
万博でサンガを見れる日も過ぎ
どーもこんばんは
【RK-3くん、万博に行く《90》】
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年5月31日
我らが京都。ほんまに京セラさんの優しさは五大陸に響き渡るで#RK3くん万博に行く#大阪・関西万博#EXPO2025 https://t.co/uzaVjZOW4c pic.twitter.com/An2MApzzrZ
さてさて、本日のマッチレビューは2025明治安田J1リーグ第34節、湘南ベルマーレ vs 京都サンガFC の一戦です!
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優勝争いの恐ろしさ、怖さ、そして楽しさ…それらを全て全身で受け止めるような旅も残り5試合となりました。
前節川崎戦、その後に若田部克彦アナウンサーが語った言葉があります。「勝点1を積み上げる戦いから、勝点1では物足りない戦いになった」…その場所では目の前の勝点3に意地でもしがみつき、その為の徹底をしなければならない。金曜日の神戸vs鹿島、土曜日の柏はそれを見せつけてくるものだったと思います。
相手は湘南。彼らは5月から勝利がありません。サンガが一つの引き分けで優勝争いから脱落するなら、湘南は一つの引き分けでJ1が遠のいていく。それは去年までのサンガが戦っていたのと同じフィールド。ですが今年は確かに"違う場所"で戦っています。今日、この場所で他でもない湘南を倒す事で、サンガはこれまでの残留だけを求め続けた歴史から脱却しなければなりません。そしてそれは曺貴裁監督にしても然り。彼はこの場所で名声を築き、この場所で失墜した。そして再起の地でいま、この場所で知らない景色を掴もうとしている。今日ここで湘南を倒す事、それすなわち、サンガにとっては「過去からの脱却」なんだと思います。
知らない世界、知らない景色。夢の次には夢がある。さあ、クライマックスです!
両チームスタメンです。


1-1で引き分けた前節川崎戦からはスタメンを3人変更。ラファエル・エリアスが引き続き欠場となった3トップは今日も原大智を中央で起用し、右WGには負傷から復帰したマルコ・トゥーリオが第29節広島戦以来の出場。前節で負傷退場となった福岡慎平は欠場となり、アンカーに武田将平、平戸太貴と組むインサイドハーフは出場停止から復帰したジョアン・ペドロを組み込んでいます。左WGで先発の松田天馬、ベンチに入った齊藤未月は古巣対決。齊藤はG大阪と神戸在籍時は湘南からレンタルの立場だったので、古巣対決は初めてです。
前節は東京Vとの直接対決を落とした湘南はスタメンを前節の半数以上となる6名入れ替えてきました。中盤には小野瀬康介に加えて奥埜博亮と奥野耕平を置き、鈴木雄斗、松本大弥、中野伸哉もそれぞれ先発復帰。GKは第31節川崎戦からおこしやす京都の在籍歴もある真田幸太を起用しています。
スタジアムには おいしいものが いっぱいだね🍴🍱🍩
— メルちゃん®︎ 公式 (@mellchan_dayo) 2025年10月19日
メルちゃんは おにくの おべんとう あおくんは チュロスを えらんだよ❣️ pic.twitter.com/54oo0vmYjE
第34節ではこの試合が唯一の日曜開催となりました。…なんか今年のサンガ、やけにそういうシチュエーション多くない?この試合は「PILOT♡メルちゃんスペシャルデー」と銘打って開催され、スタジアムにはメルちゃんとアヒル隊長が来場なされるとの事で。
湘南が1994年にJリーグに参入するにあたって改修を行なってから、Jリーグに30年以上使われ続けているスタジアム。バックスタンド中央のスコアボードは独特な特徴の一つですね。このスタジアムでのサンガと試合は因縁めいた感情もある事でしょう。何気にサンガはJ1復帰後はこのスタジアムで2勝1分の好成績。今日はどのようなドラマに導かれるなら。
ほぼファーストプレーから中野伸哉、4分には小田裕太郎が立て続けにシュートを放つなど、先にハイラインな陣形を構築した湘南がサンガの前進を阻害しつつ、高い位置で連続的にプレーし続ける状況を生み出した事で湘南が押し込む時間帯が序盤は続いていました。
とはいえサンガも湘南のラッシュ的な攻撃に比較的早く順応し、今日はマルコ・トゥーリオのところで幅とタメを作れたこともあって前線でのプレー時間を確保。それによって陣地回復をゆっくりと果たしていくことに成功する形に。
そこからは湘南がハイプレス&ショートカウンター気味で、どちらかと言えばサンガの方が前線で保持の時間を増やしながら戦うようなシステムになり、実際にサンガも27分に須貝英大がドリブル突破を試みたシーンのようにチャンスになりそうな場面はいくつかありましたが、なかなかそれをしゅーとちゃんすまで漕ぎ着けていく事ができません。
そして30分でした。サンガは自陣でやや冗長なビルドアップになってしまったところを、武田の横パスが福田に渡るまでの間を中野がカット。ラストパスを受けた鈴木章斗がGK太田岳志を冷静に制するシュートを決めて湘南先制…。ある意味ではサンガが得意とするような形で失点を喫する事に。
強い気持ちが得点に結びつく🔥#中野伸哉 が高い位置でインターセプト
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年10月19日
ラストパスをフリーの #鈴木章斗 が
確実に撃ち抜いた!
