連勝が絶対条件となり、湘南も他会場の結果次第では降格が決定します。

 

 

ではでは