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ORGANIZE〜UEFAチャンピオンズリーグ決勝 マンチェスター・シティvsチェルシー マッチレビュー〜

後述するガスプロム・アリーナはめっちゃ強化版豊田スタジアム感ある。

 

どーもこんばんは

 

 

さてさて、本日のマッチレビューUEFAチャンピオンズリーグ決勝、マンチェスター・シティvsチェルシーの一戦です!!

 

 

 

欧州サッカー、ついにクライマックス!決勝まで駒を進めたのは、長年苦しんだベスト8の壁をようやく突破して初の決勝まで辿り着いたマンチェスター・シティ、トーマス・トゥヘル監督就任後、破竹の勢いで勝ち上がってきたチェルシーイングランド勢対決となりました。シティは勝てば初優勝。チェルシーは11-12シーズン以来2度目。いわゆるオイルマネー対決」という構図でもあるこの一戦は、2003年のロマン・アブラモビッチによるチェルシー買収から続く一連のサッカーの歴史を象徴する決勝と言えるのかもしれません。特にシティからすれば、実力とクオリティに疑いの余地は無い中で、長年指摘され続けた勝負弱さを払拭してCLを獲れるかどうかは、真のビッグクラブになれるかどうかが問われる側面もありますからね。

そしてもう一つの注目は稀代のかねてから親交も深いらしい名将対決。チェルシーのトゥヘル監督は史上初となる「異なるチームを率いての2年連続決勝進出」を達成し、シティを確実に一つの上のステージに上げたジョゼップ・グアルディオラ監督は自身にとってFCバルセロナ時代以来となるCL獲得を目指します。これまで以上に戦術面がフォーカスされそうな決勝戦。歴史に名を残すのは、最後に笑うのはシティか!?チェルシーか!?

両チームスタメンです。

 

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シティはケヴィン・デ・ブライネを中央、ベルナルド・シウバとフィル・フォーデンをインサイドハーフ的な位置に置いた、4-4-2のダイヤモンド型ともデ・ブライネをFWに置いた4-1-2-3とも言える布陣。CLでは久し振りにラヒム・スターリングが先発起用となっています。一方のチェルシーはお馴染みの3-4-2-1システム。エドゥアール・メンディとエンゴロ・カンテは負傷で欠場する可能性が取り沙汰されていましたが、決勝には無事に間に合いました。

デブライネは古巣対決。マフレズとカンテはミラクル・レスター対決やセルヒオ・アグエロラストゲームというトピックもあり、シティのイルカイ・ギュンドアンチェルシーのエンゴロ・カンテとオリヴィエ・ジルーはW杯とCLのW制覇もかかっています。また、今回出場登録されている選手のうち、チャンピオンズリーグ優勝経験があるのはチェルシーのマテオ・コヴァチッチのみで、CL決勝に出場した経験があるのはシティのギュンドアンチェルシーチアゴ・シウバのみです。

 

 

本日の会場はポルトガルポルトエスタディオ・ド・ドラゴンです。FCポルトの本拠地であり、UEFA EURO 2004では開幕戦の会場にもなったスタジアムです。

元々、今シーズンの決勝はロシア、サンクトペテルブルクガスプロム・アリーナで行われる予定でした。しかし昨年のCLが新型コロナウィルスの影響でベスト8以降からポルトガルでのセントラル開催になった為に、勝戦の会場が1年ずつ繰り越された事で今年の会場はトルコ、イスタンブールのアタテュルク・オリンピヤトで行われる事に。ですがここでも昨今の情勢により、トルコが英国政府のレッドリストに入った事と決勝がイングランド対決になった事で、最終的に開催地がポルトガルへと変更されています。

昨シーズンの決勝が行われたのは同じくポルトガルリスボンにあるエスタディオ・ダ・ルス前身のチャンピオンズカップ時代を含めて、決勝戦の会場が2年連続同じ国で行われるのは史上初です。そして今年は有観客で開催できるよ!!

