ガンバの一勝でここまで心が落ち着くとは…
どーもこんばんは
さてさて、20-21UEFAチャンピオンズリーグ決勝が迫ってきました!!
対戦カードはマンチェスター・シティvsチェルシー。そう、イングランド勢対決です。
20-21シーズンもクライマックス……シーズンのシメを飾るにふさわしい試合を期待したところですね。試合は日本時間の5月28日28:00(5月29日4:00)にキックオフ。会場はポルトガル、ポルトのエスタディオ・ド・ドラゴンです。
……で、今回はですね、そのCL決勝の予備知識と致しまして、UEFAチャンピオンズリーグ決勝、あるいはシティとチェルシーにまつわるトリビアをいくつか紹介していきたいと思います。豆知識ぐらいの感覚で頭に入れておくと少し面白みが増すとか、増さないとか。
それではスタート!
#1 オイルマネー頂上決戦!
今回のCL決勝を語る上で欠かせないのは「オイルマネー」である。2003年、ロシアの実業家、ロマン・アブラモヴィッチによるチェルシー買収はチェルシーやプレミアリーグのみならず、世界のサッカー史における重要な分岐点となった。シティの場合は2009年にUAEの王族、シェイク・マンスールが買収。この2チームがCL決勝に辿り着くまでのサクセスストーリーは実に似ていると言える。
「石油」「金」と言えば聞こえは良くないが、私自身はこれを否定するつもりなど毛頭ない。むしろ、アブラモヴィッチの出現以来、世界の大富豪がブームのようにクラブ買収を行なったが、上手くいかずにポイ捨てするようなケースも少なくなかった。それを思えば中堅クラブから名実ともに認められるビッグクラブに育て上げたこの2チームの功績は讃えられてもいいと思っている。
#2 同国対決は通算8回目で、イングランド勢対決は3回目
史上初の同国対決の決勝となったのは99-00のレアル・マドリードvsバレンシア。そこから今回を含めて同国対決は8回目。その内訳はスペイン3回(99-00、13-14、15-16)、イタリア1回(02-03)、ドイツ1回(12-13)、そしてイングランドが3回となっている(07-08、18-19、20-21)。
過去のイングランド勢対決は07-08がマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシーで、ユナイテッドがPK戦の末に勝利。ジョン・テリーのPK失敗を覚えている人も多いだろう。2回目が18-19のリバプールvsトッテナム・ホットスパーの試合で、この時はリバプールが勝利した。ちなみに、18-19はヨーロッパリーグの決勝もチェルシーvsアーセナルというカードだった為、欧州大会の決勝すべてをイングランド勢が占める事となった。
#3 両チームのCL優勝回数の合計は1回
チェルシーの過去の優勝は11-12の1回で、シティはそもそも初の決勝進出。近年の実績を見ると少し意外なデータだが、両チームの合計優勝回数1回という数字は05-06決勝のFCバルセロナvsアーセナルの試合以来となる水準である。
#4 チェルシーのCL決勝進出の法則
初の決勝進出であるシティに対し、チェルシーは今回を含めて3回目の決勝進出。だが、この3回には共通点がある。
それこそシティがそうであるように、CLで優勝するチームは長期政権、あるいは1シーズンを通して順調に事が回っている監督が達成されるイメージがある。すべて監督交代を断行した年である事だ。07-08は早い段階でジョゼ・モウリーニョからアグラム・グラントに交代。11-12は多額の違約金を支払ってまで就任させたアンドレ・ヴィラス・ボアスを解任してコーチから昇格したロベルト・ディ・マッテオの下でCL優勝を果たした。
そして今シーズン、クラブのレジェンドであるフランク・ランパードを1月に解任。後任にトーマス・トゥヘルを招聘し、チームは巻き返して既にCL出場権も獲得している。
#5 史上初!異なるチームでの2年連続決勝
前述のように今季途中からチェルシーの監督に就任したトーマス・トゥヘルだが、トゥヘルは12月までパリ・サンジェルマンの監督を務めており、前年にあたる19-20はパリを率いて決勝まで勝ち進んでおり、惜しくも敗れて準優勝に終わったがファイナリストの座を掴んでいる。
そして今季はチェルシーの監督として決勝まで到達。近年で言えばジネディーヌ・ジダンやユルゲン・クロップのようにクラブとして2年連続決勝進出を果たした監督も多いが、異なるチームでの2年連続決勝進出は史上初となる。
#6 チェルシーが優勝した場合のトゥヘル関連記録
チェルシーが優勝した場合に特筆されそうなトゥヘルに関する事柄は2つある。
