あけましておめでとうございます。
どーこんばんは。
今年もですね、ほどよい自堕落加減をもって世を渡っていきたい次第でございます。よろしくお願いしますね。
さてさて、元旦という事で本日は天皇杯決勝!!生まれ変わった新国立競技場で行われる今年の決勝戦は14:35にキックオフ。対戦カードはヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズです。
アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキ、トーマス・フェルマーレンらスーパースターを擁してクラブ史上初の優勝でダビド・ビジャの花道を飾る事を狙う神戸とJリーグの絶対王者鹿島……中立的に見れば、国立競技場で初めて行われるスポーツの公式戦としてはこれ以上ないカードになったのではないでしょうか。
…そこで、今回は過去の決勝戦を振り返って個人的な独断と偏見で5試合をピックアップしてみました。尚、筆者がリアルタイムで観た試合というのが選定条件ですので、2000年代後半以降からの選出になる事は予めご了承ください。
過去を振り返るプレイバック企画としてキックオフまでの待ち時間、親戚との集まりに疲れた時の暇つぶしにお読み下され。
それではスタート。
第5位
第91回大会決勝
2012年1月1日14:00@国立競技場
FC東京得点者:今野泰幸(15分)、森重真人(36分)、ルーカス(42分、66分)
まさかのJ2降格を喫したが2011年のJ2を圧倒的な強さで制したFC東京と、序盤は苦しんだものの終盤に7連勝を達成した勢いそのままに鹿島、横浜FMを撃破して決勝に駒を進めた京都の決勝は史上初のJ2チーム同士の対決として注目を集めた。両チームの因縁はこの他にも京都監督の大木武、FC東京監督の大熊清は共に2010年南アフリカW杯でコーチングスタッフとして体動していた者同士だったり、2010年J1最終節でFC東京をJ2降格に追い込んだのが既に降格が決まっていた京都だったり。
試合は京都がドゥトラの突破から中山博貴が冷静に決めて先制に成功するが、直後にセットプレーの流れから石川直宏のクロスを今野泰幸が合わせて同点を許す。FC東京は36分に森重真人がロングFKを決めて逆転すると、その後はルーカスが2点を奪って力の差を見せつけ、京都は当時現役高校生FWとして注目されていた久保裕也が1点を返すのが精一杯。FC東京が初の天皇杯優勝に輝いた。
第4位
第89回大会決勝
2010年1月1日14:02@国立競技場
G大阪得点者:ルーカス(6分)、遠藤保仁(77分、92分)、二川孝弘(86分)
名古屋得点者:中村直志(40分)
2008年にACLを制覇したガンバは天皇杯連覇を狙い、2009年にはACLでベスト4まで駒を進めた名古屋は来季もまた再びACLに挑戦する為…ガンバはリーグ戦で3位に入った事で既にACL出場権を得ていたが、アジアを目指す2チーム同士の対戦となった。ガンバのGK松代直樹はこれが現役最後、退団が決まっていたFW播戸竜二がガンバで最後の試合で、名古屋のDF吉田麻也は海外移籍が決定しており、これが名古屋でのラストゲームとなっていた。
試合は開始早々にルーカスのゴールでガンバが先制するが、名古屋も中村直志のゴールで前半のうちに同点に追いつくなど一進一退の展開。しかし後半に入るとガンバの遠藤保仁、明神智和、橋本英郎、二川孝弘の4人からなる「黄金の中盤」がその凄まじさを存分に見せつけてペースを握ると77分に遠藤が鮮やかなドリブル突破からゴールを決めて勝ち越しに成功。そこからは完全にガンバペースとなり、二川と遠藤が1点ずつ追加した試合は4-1の大差でガンバが連覇を達成した。
第3位
第96回大会決勝
2017年1月1日14:04@市立吹田サッカースタジアム
川崎得点者:小林悠(54分)
国立競技場が建て替え工事中という事もあって1964年以来となる関西圏での決勝戦はこの年からオープンした市立吹田サッカースタジアムで行われた。