ホームの湘南がエースのゴールで先制!
🏆明治安田J1リーグ第34節
🆚湘南×京都
📺#DAZN LIVE配信中 #Jみようぜ #Jリーグ #だったらDAZN#湘南京都 pic.twitter.com/dZQOXDKMt8
それでも大勢としてはまだサンガに分がある展開ではありました。36分、須貝が左サイドから果敢に仕掛けると小野瀬康介に倒されてPK獲得!エリアスがいない為、キッカーには第31節町田戦でもエリアスからキッカーを託された原大智…しかし真ん中に蹴り込んだ右足でのキックは、9月末からスタメンに抜擢された、どこか太田岳志に通ずる苦労人のキャリアを辿った真田幸太に弾かれてゴールならず。
悪いことは続くもので前半アディショナルタイム、セカンドボールへの対処が甘くなったところを突かれたサンガは湘南陣内からのロングボールに抜け出した小野瀬と中野が2人で抜け出す形に。ここで鈴木義宜が中野を倒したプレーがDOGSOと判定されて一発退場。
立て続けに訪れた誤算…怒涛の困難を前にした前半は1点ビハインドで終えます。
後半、サンガは松田と武田を下げて中野瑠馬と佐藤響を投入。システムを4-4-1とした上で、CBの補充は行わず須貝をCBにシフトさせます。
後半と湘南が2本チャンスを作ったところから始まった後半。サンガは湘南のプレスの前にパスコースを探す事が困難となり、同時に対面の相手をなかなか剥がせないという状態になったところでより自陣に追い込まれていく形が目立ち、逆にサンガが敵陣にボールを持っていけた際にはカウンターのビジョンをはっきり持っていた湘南に、特に最終ラインが苦しい上下動を強いられるような時間帯が続いていました。
サンガは64分に平戸とトゥーリオを下げて奥川雅也と長沢駿を投入。湘南も小野瀬を下げて池田を投入。
終盤に差し掛かる頃、両チームともに決定的なシーンが生まれます。71分、サンガは湘南のセットプレーをペドロがマイボールとして残すと宮本が中央を独走してカウンター。奥川に託したボールを置く側が折り返し、最後は長沢がフィニッシュしますが…枠に転がるボールは再びGK真田がスーパーセーブ。直後の72分には今度は湘南が中野の持ち上がりからのサイドチェンジを鈴木雄斗が折り返したところに池田が合わせますが、今度はサンガの太田がスーパーセーブで阻止。お互いに決定機をGKが凌ぎます。
サンガは75分に福田を下げて山田楓喜を投入し、中野と山田をWBとした3バックの形で猛攻に出ます。87分には中野がセットプレーのこぼれ球からミドルを放ち、89分には長沢もショートバウンドのボールをダイレクトで叩きますが…僅かに得点には至らず。
終戦……京都にはその2文字がよぎった。
脱出……湘南にはその2文字がよぎった。
その刹那でした。アディショナルタイム、左サイドでボールをキープした佐藤が一度ペドロに戻すと、ペドロは仕切り直して宮本へ。宮本の縦パスをポケットで受けた中野は山田に繋ぎ、山田は彼だけが見えていたコースへクロス。湘南守備陣の視線が集まる原と長沢を大きく超えたボール、そこにただ1人走り込んだのは須貝!!!