一つは18-19のユルゲン・クロップ(リバプール)、19-20のハンジ・フリック(バイエルン・ミュンヘン)に続き、それぞれ別のドイツ人監督が3連覇を果たす事になり、これは史上初のトピックとなる。もう一つ、チェルシーが優勝した場合、トゥヘルは史上5人目の「途中就任でCLを制した監督」となる。過去の4人はビセンテ・デル・ボスケ(99-00レアル・マドリード)、ロベルト・ディ・マッテオ(11-12チェルシー)、ジネディーヌ・ジダン(15-16レアル・マドリード)、ハンジ・フリック(19-20バイエルン・ミュンヘン)。
#7 シティは国外大会で51年ぶりの決勝進出
シティがCLで初めての決勝進出であることは多くのところで語られているが、その他のUEFA主催大会に範囲を広げても、決勝進出は1999年に廃止されたUEFAカップウィナーズカップを69-70に制して以来、実に51年ぶりとなる。当時の決勝の相手はポーランドのグールニク・ザブジェで2-1で勝利した。ちなみにELでの最高成績は08-09のベスト8である。
現在のシティのエースはケヴィン・デ・ブライネだが、「マンチェスター・シティ史上最高は?」と聞いたら最も名前が上がるのはダビド・シルバかセルヒオ・アグエロになると思う。11-12開幕前に加入したアルゼンチンFWにとって、このCL決勝が本当のラストゲーム。思えば11-12最終節、プレミアリーグ史に残る優勝決定弾で歴史に名を残した男はここでも歴史を築けるか。
#9 デ・ブライネの因縁
今でこそ世界最高峰の選手である事に誰も疑いを持たないシティのMF、ケヴィン・デ・ブライネ。だが昨今のサッカー界の潮流でいえば、デブライネはむしろ遅咲きの部類に入るのかもしれない。ベルギーでプレーしていた2012年1月、デブライネが初めて欧州トップクラブと契約を結んだ相手こそチェルシーだったのだ。
だが、当時のジョゼ・モウリーニョ監督と上手くいかなかった事もあってチェルシーでの挑戦は失敗に終わる。それでも移籍先のヴォルフスブルクで大活躍すると、シティへの移籍という形でプレミアリーグへの再挑戦を勝ち取った。自身にとって初めての決勝……その相手がかつて夢敗れたチェルシーというのもドラマチックである。
#10 ペップが優勝すれば…
シティを率いて5シーズン目となるジョゼップ・グアルディオラにとってはシティでは初めての決勝進出だったが、4シーズン指揮を執ったFCバルセロナでは2度のCL優勝経験を持っている。もし今回シティが優勝した場合、グアルディオラは史上6人目となる「複数クラブでのCL優勝監督」となる。
過去に達成した人物はエルスント・ハッペル、オットマー・ヒッツフェルト、ジョゼ・モウリーニョ、ユップ・ハインケス、カルロ・アンチェロッティの6人。
同国対決といえば気になるのは今季の対戦成績。今季はリーグ戦での2試合に加えてカップ戦でも激突している。
リーグ戦では第17節、2021年最初の試合でシティが3-1で勝利したが、シティが勝てば優勝が確定するシチュエーションだった第35節では2-1でチェルシーが勝っており、リーグ戦ではそれぞれアウェイチームが勝利した。尚、FAカップ準決勝ではチェルシーが1-0で勝利。シティが勝利した時はまだチェルシーはランパード体制だったので、トゥヘル体制になってからは連勝している。
#12 史上初の「青系」対決
クラブカラーに目を当てると、チェルシーは言うまでもなく青。シティは水色というかスカイブルーなので、系統としては青系にあたる。実はCL決勝に於いて青系vs青系の対決となるのは史上初である。
#13 19-20開幕前の共通点。
シティもチェルシーも、パンデミック前最後のシーズンオフとなった19-20シーズン開幕前に横浜の日産スタジアムでプレシーズンマッチを行っている。この時の対戦相手はチェルシーが川崎フロンターレで、シティが横浜F・マリノス。シティvsマリノスの試合は観に行きました。GLAYのJIROさんも来てたらしい。
#14 意外と深い日本との縁
前述の親善試合にも関連するところだが、この2チームは意外と日本との縁も深い。チェルシーは15-16〜19-20まで日本企業の横浜ゴムがスポンサーを務めていた。現在は胸スポンサーからは外れているが、スポンサー契約は新たに結び直している。
そしてシティは日産自動車がスポンサーとして参入しており、なんといってもシティの運営する「シティ・フットボール・グループ(CFG)」には提携クラブの一つとして横浜F・マリノスも絡んでいる。特に近年のマリノスの躍進の大きな要因として、このCFGとの提携は大きなポイントだった。また、現在ヘッドコーチを務めるファン・マヌエル・リージョは一時期ヴィッセル神戸の監督も務めている。
#15 師弟対決、グアルディオラvsトゥヘル!!