鹿島はクラブW杯決勝でレアル・マドリードとの激闘を繰り広げ、更には天皇杯のみならずチャンピオンシップも最後まで戦い抜いて満身創痍の状態だった。一方の川崎はクラブ創立20周年のメモリアルイヤーを退任が決まっていた風間八宏監督の下で築いたサッカーの集大成にしようとしていたが、1stステージも2ndステージもあと一歩のところで優勝を逃し、年間勝点2位で挑んだチャンピオンシップではファイナルにすら進めずにリーグ戦を終える。特に鹿島には1stステージでは最後の最後に優勝を攫われ、チャンピオンシップでも準決勝で敗れていた。鹿島がその力を誇示するのか、川崎が雪辱を晴らして風間監督の最後を飾り、長年クラブに着せられたシルバーコレクターの汚名を返上するのかに注目が集まった。
試合は前半に鹿島の山本脩斗、後半に川崎の小林悠がゴールを決めて延長戦へ。しかしそこで、途中加入ながらなかなか活躍出来ずに退団が決まっていた鹿島のファブリシオが獲得した意味を示す決勝ゴールを決めて勝負あり。鹿島が2016年の二冠を達成すると共に19個目となるタイトルを獲得した。
第2位
第86回大会決勝
2007年1月1日14:02@国立競技場
浦和得点者:永井雄一郎(87分)
この年の最終戦は浦和とガンバによる優勝決定戦となった事実が示すように、この年はガンバvsレッズのカードがナショナルダービーと称されるようになった年でもあった。浦和はリーグと天皇杯の二冠と天皇杯連覇、ガンバは2年連続のタイトル獲得と浦和へのリベンジに燃える中で試合が始まる。浦和はギド・ブッフバルト監督の退任が決まっており、ガンバは宮本恒靖の海外移籍が決まっていた事で彼らを優勝で送り出す必要があった。
浦和は怪我やコンディション不良などで主力の複数を欠いていたのに対し、逆にシーズン終盤に離脱していた遠藤保仁、加地亮、播戸竜二といった面々が万全の状態になっていたガンバが圧倒的に浦和を攻め立てる。しかしマグノ・アウベス、播戸のツートップのシュートは中々枠を捉える事が出来ず、前半には播戸が一度ゴールネットを揺らすがオフサイド判定でゴールは認められない。
後半も構図は変わらずガンバが攻め立てるが、GK都築龍太のファインセーブなどでどうしても1点が遠いガンバ。試合は攻め立てるガンバと耐える浦和という構図になり、後に西野朗監督が「このメンバーで点を取らないといけないと思った」とコメントするように完全に主導権を持った試合展開が影響して後退カードを切れないガンバに対し、浦和は長谷部誠、岡野雅行を立て続けに投入する。すると88分、この年は控えに回る事も少なくなかった永井雄一郎が決勝点を挙げてゲームセット。ガンバはまた浦和の前で涙を飲む事となった。
第1位
第88回大会決勝
2009年1月1日14:02@国立競技場
この年のガンバはJリーグ史上に残る過酷な日程を強いられていた。前年のナビスコ杯王者として出場した2月のパンパシフィックチャンピオンシップに始まり、Jリーグ、ACL、果てはクラブW杯を戦い抜き、戦った公式戦の総数はなんと61試合。Jリーグチームが試合を組まれる可能性のある全試合の中で戦っていないのはゼロックス杯とナビスコ杯決勝のみという疲労困憊の状態で、それは西野朗監督が「野戦病院」と称したほどだった。ACLを制して挑んだクラブW杯ではマンチェスター・ユナイテッドと激闘を繰り広げたが、過密日程の影響もあってリーグ戦では8位に沈み、来季もACLに挑戦する為、もう一度クラブW杯の舞台に戻る為にボロボロの状態で勝ち進んでいたのがこの天皇杯だった。一方の柏は2006年のJ2降格時からチームを立て直した石崎信弘監督の退任が決まっており、両チームともそれぞれの情念を抱いて最後の戦いに臨む。
試合は両チームとも一進一退でそれぞれに決定機を迎えたが、特にガンバは過密日程に加えて準決勝では延長戦まで戦い、遠藤保仁、橋本英郎、安田理大といった選手は代表活動分の蓄積もあって精彩をどうしても欠いてしまう。そんな中で西野監督は「ヒーローになってこい」と言葉をかけ、この年は怪我やコンディション不良で大スランプに陥っていた播戸竜二をピッチに送り出す。すると116分、ルーカス、遠藤と繋いだボールをペナルティエリア内で倉田秋が粘って播戸に流すと、播戸のシュートは一度は柏の石川直樹にブロックされたがこぼれ球を自ら押し込んで遂にガンバが先制。ゴールを決めた播戸が一目散に西野監督の元に駆け寄って抱擁を交わすシーンは今なお名シーンとして語り継がれている。
…さぁ、今年の王者は神戸か、それとも鹿島か…運命の一戦はもうすぐです!
…ちなみに神戸が勝てば関西勢全チームタイトルホルダー、全チーム天皇杯ホルダーになるよ。
ではでは(´∀`)