🟣執念でもぎ取った同点弾💥
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2025年10月19日
後半ATに1点ビハインドの京都が#山田楓喜 の柔らかいクロスに#須貝英大 が飛び込んで頭で合わせた!
1人少ない京都が土壇場で追いつく!
🏆明治安田J1リーグ第34節
🆚湘南×京都
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最後に放り込まれたそのボール、最後に喰らい付いたそのゴール!!
最後の最後、苦しみに苦しみ、最後の最後でその糸を握りしめて勝点1を拾い、しかし現実には勝点2を失い……意地と後悔、失態と執念……悲喜交々、壮絶な90分は優勝争いから遠ざかり、それでも生き残る1ポイントを得る結末となりました。なお、湘南はこれで18戦未勝利となっています。
前半は完全に湘南のゲームでした。
湘南はまず、序盤からサンガ陣内にボールがある、サンガ陣内で陣形を組んでいる状態をしっかりキープしていたので、連続してプレスに行ける状況を作りやすかったんですね。そこでまず、先制点というよりもチームとしての先制攻撃的なアクションを起こしていけた。サンガはサンガでそこから逃れようとトゥーリオが幅を取ったりしてワイドな立ち位置を取ろうとしましたが・・・サンガのビルドアップが上手く行く時って、例えばSBのところにアンカーやインサイドハーフが絡み、そことの連動でWGが抜けていけるような場面になってくるんですけど、この日の湘南は特に中野が裏に飛び出していく事で福田が前に出れないようちしつつ、中盤の3枚で武田のところを抑え切った事もあって、純粋に4バックで横断するようなビルドアップをせざるを得なかった。先制点の場面なんかそうですが、湘南が連続性を持ってプレスに行ける状況…言うなれば本来サンガが得意とするような状況を作ってきたなと。
サンガとしてはボール保持自体はそれなりに安定するようにはなったと思うんですよ。ただ今日に関しては、左サイドでは原をどこまで外に出す、或いは中にいさせるのかだとか、右サイドでは攻め上がりを牽制された福田をどう絡ませるのかの立ち位置がチームとして中途半端になってしまった。湘南は湘南で上手く中央でブロックを組みながらサイドでは徹底的に数的優位を作りながらボール奪取時に対面の相手を剥がすシステムを構築できていましたし、逆にサンガは対面の相手を外していくことがなかなか難しかった。失点にしても鈴木の退場のシーンもそういう土俵の上で起こった出来事でしたし、ましてや後半は数的不利を背負った訳で、湘南の強度が落ちるまでそのツケを払う羽目になった部分はあったと思います。
後半の立ち上がりは湘南の中盤より前でのプレスが効いていて、サンガとしては数的不利ゆえにパスコースが少なくなってしまった。即ち湘南からすれば切らなければならないルートが一つ減った事で、前半以上に苦しい展開を強いられていたところは大きかったです。
ただサンガはGK太田のファインセーブや急造DF陣の奮闘でどうにか凌ぎながら、なかなかファーストプレスを剥がせない状況が続いていたんですけど、少しずつ中野を中心に対面の相手を剥がせるようになっていった。そこで相手の背後へのアクションを起こせる長沢と、中野同様に対面の相手を剥がしていける奥川を入れた辺りから湘南のDFを剥がすアクションを起こせるようになり、この辺りで湘南の強度も落ち始めて、最後に投入された山田のところでサイドの起点と角度もつくる事ができた。ペドロも中盤の底のようなポジションでパスを捌いてくれましたし、数的不利ながらむしろ湘南よりもガス欠を遅らせるような振る舞いが出来ていたのは見事と言いますか、ここはまさしく昨季までのサンガに最も欠けていた部分で、チームとしての底上げ、幅の拡張が実によく出来ていた部分だったと思います。それは福田が封じられたら福田や佐藤よりと守備のタレントとしてのイメージが強かった須貝が攻撃で決定的な仕事をするようになった事もそうですし、今日の試合でも途中出場の仕事がことごとくお仕事を全うした事もそうで。チームコンセプトという幹に備える枝葉はすごく増えたなと。