 

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立ち上がりはリヤド・マフレズとラヒム・スターリングの2トップがワイドな位置を取り、その間にデブライネを始めベルナルド・シウバやフォーデンが顔を出す攻撃の形でサイドを中心に攻撃の良い形を多く作っていきました。立ち上がりはペナルティエリアの中にマフレズとスターリングが何度も侵入する場面が多く見られましたが、チェルシーが徐々に対応してくると試合は一進一退の展開に。

 

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シティがカイル・ウォーカーやオレクサンドル・ジンチェンコも含めた人数をかけた攻撃でチェルシーのDFを剥がしながら攻撃を試みるのに対し、チェルシーゾーン状態突入中のエンゴロ・カンテのボール奪取から1トップ2シャドーを中心とした音速カウンターでシュートまで運び始めていきます。39分にチアゴ・シウバの負傷退場でアンドレアス・クリステンセンの緊急投入というアクシデントも発生しましたが、チェルシーの守備組織とセカンドボールに対する集中力は更に高まっていきました。

 

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そして迎えた42分、自陣でボールを回収したチェルシーが左サイドにボールを展開すると、前がかりになったシティDFの一瞬の隙を突いてメイソン・マウントが抜群すぎるロングスルーパス。これに反応したカイ・ハフェルツがGKエデルソンをかわして先制ゴール!チェルシーリードで前半を終えます。

 

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後半に入ると、試合はまさしく「死闘」と呼ぶべき展開が待ち受けていました。ボールポゼッションはいつもに増してシティが持つようになっていましたが、なかなかチェルシーがブロックを固めるアタッキングサードまで進む事が出来ません。そんな中で60分、アントニオ・リュティガーとの衝突でデブライネが無念の負傷退場。これを受けてシティはガブリエル・ジェズスを投入すると、直後にはベルナルド・シウバを下げてフェルナンジーニョを送り込み、ギュンドアンを一列上げたシンプルな4-1-2-3の形にシフトします。

 

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シティはフェルナンジーニョを中盤の底に置いてセカンドボール回収とカウンター対策も施した上での猛攻を試みていきます。77分にはこれがシティでのラストゲームとなるアグエロを投入し、左にジェズスを置いた形にするとジェズスやマフレズ、或いはウォーカーが再三サイドを抉るシーンも見られましたが…中央に折り返したところでチェルシーDFの抜群のカバーリング力に阻まれてしまいます。しかしチェルシークリスティアン・プリシッチというカウンターの脅威となる選手の投入でチェルシーに対して圧は与え続けていきました。

 

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徹底的に押し込むシティは度々切り崩しにかかりましたが、それを跳ね返し続けるとチェルシーとの攻めも攻め、守りも守りもある種の耐久戦へ。アディショナルタイムエリア内での混戦からのこぼれ球をマフレズがGKメンディのタイミングを外した際どいシュートを放ちますが……僅かに枠の上。あと一歩及ばなかったシティ。そしてあと一歩を許さなかったチェルシー……白熱のイングランド決戦は前半のゴールを守り切ったチェルシーが2度目の欧州制覇を達成しました!!

 

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いやー……見応えのある攻防戦でしたね。シティもやりたい事、やろうとした事が出さなかった訳ではないし、デブライネが負傷離脱したからと言って何かが急激にダウンした印象はありませんでした。しかしそこはチェルシーの高い集中力、トゥヘル監督にとってオーガナイズされた守備が最後まで一糸たりとも乱れなかった。それは守備の要であるチアゴ・シウバがアクシデントにより離脱しても、アスピリクエタの気の利いたカバーリングやリュティガーの積極的なチャレンジ、そしてディフェンシブフリーマンことカンテのチートっぷり……そして前線でプリシッチやハフェルツが常にカウンターを狙う姿勢もシティには脅威になっていた事でしょう。

 

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やっぱりトゥヘル凄ぇなと。不本意な形でパリ・サンジェルマンの監督を解任されながらもチェルシーでチームを建て直し、昨年あと一歩で果たせなかったCL優勝への再挑戦権を得る、そして決勝では自身が尊敬してやまないグアルディオラを倒す……ストーリー性を見ればトゥヘルの為にあったような大会だったのかもしれませんね。有観客の雰囲気というのも、やっぱり素晴らしいものでした。

20-21シーズンのヨーロッパサッカーはこれにて終了。皆さんお疲れ様でした!そしてここからはUEFA EURO 2020が始まります。まだまだ見逃せない時期は続きますね。

 

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アグエロもお疲れ様でした。

ではでは(´∀`)