グアルディオラvsトゥヘルがCL決勝で実現するのはやっぱりロマンがある。トゥヘルは憧れの監督の一人としてグアルディオラの名を度々挙げており、グアルディオラはトゥヘルがマインツの監督を務めていた時から賛辞を惜しまず、両者のサッカー観も近いと言われていた。師弟関係とは言えども、例えば監督とコーチや監督と選手みたいな関係があった訳ではないが、親交はかねてより深かったらしい。ちなみに、グアルディオラはバイエルン・ミュンヘンの監督を退任する際、実現こそしなかったが当時ボルシア・ドルトムントの監督を務めていたトゥヘルを後任に推薦していた事をバイエルンの幹部が明かしている。
グアルディオラがバイエルンの監督としての最後の試合は15-16のDFBポカール決勝だったが、この時の決勝戦の相手こそトゥヘル率いるドルトムントだった。試合は0-0でPK戦までもつれ込み、最後はバイエルンが勝利。ちなみにこの時、香川真司がドルトムントの1番手を務めてPKを成功させており、シティのMFイルカイ・ギュンドアンは当時はトゥハル率いるドルトムントの一員としてプレーしていた。
#16 史上初、2年連続で同一国でのCL決勝開催
今年のCL決勝はポルトガル、ポルトのエスタディオ・ド・ドラゴンで行われる。普段はFCポルトが本拠地としているスタジアムで、UEFA EURO 2004の開幕戦が行われた会場だが、収容人数は52000人と近年のCL決勝スタジアムとしてはややコンパクト。
というのも、元々今シーズンのCL決勝はロシア、サンクトペテルブルクのガスプロム・アリーナで行われる予定で、19-20の決勝がトルコ、イスタンブールのアタテュルク・オリンピヤトで行われる予定になっていた。だが19-20を襲った新型コロナウィルスの影響で、19-20ベスト8以降をポルトガル、リスボンでのセントラル開催とし、トルコとロシアでの決勝戦は1年ずつ順延する措置が採られる事となったのだが、決勝の対戦カードがイングランド勢対決になる事が決まった後で英国政府がトルコを新型コロナウィルス対策のレッドリストとして登録。このご時世での移動の兼ね合いも考慮し、英国政府やFAはイングランド国内での中立地開催を求め、最終的にUEFAがポルトガルに開催地を変更するという措置を決定した。トルコは2年連続で決勝を飛ばされた事になる。
結果的にCLの決勝を2年連続でポルトガルで開催する事になったのだが、2年連続で同一国がCL決勝の舞台になるのは前身のチャンピオンズカップ時代を合わせても史上初。また、ポルトガルでの開催は4回目だが、リスボン以外で行われるのも初めてとなる。ちなみに、今季のチェルシーにはポルトガル国籍の選手は所属していないのに対し、シティはポルトガル国籍の選手が主軸を担っているが、ポルト出身選手は一人もおらず、かつ全員ベンフィカの出身である。
さぁ、WOWOW正座待機やで!
そういえばCWC日本とか言ってたね今年。
ではでは(´∀`)