そこに対して一つのボールへの執着や"走り続ける"のではなく"走り切る"執着という元々の良さが絡みついた。佐藤のところから攻撃を仕切り直し、その佐藤を追い越した須貝のゴールはまさにその部分を象徴するゴールだったなと。あれをあの時間に決めたという意味でも。
個々の選手の良かった部分についてはXで言及してるのでそちらをば。
ジョアンペドロは守備時のガンガン行く感じとイエローの枚数のイメージとは裏腹にボールを持った時はマジでボールを落ち着なせてくれるのよな。同点弾も佐藤がちょっと詰まったところを落ち着かせて仕切り直したのはペドロだった訳で。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月19日
最後のCKで「微妙なこぼれ球にも長沢が喰らい付いた事」は影のファインプレー。…
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月19日
それにしても山田楓喜の成長がすごい。ボールをコントロールしてくれる以上に、どんだけハイテンションな展開になってもサイドで時間と角度を確実に作ってくれる。町田戦もそうだったし。
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月19日
須貝、この時点でめちゃくちゃアピールしてるのな。湘南は山田のところで潰そうとしつつ、マークの狙いは完全に原と長沢、そこでボールがこぼれた時用に人数を中央で余らせてようとしていた。全員の背後に須貝がいて、この時点で須貝を確認できていたのは本当に山田だけだった。… pic.twitter.com/FtTc43vzTz
— RK-3 (@blueblack_gblue) 2025年10月19日
この引き分けには2つの側面があると思います。
一つは「後半にサンガが置かれた立場」として。その立場としてのサンガは本当によく追いついた。前半から湘南が素晴らしいパフォーマンスでリードを奪い、ましてや数的不利にまで陥った。その状態でサンガは耐えるところは耐えながら、湘南の強度が落ちてきたところでプッシュアップし、数的不利を感じさせないような圧力をかけていった。その結果としてのあの同点弾があった……。あの状況から追いつけるチームになったという事、それは今季というよりも曺貴裁体制で最もサンガが変わった部分。これまでは胆力から最もかけ離れたチームだと思っていましたが、今のサンガは胆力のあるチームになったなと。
しかしもう一つは「試合前の順位に於けるサンガの立場」として。言うまでもなく、サンガがこの試合で必要だったものは勝点1ではなく3でした。1を取れただけマシというのはそうですが、内容や追いつき方がいくら「よく追い付いた」と評する内容であったとしても、結果は勝点2を落とした事に変わらない。ましてや鹿島が金曜日に引き分けていた訳で、ここで勝点3を取れていればサンガは自力優勝の可能性を残せていた事になる訳ですから、その事実を前にした時、同時に対戦相手が5ヶ月未勝利の19位のチームであることを思うと、いくら残留争いに必死なチームほど怖いチームは無いと言っても勝ち切る必要がありましたし、その意味では前半は明確に失策だったと。意地は見せたが、後悔も残した…それがこの試合の端的な評価だったように思います。
とはいえそれでも、サンガが見せた執念は可能性を繋げた…これも事実です。次の鹿島戦、それは選手達にとって、長いサッカーキャリアの中で、人生で一度だって訪れない選手の方が遥かに多い、そんなスペシャルな一戦です。この場所に立てていること、このプレッシャーを感じていること、それはクラブとして、プレーヤーとして間違いなく幸せなこと。鹿島戦は選手達にとって「今年の大一番」ではなく「人生最大の一戦」であり、クラブとして「クラブ史上最大の大一番」なんです。過去を超えるか、過去を脱却できるのか。歴史の転換点は目の前にあります。
【J1第34節分の順位表のコーナーはガンバ大阪vs柏レイソルのマッチレビューページに記載しています】
大屋根リングクルーズに行ってくる
ではでは(´∀`)